『ショーコ、イケてない、に陥る』の巻
小学生の時分
親とよくデパートに行き、メゾピアノだとか リズリサとか そういう服を買ってもらっていました。
正直自分の好みとかそういうのがわかる年ではなく 親の言われるがままに着ているような感じでした。
朝起きたら今日着る服が畳んで置いてある。
東京の辺境にある小学校ですから、そんなオシャレなんかにみんな敏感ではなく、それよりも動きやすさ重視。
私は私で、業間休みになれば図書室に行きブラックジャックやはだしのゲンを読むような子供でしたから…… 言うまでもありません
親の言う、靴のかかとを踏むなとか 靴下の丈をを揃えなさいとか なぜそういうことを言われるのか理解できませんでした
「みっともない」ってなんだろう。自分が良ければそれでいいじゃない。そんな子供でした。
中学生の時分
見事にアニメ・漫画・ゲームにハマり、厨二病を見事に発症。
この頃になれば、普段は制服です。
さすがに靴のかかとは踏まなくなりましたが、ソックタッチが大嫌いでやはり靴下はだるだるでした。「痛い」が理解できず、やはりみっともない子供だったように思います。
髪の毛の手入れの仕方もわからず、黒髪ロングといえば聞こえはいいですがそれはそれは恐ろしくボサボサでした。
それでも漫画のキャラに憧れ、前髪だけでも真似してみたりしたけれど やり方もわからず みっともなさに拍車をかけまくる日々
劣等感を知る
やめようこの話
高校は女子校
お気づきでしょうか 前述の中学の惨状を見て、恋人なんかできるわけがなかろうと思われた方も多いと思いますが その阿呆が自ら出会いの無い陸の孤島(雌猿はたくさんいる)に飛び込んで行ったのです。失笑を禁じえません。
またもや制服。この頃になると色気づいてくる子達も増え、そういった子達と自分との差が浮き彫りになります。同じ制服を着ているのにこの違いはなんだろう。
しかし然るべき努力をせず、アニメや漫画の知識だけがむくむくに増えていった自尊心だけは強い自分は何がいけないのかわかりませんでした。すべてだというのに。
この頃にはもう、何を着れば良いのかわからない状況でした。
クローゼットには黒い服ばかりが増え、たまに思い出したかのようにベージュやストライプやらが入ってくる。服はあるけど、どう着たらいいかわからない。雑誌も読んだけれど、どうしたらいいかわからない。劣等感の塊。
転機は、大学入学です。
私は美術大学に進学しました。
美大は人間が個性をまとって群生している場所です。個性的人間の博覧会もいいところです。
ここでは、個性が強くなければ生き残れない。そう確信しました。
個性は内面からにじみ出るものですが、滲み出た結果に見えるのは外見です。
服は標識です。「私はこういう人間です」というのを、服は外に発信し続けます。
それが中身と食い違っていても、です。
大人な考えの持ち主なのに、服装が小学校の趣味で止まっている人
エキセントリックな外見なのに、中身が普通の人
いろいろな人と話しましたが、やはり素敵だなと感じるのは「中身と外見が一致している人」です。
大人なコートをカッチリ着こなす、几帳面な大人の考えの人。
自由奔放な、いつもゆったりとした服を着ている人。
見た目と中身が一致しているということは、少なからず「自分を知っている」ということです。私は自分がどんな人間なのかよくわかってないです。ここまで恥をさらしても、です。
自分に似合う服を知っている人って素敵じゃないですか?それって自分に自信を持つことに繋がるんじゃないかしら。
だから私は、自分を知るために服を着ようと思いました。服は自分を表すアイコンであるから。自分を知ることは、自分に自信を持つことにつながると思うから。
まぁ、そう甘くはないんですけどね。
以上