Memorandum

主に観た映画(新作、旧作)の備忘録。目指せ1000

「名探偵コナン から紅の恋歌」感想 

名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)です。

監督は前回に引き続き静野孔文監督。

21作目にして、シリーズ興行収入の最高記録を更新するというキラーコンテンツぶりです。

公開は毎年のGWあたりなので、相当記事のアップが遅くなってしまいました。

 

感想を一言で言うと、なんかどっかで見たことある展開だな〜という感じです。

 

以下感想を書いていきます。ネタバレ注意。 

www.youtube.com

 

こまかいあらすじ等はさておき、観たときの印象はこんな感じです。

◯特殊なラストステージを用意する展開が業火の向日葵とかぶる。

◯ラストは完全に美國島

◯大岡紅葉の豪邸に阿笠博士が住んでないのがおかしい。もはやなんでもありの特許王でしょ

 

最近は、映画として完全に独立させるのはなく、うまく本筋の展開と絡めようとしている感じが見受けられます。今回も、大岡紅葉というキャラクターを新たに作り、本編に今後絡む予定です。

昨年の純黒の悪夢は自分の中では高評価でしたが、今回はアクションだけの展開ではなくちゃんとミステリーやろうとしています。そこはよかった点だと思います。

しかし、ちょっと後付けの情報が多いのが気になります。

例えば、被害者の目が実は悪かった設定とか、あとは平次のお母さんがかるた名人だったとか

平次の母親は剣道の達人だったんじゃ。。

また、本作はきちんと推理物をやろうとしているけど、最近のコナンの人気を考慮したのか、「殺人」をとりまくエグさや、キャラをきれいに保とうとするあまり、犯人の動機の弱さや、勘違いのまま突っ走るケースが増えてしまっています。

以前から「そんな理由で殺すんかい」という突飛さがコナンの特徴ではあったけど、犯人側の視点に立った時にどうしても犯行に至った理由が不明です。

ていうか。。爆弾の調達はいかに?

証拠の遺体とカルタ燃やすのにどんだけリスクおってるんじゃい…という

 

 ただし、どんどん題材選びは難しくなってるのは事実。日常的に殺人事件が発生する米花町といえども、あまり現実的すぎても、このご時世だとただのテロになっちゃいますし。

設定のスケール感が大きいのは劇場版ならではですが、ただステージを変えるだけではなく、事件そのものの緊張感や、とんでもなく頭のいい犯人との対決 というような、視点を変えたコナン映画を期待したいですね。

百人一首という題材をコナンらしいラブコメに絡めたのはよかったので、スケール感ではなくセンスで勝負してほしい。

 

今回の新しいところとしては、平次と和葉が主役であるところです。実質初主役。

コナンが21年続けている実績と余裕を感じます。無理にキャラを作り出さなくても、長い年月で十分にキャラが出来上がり、もはやキャラが勝手に動いている状態というか。

本編では一応脇役の2人が映画になっても人気が出せるのがコナンで、 脇役にもキャラ人気がしっかりつくのがコナンの強さだなと思います。

 

ただ、和葉と平次の絡みにも、既視感があり、人魚島(28巻)事件から大して進展していないのは批判したい。

ちなみに人魚姫事件は、動機のハードさ、トリックの練り具合、犯人の根性ともに、普段米花町で発生するほのぼの殺人事件とは一線を画す出来。 平次の名言も飛び出すシリーズ屈指の傑作ですが、中高生や最近のファンはもしかして知らないのかも?

このふたりはなんだかんだ進展がないので、本筋とうまく絡める感じで、ぐっと進めてしまえばよかったのにとおもいます。

 

「リミット」鬼の一人芝居。

 

監督は、スペイン人のロドリゴ・コルテス、主演はライアンレイノルズ。

原題は「BURIED」(生き埋めの意)

 

映画『[リミット]』予告編 - YouTube

 

非常に簡単なあらすじを書くと、

イラクで働くアメリカ人ポールが目が覚めたら木製の棺に入れられ土の中に

手元には自分のものではない携帯、ライター、ナイフ、ペン、酒

果たして脱出できるのか?

というストーリーです。

 

設定だけ聞くと、残されたアイテムと知恵を使った脱出ゲームのようなものだと想像し、そして、こんな目にあわせた悪いやつは誰だ!!とその正体に驚愕するパターンかと思いますが、見事に裏切られます。

 

まさかの全編ほぼずっと暗い棺桶の中で窮屈そうにひとりもがいているシーンです。

さぞかし予算はかからなかったんだろうなとおもいます。

顔アップばっかりなので、ライアンレイノルズがブサイクだったら間違いなく大コケしていたと思います。

焦燥感、苛立ち。。募る感情を究極的に狭い箱の中でここまで演じ切れるかというところで見応えがあります。

声だけの出演を含めて出演者が非常に少なく、ここまでワンシチュエーションで展開する映画は、知っている範囲では、「12人の怒れる男たち」くらいです。

暗所恐怖症、閉所恐怖症の人にはおすすめしません。

 

