8月31日から9月1日にかけて書いた文章

この文章は、DULL-COLORED POP 福島三部作を観終わった後に書いている。

 

第20回本公演「福島3部作・一挙上演」 | DULL-COLORED POP

 

ここ一ヶ月間くらいで演劇をしたい気持ちが着々と募ってきてるのは、僕個人としては非常に喜ばしいことである。 

というのは、これは大学"時代"(あえてダブルコーテーションをつける、今とは連続しない別時代だ)に既に感じていたことなのだけど、作品をひとつ仕上げるごとに(アウトプットを積み上げるごとに)、次の作品に取り掛かるために頭を空っぽにする時間及び着想を得るために必要なインプットの総量が膨大になっていく。

しかも大学時代なら他に専念するものもなかったから、それらだけに重きをおいて生活をすればよかった(もといそれだけに重きをおいて生活を放棄することができた)のだけど、今となってはそうもいかない。一日の1/3以上は仕事に費やす必要があるし、今でも頭の中ではついつい週明けの月初業務について考えてしまうし、なんといっても生きるためにはもはや生活は放棄できない。要は頭を空っぽにできないからいつまで経っても次の作品を作りたいと思えないし、そもそもアウトプットに必要なインプットも満足に取れていない。

ここでいうアウトプットというのは、僕にとって明確にふたつに分類されていて、ひとつが映像もうひとつが演劇である。

そもそも、それぞれで大学時代の終わりにその集大成として作品制作を行ったことが、次の作品を作りたいという欲求/衝動/使命感を未だに押さえつけているのではないか。

今となっては時効だろうから書くけれど四回生の夏休み1か月丸々を制作に費やして、FRENZ2017というイベントに映像を出展した。これまでろくに映像作家として活動もしてこなかったけれど、ここでひとつ作品を作らなければ、もうこれから永遠に映像を作りたいと思えなくなるだろうという予感があったからだ。

映像制作というのはとにかく個人競技で、はじめからおわりまでずっとひとりだ。尻を引っぱたいてくれるやつはいないけどその分自分のペースでできる。作品の尺も自分で決められる。つまり少しでもやりたいと思えたら(強い使命感に襲われなくても)、現実的に許される制作時間の範囲でできる長さの作品を自分の作りたいペースで作ることができる。事実、社会人になってからも発表/未発表問わず、手習いに近いかもしれないけれどいくつか作品をつくってこれた。

だけども演劇だとそうもいかない。演劇は一人じゃできない。みんなでやるからには稽古の日程を調整しなければならないし、尺の長さは映像と比較にならないほど長い。時間をどうやって確保するのか。なにより完成がずっと先になる作品づくりに多くの人の時間と労力を割いてもらうことになる。そのためには稽古に当たっては綿密な準備と明確な道しるべが必要だ。演出をするうえで、今作っている作品のおもしろさを役者に信じてもらえないことほどつらいことはない。生半可な覚悟ではできない。等々考えていると重い腰がさらに重くなっていく。ほんの少し芽生えたやりたいという気持ちが一瞬で刈り取られていく。

もしかしたらこのまま自分は演劇とすっかり遠のいてしまうのではないだろうか、それもまあしょうがないんじゃないか、中身が空っぽになった宝箱をいつまでも大事に抱えてるのはやめてもっと別のことをしよう、そうして別のことにのめりこんでいたらいつか思い出すこともなくなるかもしれない、というような、さみしいような諦めのような開き直りのような気持ちをここ1年間ほどずっと感じていたわけです。 

 


  

というような文章を今年の8月末に書いていたようなのだけど、この後なにが言いたかったのか全く思い出せない、が初めに書いてる福島三部作の書籍が今日家に届いてて、そういえば思い立ってなんか書いたなあと思いだしたので、今見返している。ついでにこれだけ長い文章を私的に書くことは僕としては滅多にないことなので、インターネットにあげてみる。

読み返すとなんだかすごくはずかしくなってきたのだけど、書き直したら文章を書いた時の勢いというか熱みたいなのが(あるかどうかはわからないがあるとしたら)損なわれてしまうような気もするので、当時の自分はこう思った、ということにしてそのままの文章で投稿することとする。

 

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続きは思い出したら書きます。

昨日買った牛乳

の佇まいがなんだかとても愛おしい。

 

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『はじめてのおつかい』(林明子 1976)にでてくる牛乳がこんなかんじだったなと思って調べてみたら、べつに似てるというほどでもなかった。(かろうじてちょっと太めのサンセリフで書かれた"MILK"の面影があるくらい)

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