人生にハリがない

4日目:昔のツイートを検索する勇気はないです

暇すぎて虚無だった大学生時代、孤独に屈してTwitterを始めました。自由に色んな主張をネット上でぶち上げられるというシステムに承認欲求をくすぐられ、色々ふざけてみるもネット上で黙殺され。そんな中で「全裸中年男性」界隈を知ったんです。


「全裸中年男性」界隈ってどんな界隈なのと聞かれると、「全裸中年男性」というワードをテーマにひたすら言葉遊びをする人たち、という感じでしょうか。正直よく分かりません。でもとにかく、下品でバカなことばかりツイートしている人たちで、Twitterってこんな風に自由でいいんだ!と衝撃を受けたことを覚えています。それからというものの、彼らの真似をして嬉々として下品なことばかりツイートして、そして全然おもんないから、こいつどうしちゃったの?的に周りから引かれ。おもんないツイート→周りから引かれる→もっとウケようとしてさらに下品なだけのおもんないツイート→もっと引かれる、という負のサイクルをハムスターもかくや、という勢いで回していたんですね。


そうやって孤独にツイートを繰り返していた時、ふと「彼らはやりたいようにやってるんだから、自分もそれでいいじゃん」と思い立ち、リアルの繋がりを捨ててひたすら自分の脳みそに浮かんできたことだけを吐き捨てる、オナティッシュのようなアカウントを作ろうと考えました。当時は全中男界隈の人たちをフォローしてもまったく返してもらえず、ちくしょうなんて思ったりしましたが、そもそもそういう承認欲求が浅ましいんだと断じて、もっとストイックに、抜身の刀のような心持でやってやろうと。そこで当時すでにかなり歪んで肥大化していた自身の恨みつらみや怒りを言語化しようと、怨念を呟くから「怨念マン」という名前を10秒で考えて作りました。bioを見ると2012年11月とのことで、もう大学生活も折り返しの頃に作ったんですね。懐かしいな。


新しいアカウントにしてみると、リアルの繋がりといったしがらみから解き放たれてクリアになったというか、ちょけてやろうという気負いがなくなって、スラスラとおふざけが出てきて驚きましたね。始めてすぐにフォローした全中男界隈の人たちもフォローを返してくれて、なんだか認められた気分になって嬉しかったです。それでもやっぱり若さからくる力みがあったのか、過去のツイートを検索してみると本当にひどいことばかり呟いています。今も我ながらひどいツイートばかりですが、昔は本当にひどい。正視に耐えない、公序良俗に反したことばかり。率直に言うと気持ち悪い。


ですがそこからは本当に楽しくて、自分の抱えてる不平不満をがなり立てたらみんなが面白がって反応してくれ、これまで現実でもネットでも黙殺されて来た自分にとっては承認欲求が満たされまくる夢のような日々となりました。まあ、みんなヲチスレみたいなノリで見ていたのでしょうが。とにかく、世の中に何の働きかけもできず、人とのつながりも満足に持てなかったという自意識があった僕にとっては、初めて他者とつながりを持てたような、救われた気分に浸れたわけです。今振り返ってみると虚しいことしてるなとは思いつつも、そこでできたつながりは楽しいものだったし、案外悪くないかなと。そもそもSNSって基本的にあんまり意義深いものでもないですしね。


まあ今年でサブアカも9年目となり、あの頃から考えるとだいぶ落ち着いてきました。今年で30ですし。そう考えると20からやってるのか、あんな無意味なことを。でもまあ人生あんまり無意味なことなんてそんなにないしな。無意味なことをしてしまったという学びを得たし、そういう無意味を通ったからこそ今の落ち着きがあるわけだし。30歳からのTwitterではほのぼのとしたツイートを心がけたいですね、はい。

3日目:Twitterは10年やるようなものではない

僕がTwitterのアカウントを始めて作ったのは、本アカウントのbioによると2011年10月らしいです。ちょうど大学一年生の頃ですね。今の大学生はコロナ禍でまともに大学に通わず、という人が多いのでしょうが、僕も高校の卒業式当日に東日本大震災が起こって、大学生活最初の一ヶ月はまともに大学通った記憶がないです。せっかくなので空いた時間で狂ったように発売されたばかりの『真・三國無双6』をプレイしていました。あとオナニー。


大学生活の最初の頃は本当に虚無で、あまりにも人と喋らないから、家に帰ってきては発声練習したり洗面台の鏡で意味もなく笑顔を作ってたりしてました。真面目に講義受けて家に帰ってきたらオナニーしてゲームして、気絶して朝起きてまた大学に行き真面目に講義受けて……今思うとわりと健康的な生活ですね。見かねた母親がそんなに暇なら映画でも観ろと、今はもう潰れてしまった近所で旧作DVDを10本1,000円でレンタルできるビデオ屋さんを教えてくれて、そこから映画鑑賞を嗜むようになったのを覚えています。懐かしい。まあそれしか記憶ないのですが。本当にない。Twitterのアカウントもなんで作ったのか全く覚えていない。なんで?大学入って半年でとうとう孤独に耐え切れなくなり、SNSに救いを求めたのかしら。


