東京周辺の賃貸料金をマッピングしました
そろそろ引っ越し時期ですね。
私も今年は引っ越さなきゃいけないし、知り合いも引っ越すらしいので、前からやりたかったマッピングをしてみました。
地域の相場感をなんとなく把握するのにどうぞ。
成果物全体
参考にした条件
30平米〜35平米、築30年以内、マンション、風呂トイレ別。
管理費込み、礼金は24分割して足しています。
色と賃料の対応
30万円以上 黒●
20万円 赤●
15万円 オレンジ●
12万円 黄緑
10万円 緑●
7万円 青●
5.5万円 水色●
4万円 白◯
あと、緑の円は大体駅から徒歩10分くらいです。
赤いラインは路線です。
以下、細かな所感
10万円以下に絞った地図
主要な路線に沿って分布してますね。
ベッドタウンを見ていきましょう。
千葉方面はずっと連なっている、賃料はあまり落ちない
東京と千葉市の真ん中辺りが安い。
横浜方面はずっと連なっている、賃料はあまり落ちない
神奈川と東京の境界付近が安い。
川を越えると相場が変わる(というか江戸川区が安い、低地だから)
足立区、めっぽう安い
隅田川より東、江東区はまばら
西の方は立川までずっと一様
千代田区あたりから中目黒・目黒あたりまでバカ高エリアです(結構広い)
広尾・麻布付近、駅がないのに非常に高い
以下、より攻めるなら
三茶、中目黒ラインより南西が狙い目エリア(世田谷方面)
中野、笹塚、下北沢より西が狙い目エリア
高田馬場、上野より北は池袋以外が狙い目エリア(文京区など)
その他の所感
- 遠くなっても案外安くならない
- 駅から遠くても案外安くならない
- 目黒駅は目黒区ではない
おわりに
使った技術、ツール
データはSUUMOからお借りして、同一住所は平均化しました🙇♂️
地図は公開はしないので欲しい人は個人的に言ってください。
日本のITエンジニアは別に海外(北米)に行かなくてもいい
私こういう記事死ぬほど嫌いなんですよね。
もちろんポジショントークというものも含まれて居ると思うんですが。
- 書いている人の年収が外れ値である
- 出している統計データに問題がある
- 大局的、統計的に分析していない
- いたずらに不安感を煽る記事である
- ポジショントークである
- デメリットについて語られていない
みたいなの。まあよくありますよねこういうの。
人って自分の周囲しか見えていないから、自分の選択が正しかったと思い込みたくなるんですよね。
NHKもこういう煽りネタやってましたよね。
“安いニッポンから海外出稼ぎへ” ~稼げる国を目指す若者たち~ - NHK クローズアップ現代 全記録
こういうの、私の数少ない逆鱗ネタなんですが。
やっぱり「騙そうとしている」みたいなのが嫌なんでしょうね。
今回、エンジニアリングじゃなくてただの経済の話です。
あとキャリアパス。
- 日本の賃金はなぜ安いのか(in 2023)
- 円はずっと安いままなのか?
- 円安になると生活が死ぬほど苦しくなるのか?
- 日本の賃金はなぜ安いのか(2000〜2023)
- 日本の賃金は安いのか??
- アメリカとかいう例外と、統計の罠
- アメリカの中でも例外的なシリコンバレー
- ちなみにカナダは?
- 職もちゃんと比較する
- 簡単に言えば、お前らはシリコンバレーで通用しない
- 逆鱗ポイント
- シリコンバレー・アメリカ・北米・海外に行ってもいい人
- 日本の賃金が安くなった結果、メリットとデメリット
- くすぶり系エンジニアの絶望
日本の賃金はなぜ安いのか(in 2023)
「日本は安くなった」ネタは、2022年〜2024年まで活発に行われると思います。
理由は円安です。
円は1998年の円安すら超えて今150円を超えている状態です。
原因をざっくりまとめるとこうです。
アメリカ・欧州がコロナ禍でお金をばら撒きすぎた結果、インフレになりすぎてヤバいから政策金利を上げてインフレ退治をしようとした。
日本はさほどばら撒いてなかったので、インフレにはならなかったため、政策金利を据え置いた。結果、金利差が大きくなり、ドルやユーロが買われ円が売られた。
コロナ前から見て、大体ドルもユーロも対円で1.5倍高くなっています。
そのため、単純にコロナ禍前よりも海外の給料が1.5倍になったように見えます。
円はずっと安いままなのか?
