とうふのホルモン

ホルモンのままに。主成分はエッセイ。

【うつヌケ宣言】適応障害で新卒1年で退職→転職後1年たったから振り返ってみる【後編】

こんにちは、とうふです。

4月から書き始めた【うつヌケ】エントリ。ようやく完結です。

 

【うつヌケ宣言】適応障害で新卒1年で退職→転職後1年たったから振り返ってみる【前編】 - とうふのホルモン

【うつヌケ宣言】適応障害で新卒1年で退職→転職後1年たったから振り返ってみる【中編】 - とうふのホルモン

 

 

★目次

 

 

9.結婚、主婦業開始

仕事を辞めたのが5月。

6月は、地元の祖父母の家に引き上げまったり過ごしつつ

彼と一緒に住むための物件探しをし、

7月に入籍&東京の新居に引越しました。

 

※結婚については、そりゃあもういろいろなゴタゴタがあったのですが笑、

本筋ではないのでここでは割愛します。

 

住まいは東京にしてはのどかな場所で、

無理のない範囲で家事をし、散歩をし、ときにはソファで一日中寝転びながら過ごしました。

 

夫に付き合ってもらってハローワークに行き、失業手当の受給申請をしました。

勤務したのが1年と2ヶ月だったので、受けられる期間は90日間。

(年齢と勤務年数によって異なるはずです。)

 

驚いたのが、窓口のおばさんが、

「自己都合退職ってあるけど、うつとかですか?」って聞いてくれて、

抑うつ状態って診断はついていたんですが、うつとは言われていません」

と答えたのですが、

「じゃあ会社都合に書き換えておきます。」

と言ってくれたこと。

日本すげえと思いました。

(ほかのところでも同じ対応なのかどうかはわかりません。)

 

とにかくこのおかげで、7月・8月はまったりと過ごすことができました。

 

また、東京に来て改めて違う精神科・心療内科のクリニックにかかりました。

大阪時代と違ってそこのお医者さんは診察に1時間ほど時間をかけてかなり親身に話を聞いてくれ、

 

「真っ只中でないから断言はできないけれど、適応障害か、もしくはうつ病だったのでしょうね」

と言ってくれました。

もはやこのときは、別に病名にこだわっていたわけではないけれど、

「ああーそうだったんだ…」

って、無駄に自分を責めていた4月・5月のわたしが浮かばれたような気持ちでした。

 

「今でも多少波はあるでしょうけど、でももう、

あなたは自分に“できる”ことをやるってことをわかっているようだし、もう大丈夫ですよ」

それで、自分の今の考えは、方向性としてまちがっていないんだなと安心できたのでした。

 

 

10.アルバイトでやりたいことを始める

実は、前職をやめるとき、1社だけ転職活動で選考を受けていました。

産業医や上司から

「辞めるなんて逃げだ」とか「そんな状態で次はどうするんだ」とか言われていたし、

自分でも、

「次の行き場が決まっていない状態で辞めるなんて、ダメに決まってる」

と思い込んでいたのです…(^^;)

 

「次働くとしたらここだな」と前々から思っていた会社があったので、

その1社だけ、応募していました。

 

まあでもそんな状態で受けた選考は、当然不合格。

ただ、

「アルバイト講師としてだったらぜひご勤務いただきたいが、どうか?」

という打診をもらいました。

 

その連絡を受けたときには、

「うん、自分はすぐに正社員で働けるような状態じゃないな」とわかっていたので、

「わたしもそのほうがいいと思っていました。お願いします」とお返事していました。

 

引越しなどありバタバタするから、という名目で

「お盆明けくらいから勤務をさせてほしい」と伝えていました。

 

実際、7月8月の療養期間を経て、

「家にずっといるのは少し物足りないかも」と思える位の元気が出てきていたので、

9月から、週1・2のアルバイト勤務を始めることにしました。

 

最初はもう、電車通勤が辛くて辛くて…

「電車乗れた!えらい!」とか

「遅刻の連絡入れられて、えらい!」とか

そんなところからだったのですが、

 

仕事内容がほんとうに楽しくて。

わたしはずっと、「教育に携わりたい」と思っていて、

前職では教育系の新規事業立ち上げに向けて修行期間として人事で働いていたのですが、

実際の教育の現場にいないことにかなりフラストレーションがあったので笑、

毎週子どもたちに会って、ダイレクトな反応を得られることがほんとうに嬉しかったです。

 

アルバイトからだったのも、よかったなあと。

正社員を一度経ているからこそ、「これくらい当たり前」と思ってやったことを、

まわりの人が褒めてくれるんですよね。

人から褒められるのって、やっぱりうれしいんですよ。

「わたし、えらい!!」って自分で褒めてるだけなのと、やっぱうれしさのレベルが全然違う。笑

「正社員」って立場だとそれは得られなかったと思うので、よかったなあと思っています。

 

