私は地元大阪の大学を卒業後、東京で働く事になった。東京で一年半働いて今は大阪に帰ってきている。その一年半はシェアハウス(相部屋)に住んでいた。貴重な経験だったのでその当時の話をしようと思います。
上京した理由は、新卒時に面接を受けた会社がその年、大阪支社の人員を募集していなかったから。特別その会社に入社したいという意思が強かった訳でも無いけど、毎日親と揉めていて家を出たかったし、居住地に一切こだわりが無かったので上京する事にした。
住む場所はその内適当に決めようと思っていたら、知らない間に家を決める期限(会社に書類を提出しないといけない)の数日前になってしまった。
とにかく家賃は極限まで安く抑えたかったし、数日で住所を確定する必要があった。シェアハウスという選択肢しか無かった。
【画像引用元:https://tokyosharehouse.com/jpn/house/detail/1886/】
なんか綺麗でいい感じだったし家賃が安かったので、上記画像のシェアハウスに住む事にした。
場所は練馬区の大泉学園からバスで10分程、駅から少しあるけど職場の池袋までは西武池袋線で乗り換えなしで行ける。
家賃は27000円+共益費12000円の合計39000円(当時)だった。「都内で綺麗でこんな家賃の家存在するのか」って思うかも知れないけど安いのには理由がある。
シェアハウスというのは、リビングやキッチンは共用部になっていて、それとは別に個室がある。
ただ家賃27000円の場合は個室ではなくて相部屋になる。初対面の知らない人と一緒に住む事になるという事。
私の場合、内見も行ってないので入居当日に相部屋住人と会う事になる。
【1人目:「ダイジョブ」しか言わないモンゴル人】
入居当日。私は新幹線に乗り地元を出た。人生初の出来事だった。なんとも言えない気持ちだった。
シェアハウスの前で不動産会社の人が待っていてくれて中に入った。部屋からはアジア系の男性がでてきた。彼はモンゴル人で一年ほど前に来日したらしい。背が高くてイケメンでいい感じだった。同じシェアハウスに住んでいる日本人女性と付き合っているらしい。
【画像引用元:https://tokyosharehouse.com/jpn/house/detail/1886/】
部屋はこんな感じ。当時私は二段ベットの上を振り当てられた。まさかこんな年になって二段ベットで生活すると思わなかった。
通常のシェアハウスではお風呂、トイレは個室に無く共用部のみになるけど、このシェアハウスは個室にシャワーとトイレがあった。
共用部にもトイレはある。共用部全般は管理人が掃除してくれるけど、個室は自分で掃除する必要がある。共用部の床に誰かがウ⚪︎チをした時(なぜそんな事をするのかは不明)は掃除を手伝ったりもした。
モンゴル人男性に「今日から同じ部屋に住む者です。よろしくお願いします。」と挨拶すると「ダイジョブ」と言われた。
なにが大丈夫なのか...