そんなこんなで作った本アカウント、昨日も書きましたが今はすっかり放置状態です。まあ実は怨念マンの方も放置してるんですが。とにかくこうして振り返ってみると、僕はリアルの知人とつながったSNSの運用というものがどうにも苦手らしく、また木っ端アカウントゆえに当時は何をツイートしても何の反応も貰えない“凪”で、そんな状態でネットの海で思考を垂れ流すという自意識が肥大化した若者にはあまりにも危険すぎる行為を積み重ねた結果、おもんないニコ厨大学生が一人アニメやゲームにブヒり続けるという悲しきけものみたいになってしまいました。そんな時にたまたま見つけたのが、「全裸中年男性」界隈です。


怨念マンというアカウントは、あの界隈の人たちの好き勝手にお下劣なこと言いまくるスタンスに影響を受けて、憧れまくって始めたものなんですよね。今の小学生たちがYouTuberに憧れるようなもんですよ。まあそんな可愛げのある感じじゃないですが、とにかく、彼らに影響されてサブアカウントとして始めたものです。おもしろになりたくて、承認されたくて、口汚い言葉を喚き散らかしたくて、やったれ!と。俗に言う「何者かになりたかった」というやつです。結局なれませんでしたが(笑)


サブアカ作るきっかけ話、筆が乗ってきたので明日に続きます。どこに需要あるねんという感じですが、この星のどこにも需要は無いと断言できるし、そもそも個人のブログなんだから好きにしていいだろ。バカ。ぶつぞ。

2日目:Twitter飽きちゃった

僕はTwitterで「怨念マン」という名前で口汚い罵詈雑言をツイートし続けるタイプのアカウントをやってるのですが、フォロワーが一番多い時で3500人ちょっとくらいいて(今は3000人切った)、まあ世間的に見ればほどほどという感じではあるものの、社会から黙殺されてきた身の上としてはすごい承認欲求満たされてたんですよね。でもね、読んで字の如く。タイトル通り。もう飽きちゃった。


いや、もっと詳細に言えば、昔のようにいっぱい“いいね”(当時は“ふぁぼ”ですね)を貰えなくなって、つまらなくなっちゃったという感じですね。なんかツイートする度にフォロワー減るし。まあそれについては僕が散々「こんなアカウントリムーブしろ」と喚き散らかしたというのがあるのでしょうが。何年か前にスパムアカウントが一斉に消されて、それで僕もフォロワーが100人くらい減ったのですが、そこを境にツイートする度に1~2人ずつちょろちょろと減りだして、これまでで都合5~600人くらい減ったんじゃなかろうか。昔はフォロワーの増減に一喜一憂してたけど、今となってはもう気にしないぜ、余裕出てきたぜみたいにうそぶいてましたが、存外そういう細かいところにまだこだわってたんだなと。なんだか笑っちゃいます。


だから最近アカウント消そうかなと考えています。やってても、もう楽しくないしね。変なこととか悪態とかつぶやいて、それにいっぱいいいね貰って気持ちよくなるっていうのが怨念マンというアカウントの使い方だったし、それが果たせなくなったらもういいかなと。でもその一方で、このアカウントでつながった人間関係があって、それを切るのは惜しいなという気持ちもあります。まあ今はもうほとんどつながりもないですが。あと本アカウントがあるので、そっちでつながればいいというのもある。そちらはすっかりほったらかしという態で、確か最後のツイートが一年くらい前なのですが、数少ないリアルの知人もフォローしているものだし、そちらで細々とSNS遊びするのも悪くないかな。


あと去年の4月からゴールデン街に通い出して、すっかりそちらの世界に肩まで浸かってしまったというのもあります。そちらの人たちとはInstagramでつながってまして、ストーリーとかバンバンあげてます。2~3年前の僕に教えてやりたいよ。お前飯食うときに写真撮ってインスタにあげてるぞって。やばいですよ、この変わりっぷり。そういう人種をバカにしてたのに。彼氏の影響でタバコを吸い始めるような女が大嫌いだったのに、かくいう僕自身が女の影響でタバコを吸い始めてしまったのと同じくらいやばい(これは80日目くらいでネタにするか)。


でもそんな生活も振り返ってみると、怨念マンがきっかけなんですよね。ゴールデン街に通い始めたのはバー通い始めたからなんですが、バー通いを始めたのは、このアカウント繋がりで仲良くなったとあるツイッタラーさんと飲みに行ったことがきっかけなので。そう考えるとすべてつながってるんだよな。面白いね。世を呪って始めたくだ巻きアカウントで、最終的に心が救われてるんだから。今楽しいですよ。あんまり怨念ないです。飲みに行きすぎて金もねえけどな(笑)あそこは行けば顔見知りがいて、ヘラヘラ笑いながら一緒に酒飲んで騒げて、まあ心を癒すには良いところです。ヒーリング効果があります。


