なめこの倉庫

自転車をぐふって受けとめる、川に就職した人に話をきく、泣ける広島県をディスるなど。

【3/3】「社会を良くする」はわがまま‐東京にいったり少数民族に会いにいったりする子に話を聞いてみる

 

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 (前エントリ:

 【1/3】「価値観を揺るがす旅をしたい!」‐東京にいったり少数民族に会いにいったりする子に話を聞いてみる

 【2/3】「選択肢をもってほしい」‐東京にいったり少数民族に会いにいったりする子に話を聞いてみる 

 

 

■「社会を良くしたい」?

 

なめこ: 社会を良くしたい~って、なんでそんな思えるのか。

 

原畑: 大学のときから、人の役に立ちたいってすごく思ってた。なんか、人の役に立たなければ、自分、おる意味ないみたいな。

 

なめこ: 激しい…

 

原畑: 障がい学生支援とかもしてた。すぐに人の役に立てるから。
東京で歩いてると、街頭演説してる人めっちゃいるんよね。こんな一生懸命なのに、みんな無関心で通り過ぎていくのが、すごく悲しくなったりするし、ニュース見ると、シールズ?彼らは彼らなりに、より良い社会を目指してるんだな、がんばろう私も、って思ったり。そういうのが多い。良くすることは好き。でも、政策提案とか、政治からとか、自分はそういうのじゃないなって思って。自分は人と直に接することできっかけを作りたいんだなって。

 

なめこ: 「したい」からしてる。

 

原畑: 結局自分のためだなって思うよ。もし自分が障がい持ったとしてね、車いす体験などしたから分かるんだけど、社会ってこんなに厳しいんだとか、人の目がこんなに気になるんだとか。自分、家族、大事な人が、いつマイノリティになるか分かんないじゃん、病気で職も失うこともある。バイトもできずに鬱になったりとかね? そういうの、個人が批判されることも多いけど、重なってそうなることもあるじゃん。ホームレスの人もそう。

 

そうなったときに大丈夫な社会がいいなって思う。被災者支援をしていて思うのも、自分は愛媛にいるから大丈夫、じゃなくて、なにか不慮の出来事があったとき、マイノリティの人が大丈夫な社会がいい。人と人がつながっていれる社会がいいし、大丈夫だった人が大丈夫じゃない人を助ける社会がすごくいい。結局自分なんよ。もし自分や大事な人がそうなったとき、厳しい社会だったらいやじゃん。

 

なめこ: たしかに。

 

原畑: 障がい者支援してるとき、人によっては、すごい良くはしてくれるんだけど協力的ではなかったりとかもあってね。人が障害をつくるんだなって感じて。良い社会になればいいのにって思った。

 

なめこ: 自分自身は?

 

原畑: うん?

 

なめこ: 普通そういうのって、最初のきっかけが自分にあることが多い気がして。自分がなった、友達がなった、ああ社会ってこんな厳しいのね、もっとこうなればいいのに、だからする、みたいな。なんか逆な気がするんだけど。つらい思いしたから興味持ったんじゃなくて、興味持ったからつらい思いを防ぐって。なんだろうこれ(笑)

 

原畑: たしかに、どっから来たんだろう? とりあえず人が悲しかったら自分も悲しいんよ。あたりまえだけど。「人の役に立たなければ生きる意味なし」、なんか、降ってきたんかな。

 

 

 

■「私」をいれるかいれないか

 

なめこ: 関係ないかもしれないけど、ずっと前の、大学の授業の話でね。社会的弱者に視点をあてて社会問題をよむというか、そこで、やっぱりホームレスのことがでるのね。ホームレス問題があります、松山でもこうこうです、これはこうやって解決していかなければなりません、っていう流れかな。

それで、学生らがビデオの感想書いて出すんよ。私もいつああなるか分からないと思いました、だから解決や支援は大切なんだと思いました、がほとんどなんだって。それを見て先生はむすっとするのね。別に君たちのけがする可能性とか、落ちていく可能性なんて、聞いてないよみたいな。(なめこ訳)

 

原畑: ええ(笑)

 

なめこ: あなたという存在はちがうって。あなたたちは今、正直、四年制大学に通えてるってことは、貧困とは万が一をのぞいて直結しないし、もし障がいを負うってなっても、まず養ってくれる家族がいるから、貧困の負のスパイラルに落ちるのもほど遠いって。「私がなったら怖いとおもいました」って言ってるけど、そういうことを感じてほしい授業なわけじゃない的な。

 

原畑: すごいね、メッセージ性が!

