インターネットの炎上の歴史を十数年単位で見てきた人間からの忠告

 

僕がインターネットに触れてもう十数年経つかと思われる。

インターネットを始めてから暫くは画面の向こうの誰ともわからない様な人とのコミュニケーションが楽しくて仕方なかったが、そのうちダークサイドに堕ち、人が炎上している所を見るのが十数年間の趣味になってしまった。

 

最近、Virtualもしくは人間のYoutuberが台頭したり、TwitterなどのSNSにてそれまでインターネットを触ってこなかったような人々が、自身の自己顕示欲を存分に発揮し、更にはそれを収益化しようと奮闘している姿が目に映る。

こうした光景は僕がインターネットを始めた時期ではとても考えられなかった。しかし、いつの時代にも変わらない物がある。それが、炎上である。

炎上に関して言えば、内部の手法は変遷しても、大局的なメカニズムは変わっていない事がわかった。

なので、Virtualもしくは人間のYoutuberが、インターネットで自己顕示欲を発揮するに当たって、(あまり裏取りのない個人的な見解ではあるが)長年ウォッチした経験から色々と忠告をさせていただければと思う。

 

 

 

僕がインターネットに触れた2006年~2007年頃は芸能人や著名人がブログを次々やりはじめていた頃だった。

芸能人がブログを行うことによって、あの人は普段どんな価値観を抱いて生活しているのか、何を考えて何を喰って生きているのかがわかるようになった。今ではTwitter等に取って代わられているが昔は本当に多かった。

ファンとの距離感も近くなる為、芸能人のイメージアップ戦略に使われる様になった。

 

しかし、インターネットというフィールドは、普段は社会の表に出てこないような人間が、匿名性を盾に、負の感情を剣どころかAK47あるいはM2機関銃にして、乱闘騒ぎを日々起こしている場所だということをこの時芸能人の人たちは知らなかった。

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 ↑僕が持っていたインターネット利用者のイメージ

 

僕が最初に観測した炎上はキンコン西野の炎上である。

彼が2ちゃんねるについて、「かっこ悪い」と発言した事がきっかけだった。

www.j-cast.com

↑探したらニュースサイトに記事がありました。西野公論自体はリンク切れ起こしてます。

今思えば、ちょっと見当違いだけどそういう考えの人が居るよなぁ程度の話だったが、当時の2ちゃんねるというのは、自分たちを叩く人、自分たちを食い物にする人(のまネコ問題がいい例)に対して非常に過敏だった。多分だが、オタクバッシングがまだまだ社会的にあったせいで、唯でさえ日常生活にない自分たちの居場所を否定される事や、自分たちのテリトリーを荒らそうとする事に対して敏感だったのだろうと思う。

ある時はブログを閉鎖に追い込み、ある時は創作活動出来なくなるまでに、またある時は大企業が謝罪をするに至るまで追い込まれたケースもある。

 

当時下記のようなコピペが出回っていたが、その2ちゃんねるの攻撃性を如実に表してると思う。

 

"それマジで言ったん?ソースあんならすぐ出せ

マジなら2ちゃんねら総力を上げて潰すが"

 

そのうちブログ文化は廃れていったが、mixiニコニコ動画ニコニコ生放送Twitter等炎上の対象は生主などのネット上での活動を行っている一般人が多くなっていった。

昔は芸能人などの目立つ人々が炎上していたが、今は誰でも炎上する可能性のある時代なのだ。

そして、攻撃性は歴史を重ねる毎にエスカレートし、次第には犯罪やモラル違反を凶弾する側が犯罪やモラル違反に手を染めるという本末転倒な段階まで来てしまう。f:id:neler114:20180326230620j:plain

 ↑現代の炎上のイメージ

 

犯罪性を帯びてきたのは、記憶に新しい物で言えば唐澤貴洋関連の事件だろうか。

 

卒アル開示、本名特定、住所特定(迷惑郵便物の送付)などはそれまでもあったが、

TorVPNを使用したクラッキングや、特定した住居への侵入、リア凸、墓への落書き、市役所への爆破予告等…攻撃者が逮捕されるまでになった事態もあった。

何故、こうした炎上が起きてしまうのか。

 

これは経験論なのだが、炎上する人間は普段から何かしら危うい発言をインターネット上でしている事が多い。

特に、特定の個人や作品を馬鹿にするような発言やイジり発言を普段からしている人は、そのファンあるいは放火魔にマークされる。

炎上の際には、そうした過去の発言などを魚拓を取って晒したり、動画の一部分を切り出したりされる事が多い。

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 ↑魚拓を投げつける放火魔

 

しかし、間違いを冒さずに活動するという事は非常に難しい。

普段から発言が危うい人は生放送等の状況で、何が間違いなのかも分からないような状態でつい口を滑らせてしまう事もある。

特にインターネットにおいて活動するに当たっては、炎上対策というのは必須である。

炎上が起きる前にやるべきなのは、インターネット上にある自分の個人情報はできるだけ全て隠匿された状態にするべきである。些細なユーザープロフィール欄の項目から特定に至る事もある。

 

以下、自分の個人情報を隠匿する為に参考として説明する。

 

・ユーザーID、パスワードの使い回し

 恐らく殆どのユーザーはIDを使いまわしたりしているだろう。最近は連携認証という機能もあって、Twitterで登録したアカウントで別のサービスに登録出来るような物もある。ユーザーパスワードを使いまわしてると、断片的に入力してる情報でも特定の手がかりになってしまう事がある。最近は特にfacebookに気を付けるべきである。facebookは顔写真が基本な上に、性別、年齢、生年月日、住所、職場まで必須(もしくは推奨)入力になっている。こんな物をド正直に書いてたら、facebookだけで嫌がらせに必要な個人情報はおおよそ手に入ってしまう