そんなわけで、Twitter飽きちゃった。でも多分まだ消さないだろうな。昔はフォロワー3000人切ったら消すか、なんて思ってたけど。やっぱり惜しいですわ。もうちょっとだけ続けよう。少なくともこれが終わるまでは。

1日目:ぬるっと始める

つい先ほどまで、ネットサーフィンをしていました。


具体的に何を調べていたかについては細かく書くと恥ずかしいので割愛しますが、とにかくGoogle Chrome曰く「1日1本、800文字の文章を100日書き続ける」という遊びが、ある界隈で一昔前に少しだけ流行したというのです。まあ、この内容だけで僕がどんなことを検索していたかなんとなくわかってしまうのですが、ともかく、これ僕でも案外いけるんじゃないの?と思ったのです。


といっても元ネタは“800字以内で短編小説を毎日書く”というわりかしハードな内容で、今自分がやっているハナクソじみた無価値なエッセイもどきとは比べ物にならない労力なのですが。それでも、毎日ちょびっとでも文章を書くというのは、ブログを始めてから何度もチャレンジしようとしては挫折したことなので、いい機会だしやってみたい。なんかふとやってみようかなという気になって、こうやって始めてみて、ここまでスムーズに書けている。この流れを活かすしかない。金村美玖を推すしかない。


そんなわけでいっちょ書いてみっか、とこのブログを久々に開いてちょろっと過去の記事を読んだのですが、もう肩肘張って面白いこと書こう、書こうと力んでいる滑稽さときたら。そんで大して面白くねえしな。ひどいもんですよ。だいたいね、僕は仕事で文章を書いたり読んだりしているので、こんなところで頑張る必要なんかないんです。ライターを始めて、自分がつまらない人間だという事実を突きつけられて、愕然として編集側に回った敗北者なんですよ。なんもおもんない。ウマ娘でなんぼやってもショボ娘しか作れんとか、近所の業務スーパーで冷凍揚げナスがずっと品切れで悲しいとか、そういう慎ましやかなことだけ書ければいいんです。おもんない奴は上を見るな。功名心を出すな。誰も見出さねえよ。


毎日PCに向かって文章書くっていうのは結構しんどくて、例えば最近よく夜通し外で酒を飲んだりしますし、そうでなくとも毎日同じ時間に決まったことをするというのが苦手な人間なので、おそらくひと月持たない気がしていますが、せめて一週間は続けたいですね。でも10日続いたらもう惰性で100日完走できそうな気もする。あとそもそも昔「あんまり頑張りすぎず、細々と書いたいきたいですね」みたいなこと、このブログで書いた気がする。記憶が正しかったら恥ずかしいから読み返しませんが。というわけで100日間頑張って、随筆もどきでも書こうと思います。かっこいいね、随筆だってさ。

『アサシン クリード オデッセイ』、バカなげえ。

どうも。ゲームのネタバレしてますのでご注意。


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アサシン クリード オデッセイ』というゲームをですね、つい最近ようやくクリアしたんですよ。サイドも含めてクエスト全部やって、すべてのロケーションもクリアして、DLCも全部終わらせた。190時間かかりました。アホか?なにが悲しくて190時間もアクションゲームしなきゃなんないんだよ。苦行だよ。僕は『アサシン クリード』シリーズのファンでコンソールで出てるやつは『クロニクル』って外伝以外は全部やってるんですけど、それでも擁護できない。あまりにも長すぎる、バカ野郎。という話をします。

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証拠のセーブデータ。マジで190時間もやらせんな。

去年の10月に買ったんですよ。その時点でリリースから1年くらい経ってたんですけど、やっぱりやらんとなと。もうアサクリをやるのは義務みたいなもんで、やらない自分が許せなかったんでPC版を買いました。そんで始めたんですよ。アサクリってシリーズ重ねるごとに近代になっていって遺跡の探索とかがなくなってったんですけど、前作『オリジンズ』から紀元前の古代になって歴史ものとしての面白さがぐっと増したんですよね。今回の『オデッセイ』ではロマンの塊である古代ギリシャ(しかもペロポネソス戦争)ということでめちゃ楽しみだったし、実際楽しかったです。全盛期のパルテノン神殿とかミケーネの遺跡を歩けるわけですから。しかしね、長かった。


もう全然終わりが見えない。僕は取りこぼしとかがめちゃくちゃ気になるタイプで、マップ各所のロケーション目標(宝箱を探したり敵の隊長を倒したりして、設定目標をすべて終えるとクリアになる)も全部完了して、サイドクエストも片っ端から全部終わらせた。いわゆる総なめで全要素をコンプリートするプレイだったので、人よりも時間がかかることは承知だったのですが、それにしたって長すぎた。100時間超えても本編のストーリーに終わりが見えなくて「これいつまでやってればいいんだろ?」って思うようになってきてしまった。