以下ネタバレありで考察しています。

 

続きを読む

「セッション」感想

PCが壊れたので更新が滞ってました

ついに(といってもだいぶ前)netflixもデバイスダウンロードに対応し始めましたね。

対応している数はまだこれから増えると思われますが、「いつでもどこでも映画やドラマを」という流れが加速しているように感じます。

 

というわけで、「セッション」です。

監督はダミアン・チャゼル。

2014年にアカデミー賞を取っています。

鬼教師を演じたJKシモンズも助演男優賞です。

  

大雑把な話としては、音大生のアンドリュー・ニーマンと教師のテレンス・フィッチャー(J.K.シモンズ)のドラマです。

教え子を一流に育て上げたいフィッチャーと、音楽で生きて行きたいニーマンの、苛烈なレッスンとその先に行き着いた境地を描いています。

 

www.youtube.com

 

感想を一言でいうと、緊張感を作り出すのが異様に上手いです。 

見ていてとても疲れます。

 

続きを読む

「ゴーストバスターズ(2016)」感想

 最近どんどん遅筆になっているので、もっと軽い文章をさっさとあげた方がよいなと思い始めてます※本記事は3ヶ月くらい前にみたやつです。。

 

はい。キャッチーなテーマソングとロゴでおなじみのゴーストバスターズです。

 

初代から32年経てリメイクされました。
wikiによると、リブート版と呼ばれるそうで。
リブートとは「シリーズにとって核となる要素とコンセプトを整理することで、あらゆる「不可欠でない要素」を取り除く事を可能にし、シリーズをやり直す手法である 」だそうです。

せっかくなので、初代ゴーストバスターズも見た上でいろいろ比較してみたいと思います。(2は未視聴)

公開前レビューは散々だったようですが、特に初代に思いいれもないので、なるべく公平に。。。

 

監督は、1984年版(以後初代)はアイヴァン・ライトマン、2016年版(以後リブート版)はポール フェィグです。

 

お化けオタクのおばさん3人組(後に4人組に)がお化け稼業に勤しむうちに、NYを脅かす大いなる陰謀に気付き…という話です。

 

 

 

以下、感想を述べていきます。

内容に触れていますのでご注意を。

続きを読む

「シン・ゴジラ」感想 

久々の邦画です。

巷で話題の「シン・ゴジラ」。

監督は、エヴァンゲリオンでおなじみの庵野秀明監督です。

 

感想を一言…ゴジラは災害。

 

ゴジラとの関わりといえば、幼少期に親の影響で見ていたゴジラゴジラモスラガメラキングギドラキングコングなどなど豪華絢爛な怪獣たちの華々しい戦いが遠い記憶にあります。

ちなみにエヴァはノータッチなので、その辺りについての今作との関連にはふれません。

 

www.youtube.com

 

 

以下感想です。内容に触れています。

続きを読む

「レクイエム・フォー・ドリーム」感想 最強の鬱映画。

感想を一言、、見ていてとても痛々しい映画。

ホラーじゃないので怖いわけではないけど、「きついな」というのが正直な感想。

非常に強烈なインパクトを受けました。

 

2000年公開、原題は"Requiem for a dream"。

監督は、「ブラックスワン」などを手がけた、ダーレン・アノロフスキーです。

ブラックスワンでもそうですが、グロいわけではないけど心理的に嫌な描写をするのがうまい監督だと思います。

 

ドラッグを題材として、老若男女4人がそれぞれどういう道を辿ってしまうのかという話です。

メインの老若男女4人とは、未亡人で孤独なサラ、サラの一人息子のハリー、その友達で黒人のタイロン、ハリーの恋人のマリオンです。

サラは古いアパートに一人暮らししていて、いつも独りでテレビばかり見ています。ハリーは就職もせず、タイロンとヘロインを吸う生活です。ある日、タイロンが薬の転売でお金儲けをすることを提案します。商売はうまくいき、お金はどんどんたまります。ハリーはマリオンと洋服屋を営む夢を追いかけるようになります。

一方、サラは大好きな番組の出演者に当選したとの連絡を受けます。はりきって、ハリーの高校卒業時に来た赤いドレスを着ようとしますが、テレビをみてお菓子を食べるだけの生活で太ってしまっていました。ダイエットを決意し、友人の娘が使っていたというダイエットピルを使い始めると、みるみる痩せていきます。

こうして、4人の人生は夢に向かって順調かと思ったが。。

というお話です。

 

予告編はネタバレ全開なので、BGMはります。

いい映画はBGMが印象的です。

 

Requiem For A Dream Full Song HD - YouTube

 

以下詳しい感想です。内容に触れています。

 

続きを読む

「ボーンアイデンティティ」感想

感想を一言…ボーンて名前だったんだ。。

 

 

アマゾンプライムは、各種デバイスにダウンロード可能なので、オフラインでも見られるのが良い点ですね。

 

