『アイアンマン3』

2013/5/3 @109シネマズ木場 IMAXシアター

前作、前々作ともに劇場では観られなかったので、本作は満を持して!IMAXシアターで観てきました!!
以前『アベンジャーズ』を観たときも思いましたが、IMAXは音響が最高ですね〜。映像が素晴らしいのは言わずもがな。
アイアンマンの世界にどっぷり浸れて大満足でした。
ああ、今もトニー・スタークが目の前にいるかのよう…(うっとり)


さて、今回の見所はなんといってもリモートコントロール!!!
スーツが部分的に自動的に装着されてゆくさまが、かの美少女戦士系名作アニメ・セーラームーンの変身シーンを彷彿とさせるエロさ素晴らしさ!

あれ、トニーがだんだん美少女戦士に見えてきたよ…(※幻覚です)


物語としては、特によかったのがローズヒルでのメカニック少年とのシーンですね。
「メカニックでしょ、何かつくりなよ」の台詞には、トニーのみならず私も心打たれました。
そう…ホームセンターさえあれば、武器は、つくれる!(エッセン○ャルダメージケア!)


その点、ペッパーさんはいまいち。
ものづくりが趣味&仕事の恋人に対して「これ以上作るな」とかなんなの…と思ってしまいました。
しかも最後のあのシーン、打ち上げ花火を見るかのように「キレイ…」っておい!
好きな男が不安を紛らわすためとはいえ精魂込めて作ったものを、自分のために壊されたらちょっと後ろめたく思うとかないのか…。


ラストシーン、ボロボロになったジャーヴィスを連れて帰るシーンがあったのはうれしかったです。
ジャーヴィスかわいいよジャーヴィス


あとはエンドロール後のおまけですね!
とぼけた会話がたまらんな〜とニヤニヤしながら観ましたw
まさかあの人とは思いませんでした。てっきりキャップだと思ってたよ…
いや、ハルクさん好きですよ?!でもキャップ&トニーのコンビが好きなんだ!!


IMAXだったので『マイティ・ソー2』の予告編が観られなかったのが残念ですが、
これからアヴェンジャーズメンバーの続編がどんどん公開されるようなので楽しみです。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

※ネタバレはありません


2012/11/17 @ワーナーマイカルシネマズ妙典


『破』から何年経ったのかすら忘れた2012年秋、焦らしに焦らしてとうとう公開された『Q』。

初日(土曜日)は混んでるだろうし、まぁ週明けにでもゆっくり行こうか〜と思っていたのに、何故かぽっかり時間が空きました。
何気なく映画.comで検索してみたら、丁度良い場所で丁度良い時間帯にエヴァQやってるじゃーん!ってことで、念のため電話して聞いてみたら「前の方でよければ真ん中の方空いてますよー」と言われたので、行ってきました初日エヴァQ!

『破』を劇場で観たときのえも言われぬ快感が忘れられず、今回も同じような快感が味わえるかなーとワクワクしていたんですね。
そして、その期待は見事に裏切られました。


「すんごく面白かったけど、ぜんぜん楽しくなかった」


上記はmy従妹の言葉ですが、私も100%同意です。
ただ、アスカが出てくる場面はテンション上がりました。アスカかわいいよアスカ!
あとカヲルくんも期待どおり、いやそれ以上のガチぶりでよかったです。ともだちっていいよね!
シンジは幸せ者だと思うよ。いやほんとに。


そして宇多田さんの新曲ね!!!
まったく知らなかったので、EDで流れ出したときは「え?!」って声出そうになりました。あぶなかった!
帰宅後、光の速さで『桜流し』ダウンロードしてからほぼ『桜流し』しか聴いてないwほんと宇多田さんは天才…(うっとり)


というわけで、『エヴァQ』は無性にカラオケに行きたくなる映画です。(〆)


早く2回目観にいきたい!!

