2015年12月公開の注目映画14選!”まだまだ今年は終わらない!!”
スターウォーズ、スペクターと期待のシリーズ作品が公開される12月!
そんな2015年12月公開予定の映画から、Filmarksで大注目されている映画をまとめてみました。(※チェック数700以上の作品)
海外で公開済みの映画に関してはIMDbの評価も載せているので是非映画選びの参考にして下さい。 IMDb - Movies, TV and Celebrities - IMDb
注目の14作品!
1.I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE
上映日:2015年 12月 4日
IMDb評価:8.0
犬小屋の上で様々なキャラクターになった自分を空想するのが好きなスヌーピーは、中でもお気に入りな飛行機パイロット、フライング・エースになって大活躍。宿敵レッド・バロンを追跡して大空に飛び立つ。一方、スヌーピーの飼い主チャーリー・ブラウンも壮大な冒険の旅に出るが……。
2.SAINT LAURENT サンローラン
上映日:12月4日
IMDb評価:6.2
デザイナーとして大ブレイクを果たしたサンローランは、徹底的に美を追及する一方でプレッシャーに苦しんでいた。ブランドのミューズであるベルやモデルのベティ、愛人ジャックとの刹那的な快楽でも心は満たされず、やがてデザイン画を描くことができなくなってしまい……。
3.007 スペクター
上映日:2015年12月4日
IMDb評価:7.2
「スカイフォール」で焼け残った写真を受け取ったボンドは、そこに隠された謎を追って単身メキシコ、ローマと渡っていく。その過程で悪名高い犯罪者の美しい未亡人ルキア・スキアラと出会ったボンドは、悪の組織スペクターの存在を突き止めるが……。
4.メニルモンタン 2つの秋と3つの冬
上映日:2015年12月5日
IMDb評価:6.7
33歳になっても定職に就けずにいる元画学生のアルマンは、ジョギング中に知り合った女性アメリにひかれる。ある日、夜道で2人の男に襲われそうになっていたアメリを助けようとしたアルマンは、逆に刃物で刺されてしまうが、この事件をきっかけにアルマンとアメリは急接近する。
5.杉原千畝 スギハラチウネ
上映日:2015年12月5日
第2次世界大戦時、ナチスに迫害されたユダヤ難民にビザを発給して救いの手を差し伸べ、「日本のシンドラー」とも呼ばれた外交官・杉原千畝の半生を、唐沢寿明主演で描いたドラマ。
6.創造と神秘のサグラダ・ファミリア
上映日:2015年12月12日
IMDb評価:6.6
堪能な語学と豊富な知識を駆使し、インテリジェンス・オフィサー(諜報外交官)として世界各国で諜報活動に携わった杉原千畝は、1939年、リトアニアの日本領事館に赴任。自ら構築した一大諜報網をもって混乱する世界情勢を分析し、日本に情報を送り続けていた。その一方で、日本政府の命令に背いてナチスに迫害されたユダヤ難民に日本通過のビザを発給し、6000人の命を救った杉原の、知られざる信念や信条を描き出す。
7.orange オレンジ
上映日:2015年12月12日
高校2年生の春、高宮菜穂のもとに10年後の自分から一通の手紙が届く。そこには転校生の翔を好きになること、そして翔が1年後には死んでしまうということが書かれていた。最初はいたずらだと思った菜穂も、手紙に書かれていることが次々に起こると次第に手紙を信じるようになり、26歳の自分と同じ後悔を繰り返さないため、そして翔を救うため、運命を変えようと動き始める。
8.母と暮せば
上映日:2015年12月12日
1948年8月9日、長崎で助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前に原爆で死んだはずの息子・浩二が現れる。2人は浩二の恋人・町子の幸せを気にかけながら、たくさんの話をする。その幸せな時間は永遠に続くと思われたが……。
9.スター・ウォーズ/フォースの覚醒
上映日:2015年12月18日
2005年の「スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐」で新3部作が完結してから10年ぶりに製作・公開されるSF映画の金字塔「スター・ウォーズ」のシリーズ7作目。オリジナル3部作の最終章「ジェダイの帰還」から約30年後を舞台に描かれると言われる、新たな3部作の第1章。
10.ディーン、君がいた瞬間
上映日:2015年12月19日
IMDb評価:6.3
1955年、マグナム・フォトに所属する気鋭の写真家ストックは、世界を驚かせる写真を撮りたいと熱望していた。そんな折、パーティで出会った無名の新人俳優ディーンにスター性を見出したストックは、LIFE誌に掲載するため密着取材を開始。ディーンを追ってロサンゼルスやニューヨーク、故郷のインディアナまで旅を続けるうち、互いの才能に感化されるようになっていく。
▼観賞済です!感想はこちら
11.マイ・ファニー・レディ
上映日:2015年12月19日
IMDb評価:6.2
自身の妻を主役にした舞台を控える演出家がコールガールと一夜を共にするが、実は彼女は女優の卵で、舞台のオーディションに合格したことから思いも寄らぬ騒動が巻き起こる。
12.ストレイト・アウタ・コンプトン
上映日:2015年12月19日
IMDb評価:8.1
1986年にアメリカ、カリフォルニア州コンプトンで結成された「N.W.A.」は、暴力に走らず、ラップという表現で権力者たちに立ち向かった。理不尽な社会や警察へのメッセージを暴力的なリリック(歌詞)で表現したことから、警察、さらにはFBIからも目をつけられる「世界で最も危険なグループ」へと成りあがっていく。
12.きみといた2日間
上映日:2015年12月23日
IMDb評価:6.4
婚約までした恋人に突然別れを告げられたメーガンは、就職活動もうまくいかず、ルームメイトからも部屋を追い出されてしまい、途方にくれていた。そんな現状を変えるため、ネットの恋活サイトに登録し、そこで知り合ったアレックの部屋で一夜を過ごす。翌朝、メーガンは二度と会うこともないであろうアレックの部屋から立ち去ろうとするが、やむにやまれぬ状況から部屋を出られなくなり、もう一晩過ごすことなってしまうのだが……。
13.完全なるチェックメイト
上映日:2015年12月25日
IMDb評価:7.3
アメリカとソ連が冷戦下にあった1972年。15歳の時にチェスの最年少グランドマスターになった経歴を持つボビー・フィッシャーは、その突飛すぎる思考と予測不能な行動のせいで変人として知られていた。アイスランドで開催される世界王者決定戦に出場することになったフィッシャーは、チェス最強国ソ連が誇る王者ボリス・スパスキーと対局。両国の威信をかけた「世紀の対決」として世界中が勝負の行方を見守る中、一局目で完敗したフィッシャーは極限状態に追い込まれながらも、驚くべき戦略でスパスキーに立ち向かう。
14.神様なんかくそくらえ
上映日:2015年12月26日
IMDb評価:6.0
ヒロインを演じたアリエル・ホームズの実体験をもとに、アメリカ・インディペンデント映画界の気鋭ジョシュア&ベニー・サフディ兄弟監督が映画化した。
マンハッタンのストリートで暮らすドラッグ中毒の少女ハーリーは、同じくジャンキーの青年イリヤのことを深く愛するあまり、イリヤに言われるがままカミソリで手首を切ってしまう。
個人的注目映画4選!