 

・写真、位置情報

 スマホカメラやデジカメで撮ったデジタル写真にはexifという情報があって、使用している端末機種や撮った日付等画像に関する様々な情報が取得できる。場合によってはGPSの緯度経度情報が挿入されていることもあって、撮った位置が特定出来てしまう。また、そうでなくとも、写真から特徴的な家や風景探しをして特定する方法や、撮影時間と日光の当たる角度を計測し撮影した方位の計測、背景に写った川の状態から中流辺りなのか下流辺りなのかを特定する方法もある。

また、TwitterInstagramには投稿に対して位置情報を挿入できる機能があり、下記の様なサイトで位置が確認出来てしまう。

chizutwi.jp

 

・友人、ファン

友人や元クラスメイトは炎上が起きた際に裏切りがちである。卒アルを開示して、本名を開示して、職業を開示して…とインターネットに書かれていない事を知っている為に、神になるケースが多い。アカウントに鍵をかけても、友人が知らない間にスパイ行為をしているアカウントをフォローをしてしまって、炎上に関する友人の発言から新たに情報が発覚するなどもある。また、友人が裏切ると、LINEのやり取りが晒される事もあったりする。

また、ファンは炎上の際には、非常に役に立たないどころか足を引っ張るケースが多い。励ましたり、アンチは気にするなと言ったりする。これは個人的には逆効果に思っている。火種の少ない内にこうした事をやると、炎上の痕跡を嗅ぎつけてしまう為、放火魔がアーカイブを探索し始めたりする。

あるいは火消しを行おうと、攻撃側へ妨害工作をしたり等、逆に放火サイドの怒りの炎を燃え上がらせる行為に至る場合が多い。また、ファンの中には炎上をキッカケに質の悪いアンチに転換する事もある。キレイな言葉を並べても飽きが来たら見向きもしなくなる、そういう生活を日々送っているのがファンなのだ。だって自分には関係無い事だから

 

また、炎上後のケアについてもよく間違いを冒す人が多く、更に火を燃え上がらせる事が多い。

炎上後に可燃するタイプの人がよく行うのが謝罪だ。

大抵の場合、考えなしに真っ先に謝罪を行うと必ず粗が出てくる。粗が出てくると謝罪も意味を成さなくなり、余計な燃料を投下してしまう事態になる。また、謝罪直後に謝ったからいいやとか思って、普段どおりな感じでツイートをして「こいつ反省してねーな」感を出してしまい、それがさらなる炎上を引き起こすこともある。

また、炎上を放置する人も中にはいる。これは確かに良い方法ではあるが、火種が無くなった攻撃側は住所特定などの出来る行動に移るので、過去のツイート等を探し始める。つまり、放置を行う前に、対策を充分にしていないととても重要な情報が渡ってしまう可能性があるのだ。この段階に来た場合、証拠隠滅を至急で行ったほうがいい

若干不誠実に思えるかもしれないが、炎上の基になる記事や動画はあっても百害あって一理ない。しかも削除さえしてしまえば、元ネタがなくなるので、新たな放火魔が参入するリスクも薄れる。

基本的に炎上は攻撃側が何もしなかったら火種が無くなり、沈静化する為、放火サイドからしてみれば、至急で燃焼剤が必要になってくる。そうなると放火魔はインターネットの海を彷徨い始めるのだ。

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 ↑燃焼剤を探して彷徨う放火魔

 

簡単に述べたが、他にも注意すべき点は多々ある。特定者がどの様にして個人情報を特定するのか、攻撃者がどのようにして炎上するのかをよく観察する事で、対策がつけやすくなる。過去の事例を詳しく見て、どの様に住所や個人情報が特定されていったのか調べてみるのがいい。

 

 

また、いちばん重要な事は、やはり普段から発言には充分に気を付けることである。

唐澤貴洋事件の際にとある名言が生まれた。

 

誰もが心にチンフェを飼っている

 

余計な敵を作ると後が怖いのがインターネットである。チンフェは多くの敵を作り、取り返しのつかない状態まで電子のタトゥーを彫ってしまった。心のチンフェを制御し、自己顕示欲が先行したり、あらゆる方面に敵を作っていかないように心がけるべきである。

 

炎上は時間が簡単に解決してくれる物ではないのである。

2005年に森山直太朗の起こしたハピマテ騒動についても、未だに粘着している人間がニコニコ大百科にいることからも、炎上は時間が簡単に解決してくれるものでは無いことがわかる。

もはや今のインターネットは炎上に関しては、自分の行動がモラルに反するか犯罪なのか関係無く動いてしまう様な人々ばかりで、放火サイドにも自己顕示欲が生まれるという限界状態なのである。

しかも、色々な価値観を持つ人がいるので、活動をしていく際には必ずと言っていいほどアンチの存在が出てくる。このアンチに火を付け、放火魔が手を組んだ瞬間に、取り返しのつかない事態が起きる。

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 ↑手を組むアンチと放火魔

 

なので、インターネット上で活動をする際は炎上時のリスクヘッジはしっかりと行うべきである。

 

因みに、今のインターネット放火魔に言いたいことは一つだけ、スマイリーキクチ事件で検索

 

以上、長々と見て頂きありがとうございました。