アカデミー賞受賞作品2本立て『英国王のスピーチ』と『ザ・ファイター』

2011/8/7 目黒シネマにて鑑賞。


英国王のスピーチ



英国王ジョージ5世の次男ジョージ6世は、幼い頃から吃音というコンプレックスを抱え、人前に出ることを極端に恐れる内向的な性格となり、成人してからも自分を否定し続ける人生を送っていた。吃音を克服すべく、何人もの言語聴覚士の治療を受けるものの一向に改善の兆しは見られない。そんな夫を心配する妻エリザベスが最後に頼ったのはスピーチ矯正の専門家というオーストラリア人のライオネル。彼は王子に対しても遠慮のない物言いで次々と風変わりな治療法を実践していく。そんな中、国王に即位した兄エドワード8世が、王室が認めない女性との愛を貫き、突如王位を返上してしまう。王位の継承など考えてもいなかったジョージは、最も恐れていた事態に直面し、恐怖のあまり泣き崩れてしまうが…。
[出典] http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338127


あらすじを見ずに行ったら、バーティ(※ジョージ6世の愛称)が映画の冒頭時点でまだ英国王じゃなかったことにまず驚きました。しばらくヨーク公って??とか思ってた…。
物語自体にドラマティックな展開はありませんでしたが、演者一人ひとりの表情や台詞回しが感情豊かで、バーティという一人の男の成長譚として凄く面白かったです。私も人に伝えるのがあまり得意じゃないので、バーティの悩みにはすごく共感しました。私もライオネルに習いたい!「意識してやると上手くいかないけど、無意識のときは意外と出来てる」に深くうなずく。本当にそうなんですよねぇ…。
俳優陣は、ベテランばかりというのもあってか抜群の安定感でした。実はコリン・ファースを初めてちゃんと観たのですが、すごく良かった!!メンタル弱くて吃音コンプレックスの塊だけど王族としてのプライドと気品はしっかり持っているバーティをとても真摯に演じていて、好きになってしまいました。もちろんジェフリー・ラッシュも素晴らしかったのですが、私はヘレナ・ボナム=カーターを推したいと思います。かの『アリス・イン・ワンダーランド』でその名を知った者としてはまず「本当はこんな顔だったんだ!」というのが一番先にきたのですが(しかし美人だなぁ…)、本作ではとにかく彼女のその表情の演技に魅せられました。特にラストシーンは圧巻。こんな良い奥さんめったにいないよバーティ!うらやましい!
最近英国圏が気になる(完全にマカヴォイさんの影響w)ので、城や家の内装とか食器類をうっとりしながら観てました。豪華絢爛なんだけど、気品を忘れないセンスが素敵です。お紅茶飲みたくなりました。



『ザ・ファイター』



アメリカ、マサチューセッツ州低所得者の労働者階級が暮らす寂れた街、ローウェル。兄ディッキーは、一度は天才ボクサーとしてスポットライトを浴びたもののドラッグで身を持ち崩してしまい、今ではあのシュガー・レイ・レナードからダウンを奪ったというかつての栄光にしがみつくだけの荒んだ日々を送っていた。一方、対照的な性格の弟ミッキーもボクサーとして活躍するが、自分勝手な兄とマネージャーでありながらマッチメイクに無頓着な母アリスに振り回され連敗続き。ミッキーの新たな恋人シャーリーンは、悪影響ばかりの家族から離れるべきだとミッキーを説得するが…。
[出典] http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338580


チャンベ!チャンベ!
「周囲からダメだと思われていた人間が徐々にその才能を開花させ、認められていく」という設定がたまらなく好きな私にとって、なんという漲るストーリー展開!その持っていき方も巧いので、存分に燃えさせていただきました。特にディッキーが出所してきてからはフルスロットル!!本作での「ダメだと思われていた人間」=ディッキー&ミッキー兄弟は一度は道を分かってしまうけど、それぞれ違った形で選択して努力して「才能を開花させ」、クライマックスではとうとう2人で力を合わせてチャンピオンを勝ち取り「認められる」…これはもう燃えないわけがない!!
もしフィクションだったらステレオタイプ的に扱われそうな家族(特にお母さんやお姉さん達)との関係性も、実話を基にした作品ということで、しっかり向き合って描かれていて好感を持ちました。シャーリーンとのキャットファイトも面白かったなー。なんかスカッとした!
しかし上映中のほとんどの時間、私はディッキー役のクリスチャン・ベールに釘付けでした。凄いよあの人…。『バットマン・ビギンズ』の主人公と同一人物とは今でも思えません。エンドロールで実際のディッキー&ミッキー兄弟が登場するのですが、チャンベ演じるディッキーとディッキー本人が一瞬シンクロして見えて、鳥肌が立ちました。