映画祭の受賞歴があったりやキャストが気になる作品を選びました。
1.アンジェリカの微笑み
上映日:2015年12月5日
IMDb評価:6.3
若くして亡くなった娘の写真撮影を依頼されたイザクは、白い死に装束姿で花束を手に眠るように横たわるアンジェリカにカメラを向けた。イザクがピントを合わせた瞬間、ファインダー越しのアンジェリカがまぶたを開き、イザクにやさしく微笑んだ。驚きながらも撮影を終えたイザクが写真を現像すると、今度は写真の中からアンジェリカが微笑みかけた。連続する不思議な出来事から、すっかりアンジェリカに心を奪われてしまったイザク。そんな彼の思いに応えるかのように、アンジェリカの幻影がイザクの前に姿を現す。
▼ 2015年4月に亡くなった監督が101歳の時に撮った映画。
2.独裁者と小さな孫
上映日:2015年12月12日
IMDb評価:7.2
独裁政権が支配する国でクーデターが起きた。これまで国民から搾取した金で贅沢な暮らしを送り、政権維持のため多くの罪なき人々を処刑してきた老齢の独裁者は、幼い孫と共に逃亡生活を送ることに。羊飼いや旅芸人に変装して正体を隠しつつ海を目指す彼らは、その道中で驚くべき光景を目撃する。
▼2014年の東京フィルメックスで上映され、観客賞を受賞した映画。
3.リザとキツネと恋する死者たち
上映日:2015年12月19日
IMDb評価:8.0
1970年代のブダペスト。リザは日本大使未亡人の看護人として住み込みで働いていた。リザを癒してくれるのは、リザにだけ見ることができる幽霊の日本人歌手・トミー谷による軽妙な歌声だけだった。そんなある日、リザの留守中に未亡人が殺され、さらに周囲で殺人事件が相次ぐ。不審に思った刑事ゾルタンは下宿人を装って屋敷を訪れるが……。
▼第35回ポルト国際映画祭でグランプリ、第33回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭で審査員と観客賞を受賞した映画。
4.あの頃エッフェル塔の下で
上映日:2015年12月19日
IMDb評価:7.0
長い海外生活を終えて故郷フランスへ戻ることになった外交官で人類学者のポールは、パスポートに問題が見つかり空港で止められてしまう。自分と同じ名前のパスポートを持つ男に共産圏のスパイ疑惑がかけられていると聞いたポールは、心の奥にしまい込んでいた青春時代の思い出を呼び起こしていく。決して平凡とは言えなかった少年時代、危険に満ちたソ連への旅、そして憧れの女性エステルとの恋。パリの大学に通うポールと故郷リールで暮らすエステルは、互いを思いながら毎日のように手紙を書きつづっていた。数十年ぶりにエステルからの手紙を読み返したポールは、ある真実に気づく。
▼ 巨匠デプレシャンの最新作
最後に
スターウォーズの存在感が強いですが、その他にも期待したい作品が目白押しです。
特に私は『完全なるチェックメイト』(25日公開)を激推しなので俄然クリスマスが楽しみですね。映画って素晴らしい。←
『ディーン、君がいた瞬間』感想”デハーンが死を予感させるディーンを演じたアートな作品”
映画『ディーン、君がいた瞬間』を見た感想をネタバレなしで書いています。
デイン・デハーンとロバート・パティンソンという才脳溢れる若手俳優二人が実在した人物であるハリウッドスター”ジェームズ・ディーン”とカメラマンの”デニス・ストック”を演じた作品です。東京国際映画祭で特別招待作品として上映されていたので、全国公開より一足早く鑑賞してきました。※Deen「君がいない夏」とは全く関係ありません。
リリース情報
日本公開日:2015年12月19日
簡易感想
私的好き度:★★★☆☆
笑える:☆☆☆☆☆
泣ける:★☆☆☆☆
怖い:☆☆☆☆☆
スカッとする:★★☆☆☆
ドキドキする:☆☆☆☆☆
心があったまる:★★☆☆☆
憂鬱になる:★☆☆☆☆
映画感想
死を内在したカメラマンと被写体の関係性を”感じる”作品
日本にカメラが初めて登場した頃、人々は本気で「写真に撮られたら魂を吸い取られる」なんて考えていたみたいですが、写真というものはどこか”死”を感じさせるものであると思います。
この映画はジェームズ・ディーンが死ぬ直前のカメラマンとの交流を描いた作品となっていますが、決してジェームズ・ディーンの伝記映画ではなく、どちらかというとカメラマンと被写体という特殊な関係性をそんな日本人が感じたような死を匂わせながら表現した作品と言えます。
この映画は先ほど述べた通り、ジェームズ・ディーンとデニス・ストックという二人の人物の交流を描いた作品となっていますが、そもそもこの二人って誰なんだいと思う方もいるでしょう。私も映画好きとしてディーンは知っていましたが、デニス・ストックと聞いて『イージー・ライダー』が見たくなったほどには知りませんでした。ということでまずは確認したいと思います。
▼ジェームズ・ディーン
・アメリカの俳優(1931年2月8日~1955年9月30日)
・『エデンの東』でキャル・トラスク役で初めて主役を演じる。(彼はこの役でアカデミー賞の最優秀主演男優賞にノミネートされた。)
・『理由なき反抗』で主役を、『ジャイアンツ』で準主役を務める。
・24歳の時に交通事故で死去
▼デニス・ストック
・アメリカのカメラマン(1928年7月24日~2010年2月11日)
・1951年「ライフ」誌のフォトコンテストで新人賞を最年少で受賞し、同年マグナム・フォトに参画(当時、彼はハリウッドの報道写真家として地位を確立し、映画スターの写真をドキュメンタリースタイルで数多く撮影していた。)
・1955年、映画関係者のパーティーの席で『エデンの東』でスターダムに上りつめようとしていたディーンに出会い、その日常を撮影し、数々の作品を残す。
注目したいのは、ジェームズ・ディーンが一気にハリウッドに上り詰め24歳という若さで亡くなってしまったということ。
そしてデニス・ストックとジェームズ・ディーンの交流は本当にディーンの死ぬ間際に行われたもので、決して昔から馴染みのある二人ではないということです。
でも彼らの交流というのは描く価値がある。というのも、表面的な理由で言うと、デニス・ストックが撮ったディーンの写真というのは今でも多くの人の目に触れる機会のあるくらい有名だからです。雨が降る中、ジェームズ・ディーンがコートのポケットに手を入れながらタバコを吸って歩いている写真なんか、ディーンを知らない人でも一度はどこかでみたことがあるのではないでしょうか。
そしてそんな表面的な理由以外でも私は彼らを描く価値があると思っていて、それが前述したように、被写体とカメラマンという特殊な関係性を死を匂わせながら表現したということです。それを描いたことにこの映画の価値があるのではないか。この映画の面白さがあると思うのです。
この映画はぶっちゃけて言うと結構退屈でして、テンポが遅く、「っで何が言いたいの?」と思わせるようなメッセージ性のない作品です。
監督はメッセージ性なんてそもそも持たせる気がなかったと言っていて、そうではなく「ニュアンスを楽しんで欲しい」なんていうモヤモヤするようなことを言っていましたが、まさにその通りの映画でしたね。
でも駄作と言えばそうではない。好きか好きじゃないかで言ったらそんなに好きではありませんが(←)、類似作品をみたことがないという点で結構心に残る作品でした。
こういう作品は私にとっては厄介で、好きじゃないのに何だったんだと考えてしまう。そして自分の見方が悪かったんじゃないか、あの時体調が優れなかったからな、とか考えてどうにかこうにか記憶を辿って映画の良さを再発見しようと試みてしまうのです。
そうこうして約ひと月が経ってから今こうして感想を書いているわけなんですけど、なんとなくねその監督の言った「ニュアンス」とやらを言葉で表現できるようになってきたかなと思ってこうして文章を書いています。
