今日のこと、忘れないと思う
改札から2番出口に向かう、黒い服。
極彩色の花びらの中に彼がいる。
色々な表情の人々を黒いレースが包む、蝋燭のように揺れる人の波の中でs君がこちらに向かってくる。
彼が教えてくれた、存在だった。
闇を切り裂く、歌声とともに初めて聞いた時、この暗闇は無限に広がるけども、切り裂いてくれた隙間から光が見えた。
手を差し伸べ、微笑んだ彼の姿に永遠を見た。
頬にBTの文字をs君に書いてもらい、SSLの時のIさんみたいに目に黒い線書きたくなったら書いてあげるね、そんな話をした。
暗転、彼の影が中心にあった、ただ、影を作る存在はそこには無い。
叫び声、鼻をすする音、
心の隅っこで事務所の偉い人が変わって変な炎上商法をしていて、武道館で実は生きてました!という発表があるのでは?と思っていた。
当たり前にあるわけはなく、もう居ない、という存在がそこにはあった。
あの日から、ずっと、何故お手紙を書かなかったのだろうと後悔している。
自分の気持ちを相手に伝えることが出来たのに。好きです、尊敬しています、好きです。
簡単な言葉だけでも、考えが何周もした空ぶった言葉でも、あなたは絶対に受けとめてくれる優しさ慈愛に満ちている。
いつまでも、それはいつまでも続いてる。
まだ、あなたの声で聞いてない言葉がある
あなたの持つ感情を歌に乗せた、それ、を私は心のどこかで無限だと思っていた。そんなわけないことは分かっている。
曲間に客席から叫び声が聞こえる、その人は12/29、武道館にいる。
みんな、同じ時を生きて、涙を流している。
12/29武道館までの道のりを振り返ると涙と血の跡がポツポツと落ちている。目の前には閃光が。
あなたを先頭に、小さな光たちのPARADEが歩を進めてる。
暗黒宇宙に戸惑う私に、彼は文章表現という生き方を教えてくれたように思う。
暗黒宇宙で私は赤い靴を履き、その日が来るまで踊り続けよう。
音が、色が、無くなることなんて無かった、これからもずっと、私の世界を彩る
さようなら、出会えて幸せでした。
世界一美しくて、愛されてる人へ