夕方、久しぶりに友人Kと会った。夜はパーティーがあるから、早く集まろうと提案した僕が集合時間に遅れた
長堀橋の雑居ビルにあるメキシコ料理屋だった。思ったより人気がある店らしく、席が2時間制であることを告げられた
僕はメキシコ料理に詳しくないし、Kは何度かこの店に来たことがあるそうなので、注文は任せることにした
ブリトーとナチョスと、チミチャンガ。あと僕が頼んだラガービールが運ばれてきた
この春から働き出したKの近況報告と、最近の恋愛事情なんかを話した
メキシコ料理屋を出て、小一時間ほど歩いた。地下街に宝くじ屋を見つけたから、スクラッチを買った。2人とも外れたから、「募金だな」と言ってその日は別れた
パーティーは心斎橋のバーで行われた。主催者の美容師さんが出迎えてくれた
「来てくれてありがとう」と彼は言って、「おめでとうございます」と僕は返した。今日は彼の美容院の1周年を記念するパーティーだった
洗練された空間に、DJのかける音楽が響いていた。僕はバーカウンターでジントニックを頼んだ
ソファに腰掛けて流れる音楽に揺れていると、カメラがこちらを向いていた
「君たちは友達同士?」とカメラマンは僕に尋ねた。いつの間にか後ろのソファに女性が座っていたらしい。
「ほら、服装もリンクしてるから」カメラマンは続けた。確かに僕も彼女も全身黒の服装をしていた
僕と彼女は初対面なんですと笑いながら、乾杯をしてカメラマンの写真に写った
彼女は会社で働きながら、WEBデザイナーとして活動しているらしい。デザインしたホームページや名刺を見せてもらった
2人で話していると、主催者の美容師さんが「珍しい2人が話してるね」と話しかけてくれた
「滋賀から来てくれるイケてる青年」と彼は僕を紹介してくれた。僕は結構この肩書きを気に入っている
DJの音楽に包まれながら、その後も色々な人と話した
留年してるからニートだと話す高身長の青年、ダンサーをしながら保育園で働く同い年の彼、あとからモデルをしていると知った年下のハンサムボーイ
歳の近い人たちが挑戦しているのを見ると背中を押される
僕は何になろうか