で、長い長いストーリーが終わってもまだ他のクエストが大量に残ってたし、それを捌ききってもDLCのクエストが残っていた。もううんざりしていた。巷は『デススト』とかの新作をワイワイやってたし、なんで僕だけ取り残されなきゃなんないの…ってなった。途中飽きて『Fallout 76』再開したり、よりにもよって時間泥棒ゲーム界の水野勝成みたいな『Kenshi』を始めちゃって300時間くらい溶かしたりしてだいぶ積んでる期間もありつつ、新作の『ヴァルハラ』も発表されたしなと不屈の精神でやり遂げた。『オリジンズ』やってた時点ですでに『オデッセイ』出ちゃってたし、僕の人生で発売済みのアサクリをやってない期間を作りたくなかったんです。「アサクリ全作やってる人」でありたかったんですよ。分かるでしょ?この気持ち。半ば仕事。

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DLCの追加マップの一つ、アトランティス。きれい~。

クリアした時は本当にほっとしたというか、この数か月間肩に入っていた力がスーッと抜けて本当の意味でのリラックスができた感じ。やりかけのタスクがあると気になってしまうタイプなので、早く終わらせたいけど全然終わらない、ほかにやりたいことたくさんあるのに、っていうイライラから解放されて爽快感が半端じゃなかったです。まあやってる最中は楽しいんですけど、上のDLC追加マップのアトランティスとか最初から起動時のメニュー画面でデカデカと映ってて初めて来たときなんのプレミア感もなかったし、基本的に戦闘以外やることないゲームだし、遺跡もそんなにバリエーションあるわけじゃないので100時間超えたあたりで完全に見慣れてしまったし、もう後半の90時間は敵だけじゃなくてマンネリとも戦っていた感がありますね。


そもそも僕がアサクリにハマったのは、物陰に隠れるといった従来のものから、人混みに紛れたりパルクールで敵の視界外を進んでいく一風変わったステルスなんですよ。初期なんてしゃがみとかカバーすらできなかったんですから。その代わりに「群衆」という障害物に隠れるという立ち回りがあった。敵施設に潜入して…というシチュエーションではなく街中が舞台になるので、このソーシャルステルスという要素がぴったり合って、それが新鮮で楽しかったわけです。アサシンじゃねえじゃん!って散々言われてる『4 ブラック フラッグ』でもこれはありましたよ。


それが『オリジンズ』以降RPG化してしまって完全に消えた。敵なんてダッシュしてれば普通に撒けるし、群衆だってめちゃくちゃいっぱい描写できてるのにゲーム性には何も貢献しておらず、マジで賑やかし以外の存在価値がない。そもそも藁山に隠れられなくなって、ただのイーグルダイブのクッション役になり下がったのは結構ショックです。というかこれまでは入って・紛れて隠れられるオブジェクトがたくさんあったのに、もうなんもない。しゃがめなくてもカバーできなくても唯一無二のステルスゲームであり続けられた要因であるソーシャルステルスを完全に捨て去って、ただの凡百のステルスゲームになってしまった。僕の愛したアサクリは死んだ……。ぴえん。

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フォトモードはめっちゃ楽しかった。絵になるロケーションはたくさんありますから。

全然忍んでないじゃん!みたいな見当外れな文句を言う気は一切なくて、ただこのシリーズの肝になってた部分をなくしてUBIお得意の「何でもかんでもウケた要素を全部取り入れる」という脳死スタンスでハクスラRPGにしてしまったところを嘆いてる。正直これやるなら『ウィッチャー3』でよくない?って感情があります。マジで個性が死んだと思う。というかこの時期『ファークライ』も『ゴーストリコン』もハクスラになってますからね。アホか?僕よりアホだろ?何が悲しくてアメリカの特殊部隊が絶海の孤島でライフルとかショットガンを掘りまくらなきゃなんないんだよ。まあ新作の『ヴァルハラ』ではハクスラ要素はそのままにソーシャルステルスや暗殺の確殺などの原点回帰を謳ってるので、そこには期待したいです。やっぱりこのシリーズ好きなので。DVする恋人を捨てられない人みたいな感じ。



ここまで貶しまくったんで、少しは褒めとこうかなと。本当に全く魅力を感じられずに190時間はできませんからね。いやまあ7割くらいはうんざりしてたのですが。



とりあえず、ストーリーは良かったです。まあ「アサシン クリード」(暗殺者の信条)はなかったですけど。というかアサシン教団が生まれる前の話なうえに、テンプル騎士団(この時代は“古き結社”ですね)との戦いすらDLCではあるものの本編にはないですし。その代わり、これまでずっとストーリーに関わりまくってくるわりにはそこまで掘り下げがなかった「イス a.k.a かつて来たりし者たち」との絡みがガッツリあって良かった。これは前作『オリジンズ』でもそうなのですが、紀元前という神話や伝説がもっと身近にあった時代の話なので、そういった超常の存在を話に出しやすいんですよね。イスの超文明ですって言っとけばなんでもありだし、そもそもアサクリ世界での神や聖書の登場人物、エクスカリバーとか聖骸布とか全部イスだし。それにやっぱりミノタウロスとかメデューサとかと戦いたいじゃん?素晴らしいよね。