シリーズもになっているボーン・アイデンティティ。有名ですが、全くノータッチだったので、前情報一切なしです。

 

2002年公開、監督はダグ・リーマンです。本作の続編となる、ボーンスプレマシーや、Mr. & Mrs. Smithなどを手がけています。

主演はマットデイモン。

 

 

主人公のジェイソンボーン(マットデイモン)は、海を漂っていたところを助けられます。記憶を失っており、手がかりは尻に埋め込まれていた銀行口座だけ。その銀行に向かうも、命を狙われ、たまたまそこにいた女性マリーを巻き込んで逃避行が始まる…という感じのお話です。

 

 

主人公の名前を取ってボーン・アイデンティティなんですね。てっきりbornの方かと思ってました。

同じくマットデイモン出演作でグッドウィルハンティングも、最初は名前だと知らず、ハンティングする映画かと思ってました。

 

どうでもいい感想失礼!!

 

以下感想を述べていきます。内容に触れていますので注意。

 

 

 

 

 

全体的には、今までありそうだったけど実はなかった映画という印象です。

 

映画の定番ネタである記憶喪失に、これまた鉄板ネタのスパイものを組み合わせています。

その割には…というかそのためか?結構地味。最近そんな感想ばっかりですね。でも決して悪口を言っているわけではありません。

 記憶喪失という設定を存分に生かして、ボーンに共感できるようなストーリーになっていて、地味なのも必然的なことなのです。

 

ボーンは記憶がないので、目の前にある手がかりから先が見えない状況でたどるしかないし、何か危ないことが起きたら、よくわからないけどなぜか備わっている戦闘力や危機回避能力で切り抜けるしかありません。

危ない!逃げなきゃ!倒さなきゃ!という極めてシンプルな行動原理に基づいて行動していて、そこに善意や悪意、ためらいはないのでとてもわかりやすいです。

 

また、何か起きる度に、少しずつ自分のことや状況を察したりするようになります。
この「察する」というのがポイントで、本当に何者か、何が起きたのかということがはっきりと言葉で語られるのは終盤になります。
だから、ボーンが自分のことを知るのと、観客がボーンのことがわかるのが同じタイミングになっています。

 

記憶を失って神経質になっていることに加え、何より見た目も冴えません。

「私のことなんてすぐに忘れるでしょ」というマリーに対し、「忘れるわけはない。知り合いは君しかいないんだから」というボーン。

このセリフによって、マリーも彼と行動することを決心するし、見ている自分たちもボーンに同情に似た気持ちを覚えるのです。

 

この何重かの仕掛けによって、今までにない「共感できるスパイ像」が完成しました。

華やかな出で立ちで相手をなぎ倒し、手際よく女性を転がすようなスパイなら、カッコいいとは思われても共感は得られません。

 

そんなストーリーに合わせて、天気も、終始どんよりとした曇りっぽい感じまたは夜で、最後のシーンだけきれいに晴れていました。

 

記憶喪失をうまく生かしている点がもう一つあります。

見ている側は、シンプルな原理に従って行動するボーンだけでなく、なぜかボーンを殺そうとするCIAの画策も見ています。

自宅に戻ったら危ない、世界中からCIAの諜報員が集まって狙われていることかわかっています。ボーンがあんなに神経を尖らせているのに、間違いなくそこにいたら襲われるということがわかるので、緊張感があります。そこにいたらやばいだろ!っていう。

 

【超一般ピープルマリーさん】

本作のヒロイン、マリーについて。

超巻き込まれ型です。本当に全く関係ない、ただ近くにいてお金に困っていただけなのに、よくわからん人を車に乗せるハメになり、指名手配され、目の前で人が死に、と稀に見る不運な方です。

こういう映画だと、女性の場合、戦闘力が高いか、戦闘力が高くなくても機転の利くスーパーアシストをするか、主人公の愛を一身に受け陰ながら支えるタイプの人(または人質とかになって主人公の足を引っ張るタイプ)と分類できそうですが、この人はどれにもあてはまりません。一歩下がったところから、やや引きながら見ているタイプの一般ピープルです。

作中で、マリーの意思が介在する場面は本当に少ないです。

 彼女の行動原理は、「それしかなくて仕方なく」です。

珍しくて、そして良いキャラですね。とても好感が持てました。

 

 

【雑記】

CIA側は、ボーンが記憶喪失だと知らないはずなので、その割には様子のおかしいボーンに対してペラペラと大事なことを話すなぁと思います。

 

ストーリーの進行はやや遅めです。基本的には襲われる→逃げるの繰り返しなので。

 

銀行口座を尻に埋め込んだ理由はなんだろうと思います。

超優秀だから普通に番号くらい覚えられそうですけど、、記憶喪失の想定でもしてないと体内に直接埋め込む発想にはならないのでは…

証明のために銀行いってケツ出すんですかね?(そんな描写はなかったが)

3000万ドルかけて育成したスパイの割にはなんか哀しい…笑