風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

街場のメディア論

内田樹という人の本。息子の学校の課題図書らしく、Amazonの無料で読める本の中にあって、目についたので読み始めて一気に読了。

この人は他にも「街場の」シリーズを数冊出しているので、それらの中古を買って読んでみることにした。

考える、ということをやめてしまったメディアが、まあ、これでいいんだろ、と垂れ流す番組でいかに日本人の感じ方と知性をダメにしているのか、が書かれている。

10年前に出された本なのだが、その頃から問題はずっと残っていて、むしろ悪化しているので、それに気づいて暗然となった。

大谷翔平のニュースを流しておけばいいんだろ、雛壇作ってお笑い芸人にしゃべらせればいいんだろ、売れている漫画を原作にして売れてる芸能人のドラマを作ればいいんだろ、と、思っているのではないかと疑いたくなる思考の放棄。

最近の動画の、オレを見てくれ、という感じのヒステリックなタイトル付け。

羊頭狗肉

 

人は自分にとって心地よいと思えるメディアに着地して、それぞれにわかりあえないままに、楽しく暮らしていくようになるんだろう。

トリリオンゲーム

 

「トリリオン」は「兆」のことだ。1兆ドルをかせいでみせる、という夢を追いかける2人の若者のお話。池上遼一の絵は荒唐無稽でドラマチックなものと相性がいいと思うのだが、この作品もまさにぴったりだ。ドラマにもなっているらしい。

 


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うーん、漫画のハルとイメージが違いすぎる。


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ほとんど何もない2人が機転とはったりと人より秀でたコンピュータの知識だけで、巨大な企業に伍する大企業に成り上がっていく痛快な話。1巻の表紙になっているのは「ハル」という、機転が利いて口が異様にうまくてけんかが強い主人公。彼がヒーローとなって、いろいろな逆境をどのように克服していくのか、を見て楽しむ漫画。

そんな彼を潰そうとする巨大企業の老人と戦いながら、次第に地歩を固めて1兆円企業になりあがっていく。

なかなかに馬鹿馬鹿しくて面白い。

 

犬を触る

弟の連れ合いが仕事でモロッコに行ったらしく、弟も今週からモロッコに出発である。モロッコのことはオレはよく知らないが、カサブランカがあったところだよな、確か。

弟たちが飼育しているミニチュアダックスフンドを実家でその間に預かるという。おとなしくて賢くて可愛い犬だという話を親から聞いていたので、1度、見に行ってみようと思い小田急相模原に出かけていった。

ミニチュアダックス

ほとんど吠えないし、人なつっこい性格だし、確かにこれは可愛いなと思った。犬をなでていると癒やされる。アニマルセラピーというのがあるが、あれは効果があるだろうなと思った。自分になついてくれる動物というのはなぜ人をほっとさせるのか。

 

前回と同様に弁当を買ってツマと実家に行った。ツマも犬を見てみると言うことで実家に一緒に行った。弟が実家には来ていて、小説を2冊オレに貸してくれた。人が読んで面白いと言っていた小説を読むのは、あてがはずれることも多いけれど、思いがけない世界が開ける場合もあって、ひとまず進められたら手に取っている。

弁当を食べたら満腹になり、

 

Meta Quest 3: 複合現実を体験できる新しいVRヘッドセット - 購入する | Meta Store | Meta Store

弟が Meta Quest 3 を実家に持ってきてくれていたので、それを体験させてもらった。

 

自分の部屋が完全に別の空間になる圧倒的なMR体験を遊べるMeta Quest 3のフルカラーパススルーがすごすぎた - GIGAZINE

First Encounters というソフトで遊んだのだが、ぐるりと360度すべてがゲームの世界になる感覚は斬新だった。

動画がヘッドセットで3Dになるのをはじめて見たときと同じくらいか、それ以上にびっくりした。ヘッドセットを付けても、外側の世界はセンサーが読み取って内側で画像として見せてくれるので歩行も可能。外の世界の映像にゲーム画像を重ねるARという技術が融合していて、これは新しい別の世界に入った感覚が得られるといっていいと思う。

これをどう使ったら人はもっと豊かになるのかわからないが、旅行のソフトとか、アドベンチャー系のオープンワールド系のソフトなどは、すごくはまるだろうなと思う。

【VR】ついにゾンビ出た!絶叫&三村逃げる! (youtube.com)

PS4で遊べるバイオハザードなどは相当に怖いのではないかと思う。耳元で聞こえてくる音も鮮明だし。

 