・・・っで話を映画に戻しまして。答えとして、被写体とカメラマンという特殊な関係性を死を匂わせながら表現した映画という意見を提示しましたが、この映画のジェームズ・ディーンは死の直前の姿ではあるけれども、もうまるで死んでいるように感じるのです。
『理由なき反抗』のイメージが強いですが、この映画ではいきなりなってしまったスターとしての自分に疑問を感じ反抗的な態度を示しながらも、どこかもう自分の望んだ世界がないと悟ったような姿を見せています。
生まれた場所こそ自分の居場所であると思いながら、もう戻れないと思う。ハリウッドで輝く映画スターとしてではなく、24歳という一人の若い青年がそこにはいるのです。
そしてそんな青年から感じられるのは、死なんですよね。いつか自暴自棄で命を経ってしまうのではないか、というよりも、もうすでに死んでいる。正式に言うとそう感じてしまうくらいには、この映画のジェームズ・ディーンは神秘的に死をまとっているのです。
っでそれを撮るのがデニス・ストックという一人の青年。ディーンより2歳年上で子供がいる。だけれど妻とは仕事で会えないせいで離婚していて、時々会う子供にも好かれていない。ディーンが出会ったこの男は若者らしく野心を持ちつつ、責任を持たないといけないと悩んだ青年でした。この映画はディーンよりもデニス・ストックの気持ちの方が描かれていて、彼のくすぶっている様子がメインで描かれているように感じます。
面白いなと思うのが、ディーンが早くに亡くなったのには反対に彼は82歳まで生きたということです。
カメラマンというのは、生きて被写体の生を残す役割を持ちながら、被写体の死を予感させるものであると考えます。写真は魂を吸い取ると考えた昔の人のように、私も写真から死を感じてしまうからそう考えるのですが、これが私の感じ取ったニュアンス(=意味合い)と言えばそうなのかもしれません。
つまりこの映画が写しているものというのは、死が内在する被写体とカメラマンという特殊な関係それ自体だと思うのです。そういう点で早くに亡くなったディーンと死ぬ直前に彼と交流のあったデニス・ストックで表現することはとても正しかったと思います。
でも死を予感させる作品であるということは、その物語からも間違いはないでしょう。被写体の生を瞬間的に切り取るカメラマンと死を予感させる被写体の関係を描いたこの作品は想像してしまう青春というイメージからは全然違います。
万人が口を揃えて「感動した!」なんて言うわかりやすい作品でもございません。しかしながら、アート写真を見るようにしっとりした映像と俳優の挑戦的な演技を楽しめる作品でしょう。
▼あらすじ
1955年、マグナム・フォトに所属する気鋭の写真家ストックは、世界を驚かせる写真を撮りたいと熱望していた。そんな折、パーティで出会った無名の新人俳優ディーンにスター性を見出したストックは、LIFE誌に掲載するため密着取材を開始。ディーンを追ってロサンゼルスやニューヨーク、故郷のインディアナまで旅を続けるうち、互いの才能に感化されるようになっていく。
デハーン!デハーン!デイン・デハーン!!!
ところでこの映画の注目ポイントは、ジェームズ・ディーンを描いたこと、という他に何よりも主演俳優のデイン・デハーンとロバート・パティンソンなのは確実でしょう。
そんな私もデハーン目当てで鑑賞を決めたのですが、デハーンに関しては3ヶ月で体重を11キロ以上増やし、特殊メイクをして役に挑んでいるくらいにディーンに近づこうと演技をしています。
監督からオファーがきた時は「ディーンを好きだから出来ない」という理由で出演を断っていたようですが、デハーンが主演を務めた『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』を機に交流のあったメタリカのバンドメンバーを仲介して出演を承諾してもらったという経緯があるようです。
美形のロバート・パティンソンとデハーンがブロマンス的な関係を持つキャラクターを演じているという点でも魅力的と言えるのかな。笑
『トワイライト』シリーズから抜け出そうとしているロバート・パティンソンとまた新たな一面を見せてくれたデハーンの演技に注目したい作品です。
最後に
エンドロールで実際にデニス・ストックがディーンを撮った写真が映されるので、最後まで席を立たずに、二人が生んだ見事な瞬間を感じることをおすすめしたいです。
映画『ディーン、君がいた瞬間(とき)』予告編 - YouTube
▼映画祭特集!
『恋人たち』感想”理不尽さの溢れたこの国に愛はあるか”
映画『恋人たち』を見た感想をネタバレなしで書いています。『ぐるりのこと。』で有名な橋口監督の7年ぶりの長編映画ということで、多少の期待を膨らませながら観賞。こういう邦画が見たかったんだよという痛々しくなる人間ドラマと日常生活で繰り広げられるゆるい笑いの数々に大満足で劇場を後にすることが出来ました。これは間違いなく傑作です。
リリース情報
日本公開日:2015年11月14日
簡易感想
私的好き度:★★★★★
笑える:★★★☆☆
泣ける:★☆☆☆☆
怖い:☆☆☆☆☆
スカッとする:★☆☆☆☆
ドキドキする:☆☆☆☆☆
心があったまる:★☆☆☆☆
憂鬱になる:★☆☆☆☆
映画感想
痛々しくも笑いが起きる人間ドラマと今の日本の姿を描いた作品
例えば昨年の年末に『100円の恋』が、今年の2月に『さよなら歌舞伎町』が上映されましたが、同じように不器用な人間の日常を描いた邦画作品がこの『恋人たち』です。
そして例にあげた映画と比べたら、全く人間的に魅力的なキャラクターが出てこないところ、美人もイケメンも全くいないのがこの映画の特徴と言えば特徴で、それほどに今の日本の理不尽さに苦しみながらひたむきに生きるしかない人々を等身大に描いている作品と言えるでしょう。
はじめにスクリーンに映し出されるのは、ヒゲが生えて大柄な男。彼は何やら自分の妻との結婚について思ったことを語っている。しかし明らかに彼はその部屋に一人で、誰かと生活している雰囲気でもない・・・。
そんなシーンから始まるこの映画は妻を失い精神を病んだ男と、ケチな姑と退屈な夫と暮らしている主婦と、ゲイのエリート弁護士という3人の人間を主人公に、彼らを直接的に関連させながらそれぞれの日常を描いた作品となっています。
始めにも言いましたが、「全くなんなん!」と苛々さえするほどこの主人公たちを中心に人間的に嫌な人ばかりが登場します。
私の性格が悪いからかもしれないけど(←いやきっとそう)、なんで人の気持ちがわからないの?なんでこんな頭悪いの?もっと落ち着いてよ?・・・とね、苛々しまくりました笑
っで何でこんなに苛々したかというと、登場人物がとにかく不器用だからですよね。不器用で自分しか見られなくて、こういう人間にはなりたくないと彼らを見て思うのです。
こういう映画ってなかなかないと思っていて、特に痛々しい邦画(『100円の恋』『さよなら歌舞伎町』『そこのみにて光輝く』)では不器用だけど愛おしい、応援したくなる、そんなキャラクターが魅力になっていたと思います。
でもこの映画には本当にいない。笑えることはあったけれど、基本的に「勘弁してくれ!」って思うんです。そう「勘弁してほしい」という気持ちから苛々してしまったんですよね。
それでこの苛々したって話の目的なんですけど、苛々して思った勘弁してくれという気持ちが、彼らのようなどうしようもない人間のことを「見たくない、考えたくない」という気持ちから起こっていた、ということがこの映画が訴えることに繋がるんじゃないかと思うのです。
そう私はこの映画は今の日本で暮らしていて日常的に意識しているかしないかに関わらずおそらく多くの人が目をつぶってしまおうと思う人間たちや出来事を描いている作品なのだと思うのです。
『恋人たち』だなんてストレートに恋愛映画だと思うタイトルですがこの映画は恋愛映画ではありません。
タイトルにはなんだかんだ納得ではあるけれども、この映画は甘い恋愛描写はなく、どちらかというと社会派な人間ドラマであると思います。