さて上記2作品ですが、【アカデミー賞受賞作】という共通点のほかにもうひとつ、【兄弟】という共通点があるんですよね。しかも兄と弟の関係性が微妙に似ている気がします。両作品とも(どちらかというと)内向的な弟が主人公で、快活で社交的な兄に対して大なり小なりコンプレックスを抱いている。以下はあくまで妄想ですが、私は兄の方にも弟に対するコンプレックスがあったと思うんですよね。
英国王のスピーチ』は、兄が弟に王位を譲ったのは道ならぬ恋のためではあったけど、それを実行したのは弟の"英国王としての才能"を見抜いていたからなのではないでしょうか。そして自分にはその弟ほど才能がないと感じていたからこそ、あっさりと王位を退いた(=逃げた)ように思えました。
『ザ・ファイター』はそれこそ兄弟の関係性がメインで、実力はあるのにちゃらんぽらんな兄に真面目な弟は苛立ちを募らせますが、兄はそんな優しくて精神力の強い弟に憧れのような感情を抱いていたんじゃないかと思うのです。同時に、自分に対する諦めのようなものも。でも刑務所に入ってそんな弱い自分と向き合って立ち直る決意をし、最後は"弟のために力を尽くす"という決断をしたのだと思います。


ちなみにこの2本立ては目黒シネマにて8/26(金)まで上映中なので、未見の方はぜひ!オススメです。





だれかと手をつなぎたくなる 『WALL・E』

2011/8/12 BDにて鑑賞。

人類に見捨てられ、ゴミに埋め尽くされた29世紀の地球。そこで700年もの間、黙々とゴミ処理を続けるウォーリー。いつしか感情が芽生え始め、いまではゴミの中からお気に入りを見つけてコレクションすることが彼の楽しみになっていた。中でもお気に入りはミュージカル映画「ハロー・ドーリー」のビデオ。それを見ながら、映画の中の登場人物みたいに自分もいつか誰かと手を繋ぎたいと夢見る日々。そんなある日、一体のロボット“イヴ”が地球に降り立った。その白く美しい姿を一目見てたちまち恋に落ちたウォーリー。あの手この手で彼女の気を惹こうとするウォーリーだったが、ある時、お気に入りのヒョロリとした物体=“植物”を見せた途端、イヴは動かなくなり、やがて突然現われたロケットに回収されてしまう。イヴを助け出そうとロケットにしがみきそのまま宇宙へと旅立ってしまうウォーリーだったが…。
[出典]http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=329124


WALL・Eの造形を考えた人と作り上げた人は天才だと思います。


もう、どう言葉にして良いやら分からないくらい良かったです。今思い出しながら書いているだけで胸がいっぱいになる、そんな映画『WALL・E』。

とにかくWALL・Eを始めロボットたちが皆かわいすぎる!!!最初っから最後まで悶えまくりでした…。
WALL・Eミュージカル映画を観ながら自分の右手と左手をカシャン、と組む場面に何度泣かされたか分かりません。荒廃した地球にたったひとりで700年もの間ゴミを収集し続けていたことを思うと、余計にぐっときます。
登場するロボットたちには表情という表情がないし("目"くらいですよね)、台詞もあんまり無い(無さ過ぎてビックリした)にもかかわらず、WALL・EやEVE、そしてM・Oの感情すらちゃんと分かるようになっているのは本当に凄い。シリアスもコミカルもどんとこい。しかもその凄さを観客に気づかせない作りも素晴らしいと思います。相当作りこんだんだろうなぁ…。