NOです。
今、アメリカと欧州はインフレ退治のため、急遽金利を上げていますが、これを続けると経済が冷え込む恐れがあるため2024, 2025年で少しずつ戻していきます。
2024年末に130円まで戻るかどうか、と言っている専門家が多いです。
円安になると生活が死ぬほど苦しくなるのか?
NOです。
なぜかといえば、我々はドルで生活していないからです。円で生活しています。
じゃあどのくらい影響があるかと考えれば、当然輸入・輸出が関わってきますよね。
そこで登場するのが貿易依存度なんですが、
台湾 113%
タイ 108%
韓国 82%
ドイツ 77%
スウェーデン 70%
トルコ 66%
カナダ 55%
フランス 53%
オーストラリア 39%
日本 38%
中国 33%
アメリカ 21%
北朝鮮 4%
と、日本は貿易依存度が低いんですよね。
国内でお金がぐるぐる回ってるわけです。
そのため為替の変化が生活にダイレクトに直結するかといえばそうでもなく、iPhoneが高くなるとか旅行しづらくなるとか、そういう感じで捉えてもらったほうがいいです。
日本の賃金はなぜ安いのか(2000〜2023)
では日本の賃金は(ドルベースで)高いのかといえば、先進国に比べて最近は為替を抜きにしても安いのは確かです。
これはざっくり2つの理由があると思います。
1つは「低成長」。
なぜ低成長だったかは専門家が3時間位かけて話すことなので私は語りません。失われた30年みたいな話です。
もう1つは「アメリカ基準」です。
私達は、昔の「経済大国2位だった」という謎のプライドをずっと持っているため、基準を全てアメリカにしてしまっています。
アメリカは色々あって安定して成長しているため、どんどん相対的に安くなって行っている気がしてしまうわけです。
正直、個人的には1990年代のバブルはまやかしだと思っているので、欧州のそこらへんの国と同等な今くらいが妥当なラインだと思っています。
特に2000年以降は別に日本に優位性って無いじゃないですか?
実際には、アメリカ(人口3.3億人)、EU(人口4.4億人)、中国(14億人)に対して、なぜか辛うじて上手くいっている日本(人口1.2億人)という認識です。
日本の賃金は安いのか??
ほんとうに基準を変なところに置く奴らのせいだと思うんですが。
どうしても「アメリカ基準」「シリコンバレー基準」「ドイツ基準」「北欧基準」とかやりがちなんですが。
例えば2021年のEUの一人あたりGDPって38454米ドルらしいんですよ。
日本は39312米ドルでした。
つまり、為替抜きにすると、近年の日本はEUと同じくらいです。
ちなみに韓国も同じくらいです。
為替の影響で抜いたり抜かれたりしていますが(抜かれたことだけニュースになる)
そう考えると、ちゃんと「日本」と「EU」みたいに比較した場合、日本の賃金は普通なわけです。
「日本」と「ドイツ」を比較するのはおかしいです、それなら「東京」と比べるべきですよね。
アメリカとかいう例外と、統計の罠
アメリカは非常に順調に成長しています。
一人あたりgdpは2021年に7万ドルでした。めちゃくちゃ高いですよね。
ただ、これも気をつけたいのが、中央値は正社員で5.4万ドルでした。
もちろん日本の正社員の中央値は350万円なので、比べると全然高いんですが。
一部の富裕層が平均を引き上げているのには注意が必要です。
アメリカの中でも例外的なシリコンバレー
シリコンバレーを指してアメリカと言うのは、香港を指して中国というようなものだと思います。
シリコンバレーの年収はたしかに高いと聞きます。
ベースが20万ドルで、ストックオプションが20万ドル、みたいな話がザラだとは聞きますね。
しかしそれはアメリカ全体で見れば外れ値です。
アメリカ統計局が出しているものをIndeedがまとめています。
https://www.indeed.com/cmp/U.S.-Government/salaries/Software-Engineer
平均が10万ドル、高くて20万ドルと書いていますね。
ストックオプションなんてベンチャーの話ですから、そう考えるとプラスアルファも無いでしょう。
一応そこを加味しなければなりません。
ちなみにカナダは?