それは『さよなら歌舞伎町』での描かれ方と似ているけれども、それよりもグッと映画の主軸に近づけたものであったという印象を持ちました。
オリンピックが人々の希望になっている反面、そうではなく現実的な救済を求める人は多くいます。
相対的貧困率の高い日本の姿が、まるで主人公の一人である男の仕事場のように、誰も見ることのない東京の橋の下と発展を止めない賑やかな地上という格差のある風景にあるように感じられ、この作品は「これが日本の姿である」と決して大げさにではなく日常目線で訴えかける映画であると思いました。
この目線の置き方に妙に現実的であるという説得力があるなと思ったんですが、なんと橋口監督が実際に経験して感じた「日本の嫌な感じ」が作品づくりのきっかけになっているみたいなんですよね。
金銭トラブルに見舞われてお金がないなか、一回相談するのに何万とお金がかかる弁護士に「人生ってこんなもんだよ」みたいなことを軽く言われた経験、東北大震災。
『ぐるりのこと。』の後に監督が実際に日本の嫌な感じの被害者になって肌で感じてきたからこそ、日常生活から日本の姿を描くことが出来ているのだと思いました。
劇中にあった「いじめってマスコミが作ってるんでしょ?」というような台詞も実際に口にした人がいたらしく、想像以上に日本の怖さ、気持ち悪さがそのまま映し出されています。この想像以上にと思ってしまった自分の無知さ、無関心さも見た後怖くなってきますね。
っで私のように日本の嫌だなと思う部分を見ることを避けている人は、この映画を見て「勘弁してくれ」と思うのでしょう。
そして見ないようにした人たちはどうしたらいいかわからなくて、でも生きるしかなくて、誰も自分の言葉なんて聞いてくれないんだけど、口に出して、行き場のない思いを吐き出す・・・
そんな理不尽さに苦しむ人を見て、痛い痛いと胸を痛めることは間違いありません。ハードと言えばハードな作品。けれども思わず笑いが止まらなくなるような日常描写を見て良くも悪くも「ああこれが現実なんだな」と感じる。
感じ方の度合は人それぞれだと思うけれど、私立の大学に4年間通わせてもらっている平々凡々な人間からすると、正直ちょっとショックであったりはします。
新宿西口のホームレスを見て見ぬふりをしている自分に対して、その卑怯な心、日本に広がる嫌な感じの正体を見させられたような気がして、じわじわと落ち込みました。
しかしながらこの映画の魅力は、絶妙なゆるさと笑いなんですよね。主人公以外の登場人物はなかなかにみなさんキレてるんだけど、かっこつけない醜さのある姿に日常性を強く感じられて、そのあまりに自然体な掛け合いが笑える。クスッてレベルではなくて実際声が出るくらい笑えるところが多かったです。
こういう笑いは日本人にしかできないよな、とプラスの面で日本らしさを感じることが出来るのもまたこの映画の良いところでしょう。
最後は希望と呼べるほどの希望ではないけれど、どこか心のつっかえが取れるような感覚を呼ぶ終わり方。
誰も思いを聞いてくれない理不尽な世の中に対してやりきれない気持ちが広がっている決して明るい映画ではないけれど、人間賛歌なこのラストには確かに心に光が宿ります。
最後に
デモ、オリンピックに湧きたつ今の日本で生きる人がこの映画を見てそれぞれ何を思うのか。まやかしの愛に踊らされて見たいものだけを見るような人間にはなってないだろうか。
お堅い映画ではなく、あくまで日常を描いたゆるさのある映画であるからこそ、冷静に今の日本を見つめられるのではないかなと思います。おすすめです。
あらすじ
通り魔事件で妻を失い、橋梁点検の仕事をしながら裁判のために奔走するアツシ。そりがあわない姑や自分に関心のない夫との平凡な生活の中で、突如現れた男 に心揺れ動く主婦・瞳子。親友への想いを胸に秘めた同性愛者で完璧主義のエリート弁護士・四ノ宮。3人はもがき苦しみながらも、人とのつながりを通し、かけがえのないものに気付いていく。
映画『地雷と少年兵』感想 ”人間の心に潜む盲目的恐ろしさと、残された希望”
映画『地雷と少年兵』を見た感想をネタバレなしで書いています。東京国際映画祭ではコンペティション部門で上映され、主演のローラン・モラーが最優秀男優賞を受賞しました。私は映画祭では一番最初に見た作品がこれだったんですけど、あまりの出来の良さに感動、感激してしまいました。(てっきり作品賞か観客賞をとるものだと思っていた)なので是非おすすめしたい作品として紹介したい気持ちを持ちながら感想を述べたいと思います。
リリース情報
日本公開日:2016年(未定)
簡易感想
私的好き度:★★★★☆
笑える:☆☆☆☆☆
泣ける:★★★☆☆
怖い:★★★★☆
スカッとする:☆☆☆☆☆
ドキドキする:★★★★★
心があったまる:★☆☆☆☆
憂鬱になる:★★☆☆☆
映画感想
人間の心に潜む盲目的恐ろしさと、残された希望
一発目に地雷と少年兵を見たんですけど、見終わったあと「今年の映画祭はすごい」って思いました。それくらい強烈なインパクトを持った作品で一気に映画祭が楽しみになったと言っても過言ではありません。
ポーランドの地に戦後残された200万個のナチスの地雷。それを処理した多くはドイツの少年兵であったというショッキングな出来事を題材にした作品です。『戦場のピアニスト』、『愛を読むひと』、『ライフ・イズ・ビューティフル』などなどナチスを題材にした名作は多くありますが、また一つナチス映画の名作が誕生したと言ってもいいのではないでしょうか。
ポーランドの歴史的闇を描いた資料としての役割はもちろんのこと、アイヒマンのように人類が普遍的に考えるべき人間の悪の側面を問題として問いかける役割を持った、まさに今もこれからもみるべき作品になっていたと思います。
話の軸となる登場人物は、軍隊で地雷処理を専門にして働くポーランド人の男。そしてその男のもとで地雷処理をすることになった少年たち。双子の兄弟。ドイツで働くことを夢みる少年や利口でまわりを気遣う少年など、思いや性格の違う少年たちは成されるままに万単位で海岸に埋められた地雷を処理することになります。
彼らには選択の余地はなく、人間としても見られない。ポーランド人にとっては少年たちは”愛する自国を汚したドイツの一員”としてしか見られていないのです。 そこにこの映画が示す人間の恐ろしさがあるのだと思います。人間は時に物事の細部が見られなくなる生き物でしょう。身近なことで言えば、男と女、子供と大人という大枠で「これだから最近の若者は…」「男はみんな自己中だ」なんてことを本気で考える人がいますが、このように盲目になって目の前にいる人間を人間としてではなく大枠に含まれるモノの一つのようにみてしまったりする。
っでこのように人間が人間を人間として見なくなることの何が怖いって、それはつまり人間が人間を平気で傷つけられるということなんだと思うのです。そこに人間の恐ろしさがあると考えますし、そのように変貌する可能性を常にはらんだ生き物であるということそれ自体に恐れを感じます。
映画に戻りますが、この映画でポーランド人が少年たちに向ける憎悪はナチスを象徴として捉えたドイツに本来向けられているものであり、少年たちは一人の人間として見られていない。だからこそ平気で少年たちを理不尽な状況に追い込め痛めつけられるのです。
だって普通に考えれば少年たちがポーランドを支配しようと戦争を起こしたなんてありえないじゃないですか。この映画を見ている人の中には「どうして少年たちを痛めつけるんだ。何も罪はないじゃないか」って思う人はいると思います。でもこれが戦争なんですよね。 きっかけは様々なものがあるとしても集団的に盲目に生身の人間を見られなくなることで戦争は起きる。ユダヤ人を虐殺し、街を燃やせる。とっても便利な言葉で表現するならば、”想像力の欠如”。これこそが人間が悪魔に変ぼうする元凶であるのだと強く思います。
またもや映画からそれましたが、このような人間の恐ろしさが大前提にある映画なのだと思うのです。「憎きドイツめ!」と少年たちに投げつけられる本来の標的を失った言葉。そんな宙を漂うだけの台詞にモヤモヤとムシャクシャという心を落ち着かなくなる感覚を見ていて持たざるを得ない映画でした。