WALL・Eの「EVEと手をつなぎたい」という心からの想いに、自分の中にも「人と深くつながりたい」という欲求がすごくあるんだなぁと実感させられました。
好きな人たち一人ひとりと、あらためて手をつなぎたくなる傑作です。


【箇条書きメモ】

  • WALL・EのEVEへのひたむきで一途な想いに、何度も泣かされました。なんでもない場面でもじーんときてしまう…。
  • そしてWALL・Eの愛情にしばらく気づかない(というか、命令でそれどころじゃない)EVEも良かった。WALL・Eをお姫様だっこするシーンは、ずっと眺めていたいくらいかわいい!
  • M・Oがいつの間にか決められたラインを外れて掃除し始める、ということの意味を恥ずかしながらこちらのレビューを読んで初めて気がつきました…。M・OかわいいよM・O。
  • それにしてもWALL・Eがかわいすぎた!!フィギュア買っちゃおうかな…。
  • エンディングがファミコンみたいだった!!『MOTHER2』思い出したよ…。傑作つながり!


『127時間』

2011/7/31 TOHOシネマズ シャンテ(日比谷)にて鑑賞。


ある日、27歳の青年アーロンは一人でロッククライミングを楽しむため、庭のように慣れ親しんだブルー・ジョン・キャニオンへと向かった。美しい景観の中で様々な遊びに興じて大自然を満喫するアーロン。ところが、ふとしたアクシデントから、大きな落石に右腕を挟まれ、谷底で身動きがとれなくなってしまう。そこは誰も寄りつかない荒野の真ん中。おまけに彼は行き先を誰にも告げずに出てきてしまった。絶望的な状況と自覚しながらも冷静さを失わず、ここから抜け出す方法を懸命に模索するアーロン。しかし無情にも時間ばかりが過ぎていき、彼の強靱な体力と精神力もいよいよ限界を迎えようとしていた。
[出典] http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338510


遠出するときは、必ず家族や友達に行き先を伝えましょう。


この映画は実話だということですが、アーロン・ラルストンという人の精神力におののくばかりです。もし自分が同じ状況になったら…と想像しただけで背筋がゾッとしました。きっと127時間も耐えられず、どこかで諦めてしまっていると思います。

しかしアーロンがそんな壮絶な状況に陥るまでの描写がとても軽快で清々しく、彼に対しても「ほんとお調子者だな〜」なんて微笑ましい気持ちになってしまっていたので、身動きが取れなくなってからは観ているのが辛くなりました。最初は「なんとかなるだろう、ならないはずがないよね、だって俺だし」と自分をごまかし励ますけれど、だんだんどうにもならないことに気づいて焦り始める。右腕は挟まれたまま動かせないのがもどかしく、焦りが高じて唇も喉も渇いてくるのに、飲み水もどんどん減っていく…。このサスペンスフルな展開に、気がつけば私の喉も渇いていました。結末はだいたい分かっているにもかかわらず、です。上映時間は94分と短いはずなのですが、本当に127時間アーロンを見続けているような錯覚にとらわれました。

本作はほとんどジェームズ・フランコの一人芝居なんですよね。前半こそ美女’sが登場したり、途中の妄想で友達や家族、恋人が出てきたりはするけれど、情景も変わらない中一人でここまで画面を持たせる(どころか、飽きさせない)のは凄い!!最初は底抜けに明るかった彼の表情が時間が経つごとにどんどん陰鬱になっていく、そのグラデーションも素晴らしかったです。
最後は自分の腕を切り離して生還するわけですが、この切断シーンが想像以上にしっかり描かれていまして、ここだけはチラ見程度にしか観られませんでした…。(グロ系苦手)人間の神経ってあんなんなんだ…。