カナダもあります。
https://ca.indeed.com/cmp/Government-of-Canada/salaries/Software-Engineer
平均が8万カナダドル(今1カナダドルは110円)
Highが152000カナダドルになっていますね。
1600万円くらいらしいので、記事の人は外れ値だったみたいですね。
職もちゃんと比較する
皆さんはアメリカでのソフトウェアエンジニアの地位が日本より高いのはご存知でしょうか。
あちらでは今や医者や弁護士と同等くらいのポジションに居ます。
当然世界中の経済やイノベーションを牽引してますから、当然ですよね。
じゃあ、日本のエンジニアとアメリカのエンジニアを比較するのっておかしくないでしょうか?
基準があっていません。
あまり言いたくありませんが、日本では東大卒、京大卒のエンジニアはあまりみかけませんが、アメリカではそのクラスの人達がエンジニアになります。
(平均がどのあたりかというのはちょっと調べきれていませんが)
条件を揃えるなら、今医者になろうとしている人に、「アメリカでソフトウェアエンジニアになれば儲かるよ」という感じでしょうか。
日本における医者の平均年収はだいたい1400万円くらい(副業含む)で、開業医だと3,4000万円くらいだそうですから、(為替差を無視すれば)そこまで違うというほどではないですよね。
簡単に言えば、お前らはシリコンバレーで通用しない
大多数の日本のエンジニアは、言語の壁を突破してさえ通用しないと思っていいでしょう。シリコンバレー以外のアメリカであればワンチャンいけるかもしれませんが。
逆鱗ポイント
という諸々の条件や環境を無視して「海外は儲かる」と言ってる人、鬱陶しいんですよね。
そういう人は「私はできてる」って言いがちですが、あなた外れ値ですから。といつも思います。
鬱陶しいのが、本人は騙す気がなさそうなところなんですよね。
これって言い方変えれば「俺は毎日睡眠時間2時間で努力して起業して大金持ちになったけど、なんでお前はやらないの?」みたいな感じですね。はっ倒そうか?
ちなみに、こんな私ですから海外で働くプランも色々考えました。
考えた結果、割に合わないという結論です。たぶん1ドル200円でも合わない。
シリコンバレー・アメリカ・北米・海外に行ってもいい人
・国内Googleに楽に入れる人
そのくらいのポテンシャルがある人なら日本に受け皿がないので行ってもいいと思いますが。日本でもGoogleの仕事はできますし、そのクラスの人は外れ値でしょうから国内でも1500万は超えると思います。
敢えてそれ以上儲けるために渡航するべきかと言われると、正直首を傾げます。
・長期でキャリア・成長を考えている人
目先のお金じゃなくて、成長したいのであれば向こうの方が最前線ですから目指すべきだと思います。
・英語ネイティブに近く、どこでも働ける人
この場合は日本を選ぶ理由は「日本が好きだから」くらいなんですよね。
・配偶者がアメリカ人
こんくらい?
