日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

一番茶シーズンは折り返しに

こんばんは。

上河内地区の一番茶は本日で6日目となりました。うちで管理している畑も今日で半分程度は収穫し終えたかなと思います。

昨年は収穫量がかなり少なめな年でありましたが今年は増加。平年並み程度は確実にありそうですし、なんなら増収となりそうです。だからと言って品質が悪いわけでも無く味も香りも申し分なしなので、かなりの当たり年ではないかと思っています。

ただ、本来なら今年のような状態を安定して作り出せるようにするのが力の見せ所になるでしょう。それがなかなか難しくもあるのですが、少なくとも今年の結果を翌年以降のお茶づくりに生かせるように気付きや学びはしっかりと残しておこうと思います。

一番茶シーズンは残り1週間は無いでしょう。次の土日辺りには終了してホイロ上げをしている可能性が高いです。

あと少しと言えますが疲れが溜まってきている状態でもあるため、事故や怪我にはより気を付けつつ真摯にお茶づくりを進めていきたいと思います。

一番茶5日目とみどりの日

こんばんは。

上河内地区の一番茶は本日で5日目となりました。

 

平年であれば折り返しくらいになるのですが、今年に関してはいつもよりちょっと時間が掛かるのではないかと思っています。というのも、今年は充実した芽が育ってきているため一本当たりの芽の重さがそこそこありつつ、さらに芽数もある程度あるため収穫量がやや多くなっています。一日に収穫できる量(重量)も限られるため、いつもよりは若干長いシーズンになるかと思っているところです。

そういえば今日はみどりの日。ちょうど若葉が茂りつつあり新緑が美しい季節になりますが実は若葉の色は黄緑色とは限りません。もちろん黄緑色の芽を伸ばす植物が多いので概ねその認識で間違いないのですが、植物の一部には赤っぽかったり紫っぽかったり、中には黒っぽい新芽を伸ばす植物もあります。

そのため、意外とこの時期の山林はカラフルなのです!

※上手く撮影できなかったのでこの写真ではいまいちわかりませんが、肉眼で見ると単色ではないことははっきりと分かります。

私自身も若葉=黄緑色という思い込みはあるので、実際のカラフルな若葉を見ているとそのイメージと現実とのギャップが面白く感じます。

 

なお、黄緑色の茶畑は収穫が進むことで若干濃い緑色になってきました。収穫前の畑では新芽が伸びているため黄緑色に見えるのですが、収穫を終えた畑では下の葉っぱが表層に出てくるため色が濃くなったように見えるのです。

※収穫は伸びた芽全てを採るのではなく少なくとも葉っぱ一枚程度は残すようにしています。下の方の葉っぱは早い時期に開いた葉っぱであること、上の葉っぱと比べるとあまり日が当たらないことから緑色が若干濃くなります。また、刈ることで葉っぱがほぼ同じ厚みで残るため光の当たり方及び反射もそろうでしょう。そのような状態になることから色が濃くなったように見えるのです。

収穫前の芽が伸びた畑も美しいですが、収穫を終えたばかりの畑もそれはそれで美しいと思います。

良いお茶出来てます!

こんばんは。

上河内地区においても一番茶の収穫製造が最盛期入りとなりました。お茶は地区の共同の工場で揉んでいるのですが、最盛期となると大体4,000㎏/日を超える生葉が安定的に集まります。

 

雨の影響で収穫の開始が遅くなった昨日でも4,000㎏程度の生葉が集まったほどです。

なお昨日は夜の掃除当番と深夜からのお茶工場の担当が重なり1時間少々しか仮眠を取れていません。地味にきついですね(^^;)

今夜は当番などは無いため、一晩ぶりにゆっくり休むことが出来そうです。しっかりと体を休め明日からの収穫に備えたいと思います。

八十八夜ですが

こんばんは。

本日5月1日は八十八夜です。今年はうるう年であるため、いつもの5月2日ではなく1日となっています。

 

八十八夜は農作業はもちろん、お茶とも関連が深いですね。「八十八夜の別れ霜」という言葉があるのですが、八十八夜を過ぎれば遅霜が降り作物をダメにする心配がなくなり本格的に農作業を始めても大丈夫…というような意味合いがあります。

茶摘み歌にも八十八夜が出てくることから、八十八夜と言えばお茶を思い浮かべる方も多いでしょう。

 

そんな八十八夜ですが雨模様となっています。

午前中は天気が持ってくれるかと思いましたが、霧雨が降ってくることもあり朝の時点で収穫は注視とすることが決まりました。そしてお昼過ぎくらいからは雨音が少しする程度の雨が降ってきていますね。

なので休養を取りつつ鉢植えお茶の木のお世話などをしながら過ごしました。

明日は曇り予報ですがその後しばらくは晴れが続きそうなので収穫作業が本格化していくでしょう。体調を整えるなどして備えたいと思います。

香り良し!

一番茶シーズン2日目。今日は天気に振り回された一日となりました。

と言うのも、昨夜から今朝にかけては雨音がするほどの雨が降りましたが、朝を迎えるころには止み曇り空となりました。雲の切れ間から青空が出てくることもあり、さらに風が吹いていたことで露はほぼ乾いた状態。そのため、少し待つだけで収穫が行えるだろう…という感じでした。

 

しかし、もうそろそろ収穫を始めようというタイミングで霧雨が降り始め再び濡れてしまう事に…。近くの山も白くなるほどの霧雨であったためしばらく待機、今日はもうお休みにするかな…という声も上がりつつあったところで天候が回復(曇りですが)し収穫を実施することとなりました。そのため判断に難しい一日でしたね。

 

そんな一番茶シーズン2日目となりましたが、昨日そして今日とお茶の芽に向き合った印象としてまず挙げられるのが香りの強さです!

