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大したことは何も書いていない

6月4日

6月の晴天。いつもより青空の天井が高く見える

 

天気予報士は週末に梅雨入りすることを伝える。革靴のまま水溜まりを踏んで、じわりと湿る靴下に嫌気が指す季節

 

濡れた靴下が、ヒタヒタとフローリングを鳴らす。雨の日はいつもよりどこかしんとしている気がする

 

車に乗っていてもそうで、車内を満たすのは雨粒が弾ける音とワイパーがフロントガラスを滑る音ばかりだ

 

雨の日に水面を見ていると、水平線と雲とがどこまでも平行に並んでいるように見える。まるで世界が四角くなったみたいに

 

雨上がりの夕焼けはいつもより明るく見えた。小さい頃、駄菓子屋で見つけた黄金糖の色に世界が染る

5月30日

村上龍の「限りなく透明に近いブルー」を読了する。ディストピア的な世界を、村上氏の美しい文章とともに駆け抜けていく

 

仕事帰りに、量販店でジンとトニックウォーターを買った。店員はやたらにポイントカードを進めてきたが、断った

 

ジンの蓋を開けると、レモンの香りが漂った。昔友人と行った尾道の街で、八百屋の軒先に並んだレモンを思い出す

5月26日

夕方、久しぶりに友人Kと会った。夜はパーティーがあるから、早く集まろうと提案した僕が集合時間に遅れた

 

長堀橋の雑居ビルにあるメキシコ料理屋だった。思ったより人気がある店らしく、席が2時間制であることを告げられた

 

僕はメキシコ料理に詳しくないし、Kは何度かこの店に来たことがあるそうなので、注文は任せることにした

 

ブリトーナチョスと、チミチャンガ。あと僕が頼んだラガービールが運ばれてきた

 

この春から働き出したKの近況報告と、最近の恋愛事情なんかを話した

 

メキシコ料理屋を出て、小一時間ほど歩いた。地下街に宝くじ屋を見つけたから、スクラッチを買った。2人とも外れたから、「募金だな」と言ってその日は別れた

 

 

パーティーは心斎橋のバーで行われた。主催者の美容師さんが出迎えてくれた

 

「来てくれてありがとう」と彼は言って、「おめでとうございます」と僕は返した。今日は彼の美容院の1周年を記念するパーティーだった

 

洗練された空間に、DJのかける音楽が響いていた。僕はバーカウンターでジントニックを頼んだ

 

ソファに腰掛けて流れる音楽に揺れていると、カメラがこちらを向いていた

 

「君たちは友達同士?」とカメラマンは僕に尋ねた。いつの間にか後ろのソファに女性が座っていたらしい。

 

「ほら、服装もリンクしてるから」カメラマンは続けた。確かに僕も彼女も全身黒の服装をしていた

 

僕と彼女は初対面なんですと笑いながら、乾杯をしてカメラマンの写真に写った

 

彼女は会社で働きながら、WEBデザイナーとして活動しているらしい。デザインしたホームページや名刺を見せてもらった

 

2人で話していると、主催者の美容師さんが「珍しい2人が話してるね」と話しかけてくれた

 

「滋賀から来てくれるイケてる青年」と彼は僕を紹介してくれた。僕は結構この肩書きを気に入っている

 

DJの音楽に包まれながら、その後も色々な人と話した

 

留年してるからニートだと話す高身長の青年、ダンサーをしながら保育園で働く同い年の彼、あとからモデルをしていると知った年下のハンサムボーイ

 

歳の近い人たちが挑戦しているのを見ると背中を押される

 

僕は何になろうか

11月13日

気温がガクンと下がったようで、朝がとても辛くなった

 

そういえば昨日ようやく代車が届いたので、今日から代車で出勤する。カーナビも着いたし、オーディオもBluetoothになった。ノンストレスだ

 

やっぱり普段使いの車は、新しい車がいいなぁと思った。普段使いの車と、浪漫枠の車は別で持つべきだ

 

そういえば、なぜか肋骨が痛い

11月12日

言い訳をさせて欲しい。大変な日々だったのだ

 

車で事故をして、仕事でトラブって、女の子にデートをドタキャンされた

 

カネコアヤノも沢山聞いたし、美味しいものも沢山食べたからもう大丈夫

 

明日から、ちゃんとしよう。今日はまだ少しゆっくりしよう

10月31日

先輩にコーヒーを奢ってもらった。ファミリーマートのちょっといいアイスコーヒー

 

お昼休みにその先輩が旦那さんと出会ったきっかけを聞いた

 

また違う先輩に第2子ができたことを聞いた

 

僕より年上の女性は、結婚を意識する年頃らしい。なんだか最近色々リアルだ

 

なんだか疲れてしまって、ZINEの編集に取り掛かれなかった。写真だけPCに取り込んで、カネコアヤノのアルバムを聴きながらゴロゴロとしている