応神天皇~枯野を
枯野を
鹽に焼き 其が余り 琴に造り 掻き弾くや
由良の門の 門中の 海石に 触れ立つ なづの木の さやさや
古事記中巻
31年、官船「枯野」が朽ちたが、その功を後世に伝えるために、これを薪とし
塩をやかしめられた際(歴代御製集 より)
焼け残った木材から琴を造らせ、弾いてみるとその音は
冴え冴えとした音を出した
この御製に目がとまったのは、最後の「さやさや」です。
この擬音は今でも、植物が風にそよぐさまに使われているので、もしや
これがルーツかな、と嬉しくなりました。
(これから さやさやを多用しよう(笑))
そして、がんばってくれた船への感謝ー船を擬人化しているのを感じます。
このころから、物への愛情がこのような形であったのですね。
日本って、かわらない。
神風の 伊勢の海の ~神武天皇
おお。
神風 を、神武天皇の御製に見つけました。
神風の 伊勢の海の 大石にや い這い廻る 細螺(シタダミ)の
細螺の 吾子(アゴ)よ 吾子よ
細螺のい這い廻り 撃ちして止まむ 撃ちして止まむ
またしても、食べ物=貝です。
これは、神武天皇も食べたことがある、触ったことがある、収穫したことがある、と見ました。
同じ言葉をくりかえし、リズムをとっているのでしょうか。
どんな音階で歌ったのか、気になる~
貝がびちーっと、石に生えているのは気持ち悪いですが、
食べ物だと思えば嬉しいでしょうか。
そして、戦いを鼓舞するのに貝を持ってくるのは、なぜ?
相手を小さく見せるため?いつも食べている貝だから?
面白い歌です。
ゆづりあひてしずは通へる
明日は、文化の日。11月3日です。
明治天皇のお誕生日でした・・・。
私は、祝日の意味を知らなすぎると反省しました。
GHQの洗脳工作により、日本の祝日が「日本を愛する」意味から、
なんだかよくわからない 「なんとかの日」になってしまっていたことは知っていましたが、
それぞれを調べていなかったです。
自分へのいましめとして、明治天皇の御製を感じてみます。
小山田の 畔のほそ道 細けれど ゆづりあひてぞ しづは通へる
「細道」 明治39年 明治天皇御製百首 東洋生命保険株式会社奉公部 出版
国民の様子をご覧になっている、明治天皇。
譲り合いっていい言葉だな、と思います。
道、という単語を明治天皇はよく御製に用いられています。
この田んぼのあぜ道も、ただの道にあらず。
日本人の生き方が見える御製。
国際社会では譲り合いはできないけれど、日本の中ではいかしつづけたい、
譲り合いの心です。
この御製は、私の感覚で言うとフェイスブックの「いいね」をしたい御製です。
百人一首より 秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は 露に濡れつつ
この本を読んで、1首目から胸をつきあげるような感動を覚えました。
ねずさんの日本の心で読み解く「百人一首」: 千年の時を超えて明かされる真実
- 作者: 小名木善行
- 出版社/メーカー: 彩雲出版
- 発売日: 2015/04/21
- メディア: 単行本
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1首目から 天皇陛下の労働の歌を掲載することの意味。
ねずさんのブログは時々読んでいましたが、
この解説は日本人に感動を与えてくれます。
神武天皇の御製に、私が過去に感じたこと
ねぎをひっこぬく描写があります。
と、いうことは 神武天皇はねぎを引っこ抜く労働をしたことがあると、思いました。
私は、ありません。子供のころのジャガイモ堀くらいです。
その同じ労働をあらわす御製が、百人一首の一首目に、選ばれていること。
ねずさんがとても愛情深く、説いてくれています。
この本は、おすすめ。家宝になります。