正直家族にフォーカスしたメインストーリーはあんまりおもしろくなかったというか、一応グッドエンドは家族全員生存なんですけど、クリア後には全く出てこないし、その後のDLCでも家族が生きてようと死んでようと展開や会話が変わるわけでもないし、そもそも公式ノベライズだと養父もお母ちゃんも生き別れて敵になったきょうだいもみんな死ぬし、全員死亡エンドが一番しっくりくるっていう何とも言えない感じになってます。というかその方がDLCでのストーリー展開が自然という。でも本作で敵組織になったコスモスの門徒との対立はすごい面白かった。シリーズ通しての敵であるテンプル騎士団&古き結社は秩序で世界を支配するという思想で、対するアサシン教団が混沌を重んじて自由な世界を守るという思想なんですが、コスモスの門徒はどちらかと言うとアサシン教団と同じ混沌を重んじてるわけです。めちゃくちゃにして戦争を長引かせてやろうと。主人公はそんな混沌大好きくんたちと戦うわけで、これまでのシリーズとはイデオロギーが逆転してるんですね。


では秩序側なのかと言うとそういうわけでもなく、追加DLCでは秩序に傾き過ぎてはダメだし、かといって混沌もめちゃくちゃだぞっていう教訓を学ぶことになります。主人公は秩序と混沌のバランスを取るニュートラルな立場になるんですよ。これはシリーズ通して唯一イスの血を濃密に受け継いで超人となっている『オデッセイ』主人公だけというか、アサシン教団とテンプル騎士団の対立の外にいる第三勢力みたいなポジション。『アサシン クリード』の名を冠する作品の主人公なのに、シリーズ通して描かれてきた戦いの外にいる存在になってる。これは新しいな~と感動しました。まあそうやって秩序も混沌も行き過ぎはダメっていう思想で2500年近く守ってきた力が、結局アサシン教団に渡って両組織の争いに利用されるのが悲しいですが、その徒労感も歴史っぽくて良いですね。これまでの対立を超越したストーリーが、シリーズ最古のスケール感に合ってて好きでした。あと公式設定で複数のイスの秘宝を持ってて、イスの作った怪物をぶち殺しまくったり仮想現実だけど最高位のイスをボコボコにしてさらに数千年生きるって、Fateとかでめちゃくちゃ強いサーヴァントになるやつやんっていう。やってることヘラクレスよりすごくない?


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まあ、愛憎入り混じってるわけです。やっぱりこのシリーズのファンなので。とりあえず一区切りついたということで、別れた恋人の思い出を振り返る感じで書きました。面白かったけど、なげえよ、クソが。って感じ。好きだけど、嫌い。って感じ。すきらい。すぐ終わるゲームは批判されたりしますが、別に長く遊べるのが正義ってわけでもねえんだぞと強く主張したい。限度があるでしょう。常識を考えてください。190時間もやらせるな。エンドコンテンツ延々とやってたわけじゃねえんだぞ。マジでふざけるな、バカ。『ヴァルハラ』も買うけど来年だからな。こっちはこの前のSteamサマーセールでまた積みゲー増やしたんだよ。UBIのせいだからな。それに今年は『サイバーパンク2077』があるんだよ。本当に今年出るのかわからんけど……。


もう書くことがないので、最後にフォトモードで撮った写真見てください。ちなみにゲーム内で他のプレイヤーが撮った写真にいいね付けられる機能があるんですが、僕の写真には一つしかつきませんでした。

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DLCの追加マップエリュシオン(ギリシャ神話の天国みたいなとこ)で行われていた謎の立ちション勝負。マジで意味不明。なんか盛り上がってたし、当時そういうのが本当にあったんだろうか。あと湯気そんな立つ?強酸性なんか?
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DLCに登場したエリュシオンのエッチな女神様、ペルセポネたん♡
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空中遊泳していた魚。
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190時間のうち、5時間くらいはクジラやイルカと戯れてました。海中でデカい生き物が近づいてくるのめちゃくちゃ怖かった。
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唯一いいねが貰えた写真です。どこがいいの?
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かっこいい写真を撮ろうと頑張ってた。兜がかっこよくないけど。
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それでは、また。

『アングスト/不安』を観たよ

どうも。ネタバレあるのでご注意。




『アングスト/不安』を観ました。ロックダウンで色んな所が軒並みお休みになってたので、映画館まで来たのはそれから三ヶ月ぶりくらいになります。とりあえず都知事選の投票に行って、五時くらいから新宿に行きました。最初に『イップ・マン 完結』を観たんですよね。いい感じだったんですけど、ストーリー的には消化不良なところもあり。でも普通に楽しめました。詳しくは本アカウントの方で感想書いてます。嘘です、書いてません。スコット・アドキンスが超強かった。インチキ空手が面白かった。というかあのシリーズ最後まで空手嫌いだな。まあ本人が日本人嫌ってたって言うしな。