要は「そんな甘い話はない」と思います。
日本の賃金が安くなった結果、メリットとデメリット
メリットは「海外の安い労働者」が消えたことです。自ずとへっぽこエンジニアでも生きていける環境が整いました。
最近は中国の工場から日本に帰ってくるケースもありますよね。
この30年、世界の工場である中国の安い人件費によって日本の成長が阻害されていたという見方もあるらしいので、無成長から脱出できる可能性はあるらしいです。
デメリットは優秀な人が日本に来てくれない問題ですね。優秀な人材の海外流出は、これまで書いた通りいうほどですが、日本or他国と考えたときに、日本の労働環境に対する魅力がほぼない状態になっています。
くすぶり系エンジニアの絶望
今回「いや、お前が海外行ってもさほど儲からねーよ」を書いたわけですが。
これって安心なんでしょうか、絶望なんでしょうか?
ちょうど年収で言うと500〜800万円くらいに居るエンジニアには絶望かもしれませんね。「いつかシリコンバレーに行って億万長者」みたいなのって夢かもしれませんが、実際想像以上にハードルが高く、「国内の大手外資すら入れないのに何言ってるの?」なわけですから。
さあみんなで絶望しましょう。
まあそんな時に「え、なんでお前海外来ないの??」みたいな記事見ると
はあああああああああああああああああああああ!!!???
ってなりますよね、ならん?
あ、もしまだ学生で英語得意とかなら、留学しとくくらいはしてもいいと思いますよ。
ChatGPT+iOS開発について、今わかっていること(2023/11)
どこから話せばよいか。
今のChatGPTの流れ、周りのエンジニアは案外活用していないんですが(はてなーは意識高いから全く平均的ではない)、私は結構使っていたりします。
具体的にはGoogleで検索するかわりにChatGPTに聞くことが増えました、精度とスピードは前より上がっていると思います。
今後それ以上の話があるかどうか、という点を現在わかっている範囲で書きたいです。
その前に、ChatGPTの影響の種類について
こういう、破壊的に便利なツールは、その便利度によって影響の種類が変わってきます。
例えば「誰でも使えてほぼ完璧な結果がもたらされる」というレベルでは、破壊的な状況になります。これはプロが失業し始める段階で、世間が懸念してるのがここです。
しかし、今はそこまで行かず、「プロが使えば効果的だが、素人が使っても完璧な結果が得られない」の状態だと思います。もちろんその中でもグレースケールがあります、1割効率化するのと、10倍効率化するのとでは話が変わってくるでしょう。10倍効率化したら結局失業しそうですね。
これまでは、それよりもさらに手前の、「プロが使っても却って非効率」のレベルだったので、今のレベルは以前よりかなり高いです。
上記二名前をつけましょう。
1.破壊的イノベーション:市場のゲームチェンジャーとなる
2.ツール:プロにとっての武器
3.おもちゃ:今後に期待というレベル
iOS開発においては、まだ2の最初の段階です。
Copilotは破壊的イノベーション足り得るか?
個人的にはCopilotはまだ「おもちゃ」です。
なんか全然使いこなせなせる精度ではなかったんですが、言語によるんですかね??
そもそも仕様書も読み込ませてないのにコードが推測できてたまるかという感じがします。他だと違うんでしょうか?
1回だけやればいい単純作業を肩代わりさせるには非常に便利なツール
一番いい影響はこれですね。
ただまあ、残業が減るくらいの影響しかないですね。
相談役としても良いツール
「こいうコードって正しいのかな、どう思う?」くらいの、検索しづらい質問を投げるのにも良いです。学習効率がかなり上がったと思いますし、何ならすべて覚えきる必要もないかもしれません。
特に専門外の苦手な分野に対しては有効に働きます。
まあエンジニアの友達がたくさんいる人には不要です。
自動生成系は、ギリギリなんとかツール
APIとか、レイアウトとか、そういうのを自動生成するのはちょっとどうだろうという感じです。
オフショアでどっかに外注したらこういうコード返ってきそうだな、という感じで、そこから修正する羽目になるので、どっちが効率いいかという話になりそうです。
GPTsはアプリのお株を奪うか?
NOですね。
3年後ですら、NOだと思います。
まずGPTsはデータが一対一の関係です。多対多になるには色々問題があります。つまりMAXで「ツール」であって、現在のアプリの主流ではありません。
一番お株を奪われるのはNoCode領域ですね。
GPTsは開発を効率化するか?