「お前は結構大丈夫そうな奴だな」という意味合いと受け止めて自分の中で処理した。
彼との共同生活が始まった。「人生初の一人暮らし(一人ではないが)でこれはキツいな...」と思いながらも仲良く過ごしていた。
二段ベットの上で過ごしていたが、「マットレスを準備する」という発想が無く、掛け布団のみ大阪から郵送した為、直接木の骨組みの上で寝ていた。
これが結構辛く、一切心が休まらない。かといって買うのは嫌だったので我慢して過ごしていたある日、家から徒歩十分程の場所にマットレスが捨ててあるのを発見した。
まさに奇跡である。モンゴル人に「道端にマットレス捨ててあったから運ぶの手伝ってもらっていい?」と聞いたら「ダイジョブ」と言われた。
一緒にマットレスを運びながら「ここまで英語を喋れないのは日本人ぐらいだと思う(今考えるとそうでも無いと思うが)」と言うと「ソウダネ」と言われた。
彼とは数ヶ月一緒に住んだけど最終的にモンゴルに帰ってしまった。付き合っていた日本人女性とは遠距離恋愛になった。
ちなみに母が一度シェアハウスに来たことがあるが、「相部屋である事」と「モンゴル人と一緒に住んでる事」は伝えて無かったので驚愕してたが、背が高くてイケメンでいい感じだったので喜んでいた。
【2人目:一切家に帰ってこない日本人】
彼がモンゴルに帰った後、一人で部屋を使用できたし「二段ベット(上)→二段ベット(下)」に昇格した。ちなみに家賃はそのまま。「このまま誰も入居しないでくれ」と思いながら、住んでたけどそう人生は上手くいかない。
数ヶ月すると日本人男性が入居してきた。「残念だな」と思ったが、最初に挨拶して以降ずっと家に帰ってこない。どこか別の場所で住んでたのだと思う。
だけどこれは自分に原因があったと思う。
「視界に入る場所に良い言葉を貼ろう」というのをどこかで見て、二段ベット(下)の天井に「頑張るぞ!」「俺ならできる!」等色々張り紙をしていた。今考えるとなぜそんな事をしていたのか分からない。会社での人間関係が全く上手くいかず、どうかしてたのだと思う(ちなみにその会社では自⚪︎者が一人出た)
そんな狂人と同じ部屋で住むのも嫌だったのだと思う。結局数ヶ月で引っ越していった。悪い事をしてしまった気もする。
【3人目:エリート韓国人】
少しすると韓国人が入居してきた。周りには反対されたが、日本が好きで一人で来日したらしい。韓国で日本語を勉強していて日本語はかなり上手かった。
結局彼とは一年ほど一緒に住んだ。仲良くなって一緒に出かけたり(その後同じ家に帰ってくる)、ご飯を作りあったりもした。ホモカップルと思われても仕方が無かったと思う。
彼はボンボン家庭で育ち高学歴だった。来日して日本語学校に通いながらLGジャパンに就職した。その後独学で日本で会計士の資格を取得したらしい。母国語じゃない日本で高難易度の資格を独学で取得するのは相当凄い事だと思う。
最終的に私が仕事を辞めて地元に帰る事になったので、私の方が先に家を出た。その後向かいの部屋(向かいも相部屋)のジョージア人が移動してきたが、体臭と部屋を散らかすのが嫌になって彼が家を出たらしい。申し訳ない気持ちが少しある。
ちなみに彼とは今でも交流がある。
【細かい事を気にする人はシェアハウスに向いていない】
以上が相部屋の住人遍歴だけど、一年半住んで細かい事を気にする人はシェアハウスに向いていないと感じた。
いろんな人(外国人含む)と共同で住むので細かい盗難は普通にある。人種差別になってしまうかもしれないけど中国人女性が越して来た時は酷かった。
炊いた米が勝手に減ってたり、肉じゃがの肉だけ無くなってたり、千円ぐらいする瓶のオリーブオイルを全部揚げ物に使われたり(これが一番腹立つ)した。
他の人が管理人に言ったら注意はしてくれたけど、その中国人女性は元々短期間で家を出る予定だったので強制退去みたいな事は無かった。
ただ物を盗む人は、物を盗む人の気持ちが分かるので、財布等を適当に机の上に置いたりはしないと思っている。なのでもしそういった人がいたら信頼して良いのではと思う。
こういった細かい非常識イベントは無数にあるので、こういった事にストレスを感じる人には向いていないと思う。
非常識人間がいても、自分の中でモヤモヤした感情を持ったり、誰かに愚痴を言うのでは無く、自分の中で多少盛り付けしてでも「ヤバい奴エピソード(面白)」に変換して楽しめる様な人の方が向いていると思う。
というよりシェアハウスに住まなくても、生きる上でこういう考えの方が生きやすいと思うけど。
以上になります。もしシェアハウスに住む事を考えている人がいれば、参考になれば嬉しいです。