天気も良く風が気持ちよいので、小田急相模原から中央林間までツマと歩いてみることにした。なんとなく行き方は知っていたが歩いてみるのは地元民の自分もはじめて。30分くらい歩いて、およそ10,000歩くらい歩いたところで中央林間に到着。そこそこ疲れたが、疲れなければ散歩している意味もない。

弟がはちきれんほどにマンマルに太ってきていたのは、兄としては見ていて悲しかった。あれが原因で病気になったりしなければいいのだが、と心配になった。

 

オレは2ヶ月くらい、小麦粉を使ったクッキーやビスケットなどのお菓子類を食べていない。米菓(おせんべい)の類も食べていない。

おやつはチーズか、鮭缶、あるいは肉を炒めたものを食べている。ほんとうに少しずつなのであるが、顔もちょっと痩せてきたように思う。それからここのところよく散歩するので、それもきっと体に貢献してくれていて、糖尿病のリスクを結構下げているのではないかと自分では思っている。

 

 

湘南を歩く

家族で東京競馬場に行こう、と、家族サービス的なことを考えていたのだが、息子に、競馬には興味ない、とばっさりと断られてしまった。

天気がいいのに家に籠るのは嫌だったので、とにかく出かけることにした。また散歩でもしよう。どこに行くかは、青葉台駅の改札を通る時に閃いた。江ノ島で降りて江ノ電に沿って鎌倉に向かって歩こう。

結局長谷まで歩いてそこで力尽きて戻ってくることになる。

 

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片瀬江ノ島駅から江ノ島駅を越えてさらに歩くと、湘南モノレール江ノ島駅というのに出くわす。大船までこれで行ける。初めて見た。試しに乗ってみたが、どの駅で降りても散歩コースとして全く面白いことになりそうになかったので、西鎌倉という駅で降りて、また江ノ島に戻ってきた。

 

鎌倉に向かって歩く。風が冷たく日差しが熱い。実に気持ちがいい。いくらでも歩けそうな気がしてくる。

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鎌倉高校前駅の近くには、スラムダンクの聖地となる踏切がある。写真を撮ろうとそこにたくさんの人たちが集まっていた。

んー、オーバーツーリズム。

江ノ電がくるとみんなで踏切と江ノ電のツーショットを熱心に撮影。中国人が多いように思った。稲村ヶ崎を除けばずっと平坦な道なので歩いていて苦ではない。自転車だったら最高だろうな、と思う。

 

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これは鎌倉高校前の隣の踏切の混雑。わざわざ日本に来て踏切を撮影してくれて、ありがとう中国の人たち。

 

長谷駅の近くで

「かわいい娘たち」というプリンの店で、家族へのお土産を買った。が、プリンはガラスの容器に入っていることを忘れていた。荷物が一気に重くなってしまった。

しらす丼の旬だったのだが、ついつい通り過ぎてしまい、結局昼ごはんは藤沢で食べたバーガーキングとなった。これはこれで美味しかったけれども。

 

回転木馬のデッド•ヒート

 

図書館で借りてきて、湘南散歩に行く途中に電車の中で読んで、昼ご飯を食べながら読んだ。2日で読了。読みやすかったし面白かったのだ。

短編集で、この頃の村上春樹は読みやすいし言葉の選び方にも神経を配っているし、変に気取っておらず、肩の力が抜けていて本当に読んでいて気持ちがいい。採取されている話にはどれも「オチ」のようなものはなくて、何をくみ取るかは読者の経験次第である。大学生の頃に読んだはずの話が、50歳を過ぎてから読むと味わいがぐっと深くなっている。

何もかもを言わない距離感が好きだ。事柄があってそれを綺麗に切り取って、あとは読者がそこから何を感じるか、それにまかせる村上春樹の小説の味わいがしっかり出ている。そしてこの短編の1つ1つには、大人なら共感できるような言葉にしにくい味わいのようなものがある。

 

ノルウェーの森」は文章はすごく美しいのだがストーリーは好きではない。なぜその人はそういう行動したの?がわからない部分が多い。作中の誰にも自分は共感できない。

羊のシリーズはその不思議なファンタジーとリアルの間を描く世界は好きだが、これも作中の誰にも共感できない。

村上春樹はお話を作るのはもともとうまくないのだと思う。しかしそれを補える言葉のセンスと素材の切り取り方ができるので、それが自然に発揮されるとこういう他の誰にも書けないような小説ができあがる。

「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」は3回読んだ。あれも実は長編小説の体裁をとった短編小説の集合体のようなところがある。なので、あれだけ美しく、印象に残る、いい小説ができたのではないかなと思う。