っでそんな盲目になってしまった人間が少年と向き合うとするストーリーがとても胸を打つのです。目の前で死んでいく少年を見て徐々に自分の過ちに気付き少年を人間として接するようになる心の動きと、怒りの矛先を探して少年たちを受け入れられない気持ち。
どれが良い悪いということではなくこの葛藤をもたらすのが戦争であり、そしてこの戦争によって人間らしさを失った心が再生していく姿それ自体に心が打たれるのです。それこそが盲目になって人を傷つけるという間違いを犯してしまう人間に残された希望です。足を踏み外しても元に戻ることができるのがどんな悲劇の地にも残された希望であるのです。
この映画が写す世界は残酷ではあるけれども、そんな希望のある映画であると思います。過去の作品でいうならば、『善き人のためのソナタ』とそういう希望の描き方に関しては似ているかもしれませんね。
凄まじいスリル感!
でも『善き人のためのソナタ』と同じく戦後を描いているけれど、描いていることが地雷処理だから戦時中のような緊迫感やグロテスクさがあるのがこの映画。いつ爆発するのかわからない恐怖に106分間ドキドキしまくるという心臓に悪いスリラー的要素の含まれている点がまた一つこの映画の魅力であると言えるでしょう。
もう本当逃げ出したくなりましたよね、 映画館から。それくらい心臓に良くない。監督の狙いでわざと「え、このタイミングで!?」という時に爆発するから身体がビクッとなることがあるほどです。主演の俳優が言っていたように、まさに実際に地雷を撤去しているような緊張感が感じられる作品となっています。
映画祭の作品はアートなものが多いから、結構時間が経つのが遅く感じるものもちらほらなんですけど、この作品はアート映画なんて興味ないね!!って人でも充分楽しめる作品でしょう。絶対に寝られません!←
喜ばしいことに日本公開が映画祭で上映する前に決まっていたらしく、日本では来年にもう一度見られるよう。いやはや納得ですね。こんなに出来のいい映画の配給が決まらないはずないでから。
最後に
惜しくも映画祭ではグランプリを獲得できませんでしたが、身近にも転がってる人間の過ち、そうして生まれた悲劇に残された希望。そのようなことを描き、決して明るい映画ではなく決していい気持ちになれる映画ではないかもしれませんが、知るべきこと・考えることの詰まっている作品であると思います。主役の俳優を中心に素人である少年たちの演技や映像も目を凝らすものであるので、満足できる完成度のある作品として多くの人に見て欲しいなと思います。
『マイ・インターン』感想”プラダの続編ではないけど同じくらいお気に入りの映画になりそうな予感”
映画 『マイ・インターン』を見た感想をネタバレなしで書いてます。『プラダを着た悪魔』の続編!?なんて噂もありますが、決して繋がっている作品ではありません。お洒落な服が出てくる派手な映画ではなく、地味ではあるけどもっと心に訴えかけてくる強いメッセージ性を持った作品でした。”現代を描いた映画”そんな視点から感想を述べようと思います。
リリース情報
日本公開日:2015年10月10日
簡易感想
私的好き度:★★★★☆
笑える:★★★☆☆
泣ける:★★☆☆☆
怖い:☆☆☆☆☆
スカッとする:★★☆☆☆
ドキドキする:☆☆☆☆☆
心があったまる:★★★★☆
憂鬱になる:☆☆☆☆☆
映画感想
新しいモノと古いモノが対等に並ぶ現代をイキイキと描いた人間ドラマ
この作品はベンチャー企業の社長として日々奮闘している女性(アン・ハサウェイ)と、その会社のインターンとしてやって来た40歳も年上の男性(ロバート・デニーロ)の交流を描いた作品です。『ホリデイ』など恋愛映画を得意とするナンシー・マイヤーズが監督で、女性の目線で描いた作品らしく女性の生き方をテーマとしたメッセージが込められた作品になっていました。
しかしながら、”女性が性別にとらわれず自分らしく生きる”なんてテーマだけじゃ現代じゃ在り来たり。それが見ている人にウケるのはわかりますが、既視感を抱いてしまうものです。
でも別にそれだけがテーマの映画ではないんですよね。さっき説明したようにこの映画は主人公が二人いて、一人は社長として働く”ジュールズ”という女性。そしてもう一人はシニア・インターンとして働く”ベン”という男性です。
この70歳のベンという男性。彼の存在こそこの映画からそんな既視感を払拭してくれているのです。
いわばベンという存在は女性の味方でしょう。女性が自分を犠牲にすることなく好きに生きるためには女性の共感だけではなく男性の理解も必要です。まさにベンという男性は女性を尊重し、さらに女性の人生の背中を押してくれるような人間なんですよね。
そしてこのベンという男性が70歳という高齢者であることがこの映画に新しい風を吹かせている一つの要素なのでは?と考えます。
というのも昔と違い女性の社会進出が当たり前だと認識されている現代ですが、今の社会でそんな変化に理解のある男性って比較的若い人であると思います。価値観の変化に抵抗があるのは今では古くなった価値観に浸かってきた高齢者であるというのはもはや仕方のないことであるとも思いますし。
それなのにこの映画で出てくる女性の社会進出に特に理解のある男性というのは高齢者なんですよね。
その点がとても新しいというか、単に新しいものを取り入れようとしてきた昔とは違って、新しい価値観の浸透によって古いものと新しいものが溶け合ってきた現代をうつしだしているように思えました。
きっと私が抱いている”新しい世の中を作りだすのは若者だ!”という考え方も古いんです。
『FacebookもメールもGoogleマップもとても便利』というデジタルの良さを感じる一方で『シャツはインした方が魅力的になることもあるし直接言葉を伝えた方がいい時もある。経験はGoogleに勝る』なんてアナログさが有利になることだってある。
決して今に偏らず、そして昔の教えをただ聞くわけではない。積み重ねてきた良さ(経験)を引き継ぎながら新しいものが生み出されていくのが現代であるのでしょう。
そんな男と女の対等な姿だけではなく、新しいものと古いものが対等に並び合う様を描いてることこそがこの映画のいいところなんだと思うのです。
そして主役の関係性もそう。この映画で描かれている主役の女性とベンの関係は、どちらかが一方に寄り掛かっているわけでも、年寄りと若者という関係でもない。彼らの関係は対等であって、一人の不完全な人間として彼らの友人関係は出来上がっているのだと思うのです。
高齢者が経営者。インターンは若者。そんな構造を取り払った設定からも、古いと新しいの固定概念の壁がなくなってきた現代らしさが描かれているように思えます。
この映画は単に女性の社会進出や現代の女性の生き方を描いた作品ではなく、もはやそんなメッセージの裏にこびりついた「女性はこう生きないといけない」という考えさえも取り払われてきている現代を映し出す作品だと思います。
そして現代が目指す社会とは、新しい変化と積み重ねてきた経験が対等に並び合う社会であり、女も男も”らしさ”という枠組みにとらわれずに生きる世界なのではないでしょうか。
この映画を見てコメディ要素に笑ったり恋愛や仕事に共感しながらも、そうなろうと着実に進んでいる現代の姿を感じることが出来ました。
▼あらすじ
ファッションサイトのCEOとして活躍する女性が40歳年上の男性アシスタントとの交流を通して成長していく姿を描いた。ニューヨークに拠点を置く人気 ファッションサイトのCEOを務めるジュールスは、仕事と家庭を両立させながら誰もが羨むような人生を歩んでいた。ところがある日、彼女に人生最大の試練 が訪れる。そんな折、会社の福祉事業で雇われたシニアインターンのベンが、ジュールスのアシスタントに就く。ジュールスは人生の大先輩であるベンから様々 な助言をもらい、次第に心を通わせていく。
以下ネタバレあります!