 

なめこ: あなたがどうこう関係なしに、社会のかたすみに問題があるから、解決しなきゃいけないって。私という存在を消すっていう。でも私はたしかにそこにいる。なにこれって思って、ほんとに感動して(笑) 共感するかは人それぞれでも。

 

原畑: すごいね! でも人それぞれでいいんじゃない? 自分は弱い人を助けるときが自己満できるぜ、いいことしてる自分、でも。

 

なめこ: じこまん(笑)

 

原畑: 私も極端に言えばそう。誰かの役に立ってることが自己満。それでもいいじゃん、それぞれで。結果として社会が良くなってれば。

 

なめこ: みおさんの話もさ、「もし自分がこうなったらこんなにつらいんだなって思ったから支援する」って、結局、自分基準だよね。自分がそうなったら嫌だから。

 

原畑: 絶対そう。だって自分や家族がそうなったらいやだし、あっちょっと前に戦争が~って言われてたけど、もしよ、もし今戦争が起きるとするでしょ、食料輸入できなくなって、あーあのとき農、農!農家助けておけばよかった!とか、あのときあの政策投票しなかったらよかったとか。

 

なめこ: 農w

 

原畑: あの時なんでこうしちゃったんだろう、なんであの時こうしなかったんだろう、っていうのを思いたくない。結局自分。
でもね、自分がやりたいからやってるのが50%で、もう半分は参加者の声。自分のつくるIFや旅に対して、意義のある場だった、こういうのを求めてた、投票行こうと思った、そういうの。来てくれるってことは必要とされてるってことだから、他人の存在が半分。ひとがそう思ってくれてるんだったらやろうって思うね。逆にそっちのほうが楽しいかも。自分も楽しい、ひとに喜んでもらえると楽しい、単純にそれかも。イベントつくるのも好きだし。

 

なめこ: なるほど。

 

原畑: 「こういう社会にしたい」があるけれど、いざ見てみるともっと単純だった。
そういうことかもね。それに、やってなければ、今の出会いもないし。たとえば、文化祭もないし、こうやってなめこさんと話していることもないだろうし。

 

(※原畑さん主催のIF(イフ)は、大学の文化祭でもバリバリ。部屋を借り、自分たちの活動内容を展示する、今までの「話し合い」で話してきたことを書き起こして貼りまくるなどした。なめこが偶然そのスペースを訪れたことから、交流が始まっている。)

 

原畑: 純粋に楽しい。それが良い社会に向かうとしたらなおさら。とりあえずやればいいじゃんって思って、じゃあ今回もやりたいなって思って、旅つくりました。参加者募集中!よかったら来てね!

 

なめこ: みんながみんなガチじゃないと思うけど。傍観でいいの?

 

原畑: 傍観OK。それぞれの目的で来てほしいです。今後も関わらなければいけないってことでもないし、それをきっかけにして、みんなが心動いたらなって。「KATITABI」っていう枠があって、それを自由に使ってもらえたら。人の意見を尊重できる、聞ける、さえあれば。

 

 

 

■生き急いでいる

 

なめこ: 行動が早いよね。それにいろんなことに興味もつよね。この間は美容師になるとか言ってた気が。

 

原畑: 言った。美容師になりたいとか、海外に行かねばとか、愛媛でこれせねばとか。人からは根性ないねって言われたこともある。

 

なめこ: (笑) 海外に行きたいの?

 

原畑: 新興国少数民族に興味がある。人と人とのつながりを学ぶことが多いんよ。自営業の人が多いから、家族と一緒にいる時間が多かったり、ごはんも家族や仲間と一緒に食べてるんよ。そういうつながりがいいなって。あと、雇われるようになると、違う形になっちゃうんだなとも。まちで一つのマーケットができていて、そこに皆集まって、新鮮な野菜や豚1匹いたり、すごく食が見えやすいの。本物の地産地消だなって思ったんよ。できたものをすぐ食べれる、そこが交流の場になってコミュニティになって。なんか、そっちのほうがいいなって思った。アバター!みたいな。

 

なめこ: アバターってあの…

 

原畑: なんか少数民族の話っぽい映画。森がこわされていく話。

 

 

原畑: だから少数民族もすごい好き。学ぶことがたくさん。もっと知りたいって思うから、1回、自分がその中に入らなきゃいけないなっていう思いが強くて。

 

なめこ: (入らなきゃいけないのか…)

 

原畑: 入って、学ばせてもらって、日本に還元したいね。

 

なめこ: 学生の時もだいぶ海外には行っていたようだけど、学びきってない?