立場が変われば、求められるものが変わるのは当然。

「今の自分ができること」で貢献できる居場所からはじめることは大事だなって思っています。

 

あともうひとつよかったなあと思うのは、

復帰の場所として教育というフィールドを選んだこと。

自分自身が一番やりたいことでもありましたが、

子供を育てるプロフェッショナルたちは、

人材育成のプロフェッショナルでもあると思います。

とにかく上司に恵まれました。不当に傷つくことなく、見守っていただけたと思います。

 

そうやって自己肯定感と自己効力感を、少しずつ少しずつ取り戻していくにつれ、

徐々に徐々に、勤務日が増えていきました。

 

ときには「だめだー!しんどいかも…」ってなることもあったのですが、

そういうときはメンタルクリニックにすぐ行くことにしていました。

人に「だめかもって思ったんです。なぜなら…」とかって話すうちに、

「あ、大丈夫、だめじゃないわ」って気がつくという、謎に自己完結する患者だったと思いますが。笑

でも、誰かに一番だめな自分のことを聞いてもらえることはすごく大きかった。

 

なんというか「風邪かしら」くらいの気分でメンタルクリニックに行けるくらい

躊躇がなくなったのは、「一度うつになっといてよかった」と思う部分です。

 

ということで、9月からアルバイトになって、

12月頃からは週5・6働けるようになりました。

結構、これ、驚異的な回復速度だと思うんですよ。

自分、わりと戦略的に回復できた、と思っています。

 

 

 

11.正社員になる

翌年4月。(去年)

上司と何度か面談を経て、アルバイト先で、社員として働けることとなりました。

バイトとは違う責任をおうことに、ドキドキもあったのですが、

「やりたいことに確実に近づいている」っていう嬉しさがあって乗り切れたと思っています。

 

失敗とか「自分もっとうまくやれよー!」と思うこともあったんですが、

上司に恵まれたのと、

「変に自分を責めてもろくなことにならん!」と身をもって体感(笑)したので、

「前向きにできることを増やして行くぞ」って姿勢で受け止めることができるようになってきました。

 

あとはそもそも、わたしは、

自分がおもしろい!って思ったことの、面白さを人に伝えるのが好きなんです。

 

前の会社にいたときは、

必ずしも伝えたいわけじゃないことを伝えなきゃいけないことも多くて、

「自分じゃない自分」が辛くてしょうがなかったんですが、

 

素の自分でいられる時間が増えたこと

そして得意分野で勝負できていること

は、ほんとうにでかいなーと思います。

 

むいてないことやってしんどいのって、自分にとっても会社にとってもよくなかったなあ…と。

 

 

 

とにかく、前の会社で正社員をしていたのは1年ちょっとだったので、

「転職先で、1年以上働き続けられたら、うつから復帰って言っていいんじゃないかな」

と思って、マイペースにマイペースに、やってきました。

 

……わたしは、今、すっごくげんきです。

 

 

 

12.これからのこと

これを書いたのは、別に「この通りにしたらうまくいくよ!」みたいなことではなく、

ひとつのフィールドワークみたいなものです。

「今時の新卒うつ退職者の1事例」として「そういうパターンもあるんだ」と見ていただけたらと思います。

 

わたしのこれからについて書くと、

「起業したいな」と思っています。

 

正確に言うと、別に起業じゃなくてもいいんだけど、

この1月から、「なんの制約もないとしたら自分が最もやりたいことは何か」っていうのを考えてみて、

それはまだこの世にない形のものだから、

実現するとしたら、今もっともありうる選択肢は「起業」だな、と。

 

全然、事業プランとか固まっていなくて、

「口だけでカッコ悪い」くらいの段階なんですが、

でもカッコ悪いとこもさらけ出すことをしてみよう、と思って。

 

「うつでも復帰できたよ」ってだけじゃなくて、

ある種、現代社会にうまく適合できなかったわたしが、

もっともっと「自分らしく生きる」、つまり「ホルモンのままに生きる」ってことを

やっていきたいな、と思っています。

 

 

このブログでは、そういう

「村上とうふ 2.0」的な部分も書いていけたらと思っています。

 

 

 

最後に、いつもこのブログを読んで励ましのスターやコメントをくださる方々へ。

わたしの「うつヌケ」は、間違いなくみなさんの支えがあってのものでした。

これからも、どうか、お互い楽しくやっていきましょう。

今後共どうぞよろしくお願いいたします。(`・∀・´)

 

2018.8.25 村上とうふ