これもどうなんでしょうね。
社内で誰かが便利なツールを開発したらあるいは、と思いますが。
ワークするだけの規模を考えたら10人以上のチームじゃないとどうだろうと思います。
それ以外に何かが変わりそうな予兆はあるか?
Jsonの入力と、Jsonの出力ができるようになったので、ここはよく考える必要がありそうです、外部ツールと連携し始めると結構強いと思います。
つまり、結局難しいのは言語解釈なわけですから、自然言語から命令に落とし込めれば結構できることは多いのではないかと思います。
ただ、ある程度のコストは掛かるでしょうし、そもそも我々エンジニアが1割工数を削減したところで儲からないので、皆のモチベーションが高まるとは思えませんし、1割工数削減したところでゲームチェンジャー足り得ないと思うのでうーん、ですね。
画像を読み込ませてSwiftUIのレイアウトを組ませるのも試しましたが、figmaのpluginの方が精度がずっといいです、そりゃそうだ。figma -> json -> ChatGPTはまだ試していませんが。
あと気になるのはChatGPT4-Turboですね。必要な知識全部食わせたい。
あ、iOSに限らなければChatGPTによる社内フロー効率化の仕事はあるみたいですし、
アプリにAI要素を組み込むというのはたくさん出ると思います。マネタイズポイントになりますよね。
私も一個作りたいのがあるのですが時間が・・・、一応ChatGPT APIは導通できたので、あとはアプリを組むだけ、頑張ります。頑張りましょう。
プログラマーにとって他人事ではない転職失敗
この件って一番はコミュニケーションミスだとは思うんですが、似たような状況って割りと頻発していると思うので、私が気づいたことを書いておきたいと思います。
特にこれは「継続案件の引き継ぎ」問題ですが、もっと大きく会社の方針でもあり、誰しも無関係ではありません。
- IT企業の技術に対するスタンスは2つある
- 採用戦略の違い
- 選民戦略の企業への転職において、挫折による鬱が発生する
- 選民戦略の企業が失敗するケース
- 選民戦略の企業の悪魔化
- 選民戦略の企業に転職してしまったら
- 転職ゲームのつらいところ
- 注意したい「属人性の排除」の罠
- 選民戦略的になりがちな条件
- 標準戦略になりがちな条件
- まとめ
IT企業の技術に対するスタンスは2つある
めちゃくちゃ乱暴ですが、以下のように2つのスタンスに分けられます。
- 誰でも読めて開発できるように作る
- 優秀な人が読めて開発できれば良い
仮に前者を標準戦略、後者を選民戦略とでも言いましょうか。
もちろんこれらはどちらかではなく、グレースケールが存在しますし、最初は選民だったけどあとで標準になっていくケースもあります。
一般的には前者が良いとされていますね、属人化の排除とか言ったりして。ただ、IT企業としては条件にもよりますがどちらも戦略としては間違っていません。
まあこれは分かりますよね、どっちもワークしそうじゃないですか?