余談ですが、この映画を観た帰りにビックカメラの前を通ったらウォーターサーバーの試飲会をやっていて、「アーロンに飲ませてあげたい!」と心から思いました。


『ジュリエットからの手紙』

2011/8/1 ヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞。


ニューヨークで雑誌の調査員として働くソフィは、婚約者のヴィクターとイタリアのヴェローナに婚前旅行でやって来る。ところが、レストランの開店を予定しているヴィクターはソフィそっちのけで食材探しに夢中。仕方なく、一人で“ジュリエットの家”を訪れたソフィ。偶然にも、壁の中にあった一通の“ジュリエット・レター”を見つける。それは、50年前にイタリアを訪れ、そこで出会った青年ロレンツォと恋に落ちた英国人女性クレアが書いたものだった。その手紙にソフィが返事を書いたところ、それを受け取ったクレアが孫のチャーリーを伴ってはるばるイタリアまでやって来た。ソフィはクレアの話を聞くと、ロレンツォを捜し出そうと提案、こうして3人で50年前の初恋の相手を捜す旅が始まるのだが…。

[出典]http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338843



ベッタベタな王道恋愛ストーリー。だがそれがいい


正直、全然期待しないで観にいきました。公開当初なんて「某食べて祈って恋しちゃう系の映画っぽいな〜」などと思ってた位だったのですが…。私が間違ってました!と土下座したくなるくらい素敵でした。

第一印象はサイアク!!でも、話してみたら意外とイイ奴かも?なんか一緒にいて楽しいし、素の自分でいられる…あれ?もしかして私彼のこと…?という少女マンガ的展開(ex.「ガラスの仮面」の真澄様とマヤ)が大好物な私のような人種にとっては、もうたまらない映画だと思います!

まず、本作を一番讃えたいのはキャスティング。(キャストは公式サイトを参照)
気が強くて可愛いヒロイン・ソフィ(アマンダ・セイフライド)に、イケメンシェフだけど自分勝手な婚約者・ヴィクター(ガエル・ガルシア・ベルナル)。ソフィの返事を読んで昔の恋人を本気でヴェローナまで探しに来る可愛いおばあちゃん・クレア(バネッサ・レッドグレーブ)、超ヘタレでひねくれ者だけど実は人権派弁護士だったりするクレアの孫・チャーリー(クリストファー・イーガン)。そしてクレアのかつての恋人で渋カッコイイおじいちゃん・ロレンツォ(フランコ・ネロ)。
このハマリすぎ(で、ある種記号的)なキャスティングのおかげで、ややもすると醒めた目で観られかねないご都合的展開も気になりませんでした。むしろ、そのファンタジックな世界観に思いっきり浸れてよかったです。もちろん全編にわたる細やかな演出や、ヴェローナという非日常的なロケーションもあったと思いますが。
特にヴィクターとチャーリー、この2人はまったく異なる魅力を放っていてすごく良かったと思います。ガエルはその濃ゆくてうっとおしい演技が大好き!そりゃあんなに自分勝手にふるまってたら逃げられるわ!ということで100点!そして、チャーリー役は彼の為にあったんじゃないかと思うほどのクリストファー・イーガンの好演!!いやもう1000点!彼は生来のヘタレだと思います。(失礼)
正直、私は途中からチャーリーばっかり観てましたw 本当にもう彼のヘタレぶりには上映中何度こぶしを握りしめたことか…!「行け!そこだチャーリー!なんでいかないんじゃー!」と座席で悶える始末。たとえばクレアとロレンツォの再会後、すぐにソフィがヴィクターの元へ帰ってしまうのですが、クレアに諭されたチャーリーが追いかけて目にしたのはホテルのバルコニーで抱き合うソフィとヴィクター!そうしてチャーリーは失意のままその場を後に……ってこら!!ちょっと前に「もし俺がロミオだったら囁くなんてナマなことしてないで、バルコニーからジュリエット掻っ攫っちゃうけどね(ドヤッ)」とか言ってたくせに!ロミオ以下!

