アイデアを市に採り入れてもらうには

 「閲覧席はたくさんあったほうがいい」「子ども用のスペースは広くとってほしい」「新しい本をどんどん入れて」「外国の本や雑誌を増やしてもらいたい」「「図書館の本や雑誌を読めるカフェがあるとうれしい」

 望ましい図書館についてはいろんな考えがあるでしょうが、これから実際に西東京市につくられる図書館に、それらの考えをできるだけ反映させるには、どうしたらいいのでしょうか。

 大事なのは、建設主である市(役所)に、自分のアイデアや希望を伝えることです。

 

「市民の意見を聞く機会をもうける」と市長は明言

 さいわい、西東京市も「市民の意見には聞く耳をもちますよ」というスタンスは示しています。

 中央図書館と公民館、市民会館を一緒にした新たな公共施設をつくるプラン――合築複合化基本プラン――について、丸山浩一市長は去年(2016年)12月の市議会で、こう述べています。

 「市民の皆様へのていねいな情報提供と意見聴取は重要であると認識しており、合築複合化基本プラン(案)を取りまとめる前に、ご意見をうかがう機会をもうけるなど、よりていねいな市民参加を実施していきたいと考えております」(16年第4回定例会)

 

でも、どうやって聞くかは「決まっていません」

 ただ、丸山市長の言う「ご意見をうかがう機会」「よりていねいな市民参加」とは、なにを指しているのか、はっきりしません。

 西東京市に「具体的な方法やスケジュールを教えてください」と尋ねてみると、「現時点で詳細は決まっていません。決まり次第、市報および市ホームページでお知らせする予定です」(文化振興課、2017年4月下旬)という答えが返ってきました。

 

本当は「市民参加」をさせたくない?

 17年中に合築複合化の基本プランをまとめるにしては、なんだかのんびりしているなあ、というのが率直な印象です。もしかしたら西東京市には、「ご意見をうかがって、ていねいな市民参加を実施する」気はあまりないんじゃないか、と勘ぐりたくもなります。

 基本プランは市の内部で事実上完成させてしまい、それを公表する前に、市民の意見を聞く機会(例えば「パブリックコメント」)を短期間もうけるものの、そこで出た意見はほとんど取り入れず、結局は市の考えた基本プランで押し通す――。そんな流れになるのではないかと心配です。

 

関心を示せば、市は好き勝手しにくくなる

 西東京市がもうけるという「ご意見をうかがう機会」を待って、そこで自分の考えを伝えるのもいいのですが、それを待たずに電話やメール、FAXで意見を伝えたり、市役所に出向いて職員に自分の考えを話すのもアリです。

 市民の声を聞きながらまちづくりをするのが市(職員)の仕事なのですから、遠慮はいりません(ただ、時間などは常識の範囲内で)。

 多くの市民が新しい図書館に関心や要望をもっているとわかれば、市は行政の発想や都合だけで図書館をつくるのが難しくなるはずです。そして、市民の意見を取り入れることに前向きになるのではないかと思います。