1年使った土屋鞄のLファスナー
この1年、愛用している財布がある。
土屋鞄の"Lファス"こと、ナチューラヌメ革Lファスナーである。
[土屋鞄公式HP]
https://tsuchiya-kaban.jp/products/na-l-zip-purse
紙幣とカードが数枚入る程度のコンパクトサイズで、ちょっと外出する時なんかにズボンの後ろポケットにスッと入れられるのが気に入っている。
ポイントカード類は全てスマホのアプリに移行したので、入れているのは保険証、免許証、キャッシュカード、クレジットカードの4枚と数枚の紙幣のみである。
硬貨を入れるスペースもあるが、その分膨らんで野暮ったくなるので、貯金箱に移すなどして、なるべく財布の中に入れておかないようにしている。
このキャッシュレス時代においてはクレジットカードとスマホがあれば事足りることがほとんであり、むしろ現金しか使えないところを避ける傾向にある自分にとっては、このサイズは使い勝手が良い。
領収書を大量に保管する必要のあるビジネスパーソンや個人事業主等の方々には大容量の長財布が便利であるだろうが、そうでなければこれをおすすめしたい。
加えて革好きなので、エージングするヌメ革の質感は長く使用する楽しみを与えてくれる。
今回、ちょうど購入から1年経ったので使用感を記録してみようと思う。
まずは購入時の写真から。
オークというカラーなのだがナチュラルさが気に入って買った。
L字型のファスナー。
新品のため革が固く、あまり開かない。
そして1年使った現在がこちら。
だいぶ色が濃くなっている。
細かな傷や若干の水染みができてしまったが、それもまた"味"というもの。
写真では伝わりにくいが、革が柔らかくなり、かなり開くようになった。
触り心地も使っていくうちに滑らかになってきて、手によく馴染む。
これで5,6千円で購入できるのだからコストパフォーマンスに優れ、ロングセラーなのも理解できる。
通年で購入できるカラーバリエーションとしてはオーク、ブラウン、ブラックが基本となるようだが、時折限定カラーも発売される。
昨年(2019年)のクリスマスに限定で出たクランベリーレッドは妻が愛用している。
だいぶ染み込んでしまったが、表面は雪に見立ててロウ加工がされており、ファスナーは銀色になっている。
また、この手のL字型コンパクト財布は、他のメーカーでも多数販売されており、実際に店頭で手に取って確認してみたりしたが、土屋鞄ほど革の質感、縫製のきめ細かさ、ファスナー開閉のスムーズに優れた品には出会ったことがなく、まさに非の打ち所がない。
また1年後に経過観察としてブログに載せてみようと思う。
夫婦共々、これからも末長く愛用していきたい。
ウォルター少年と夏の休日
小学生の頃、休日に市民会館で上映される少し古い映画を祖父母に連れられて観に行くことがあった。
昔のことなので、どんな映画を観たかは大体忘れてしまって、ただそういうことがあったという記憶が残るばかりではあるのだが、その中でも強烈に心を打たれた作品がある。
それが「ウォルター少年と夏の休日」だ。
2003年に制作されたアメリカ映画で、ウォルター少年がそれまで会ったことも、存在を知ることもなかった大叔父さん2人の家に預けられ、そこで過ごしていく中での出来事を描いたヒューマンストーリー。
この大叔父さん2人というのが、かなりの頑固者で偏屈な性格の持ち主なのだが、主人公ウォルター少年と一緒に生活していくうちに心を通わせ、男として、人として何が大事かを教えてくれる。
それからというもの、TV放映やレンタルで幾度となく繰り返し観てきたが、30歳になった今、午後のロードショーでやはり心を打たれたのでこうして文字に起こしている。
この作品の良いところは、人情味に溢れるストーリーはもちろんだが、数々の冒険と情熱をもって生きてきた2人の大叔父さんが、人生における大事なことを小難しい理屈抜きにして教えてくれるところにある。
例えば夜の湖でハブ大叔父さんが自身の昔話を交えて、迷えるウォルター少年にこんな話をする。
「本当かそうでないかは関係ない。何かを信じたいと思ったら信じろ。」
「大事なのは、それが本当かどうかじゃなく、そうだと信じて生きていくことだ。」
「そう信じるだけの価値はある。どうだ、わかったか。」
信じたいものを信じろ、だがそれが真実でなかったとしても後悔しないだけの覚悟をもて、と言われている気がする。
単に都合の良い部分だけを盲信して、楽観的に捉えるのではなく、自分の心に従って悔いなく生きろというメッセージには前向きな気持ちにさせられる。
また、この大叔父2人はいくつになってもやりたいことに全力なのも気持ちがいい。
中古のライオンを飼ってみたり、湖で釣り代わりに銃で魚を撃ったり、説教と称して若者と乱闘してみたり。
最後は無免許で小型飛行機を乗り回し、宙返りした状態で納屋を飛び抜けようとして、案の定失敗して2人とも即死。
そんな訃報が届いた時ですら「2人らしいな」と微笑む、大人に成長したウォルター少年。
いつまでも繰り返し観たい作品だと思う。