だいぶ好き勝手言いましたが、私はこの作品すごく楽しめました。観終わった後は、ヴェローナを吹き抜ける風のようにさわやかな気分になれること間違いなし!

チャーリーのヘタレぶりだけでも一見の価値ありですw


『イリュージョニスト』感想

2011/7/30 目黒シネマで鑑賞。


1950年代のパリ。かつての人気も今は昔、初老の手品師タチシェフは、寂れた劇場や場末のバーを巡るドサ回りの日々。そんなある日、スコットランドの離島を訪れたタチシェフは、ひとりの貧しい少女アリスと出会う。手品師を何でも叶えてくれる“魔法使い”と信じ、島を離れる彼に付いてきてしまうアリス。やがて、言葉も通じないながらも一緒に暮らし始めた2人。落ちぶれた自分を尊敬の眼差しで慕うアリスに、いつしか生き別れた娘の面影を重ね、彼女を喜ばせるべく魔法の呪文とともにプレゼントを贈り続けるタチシェフだったが…。

[出典]http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338328%3Ca%20href=




※以下、ネタバレあります※






魔法はいつかとけるもの。それでも、たしかに2人は幸せだった。



以前の上映期間のときは気になりつつも観られなかったのですが、最近目黒シネマでやっているというのを知り行ってきました。本当に本当に素晴らしかった!!きっかけをくれたid:itottoさんに感謝です。今も公式サイトの曲を聴きながら書いてるんですが、聴いてるだけで感極まってますw

お話としては、あらすじに書いてあることがすべてです。本当にシンプルな物語なんですが、その描き方がとても丁寧で優しくて好感を持ちました。タチシェフとアリスを軸に、脇のキャラクターも出番は少ないのにしっかりと性格付けがされていて、それが物語に生かされている。酔っ払いの気の好いおっちゃん(スカートが可愛いんだこれが)、ピエロの腹話術師、人生を終わらせようとしていた男…。すべてのキャラクターに愛を感じました。

そして兎にも角にもアニメーションが素晴らしい!!!画面全体の描きこみが細かく美しくて、いちいち画になります。すべてのシーンのポストカードが欲しい!
パンフレットも買ったのですが、この作品って全部手描きで、線が微妙に歪んでるんですよね。真っ直ぐなハッキリした線が一本もない。それが作品の世界観をより一層際立たせています。まさに"イリュージョン"!
色使いも素敵で、全編に亘ってうす暗い色を使っているのですが、明るい色を使っているものがいくつかあります。赤い靴に真っ白なコート、真っ白なハイヒール、そして水色のワンピース。これらはすべて、アリスにとっては"魔法使いのタチシェフが魔法で与えてくれたもの"です。画面全体がうす暗い中の妙に明るい色=画面から浮く=現実感がないんですよね。この表現は控えめ且つ分かりやすくて好きでした。

最後、いろいろなものが終わっていくラストには涙が止まりませんでした。手品師としてのタチシェフ、老舗のミュージックホール、そして魔法。クライマックスで、それまで平坦だった画面の視点が急に変わるシーンがあるのですが(あれは魔法がとけた瞬間を表していると思いますが)すごく綺麗でした。

魔法はいつかとけるもの。でも終わっていくだけじゃない。アリスのこれからの人生はきっと新しく紡がれます。"イリュージョニスト"であることをやめたタチシェフだってきっと。タチシェフはアリスに「魔法使いなんていない」と書き残して去ったけれど、たしかに"魔法使い"は存在したと私は思います。



【ひとことメモ】

  • 監督、脚色とキャラデザはいいけど作曲までやってたんだ…!シルヴァン・ショメに涙搾り取られたよ!!
  • 曲が良すぎたのでサントラ注文しちゃいました。監督自身が作曲しただけあって、場面場面に合うんだなー。
  • ロックンロールバンドのボーカル最高wwwあの背中ズリズリやる動きは監督のツボなんだろうか(笑)
  • 酔っ払いのおじさん大好き!!草むらをころがり落ちていくとこ可愛かった〜。