本題

映画けいおん観てきたのでどうしても当日中にエモく感想が残したかった。すぐ黒歴史量産マシーンみたいなことする。
 新作にあたって、それまで 5 人にとって当たり前すぎて描かれなかった美しいものが描かれたり、なども随分想像しました。が、"ロンドンに行く"という予告 CM 情報のみから察するに、いつもの『けいおん!』の舞台設定挿げ替えかなあ、などが僕の鑑賞前イメージ。
 結論から言えば全くその通りでしたがある意味ではまた違いますね。地に足のついていない表情やふわふわしたそのさまはもうたまらないぐらい HTT で、でも思ったよりロンドンロンドンではなく、この映画はその実「 4人の梓のためのプレゼント」を一貫して作っている。もっと言ってしまえば『天使にふれたよ!』に詰め込まれたありったけの感情、そこに起伏をつけているだけのピースであるのが此度のロンドン旅行のように思います。
 このへんもあまりに大きすぎて落とし所を見つけるのが大変にむつかしいのですが、結局かわいい梓を唯が(あるいは 4 人で)愛でて―――な美しい共依存関係が保たれている限り特に邪推する必要もないのでしょう。もったいないぐらいです。けいおん全体を処理し切れないだけなのですが。
 本当の事を言えば"映画"というフォーマットで観ても良いものなのか幾度も悩みました。だって映画だよぉ、映画ですよ??? 作品に触れる上であまりに制約が大きく鬱陶しく、 Twitter で管を巻いたような tweet を 見/呟き ながら、とは訳が違いましょう。それでも重い腰を上げてえいやっと帝都立川シネマで鑑賞したのは、結局僕が辛抱足らずだったからというだけの話ですね。
 
 僕の貧相な感受性でも貰ったものが多すぎて好きなシーンを挙げろと言われても答えに窮してしまって、唯のでーもねーっが聞こえる度に胸の苦しい思いをしたぐらいだし。一部分を切り出してこぼれた残りの方が心配になる有り様だけれども強いて挙げるならば、ラストライブ U&I になるのでしょうか。憂に向けて作られた音楽がみんなに広がって、そして机から飛び降りて、ステージ上の HTT を見つめながら。

!!!!!挙げ出せばもう止まらない!!!!!
 2 期的な描かれ方で格別に印象深いのがさわちゃんの登場シーン。せいぜい 4,5 分の時間で本当にシールドを挿すことしかしかしていない場面です。本当にただの頼りない"年上女の子先生"だったさわちゃんが、 2 期 24 話時点で見せた"山中さわ子先生"までの成長ぶり。この変化の到達点がたった数分の「とんぼ返りでロンドンに来た」というともすれば異常性すら感じる描写を添えた場面にあるんです。あるんです!!!!
 
 だいたいさー、半端ない作画のきれいさとか ED 含め衣装の色彩感覚の素晴らしさとかきりがないんだけどさー、初見の感想を大切にしたいと思える作品に出会えてこうもう。あの 5 人の中には好意より眩しくて満ち足りた何かが希釈されることなくずっとある。テレビのとき唯梓ばかりに眼を向けさせられていた僕が BGM: いちばんいっぱい からボロッボロ泣くしかなかったのはその辺りが初めて体感できたうれし涙なんじゃないかなあなどと思います。本当に幸せでしたうっ。