何が言いたい話なのかはこの作品についてもわからないままだが、この小説ではそれがプラスに働いているような気がする。

株式トレードの取り組みの脱皮

長期休暇を使ってじっくりとデイトレードもどきで、東京エレクトロンの株価の動きをじっと見ていた。この銘柄、1単位が350万円くらいで、株価ボードの35500という金額の数字が10単位で上下する。10あがれば1000円である。この10の単位でじりじりと数字が上がったり下がったりする。自分が買ったときの数字から上に10回ふえたところで売れば1万円のもうけになる。

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前にブログで書いた「株式トレード 基本と原則」の内容と、テスタの一連の動画を見て、それからツマが見ていた松井証券の株式の動画を見て、いろいろと考えを改めることができた。


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ようやく少しずつトレードが先週くらいから変わってきたので、それについて少し書いてみる。

 

1:損切りがすぐできるようになった。

「当たり前のように損切りをする」とテスタが言っていたのを動画で見て、そうだよなと目が啓いた。しかし、人は自分の信じたいことを信じてしまう生き物なのだ。損切りができるようになってきただけではまだ不十分で、もうちょっと様子を見よう、もうちょっと見よう、とずるずると傷口を広げてしまう。事前にどこで相場から出るかを決めておいてそこで逆指値を入れておく。

相場から出るときは、今は、おもに指値ではなくて、逆指値を使って損切りしたり、利益を守ったりしている。

指値は俺がかつて使っていた MONEXコスモ証券にはなかった。この機能がこれらの証券会社の機能にあったなら、もう少し早く今の地点に来れたかもしれない。

楽天証券を使い始めたことも幸いしている。

 

2:指値での売買しかしなくなった。

「あがりそうだから買おう」

という判断で相場に入ったら、90%くらいは結局のところ敗北する。

 

あがりそうだ!と思ったときには、つい「遅れまい」と成行買いしたくなる。が、先週から成行買いは封印した。成行買いはよくないと数年前から頭ではわかっていたのに、我慢ができなかった。若かったからなのか。「勝ちたい」「増やしたい」という気持ちが前に出すぎていたからなのか。

あがりそうなので買います、が、この金額まで安くなってきたら買います。

という指値を自分の感覚で決めて「ここまではちょっと無理かな」というところで、じっと待つ。獲物が近づくのを待っている蜘蛛とか猫とかと同じ感覚だ。それで実際に無理だったこともあって、あと一歩で成立しなかったことがある。そこで焦って成行に切り替えたら、そのときはうまくいかなかった。反省した。

ここなら勝負できる、というところで待ちつつ、しかし売買が成立しなければ上げ下げの読みが当たっても仕方がないので、その辺の加減が難しい。なによりも買えなかったらいやだ、という気持ちを抑え込むのが難しくて、ずっとこれができなかった。

「買えなかったか。そして、あがってしまったか・・・。まあいいや」

という境地になるのが自分にはとても難しかった。が、年を取って諦めるのがうまくなってきたからなのか、そういう現象に以前よりは小さいストレスで向き合えるようになってきた。

「自分の陣地から出ない」

ということにこだわり始めると、これまでの「当て物」と違う相場の世界が見えてきた。

 

やっと株取引の世界で「不合格未満」から「見習い」くらいにはなったかな。

 

正直不動産

NHKで放映されていた「正直不動産」をAmazon動画で視聴。なかなか面白かったのでそのままTSUTAYAで10冊くらい借りてきて読み始めている。

ある行為で呪いにかかってしまった主人公が、不動産取引で嘘がつけなくなってしまったという設定。俺様オーラがただよう、山下智久が主演。俺様的な主人公が、呪いのせいで思ったことを全部言ってしまうようになり、それで四苦八苦しながらも、逆にそのことで成功していくという話。

不動産業界の闇というか、業者がいかに「わかっているけれどいわない」ことがあるのかをこのドラマや漫画は教えてくれる。

主人公の周りで、ばたばたと動き回る引き立て役として福原遥を起用したのもうまいのではないかと思う。主人公を食わないし、見た目が可愛いので見ていて楽しい。

このマンションを購入するときにも、父親のつてでこの物件について問い合わせをしたことがあった。不動産の取引を独占するために「もう売れた」と担当していた不動産屋は嘘をついたりしたのだな、ということがわかった。もう今更それを怒ったりしないが、そういうことが常態化している不動産業界には、結構深い闇があるのだろうなと改めて勉強になった。