で、『アングスト/不安』です。なんかシネマート新宿のサイト見てたらあって、なんかよく分かんないけどポスターが良かったのでチケット買いました。僕は観る映画の1/3はそういう風に決めてます。一週間で上映中止になった問題作!みたいな煽りあったけど、まあそういうの大概誇張なのであんまり気にせず。結構前情報ないよくわからん映画観に行くのワクワクするので楽しみだったんですよね。ハズレも多いけど、それも含めて楽しい。あんま期待せず行きました。


でもあの、なんかサブカル系のつがいが多くて、なんていうか客層がちょっと苦手な感じでした。丸尾末広とかバタイユとか好きそうな。阿佐ヶ谷ロフトによく行ってそうな。別にそこら辺に恨みがあるわけではないし、なんだったら男女連れが羨ましいだけなんでしょうけど。あと一人で来てるのは長髪の眼鏡男ばかりで、そういう人たちが観る雰囲気の映画なんだな~と。『ラ・ラ・ランド』の時みたいな場違い感というか、肩身が狭く感じて、ちょっとしんどかった。でもコロナ対策とかで席が一つずつ空いてたので、それはちょっとよかったかな。両サイドを男女連れに挟まれたんですけど、気が楽だった。独身成人男性は繊細なんです。殺すぞ。


内容は大したことはなかったなと思います。なんかポスターにショッキングな内容だよ的な注意書きがありましたけど、煽りの延長だなと。そんなサクサク殺人する感じではなくて、「俺には完璧な計画がある」みたいな独白を繰り返す、無計画な殺しに躊躇いのない異常サディストバカが大暴れするという内容で、首絞めてうおおって殺そうとするんだけどなかなか死なないとか死体を運ぶために車を移動するだとか、そういう下りもいちいちやってるからなんか記録映像臭くて、洗練されてないところがダメ映画っぽいけど思わずがんばれがんばれってなる。山場のない暴力的な「はじめてのおつかい」感。映画の殺人鬼って頭が切れて有能なサイコパスってのが多いですけど、こいつは普通に段取り悪くて計画あるっつってんのに具体的なものもなくグダついてるのがなんとも愛おしい。親近感がある。


この愛おしさは何かなと思ったんですけど、『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』と似てるんですよね。バカがめちゃくちゃやって、なんかうまくいくけど結局ダメみたいな。段取り悪いんですよね。僕も悪いから、分かる~ってなる。あと、小学生が『GTA』とかでやる無軌道プレイを現実でやってみた、みたいなのがぞわぞわするというか。自分でもよく頭の中で考えてるむちゃくちゃを実際にやるとこんな風になるのかっていうのが分かるので、良いですね。あ、もう終わったなって瞬間があるんですよ。『フリッツ・ホンカ』だと死体から出た汁が下の階に漏れてきちゃったときとか。これだとパトカー来たとき?めちゃくちゃやるとこんな感じで終わるのかっていうのが、友達のいたずら(自分も同じことやろうとしてた)がバレてめっちゃ怒られるのを遠目で見てるときみたいで、金玉がキュッとなる。


で、結構印象的なシーンで、主人公が極太ソーセージをかじる場面があるんですよね。それがめちゃくちゃ美味そうで。だから終わってから新宿のHUBに行きました。ビール飲んでソーセージを食った。美味かった。というかいつも業務スーパーのやっすいソーセージ食ってるので別にいいだろって話なんですけど、それとこれとは違うんです。マスタードつけてぶっといやつをかじらなきゃダメなんですね。侘び寂びがないなキミは。だから左曲がりなんだよ。


日曜夜11時過ぎのHUBはこのご時世もあってかすごい空いててちょっと寂しかったんですけど、なんかすぐにセックス集団が来て、やった!てなった。あと僕の真横にお兄ちゃん二人組がいたんですけど、なんか初対面ぽいお姉ちゃんとお話ししてて、いいな~と思った。酒が入ると人恋しくなって、誰かと話したくなるんです。別に出会いを求めてるわけではなくて、ハゲ散らかしたおじさんでもいいんですよね。まあハゲ散らかしたおじさんの方も願い下げだと思うけど。こういう時は女性が羨ましいですね。話し相手に困らないでしょ。入店した直後に女の子二人組におじさんが声かけてて、なんか別のとこで飲まない?怪しくないから!みたいなこと言って30秒後には3人で出ていきましたからね。僕も混ぜてよ!みたいな。女の子には話しかけないから!相手してよ。面白い話するから………。くすん。


そりゃまあ独身男に声かけるメリットなんてないですけどね。だったら女に声かけるメリットだってねえだろと。女と話すって行為だけでそんなに楽しいんか?よくわからん。職場の先輩に無理くり連れてかれたキャバクラより、大学のキモ歴史オタクと鐙の発達について話し合ってた時の方がずっと楽しかったけどな。まあ女の子の立場なら鬱陶しいんでしょうけど、僕はそんなの分かんないからね。だって一切経験ないんだもの。あんたらも社会の全存在から黙殺される感覚なんてわからんでしょう。まだ鬱陶しい方が救いがあると思いますよ。繋がりが切れたとき、人は動物になり下がるんです。