採用戦略の違い
これも想像できると思います。
標準戦略:ちょうどいい人材がほしい
選民戦略:とにかく優秀な人材がほしい
選民戦略の企業への転職において、挫折による鬱が発生する
なぜこれが起きるのか?といえば、エンジニアが努力したり経験値を上げることで評価を上げ、結果転職を選択し、選民戦略の企業に見つかるからです。
努力をしてる人はそれなりにプライドもありますし、自罰的に考えてしまうんだと思います。
選民戦略の企業が失敗するケース
選民戦略が失敗するケースがあります。
- 必要な人材のボリュームに対して、優秀な人が市場にそこまで居ない、または雇えない
- 優秀な人が居なくなって、メンテ出来なくなる
選民戦略の企業の悪魔化
上記のように、選民戦略が失敗した場合、じゃあ潰れるのかと言われるとそうでもありません。潰れずにひたすら採用ガチャを行います。
つまり優秀そうな人を入れ、仕事を丸投げし、ダメだったら捨てて別の人を入れる。を繰り返すわけです。
そう言う企業はたくさんありますし、そう言う企業ほど採用をたくさんしているので割と入りやすいという罠があります。
選民戦略の企業に転職してしまったら
とりあえず、自分を卑下しなくて良いと思います。
その会社は「ワンチャン天才が入ったら」と思って採用ガチャをしています。
例えるなら年収1500万20代イケメンを探してる婚活女子みたいなもんです。
ただ優秀な人が多いのは事実ですし、勉強になる部分もあると思います。やるだけやって、ダメなら諦めて他行くくらいのテンションで良いんじゃないでしょうか。そう言う会社は大抵外面は良いはずなので、そこまで悪い経歴にはならないと思います。
私も日常的に遭遇します。
あと、これは「どうやってプライドを捨てるか」という話でもあります。
頑張って上昇すればするほど、見たこともない優秀で地頭の良い奴らが現れます。だからほとんどの人はどこかで自分が凡人だと気づくわけですが、世間からしたらどう考えても優秀側なので、プライドを捨てるのが難しいんです。
鬱にならないよう上手にプライドを捨てる必要があります。
転職ゲームのつらいところ
いい会社に行こうとするほど、選民戦略の会社が増えます。当然ですよね、標準戦略の会社では、言い方が悪いですが「誰でも良い」わけですから。
だからエンジニアは頑張れば頑張るほど選民戦略の会社に行く運命なんです。
もういやじゃ
逃げるには受託企業作るか、プロダクト作るしかありません。
しんどい
注意したい「属人性の排除」の罠
頭が良い奴らは凡人のことを理解できません。
だから、彼らの言う「属人性の排除」は「標準化」ではなく、「俺らレベルの人にとっての属人性の排除」です。
優秀な人「属人性排除しました」は信用しないでください。
これが他の業界、例えば工場の生産ラインなんかだと、マニュアルを作って実行させてちゃんと実行できたかを見て、できてなければ改善するみたいな、当たり前のPDCAが存在するんですが、IT業界はまだその域まで達しているケースは少なく、「分からんやつが不勉強で悪い」で終わります。
特にソフトウェアは見えない部分も多いので、経営者もCTOにお任せなんだと思います。CTOがその「頭の良い奴ら」ならどうなるか分かりますよね?そう言う感じです。
選民戦略的になりがちな条件
- CTOかリーダーに選民思想がそもそもある
- 新しい技術、バズってる技術が好き
- 難しく書いたほうが勝ちという風潮
- ドキュメントやコメントは要らないという風潮
- 地頭が高い人が多い
- 年収が高い、上昇志向が強い人が多い
- キラキラしている
- そういう界隈からのリファラル採用が多い(インフルエンサーなど)
- 最初に書いた人が難しく書いた
- 標準戦略を言い出しにくい空気
- 社風がイキリ散らかしている
- 社長がそういう性格
- 癖が強い
- 採用技術に見たことないワードが有る
具体的には、一部のベンチャー、一部のメガベンチャー、スタートアップ村、インフルエンサー界隈。技術力を売りにしてる企業、技術が好きな人が集まってる企業。
標準戦略になりがちな条件
ただ、重要人物1,2人の存在でガラッと変わったりするので、入ってみないと分からないですね。
まとめ
地獄
______
ちょっと自分で読んで足りない部分があると思ったので追記。
「戦略的に選民している」会社よりも、「入った一番優秀なエンジニアが選民化している」というなし崩し型の選民会社のほうが多いです。
これは何故かというと、優秀なエンジニアが「このくらいのレベルが妥当」と言ったときに、周りはそれを否定できないからです。
まあ上で書いた通りそれでもいいいんですけど、「失敗するケース」でも書いた通り失事業レベルで敗することがままあります。
そしてエンジニアはそういう会社にもよく遭遇するはずです。
つまり「理想ばっかり高い会社」なんですが、これも「誰にもどうしようもないし、どうにかしようと思ってはいけない事が多い」ので、事故ったと思って諦めましょう。
アプリ開発市場の現状と今後の予想(2023〜2026)
最近、ブログで長文を書く体力が落ちてきているので、かんたんに書こうと思います。
- Flutterが流行ってるようです
- Flutterエンジニアが足りてないようです
- iOSエンジニア、AndroidエンジニアはなぜFlutterをやらないのか?