”ベン”はスーパーマンでなんかない!
恐らく見た人の中には、ベンみたいな人間を目指したい!ベンが完璧すぎる!なんてまるでベンを欠点のないスーパーマンみたいに捉える人もいると思います。
しかしながらベンも人間です。何も欠点のない人間なんていません。つまりベンが生まれてからずっと徳のある紳士であったわけではないし、突然高齢者になって変化したわけでもない。
なので私はベンという男性が謙虚で人に気を配れて笑顔を欠かさず判断力もあって、女性の涙を拭くためにハンカチを持ち歩くほどの立派な人間になるまでの人生をどうしても想像してしまうのです。そしてベンの人間性を考えた方がこの作品は面白い。そう感じます。
ということでベンについてあれこれ言及してるレビューはあまり見かけないので見当違いご苦労様状態になるかもしれませんが、ベンのそれまでの人生を作中に出てきた台詞やデニーロの演技をヒントに憶測をしてみます。
まず誰もが尊敬したいベンの良さはどういうところかまとまると・・・
・謙虚
・気配りが出来る
・笑顔を忘れない
・礼儀正しい
・仕事が出来る
・ハンカチを持ってる
・何でも頼れる
という感じでしょうか。誰もが好きになるTHE紳士ですね。
彼は劇中そんな姿を崩さずにアン・ハサウェイ演じるジュールズや仕事仲間を幾度となく助けます。しかしある出来事をきっかけに様子が変わるのです。それがジュールズの夫の浮気が発覚した件です。
その件をきっかけにベンはジュールズを気にしてしまい彼女のことを直視できなくなります。彼女が話しかけてた時には血圧を下げる薬を飲み、体調を気遣われるほどに様子が普通ではなくなるのです
そしてベンが自分に何か言いたげな様子に気づいたジュールズは彼に何が言いたいのか聞きます。その時彼は「自分は神経質だ」と伝えるのです。そう、神経質な性格こそベンの本来の姿。よくよく思えば、ネクタイをクローゼットにあんな綺麗に入れている時点でかなりの几帳面な人間なことが伺えます。
神経質であるということはつまりジュールズとベンはその点ではとても良く似た人間であるということではないでしょうか。
何が言いたいかというと、冒頭で自らが言ったように仕事人間でありジュールズと似たような人間であるならばベンがジュールズのようにパートナーに浮気をされた経験がある可能性が高いのでは?と思うのです。
さらに神経質なベンはジュールズと浮気の件について話しますが、この時ベンはジュールズがやり直すことが出来るかという問いに対して「それは難しいだろう」という風に応えます。
つまり「それは難しいだろう」という答えが彼の経験から導いたものであるとするならば、ベンは先立たれた奥さんとに浮気されたことがあり尚且つ完全には修復することが出来なかったということではないでしょうか。
ジュールズとベンがベッドの上で会話をしているシーンの最後。ベンがテレビに映し出される愛の言葉を交わしあう男女の姿を見て涙を流す理由は、単に奥さんのことを思い出しただけではなく、そんな過去を複雑な気持ちで思い出したのだと私は思います。
戻りますが、もし本当にベンが浮気をされていたならば考えられる原因ってジュールズと似ていて仕事人間であったことではないかと予想します。仕事と家庭の両立。それが上手くできずジュールズのようにパートナーとの関わりが希薄になってしまったことが相手の浮気をもたらしてしまった。そんなように考えます。
だから今では立派な人間であるベンではあるものの、何の汚点のない人生を歩んできたかというと決してそうではないのだと思うのです。
そして彼は結局ジュールズの出した結論のように「君は会社を必要だし、会社も君を必要としている。だから夫の浮気でやりたいことを手放す必要はない」と彼女に伝えます。もし仮にベンがジュールズと同じような経験を踏んでいたのであれば、彼は自分とジュールズを重ねたでしょう。そして一晩中彼女のために考えた。
仮に浮気をされたことがあり尚且つそのために家庭と関わる時間を増やしたなら、彼の答えにはもっと好きなように仕事がしたかったという後悔があると思います。そして反対に仕事を選んだのならば、その言葉の裏には自分自身本当はもっと家庭に関わっていれば良かったという後悔(奥さんの負担を減らせば早く死ぬことはなかったのではないか・・・)に加え、ジュールズの頑張る姿を見て(自分は別にしても)やはりやりたいことはするべきだという複雑な思いがあると思います。
どちらかわかりませんが、子供が息子一人なところと奥さんが先立ったところから、家庭との関わりが増えたとは思えませんし、一晩中悩んだということからも後者であると思います。完全に憶測ですし、そもそも浮気されたことなんてないかもしれないけどね←
まあ浮気をされた経験があったかはハッキリとはわかりませんが、ベンは年を重ね良くも悪くも様々な経験をしてきた。それは人間ですから確実でしょう。どんな経験があったかわからなくても、彼の紳士的な振る舞いの裏にあるものを想像することでまた少しベンという人間性の魅力が深まるように感じます。
最後に
性別も年齢も関係ない。今はそんな枠組みにとらわれずに一人の人間が対等に自分らしく生き生きと暮らす時代なのでしょう。そしてその生き方に正解なんてない。この映画を見て共感することも多かったと同時に前向きな気持ちになれたと思います。
アン・ハサウェイとロバート・デニーロのまた新たな代表作になったことは間違いないでしょう。
『ピッチ・パーフェクト2』感想”変人集団が歌も下品さもパワーアップして再来”
映画『ピッチ・パーフェクト2』を見た感想をネタバレなしで書いています。前作の『ピッチ・パーフェクト』がゲラゲラ笑えるし、音楽でノリノリになれるしでとても好きな作品となったわけですが、続編の今作は前作の良さを残しつつ全体的に音楽も変人度合もパワーアップしています。やっぱりベラーズは最高でした。
リリース情報
日本公開日:2015年10月16日
簡易感想
私的好き度:★★★☆☆
笑える:★★★★★
泣ける:☆☆☆☆☆
怖い:☆☆☆☆☆
スカッとする:★★☆☆☆
ドキドキする:☆☆☆☆☆
心があったまる:★★☆☆☆
憂鬱になる:☆☆☆☆☆
映画感想
変人さも下品さも何もかもがレベルアップ!