直近数年のうちでトップクラスに香っているように思います。

こちらは手摘みの生葉を入れておく”ちゃまき”です。

生の葉っぱは呼吸をしていることにより熱を持つ傾向があるため、空気が良く通るように真ん中に穴をあけるようにしています。

顔を近付けるとお茶らしい香りがしっかりと漂ってくるのです!

平年でもそれなりに香りはしますし決して弱いわけでは無いのですが、今年の香りの印象と比較すると昨年や一昨年の香りが弱く感じてしまいますね。

 

ただ、これはあくまでも生葉の状態。荒茶に加工した状態ではどうか、そしてその荒茶を仕上げ加工し製品となったお茶ではどうかをしっかりと見ていく行く必要はあるでしょう。

生葉の時点でどんなに香ったとしても最終的にお茶を淹れた時にしっかりと香ることが大切であるため、香り良く育ってくれた芽の特徴を活かせるようにお茶づくりを進めていきたいと思います。

2024年一番茶開始

2024年、一番茶開始です!

まだ始まったばかりですが、今年も一番茶を始められたことに感謝あるのみです。どんなに頑張ってお世話をしてきたとしても、どんなに収穫を心待ちにしていたとしても、たった一晩の霜やたった数分の雹で一切収穫が出来なくなってしまう事もあります。

 

その可能性は高いものではありませんが、かと言って一切無視できるようなものでも無いので毎年ヒヤヒヤしますね。収穫が出来るかどうかは最終的にその年の天候次第な所があるので、まずは収穫を行えることに感謝の気持ちを持ちたいのです。

ただし、霜も雹もまだ無視できる時期ではありません。

特に雹に関しては雷雨になるとその可能性が高まるためまだまだ注意が必要だと言えます(かと言って何か対策が出来るわけではありませんが)

 

少なくとも収穫が終わるまではそのような気象災害を受けることなく過ぎて欲しいものです。

そして我々の力の及ぶ範囲で言えば、最低限事故なしで終えることが目標です。事故を起こしてしまえば身体へ危害が及んだり危険性が高まります。もし、そのような状況になってしまえば一番茶を続けることは出来なくなってしまうため、事故なしで終えることは最も重要かつどんな年でも達成する必要のあるものでしょう。

 

心身へのケアも行いつつ、その日ごとに最高な状態でしっかりとお茶づくりに向き合っていきたいと思います。

お茶に浮かぶホコリのような物は若い芽の証

今年もやってきた新茶シーズン。

お茶を淹れるとその表面にホコリのような物が浮いていることがあるかと思います。今回はそのホコリのような物のご説明です。

お茶を淹れた際、このように表面にホコリのような物が浮かんでいることを目にしたことはあるでしょうか。一見するとゴミのホコリが浮いているように見えるかもしれませんね。

 

しかし、このホコリのような物はゴミのホコリではありません。お茶の芽に元々付いている物になるのです。

上の写真をよく見て頂くと葉の裏側に産毛のような物が生えているのが分かるかと思います。これは毛茸(もうじ)と呼ばれる物であり、芽吹いてから葉がある程度生長するまでの限られた期間しか存在しない物になるのです。

そしてこの毛茸がお茶を淹れた時にホコリのような物となって浮かぶのです!

 

なお芽が生長し葉が硬化して濃い緑色の葉っぱになる頃になると毛茸は自然と消失します。そのような葉っぱで作ったお茶であれば、煎茶であってもホコリのような物は浮かびません。

そのため、ホコリのような物が浮かぶという事は毛茸がある状態の芽を利用したお茶であり、毛茸がある芽という事は若い芽を収穫して作られたお茶である証と言えるでしょう。

 

補足

お茶の種類によっては浮かばないものもあります。普通蒸し煎茶(浅蒸し煎茶)深蒸し煎茶を中心とした煎茶類は浮かびやすいかと思いますが、抹茶などは作り方も淹れ方(正確には点てると言った方が良いですね)も違うためまず浮かばないでしょう。

 

また茶葉なのかティーバッグなのか、粉末タイプなのか、淹れ方や茶葉の状態によっても違いがあるため必ず浮かぶ物でもありません。

そして浮かんでいるから品質が良いとか、浮かばないから悪いとか…と言いたいわけでもありません。お茶を淹れた時に浮かぶホコリのような物は異物ではなくお茶の芽由来の物、芽のお茶を収穫し加工したものであるという印だということをご承知いただけると幸いです。

 

お茶に浮かぶホコリのような物、毛茸に関する情報はお茶関連ではこの時期になると度々目にすることがある内容かと思いますし、このようなお茶関連のブログを見て頂いている方であればすでにご存じの事かとも思います。

実際、こちらのブログでも毎年新茶シーズンになると取り上げている内容です。ご存じの方、継続して読んでいただいている方から見ればくどいと思われるかもしれませんが、まだまだ認知度が低い情報でもあるため毎年変わらず発信しています。そして今後も発信し続けていきたいと思っています。