新時代の名古屋めし!元祖台湾まぜそば 麺屋はなび緑店
簡易版・日本酒サングリアを作った
協和酒造純米大吟醸初雪盃
愛媛の銘酒「初雪盃」は、はっきり言って旨い。純米大吟醸もいい。芳醇。
しかし個人的趣向として無濾過生原酒のような荒々しい酒が好きである。初雪盃については後日筆を改める。その時に語り尽くしたい。
別に旨くはないが評価したい、富久錦 Fu レビュー
富久錦の純米酒"Fu"を飲んだ。
小洒落た名前とロゴから、てっきりワインではないかと思うところだが、そう。飲み口はまるで白ワインだ。もちろんこれは日本酒なのだが、日本酒とはかけ離れている。度数は8%、日本酒度はマイナス60%。
正直言って別に単体では旨くはない。甘酸っぱく、後味も違和感がある。フルーティといえばフルーティだが、甘すぎてややエグい。
しかし食前酒と考えれば後味の違和感も大した問題ではない。チーズ、レーズン、洋食など、白ワインに打って付けの料理と一緒に味わうのであれば、これほど奇をてらいつつも適切なチョイスはない。実に合う。そして何よりこれは白ワインではない。日本酒でありながら、白ワインのシチュエーションが相応しい"Fu"は、日本酒の裾野を大きく拡大する野心作と言えるので、その志の高さを大いに評価する。
日本酒純米大吟醸まぼろし(幻赤箱)レビュー
退屈すぎるリメイク版「日本のいちばん長い日」を観て、再確認する昭和版の「狂気」と「スピード感」。
原田眞人によるリメイク版「日本のいちばん長い日」を、上映開始日の最速上映時間に映画館で観た。しかし、終始退屈であった。
一方で、1967年に公開された岡本喜八による昭和版「日本のいちばん長い日」は、昭和天皇が終戦の詔書を鈴木貫太郎に命じるまでわずか20分、そこでタイトルバックが流れ、残りの時間は「8月15日の玉音放送に至るまでの24時間がいかに濃密であったか」というテーマを描き切ることに注力する。迫るタイムリミットに、視聴者は手に汗を握る。
(1)「日本のいちばん長い日」(1967年版、以下昭和版)の面白さはどこにあったか。それは紛れもなく戦争継続派の軍人たちである。時系列に沿って、彼ら戦争継続派と、終戦派、二つの軸が同時並行する。天皇陛下の御聖断を仰ぎ、陛下に読んでいただく原稿をまとめ、録音し、原盤を全国放送する。
— Sunao.K (@sunao365) 2015, 8月 9
(2)これが終戦派の行動と目標である。これを阻止すべく、継戦派は決起への協力者を集め、宮城を占拠し、録音原盤の奪取を試みる。構造は明快である。さらに継戦派軍人たちを徹底的に狂気として描くことで、ドキュメンタリー的でありながら、サスペンスの様相さえ呈している。
— Sunao.K (@sunao365) 2015, 8月 9
(3)玉音放送の原稿の文面を内閣で長々と討議し、細かい表現をグダグダ訂正、書き直しを強いられるなど、収録時間が遅れるというシーンがある。普通に描いたらイライラする。しかし、そういう時に限って、自転車で坂道を進む畑中少佐の後ろ姿や、狂気の演説をぶちかます佐佐木大尉が必ず登場する。
— Sunao.K (@sunao365) 2015, 8月 9
(4)ちんたらしている終戦派に対し、策謀を張り巡らせる狂人たちが着々と迫り来る。この構図が最高なのだ。ホラー映画に似たワクワク感さえある。破壊、銃撃、放火。日本陸軍最後の真夏の夜の夢を、スピード感全快で描ききった怪作である。これに対して原田眞人のリメイク版はどうか。
— Sunao.K (@sunao365) 2015, 8月 9
(5)上映時間の大半が昭和天皇や阿南陸相、鈴木首相とその家族の描写に費やされる。蛇足も多い。昭和天皇が停戦を決意し従臣が涙を流す場面は昭和版とリメイク版両者にあるが、そのシーンに到達するまでに昭和版はわずか20分程度だか、リメイク版はなんと1時間半もかかっているのだ。
— Sunao.K (@sunao365) 2015, 8月 9
(6)映画の大半が退屈な前菜に費やされ、メインディッシュの宮城事件に割く時間が短すぎる。継戦派軍人を描く時間も足りないし、佐佐木大尉や厚木航空隊事件もほぼカット。明快な構図も散漫となり、ポツダム宣言受託から原盤収録までのグダグダは、ただイライラするだけでワクワク感は皆無。
— Sunao.K (@sunao365) 2015, 8月 9
(7)真正面からリメイクしても昭和版には勝てないので、終戦派をメインに据えようという方針になったのは理解できなくもないが。はっきり言って2時間の上映時間が退屈過ぎていちばん長い日だった。地上波で2時間のドラマとして流せば十分な内容であった。
— Sunao.K (@sunao365) 2015, 8月 9
(8)昭和版で描写できなかった陛下を、違和感なく演じきった本木雅弘には拍手だし、放送を物理的に阻止されてもなお断念せずに軍の真意を真顔で読み上げ続ける畑中少佐は、昭和版よりも狂気が静かに滲み出ていて秀逸な演出だった。部分的に見るべき点は少なくないが、脚本が全てを台無しにしている。
— Sunao.K (@sunao365) 2015, 8月 9
(9)以上、日本のいちばん長い日のリメイク版を、初日の最初の上映時間に観た感想。観客はご老人が多かったが、彼らは満足できたのだろうか。昭和版のファンはDVDレンタルを待つことを推奨。
— Sunao.K (@sunao365) 2015, 8月 9
三船敏郎の握る日本刀で描写する威厳、黒沢年男と天本英世の怪演など、昭和版は俳優に力があった。それを差し引いても、残念ながら昭和版の出来の良さを浮かび上がらせる程度の価値しか、リメイク版には見い出すことができなかった。