前作観終わった後にかなりノリノリな気分になれて嫌なことを吹き飛ばしてくれた『ピッチ・パーフェクト』の続編ですが、今回も前作同様笑いに笑いまして心にモヤモヤを一切残さずに映画館を出ることができました。
持ち帰ったものはビートの刻んだミュージックと変人たちの笑顔。もう他にはいりません。そんな映画です。
前作ではとあるハプニングによって解散の危機に瀕してた落ちこぼれアカペラサークルである”ベラーズ”に集まった変人たちが全米大会優勝を目指して恋に音楽、友情に奮闘する姿が描かれていました。
しかし続編である今作ではそれから3年後。なんと3年間連続して全米大会で優勝を果たしオバマ大統領の前でパフォーマンスするまでに地位が上昇していました。あの変人たちが大統領の前で歌うなんて場違いにもほどがあると、変人ぶりを知っている人は思うのでしょうが、彼女らは全く手慣れた様で歌とダンスを披露します。
「私の知ってるベラーズではない。」そんなことを始まった時に若干思いましたが、”空飛ぶデブ”を見て一安心です。
まあネタバレになるのでそれについて詳しくは言いませんが、とにかく相変わらずのベラーズだなと、見ていて笑えるな、と。
しかしながらベラーズはもともとゲロを大量に吐く人がリーダーだったグループなんですよね。つまり何かの呪いなのかわかりませんが、そんなとんでもないことまでベラーズらしさとして彼女たちは発揮してしまうのです。
いや、吐きはしなかったんですけど、ハプニングを起こしてしまうのです。もはやゲロより酷い。ゲロより汚い。そんなこんなで、全米を回るツアーの権利をはく奪されたベラーズはなんとか残された世界大会への切符を手に、優勝することで汚名返上、起死回生を狙います。というのが続編である今作の大まかなストーリーです。
ピッチパーフェクトの魅力と言えばミックスされた音楽。前作よりもパフォーマンスパートが増えていて、そんなに洋楽に詳しくない人でも知っているくらい有名な曲も登場します。
世界大会と規模が大きくなっているだけあり、クオリティも良くなっている。それを強く感じさせるのが、ドイツ代表である”ダス・サンド・マシーン(DSM)”というグループです。
そしてこのDSMが今回ベラーズたちのライバル的存在として描かれているのですが、もともと持っている実力でいったらDSMの圧勝じゃないですか?というくらい重低音のきいたビートボックス集団で、今にも「ハイルヒトラー!」と叫び出しそうな軍隊的威圧感でベラーズを圧倒させます。
しかしパフォーマンスもいいけど、それはもうこの映画がアカペラを題材にした映画なのだから良いのは当たり前と言えば当たり前なんですよ。だから期待通り、期待以上ではあったものの、驚きや感動はやはり前作よりも薄れたかなという感想を持ちました。
では何が今作で印象深かったのかなというと、私はキャラクターの濃さ、その変人っぷりが前作をはるかに上回っていて良いなと思いましたね。
大会の司会者は前よりも超差別主義に磨きがかかっていて、真面目な人が見たら「あり得ない!(怒)」と声高く言いたくなるくらいに酷い差別発言の連呼です。(言いたい放題すぎてかなり笑えました)
そんな感じにこの作品のキャラの濃さって時に見ている人を引かせるくらいなんですよ。可愛らしい女の子がドストレートな下ネタを連発するし、笑いを通り過ぎて恐怖心を抱かせるほどに常軌を逸した意味不明な発言をする人はいるはで、なんかもうドキドキしちゃう←
それくらいにぶっ飛んでるキャラクターばかりですが、そこに妙な自然さがあるのがなんかすごいなと思います。俳優が元からそんな変なキャラだろ思わせるくらいキャラクタ―になりきっていて、違和感が全然ない。
さらにキャラの濃さがパワーアップしていることで、ギャグ要素もぶっ飛んでいて、前作でもなかなかに驚きのあるギャグシーンばかりでしたが、今作ではより不意打ちギャグパートが多かった気がします。
それだからもちろんかなり笑えたんですけど笑いつくせなかったのも事実。というのもアメリカ人に馴染みのあるネタが多く、全部を理解することが出来なかったんです。
「くそ、もっとアメリカや英語を知っていたらもっと楽しめたのに・・・」とこういう映画を見ると若干悔しい思いをするのですが、反対に海外ドラマを滅茶苦茶見ていてアメリカ文化に馴染みが深かったり英語が話せる人にとっては、本当笑える映画なんだと思います。
そして笑って踊って歌ってきたベラーズの友情も青春映画らしく描かれていてちょぴり感動。前作では1年生だったベッカやエイミーたちが4年生となってるので留年しない限り世界大会が終わったらベラーズから卒業しなくてはいけないのです。
って言ってもね、卒業自体は本人たちは変人らしくドライで辛気臭いシーンはないんですけどね。ベラーズの仲間は一生の支えになるという台詞に、自分自身の学生時代を振り返ってみてちょっぴり感動してしまいました。(全然友達いませんが。←)
そのほか二組のタイプの違うけど若者らし恋模様が描かれていたりなど、青春要素はベースとしてしっかり描きつつ、ぶっ飛んだキャラとギャグでクセの強い作品に仕上がってました。
だけども変人しか出ていないけどパフォーマンスが輝いているから、イケメンや美女はほぼ皆無だけどダサさはなくてかっこいい。キラキラしているけど、親近感を湧かせるところがこの作品が人気の理由なんでしょう。
あらすじ
全米アカペラ大会での優勝から3年後、女性アカペラチーム「バーデン・ベラーズ」はスキャンダルを起こして大会出場禁止処分を受けてしまう。どうにか名誉 挽回のチャンスをもらったものの、それぞれ悩みを抱えるメンバーたちの心はバラバラだった。さらに、ドイツから最強のライバル「ダス・サンド・マシーン」 もやって来て、ベラーズはピンチに追い込まれる。
カメオ出演が豪華すぎる!
