ロボットの確率・統計- 製作・競技・知能研究で役立つ考え方と計算法 を読みました。
筆者の紹介動画はこちら。
読んでみてざっくりの感想としては、初めて見るような概念がほぼ無かったので(自分が)良く勉強したなと感じました。本棚の定位置キープで、気になることがあれば戻ってくる本です。
僕は最小二乗法の数学がよく分からなくなったときに、これなら分かる応用数学教室を読み直します。
https://www.amazon.co.jp/dp/4320017382
先生と生徒の語りがあって、簡単だけど丁寧に説明があるところは似ていると思います。一回読んでわからなくてもこんなことが書いてあるなだけ頭に入れて、実際に計算が必要になったときに読み直すと、ああそういうことかと理解が進みます。おそらくこのポジションの本です。
本の内容
内容は、数学の証明は結構すっ飛ばした上で、
- 確率・統計の基礎
- 確率分布の基礎
- ベイズ
- ベイズフィルター、パーティクルフィルター
- 機械学習
- 強化学習
- クラゲ
と、一冊でカバーできるとは思えない領域を、軽口もいれながら説明しています。概念や数式の紹介で終わらず、もう一歩踏み込んで説明してあるのがうれしい。
大学一年生がこれを読んで一回全部わかるのは難しいです。とりあえずわかるところまで読んで、後は流し読みがお勧めです。気になった事があれば自分でもっと調べたり、もう一回知りたくなったら戻ってくる本です。巻末のポインターは充実してます。参考文献が国内で手に入る本も多く、次の一歩に困ることはないでしょう。大学の先生が書いた本は海外の重要な論文ばかりが並びがちですが、この本は勉強しやすい本を並べているのはすごくうれしいです。
僕はロボットに関しては素人でこの本がどれくらいロボティクスにおける確率統計を俯瞰しているのかは判断できないです。ただ、カルマンフィルタはなんとなく知ってるけど、パーティクルフィルターはわかんないとか、学習の進捗具合はわかる気がします。2年前に読んだら最初の確率統計の基礎以外は何にもわからなかったはずで、今読んでみて結構勉強したなと自信につながりました。
次の一歩
この本を読んで、もっと知りたくなった人向けです。
カルマンフィルターはPythonで学ぶベイズフィルタとカルマンフィルタが一番わかりやすかったです。
強化学習はゼロから作るDeep Learning④が良かったです。
パーティクルフィルターは挫折したので 詳解 確率ロボティクス Pythonによる基礎アルゴリズムの実装をもう一度読み直したい
お勧めの人
ロボット勉強している大学生にはとても良いと思います。 社会人で知らない間にロボット案件にアサインされて、右も左もわからずひたすら勉強しているけど手応え無い人にもお勧めです。 とはいえ、こういう数学を使わないロボットの仕事もいっぱいあるので、目次見て興味があれば買いましょう。