 

原畑: 1回住みたい。

 

 なめこ: (住むのか…)それが夢?

  

原畑: 夢、やりたいことはたくさん。農家の方々のいいものを、広めれるようにしたいのも目標のひとつ。農家の人さ、自分たちの食べる野菜は無農薬で、売るやつには農薬まいて農協に出荷したりする。したくない人もおるんよ、けど、需要側が望んじゃってるからやってるわけで。だから私たちが変われば供給も変わるかもって。形がわるい、値段が高い、それでも売れるのならつくってくれるはずよ。
あとは、広告にのっていない物や、流通にのりにくい物も、ネット上で販売したりとか。食以外も、伝統工芸品とか。「良い」ものを販売して、それで今回の旅みたいに実際に会いに行けたりもする、地方の良さも知る。仕事も、まわりでハッピーな人少なくて、みんな悩んでてさ。いろんな働き方も知ってほしい。リクナビにのってない仕事、地方の仕事もね。価値モノ・価値タビ・価値ジョブ!3本立てでできたらいいね!

 

なめこ: なんか、日本仕事百貨思い出した。

 

shigoto100.com

 

原畑: あー!働き手の価値観と、求職者の価値観が一致したら、すごい働きやすそうよね。もの、場所、仕事、からめれたらいいな。

今まで、やりたいことは本当にやっちゃってるから、1年後の自分も、今と同じ場所にはいないと思う。○○しようって先輩と話してたら、「じゃあ○日にしましょう!」って、自分の言葉に責任は持つようにしてる。

 

なめこ: うっ。言ったのにできなかった、みたいなのこわくない?(びびる)

 

原畑: むっちゃ自分に追い込まれるー。単に好き嫌いだと思うよ、しんどい思いしてでも実現するか、そんな苦しいなら遠回りでもいっかとか。人それぞれだと思うんよね、好きなほう選べばいいと思うんよ。私は経験が好きだから追うだけで。起業家の人好きなんよね、見てると「ああ、好きなこと見つけないかん!」って強迫観念もてる。やらなきゃ動かなきゃ、って。

 

なめこ: なんでそんなに生き急ぐの。

 

原畑: なんでだろ?人生にむなしさを感じてるんかも。たまに絶望とかするんよ。

 

なめこ: ええ。何に対して?

 

原畑: 分かんない。

 

なめこ: なんやこいつは。

 

原畑: でも死にそうになった経験がある。海外の少数民族を訪れた時、山にひとりになっちゃったり、犬にからまれたりとか。家族や見守ってくれる人への感謝がわくと同時に、死を意識したんかな。生き急いでる。100歳までの人生プランを書きましょうってなったときに、1・2年後まではぎっしり埋まってて、そのあとは死だけみたいになって。

 

なめこ: 死(笑)

 

原畑:未来設計図ぜんぜん書けない。やりたいことはすぐやらねばっていうのが常にあります。

 

なめこ: 馬力ハンパない…。

 

原畑: ということで、KATITABI、開催します。今後もやります。部分参加も可、東京の人も、ふつうに愛媛の人も、興味あったら来てね!

なにかあればなんでも、 if.hanashiaou(アットマーク)gmail.com まで。 

 

 

 

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■ということで

 

いろいろと飛んだ話、ありがとうございました。やると言ったことは本当にやってきた原畑さん。たぶん半年後とか「いま少数民族と生きてる」とか言いそうこわい。

 

どれだけかしこく考えてても、行動してる人には負けます。こわい。じこまんで社会を良くする彼女に、ちょっとだけ、乞うご期待。

 

 

 

■私の紹介よりもちゃんとした日程表をくれました。↓

KATITABI 2015 in EHIME 日程表 - Google

docs.google.com

 

 

 

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