前回の記事の続きです。
翌日は早朝から活動開始。前日の天気予報は雲なのか霧なのかわかりませんがとりあえず明け方は曇る的な話でしたが、ものの見事に快晴。完全に曇り想定だったのでどうしようかなとあれこれ考えているうちにあっという間に到着しました。
551 DE65 1+キヤE195系ST-6+ST-7編成 仙台港
久々の仙台港駅。既にキヤを2編成繋げた551列車が待機していました。この日の送り込みはST-6+ST-7編成。今年の1月5日から3月20日まで尾久に貸し出されていた編成です。前日に行われた仙台港までの送り込みより東北エリアでの運用に復帰となりました。
ところで、機関庫の方に目をやるとタキ1000-1000の姿が。目撃を見る限りでは割と長期間にわたって仙台港に留置されているようで、どういう目的なのでしょうか…?
さて、ここからさらに移動しまして、仙台埠頭駅へ。
この日発送されるキヤが留置されていました。
手前がST-4編成、奥がST-5編成。この日は送り込みも発送も2編成併結でした。
程なくして踏切が鳴動。仙台港から180°カーブを描くように551列車がやって来ました。
551 DE65 1+キヤE195系ST-6+ST-7編成 仙台埠頭
遮断機のない第3種踏切、背景に広がる埠頭の景色。首都圏では見られない、たいへんに素晴らしい光景です。
仙台港からやって来た551列車は機回線に到着。
すぐに牽引機のDE65 1が切り離され、構内の西側へ。
小牛田の定尺キヤ全6編成のうち4編成が仙台埠頭に集結している、非常に素晴らしい光景です。
などと感動している暇もなく入換が進みます。ST-6+ST-7編成を切り離したDE65 1は折り返して貨1に入り…、
ST-4+ST-5編成と連結。構内の西側へと引っ張り出していきます。
ちょうど頭が揃ったところで1枚。何度も言いますが本当に素晴らしい光景です。
ゆっくりと西側に進んでいき…、
この位置で停車。
推進で本線へと押し込みます。
この位置で停車。これでST-4+ST-5編成の据付は完了です。
続いてST-6+ST-7編成の入換です。DE65 1が切り離され、再度構内の西側へ。機回線のST-6+ST-7編成と連結しまして…、
やはり構内の西側へ。
折り返して推進で先ほどまでST-4+ST-5編成が留置されていた線路に押し込んでいきます。
かなり手前の方まで押し込んでいました。
これでST-6+ST-7編成の入換は終了。このあとレールの積み込みが行われまして、後日発送という流れになります。
さて、入換もいよいよクライマックス。ST-6+ST-7編成を切り離したDE65 1が再び西側に引き上げ…、
単機で機回線へ。
ST-4+ST-5編成の脇を通って構内東側へ。
2020年10月にJR東日本から仙台臨海鉄道へ譲渡されたDE65 1。元々はDE15 1538として長岡車両センターに配置されていました。ラッセルヘッドをつけて雪国を爆走していた除雪用機関車が、現在は仙台の港町で淡々と貨物輸送に従事しているというのもなかなか面白い話です。
そんなDE65 1が本線のST-4+ST-5編成に連結されまして、これにて一連の入換が終了。
552 DE65 1+キヤE195系ST-4+ST-5編成 仙台埠頭
踏切が鳴動し、552列車が仙台埠頭を発ちます。この日の仙台埠頭発送、岩切工臨です。この時期は太陽の向きがあまりよろしくないので今回は広角で。空が綺麗でよかったです。
制限15のカーブをゆっくりと進み、まずは仙台港駅を目指します。
552列車の去った仙台埠頭駅。再び静かな時間が流れ始めます。
首都圏出張でまさに大車輪の活躍を見せたST-6+ST-7編成。このあとは4月16日の千厩工臨で発送されていったようです。
さて、この後は発送を追っかけ。仙台港駅で停車している間に先回りしまして、樋の口大橋へ。
660 DE65 1+キヤE195系ST-4+ST-5編成 仙台港~陸前山王
仙台港から列車番号を660に変えたDE65 1とST-4+ST-5編成がゆっくりとやって来ました。三陸沿岸道路と砂押川の間を貫き陸前山王に至る、臨海本線のハイライトとも言える区間です。キヤE195系小牛田車の運用開始から約3年半、遂にこの場所での撮影が叶いました。
積み荷のレールもよく見えます。ST-4編成は50Nレールが32本、
ST-5編成は50Nレール24本でした。ぎっしり満載も美しいですが、上下12本ずつのこの積み方もかなり芸術点高めです。