それで、帰ってきて今これを書いたわけです。強かに酔ってたんですけど、もうだいぶ酔いが覚めてきました。もう寝ようね。明日も仕事だから。でも人恋しさは全然なくなってないので、TwitterのリプライかDMくれたらPSNかSteamでフレンド申請送ります。あ、全然知らない人はちょっと怖いかも。まあ申請します。多分。いや、しないかも。あとCo-opとかもしないと思います。下手なので。それと僕は本当に上坂すみれです。疑うな、信じろ。

2018年私的ベスト映画10選

どうも。今年も終わりですね。皆さんにとって今年はどんな一年でしたか?僕はちょっと色々あったというか一念発起したというか、とうとう仕事を辞めまして、一人暮らしも始めました。今は貧民をしております。映画は前みたいに毎週観に行けるような感じではなくなってしまい、ちょっと悲しいです。あんまり気にしてませんが。


実は今年から手帳をつけ始めました。と言っても書き込むほど予定がある人間じゃないので、ジムに行った日と観に行った映画の記録を書き込むくらい。一年でどれくらい映画を観るんだろうかという確認と、記憶を風化させないためです。いつどこで何を観たか記録しておけば読み返して思い出せますから。でも今回これを書くにあたって手帳を読み返したら、笑っちゃうくらいジムと映画以外の書き込みがなくて、なんか面白いというかむなしいというか、不思議な気持ちになりました。あと会社の飲み会に出た日は、「虚無。」とか「セクハラを見せつけられてクソ。」とかしょうもないことばっかり書いててバカみたいでした。まあどうでもいいや。とりあえず10本紹介します。なお、国内初公開が今年の作品のみを対象としてます。


10.『レディ・プレイヤー1』

僕みたいなキモオタなら、まあ挙げますよね。とにかくオタクの好きな作品を詰め込みまくったおもちゃ箱のような映画で、観ていて飽きない。延々と画面を眺めていられます。「ブルース・ウェインの乗ったメカゴジラとZZのポーズを決めるガンダムが戦う」とか、バカなオタクのチラシの裏みたいなシチュエーションが満載のラストバトルは本当にヤバい。個人的に、『HALO』のスパルタン部隊、『トゥームレイダー』のララ・クロフト、『バットマンアーカム・ナイト』のアーカムナイトが登場してきて大興奮し、スポーンで止めを刺されました。正直ストーリーはあんまりって感じなんですが、逆にオタク的感動の瞬間最大風速は、これまで観てきた映画の中でもトップクラスですね。

9.『監獄の首領』

刑務所内で絶大な権力を振るうとある受刑者を探るため、潜入捜査官が孤立無援の状況で奮闘する、というよくある筋書きなんですけど、畳みかけるような展開や、韓国映画らしいどんな時でもユーモアを忘れないコミカルさが楽しい。あと、僕の大大大大大好きな「圧倒的な力を持つ強者に、身一つで食らいつく主人公」という展開をやってくれたのが最高でした。ラストの対峙は、画的な強さも相まってめちゃくちゃ興奮しますよ。

8.『ALONE/アローン

正直言うと、これはあんまり胸を張っておすすめとは言えないんですよね。アーミー・ハマー主演の戦争映画なんですが、あんまり戦闘描写ないし、内容もかなり内省的なので。地雷を踏んでしまった男が砂漠の真ん中でタイトルの通り孤立するという話なんですが、オチまで観るとなんだよそれって言われるような感じになってます。ただ、仕事を辞めた直後の僕にクリーンヒットしてしまいまして、そのオチも含めて、背中を押してもらった作品だなと。それにしても、地雷の絡む戦争映画は良いものが多い気がします。『ヒトラーの忘れもの』とかも良い映画でしたよね。

7.『グレイテスト・ショーマン

ちょっとストーリーが雑で、映画鑑賞中は基本的になんでも楽しく感じてしまう僕ですら、それでいいの?って思ってしまう部分がある映画なんですが、そうした粗を凄まじい名曲と圧倒的パフォーマンスで叩き潰してしまうという、げに恐ろしき作品となっております。とにかく名曲だらけで、ミュージカルパートは全て楽しい。鑑賞後帰宅してからすぐさまサントラを購入してしまいました。ちょっと本当に曲がよすぎて、この前再観賞した時も、二度目だし冷静に見てやるぞと思ったら普通に号泣してました。やっぱりミュージカル映画の感情揺さぶり力は半端ないですね。ちなみに僕が本作で一番好きな曲は「Come Alive」です。静かな前奏からの盛り上がりが良いですね~。


 