・Pentatonix
・Pharell
・Adam Levine
・Blake Shelton’s
・オバマ大統領夫妻・・・などなど
特に洋楽好きが大興奮のスターがどこかしらに劇中に登場していてニヤリとしてしまいました。ピッチパーフェクト2の人気が伺えます。
▼下記の海外のサイトにさらに詳しく載っています。
A Complete List Of Pitch Perfect 2's Aca-Awesome Celebrity Cameos - CINEMABLEND | page 10
最後に
『ピッチパーフェクト』はとにかくアカペラが好きで下品で不謹慎なブラックユーモア大歓迎な人間が滅茶苦茶楽しめる映画でして、決してハイスクールミュージカルのように爽やかな青春映画ではありません。そういうクセがあるところがこの映画を私が好きな理由です。
まだ見ていない人は観終わった後にYouTubeでサントラをガンガン流して事故に合わないようにお気を付け下さい。
▼ダス・サンド・マシーンvsベラーズ
『図書館戦争 THE LAST MISSION』感想”岡田准一の熱い目線を楽しむ映画”
映画『図書館戦争 THE LAST MISSION』を見た感想をネタバレなしで書いています。アニメのファンであり原作も読んだことのある人間ですが、前作よりも緊張感とラブ要素が増えてなかなかに楽しめました。
リリース情報
日本公開日:2015年10月10日
簡易感想
私的好き度:★★★☆☆
笑える:★☆☆☆☆
泣ける:★☆☆☆☆
怖い:☆☆☆☆☆
スカッとする:★★★☆☆
ドキドキする:★★★★☆
心があったまる:★★★☆☆
憂鬱になる:☆☆☆☆☆
映画感想
アクションにラブに思想のぶつかり合いと、様々な要素が詰め込まれたエンタメ作品!
2013年に公開された映画『図書館戦争』の続編ですが、前作同様に図書隊と表現の自由を規制するメディア良化委員会との戦いを軸として描いた作品です。
さて改めて何で戦争してるか確認しますと、メディア良化委員会と図書隊の戦いは主に本の検閲とそれを阻止するために行われています。
もちろんその本の取り合いの背後には、表現を規制した方が平和な世の中を作れるでしょ!という考え方と、表現の自由があることこそ理想の世の中である!という考え方の二つの主義思想のぶつかり合いがあるわけです。
こういう表現の自由をめぐる対立は現実世界でも常にメジャーな問題とされて起きていて、それほどに私たち人間にとっては表現の自由は考えるに大いに価値のあるものだということでしょう。
けれどもやっぱり映像で戦闘シーンをみていて思ってしまうわけです。
「たかが本に何で命をかけないといけないのか」って。
命をかけて本を守るということは見ていて結構シュールだなと思うし、こんなことをして意味はあるの?と思ってしまいました。
この世界の中でも同じようなことを思う人間はもちろんいます。それが今作で新キャラとして登場する手塚慧(松坂桃李)。彼は主人公、笠原郁(榮倉奈々)の同僚である手塚光(福士蒼汰)のお兄さんであり、文科省で未来企画という怪しげなセミナーを開いてる人間でした。
彼の言い分はこうです。「表現の自由のために武力闘争をすることが世の中を悪くしているのは確かだ。 戦争を辞めさせ、交渉で世の中を変えるべきだ」と。
メディア良化委員会の検閲がますます厳しくなる中、図書隊のあり方に疑問を呈す考え方、そして表現の自由をめぐる図書隊とメディア良化委員会の三者三様の主義思想の対立が続編である今作では描かれていました。
血を流してまで本を守る必要があるのか?その価値がこの世の中にあるのか?
流石の『図書館戦争』。今の日本に繋がる強いメッセージ性に心が揺さぶられました。
しかしそんな重たいメッセージ性のみが見どころの作品ではないんですよね。『図書館戦争』はラブがいい。そして映像化によってもう一つの魅力になったアクションがいい。緊迫感溢れるアクションシーンとニヤニヤしてしまう恥ずかしいくらいのラブシーンがこの作品の見どころなのです。
そしてどちらの要素の魅力をも増幅させているのが、他でもない”岡田准一”という存在であることは間違いないでしょう。この作品のアクションシーンには全体的に派手さは少ないけれど、岡田師範のところどころに入る戦闘シーンがアクションパートに波を作り出しています。
もちろん岡田准一がいないとアクションシーンはダメだなんてそんなことは決してなく、多くの時間を占めるアクションパートはとても緊張感のあるものに仕上がっていたと思います。映画館には初日ということもあり人に溢れていましたが、物音がほとんどしないくらいに見ている人が集中していたようにも感じましたね。
そして私が一番楽しみにしていたラブに関してですが、私はこの映画は岡田准一の熱い目線を楽しむ映画だとも思うんですよね。
とくにかく岡田准一が演じる堂上教官は笠原を見るのです。見まくるんです。彼女が見つめる先と反対のところで、チラッてどころじゃなくてガン見。岡田准一のあの日本人離れしている力強い目で熱い視線を送りまくります。
そんな岡田准一の良さを活かし、堂上教官の笠原に対する守ってやりたいという思いと不器用さがこの熱い視線にこめられているように思いました。
力強い眼差し、細めた優しげな眼差し。岡田准一のかっこよさを目の演技で再確認することが出来ます。
全くかっこよすぎますね、この生き物。(にわかファン歴7年)
そして笠原の方はどうなのかというと、前作と特別ドラマを経て堂上教官が自分を助けてくれた王子様だと確信した彼女ですが、今作では「王子様」とは発言しなくなっている。
それは彼女が今、目の前にいる堂上教官に恋をしているからです。まあでも素直になれないのは変わりません。
その恋してる様子はもういちいち可愛い。中学生みたいでこっちも恥ずかしくなるほどです。堂上もそうだけれど、笠原は戦闘では度胸はあるのに恋愛となるとヘタレになってしまう人間です。その不器用さ、歯がゆさのせいで気持ち悪いくらいニヤけたよね、全く。
でもそんなヘタレな姿ではなくやっぱりこの作品で印象的だったのは、 笠原の強い意志を持って走る姿です。走る姿にこそ笠原郁の魅力が詰まっているように感じました。
走る笠原。見る堂上。言葉より行動派な二人を上手く表現できていたのではないかと思います。
ラブコメ要素の言及に戻りますが、笠原も堂上も今回はラストであっても大きな不満はないほどにグッと距離が縮まりましたが・・・本当のことを言うともっとラブコメ欲しかった。全然足りないよ!!!←
「おい、もっと!もっとラブコメないのか!」とアクションが一通り終わった後に思ったり。小牧とまりえちゃんカップルは特別ドラマでガッツリ描かれてましたが、手塚と柴崎(栗山千明)カップルは全然物足りない。
このカップルの掘り下げと、堂上教官が笠原にキスをするシーンを描くまで終わらないで下さい。お願いします。(とにかく続編に期待ということで。)
あらすじ
ある日、図書隊・特殊部隊(タスクフォース)の堂上篤らに、この世に1冊しか存在しない「図書館法規要覧」の一般展示が行われる芸術の祭典の会場を警備せ よとの指令が下される。ごく簡単な任務に思われたが、その指令の裏には、図書隊の解散を目論む手塚光の兄・慧が仕掛けた罠が潜んでいた。
岡田師範の実力がわかる動画
すっかり岡田師範と呼ばれるほどになったアイドル岡田准一がいかに凄いかがわかる動画をご紹介します。
最後に
言葉より行動派な主役二人の姿に心を緩ませ、強いメッセージと緊迫感あふれるアクションに心を引き締められる。”歪んだ世の中でどう生きるか”という台詞は心にとても残り、改めて自分が生きる世界を直視することの必要性を実感しました。
まあそんな真面目なこと言ってもやっぱり堂上と笠原のあのシーンですよ。
観終わった後に考えさせられるほどに中身があって、尚且つラブコメでキュンキュンできる映画が観たい、かっこいいアクションシーンに興奮したいという思いを全て叶えてくれる大変よろしいエンタメ作品だったと思います。