振り向くとこちらもまた素晴らしい景色。多賀城の駅前を通り、仙台港から太平洋へと流れる砂押川、河原の桜も半分くらいは残ってくれていました。
そして仙台から青森県八戸へ至る三陸沿岸道路。仙台臨海鉄道と東北本線を跨いだ先に多賀城ICがあり、続いて利府JCTで富谷(東北自動車道方面)と松島・石巻を経て八戸へ向かう道に分岐します。さらに奥には2002年の日韓ワールドカップ等に使用された東北最大級のサッカー場、宮城スタジアムも見えます。
660列車はここから左手に大きくカーブし、陸前山王駅で東北本線と合流します。姿が見えなくなるまで見届け、これにて朝の部が終了です。ホテルへと戻り、のんびり朝食を堪能しました。
朝食後は少し休みまして、ホテルをチェックアウト。多賀城の駅へと向かいます。
仙台埠頭の最寄り駅…、と表現するにはやや無理があるように思えますが、鉄道で行くのあれば一番近い駅ということになる多賀城駅。昨年から撮り鉄やそれ以外の目的で何度も訪問していますが、いいところです。2024年は多賀城創建から1300年の節目の年ということで、駅前公園にパブリックアート「印歌の痕 ~weave history」が設置されています。
余談ですが、特別史跡多賀城跡の最寄り駅は仙石線の多賀城駅ではなく東北本線の国府多賀城駅です。まあ多賀城駅~多賀城跡と多賀城駅~仙台埠頭がだいたい同じ距離みたいなので、そう考えると歩けなくもないな…、とは思ってしまいますが…。
ということで、次なる目的地は国府多賀城の隣の駅、陸前山王です。決して歩けなくはない距離ですが、朝の部でだいぶ体力を持っていかれたのでここは電車に頼ります。多賀城市を南北を貫くのはバスのみなので、電車で向かう場合には一旦仙台か高城町に出る必要があります。30分ほどの乗車で陸前山王に到着。駅を出て高橋跨線橋へと向かいます。
※入換(岩切工臨) キヤE195系ST-5+ST-4編成 陸前山王
着くと既に入換が始まっていました。一見すると後打ちのようですが、推進運転で上3へと進入してくる場面になります。
そして発車までこの位置で待機。駅前の桜がとても綺麗でした。今年の尾久キヤと桜のコラボはなかなかタイミングが合わずとうとう撮れず仕舞いでしたが、どうにか小牛田車で撮ることができました。
隣の国府多賀城駅が多賀城跡の最寄駅なら、この陸前山王駅は駅前がすぐ特別史跡山王遺跡という、歴史を感じさせる区間です。この山王遺跡千刈田地区はかつて陸奥守の邸宅があった場所だそうです。
キヤ追っかけの合間ではなかなか厳しいものがありますが、いつか時間を作ってゆっくり観光したいものです。
工9542D 岩切工臨 キヤE195系ST-4+ST-5編成 陸前山王
しばらく眺めているとキヤが仙台方面に向けて発車。目的地の岩切は隣の駅ですが、東北本線の上り線から直接仙台レールセンターに入れないため、一旦仙台駅へと向かいます。
ということで、岩切こ線橋に先回り。先日仙台レールセンターを眺めた場所の道を挟んだ反対側の景色です。仙台で折り返してきたキヤの姿がチラッと見えます。
しばらく待っていると先に利府行きの列車がやって来ました。所定は701系の2連らしいのですが、土休日だからかE721-1000が使用されていました。
※入換(岩切工臨) キヤE195系ST-5+ST-4編成 岩切~仙台レールセンター
そしてキヤの入換がスタート。仙台レールセンターに向けてゆっくりと進んでいきます。列車としての運転は岩切駅までで、仙台レールセンターまでは保守用車として運転されているようです。
仙台レールセンターでは留置中のLT-4編成の隣に入りました。
取卸しは後日行われるようです。
定尺キヤが仙台レールセンターに出入りする光景も見てみたいなと思っていたのですが、まさかこんなにもタイミングよく撮れるとは思いませんでした。
ということで、これにてこの日の撮影は終了。仙台埠頭発着工臨では最も短区間の輸送ではありますが、最初から最後まで見届けられたのはよかったなと思います。
この後はこ線橋の入り口にある和風レストラン「まるまつ」で昼食。東北地方(一部栃木県)限定のチェーン店なんですね。帰りの切符も押さえまして、あとは帰るだけです。
最後に仙台駅に戻りまして、ペデストリアンデッキから駅舎を。昨年から何度か来ていますが、ここまで綺麗に晴れたのは初めてでした。
あっという間の2日間でした。また近いうちに行きたいものですね。
以上です。