6.『悪女/AKUJO』

ドローンの空撮による凄まじいバイクチェイスでも話題になった本作。冒頭では『ハードコア』よろしく主観視点で、ゴア描写満載の血みどろアクションもぶちかましてくれて、非常に楽しい作品です。おどろおどろしい裏社会の暴力に、他人に利用され人生をぐちゃぐちゃにされた女性の反逆を乗っけた展開は、個人的にとても痛快でした。また、女暗殺者養成機関の描写も面白くて、浮世離れしてるんだけどなんかヤバい女子高みたいな身近さが感じられました。主演のキム・オクビンは正統派の美人さんで、とっても素敵です。

5.『操作された都市

なんか全然有名じゃないですよね。めちゃくちゃ面白かったんですが。身に覚えのない罪を着せられた男がその秘密を暴くうちに巨大な陰謀と対峙するというお手本通りな筋書きなんですが、役に立つんだか立たないんだかわからないオンゲー仲間やゲーマーのくせにテコンドーの有名選手だったとかいうラノベみたいな主人公などがガンガン動き回って、テンポよくサスペンスアクションをかましてくれます。ラストのスカッとする逆転シーンは気持ちがいいですよ。あとなんか続編を匂わせる終わり方だったのはすごい気になりますね。何らかの企画があるんでしょうか。映画『焼肉ドラゴン』のお父さん役キム・サンホが、悪人面を活かした囚人役で出てくるのも注目です。

4.『ラッキー』

この映画は本当にすごくて、なんにもドラマチックなことが起こらないし、衝撃の展開もないし、大仰な演技も、壮大で感動的なBGMも、美男美女も一切出てこないんですけど、泣けるんですよね。死生観についての示唆に富んだ会話は、不思議と死ぬことに対する親しみを覚えさせるというか。死に向かい合う映画なのに、めちゃくちゃ死ぬのが怖い僕でも、とても心穏やかに観ることができました。主演のハリー・ディーン・スタントンは、実際に本作の公開前に91歳で大往生を遂げたということで、それを踏まえて観るとさらに味わい深い作品だと思います。

3.『犯罪都市

敵である中国マフィアのボスがキレまくってるヤバい奴でめちゃくちゃ怖いんですが、そんな奴が相手でも一切不安を感じさせない主人公の圧倒的な強さ。さらにすっとぼけた受け答えや、悪人のようなずる賢さ、それでいて人情に篤いところなど魅力の交通渋滞が起こっている名キャラクターを、マ・ドンソクとかいう韓国が生んだ奇跡の存在が演じ切っています。ラストの対決の「待ってました!」感がとても素晴らしい。「真実の部屋」や「弁護士のスタンさん」など、警察の暗部をうまくユーモアに落とし込んでいる点も、気持ちよく観れる娯楽映画として非常にポイントが高いですね。

2.『ミッドナイト・ランナー

「未熟者が頑張る話」で、しかもバカな若造2人組が主人公という、僕の大好物をかましてくれた作品。だいたいこの手のバディものは脳筋な体育会系と冷静沈着なインテリと相場が決まってますが、本作の新鮮で面白いなと思うところは、コンビ2人がどちらも揃ってバカなところですね。登場する犯罪や被害者は割とシャレにならないというか結構重いんですが、バカで未熟で自分のやっていることに迷っていて、でも目の前で傷つけられている人を見ると思わず走り出してしまうという主人公たちの七転八倒で、絶妙に笑いあり涙ありに仕上がってます。こういうどストレートな映画、もっとどんどん出てきてほしいです。

1.『ファイティン!』

今ちょっとトレイラー観たら、内容思い出してそれだけで泣けてきました。家族の絆に乏しい家庭で生まれ育ったので、この手の家族愛を描いた映画には失笑するかめちゃくちゃ感動するかの2択なんですが、これは後者でしたね。家族の絆を血の繋がりに託していないところがポイント高かったです。さらにスポコン要素もあり、挫折から立ち上がる逆転劇でもあるので、個人的なツボが抑えられまくった映画でした。もうめっちゃ演出がクサいというかありきたりな感じなんですが、奇を衒わない王道をズバッとやってくれたのが本当に好き。生まれた時から孤独だったアームレスリング選手が、本当のピンチに陥ったとき、これまでなにげなく重ねてきた、アームレスリングと同じ手と手を組み合うという触れ合いから力を得るという演出は、ちょっと凶悪ですよ。もうこれ書いてるだけで目が潤んできましたわ。やっぱりマ・ドンソクは最高。



というわけで、ベスト10のうち6本が韓国映画でした。本当に今年公開された韓国映画はすごかったです。『タクシー運転手 約束は海を越えて』とかも話題になりましたよね。普通なら観ることができない海外の映画がこんなに国内で公開されるなんて、いい時代になったものです。


そんなこんなで、今年もあとわずかとなりましたね。本当に色々あって、正直生活は苦しいのですが、まあ来年には何とかなるでしょ。というか何とかするでしょ、来年の僕が。何とかしないと終わるしね。TGS行ったり、年金の特別催告状もらったり、行動を起こすと結構いろんなことが体験できるんだなと分かりましたし、視野の広がった一年でした。とりあえず来年は、生計を立てられるように頑張ります。皆さんも頑張ってくださいね。それでは。