- Flutterはどのくらい工数を圧縮できるのか?
- Flutter案件は今後更に増えるか?
- iOS/Flutterエンジニア、めちゃくちゃ少ない説
- Android / Flutter / iOSで分断が起こるのでは?
- SwiftUI+combineは増えてる?
- iOSエンジニアが問われる、SwiftUI or Flutter
- 結果、人材不足が予想される
- 新人に期待はできるか?
- まとめ
- 補足
Flutterが流行ってるようです
流行りそうとか、そういう「かもしれない」ではなく。
- ベンチャーの新規アプリ案件のFlutter率が明らかに高く以前より上がっている(半分を超えている)
- エージェントの立場でもFlutter案件がだぶついている認識らしい
という意味で。
(なおFlutterが良いか悪いかは今回は言及しません)
ただし、これはあくまでプロジェクト立ち上げ期における観測で、全体のプロジェクト数で言えばFlutterが過半数を行っているわけではないし、行かないと思います。今の所。
Flutterエンジニアが足りてないようです
足りてないので、募集が多く、一見するとFlutter案件がかなり多いように見えます。
これは以前RxSwiftで発生した現象と同じですね。需要過多、供給不足です。
iOSエンジニア、AndroidエンジニアはなぜFlutterをやらないのか?
大多数のモバイルアプリエンジニアは目の前にiOS/Androidの仕事がありますから。変える理由がありません。
フリーランスはどうかといえば、それもまず目の前に仕事がありますし、現状「ベンチャーの新規案件」という文脈でFlutterが多いわけですから、別に単価が上がるわけでもないわけです。Flutterの最大のメリットはコストカットですしね。
そう言う経緯で目の前の仕事が枯渇しない限り、Flutterに積極的に移行する人は限られると言う認識です。(あとDartが嫌)
ベンチャー側がFlutterを採用してるのは、さほど大きな理由ではないと思っています。「何か流行ってるしコストカットできそうだしGoogleだし」くらいで、なのにエンジニアの人材不足で「あ、やべ」となってるところが多い印象があります。まあモバイルアプリエンジニア全体が少ないのでどちみち人は居ないんですけど。
Flutterはどのくらい工数を圧縮できるのか?
噂レベルですけど、iOS100, Android100で合計200なのを、Flutterにすると130〜160くらいらしいですが、ただアプリのクオリティが若干落ちるので、それがどこまで売上に影響するかですね。
ただ、これは工数の話であって、もし今後Flutterエンジニアが足りなすぎて単価が上がるようなことが有ると話が変わります。もし1.5倍なんかになったらコスト変わらずです。
あと補足すると、Flutterはディレクション工数とテスト工数が若干少なく済むのでそっちのコスト圧縮にもなるかもですね。
Flutter案件は今後更に増えるか?
ほとんどのiOS/Android案件ではFlutterリプレースは起きないという認識です。
コストで考えれば「リプレースに伴うコスト<Flutter化でカットできるコスト」になるのはあまりないんじゃないかと思いますし、人材を入れかえるのか問題もあります(個々人のキャリアにも影響するので重い決断ですよね)。そしてアプリのクオリティが上がるわけでもありません。
コスト・人材・品質・納期で考えて、良さそうなのが納期のみです。
ただ、新規アプリがFlutterを採用するケースは多くなる(既になってる)と思います。特に受託やBtoB、Androidメインのプロジェクトでは多くなるでしょう。そして一回Flutterを採用したら、iOS/Androidに分けるのも結構厳しいです。
この場合は、コスト・人材・納期の全てでマイナスになるわけですから。あり得るとしたら
- 最速リリースを目指して一旦Flutterでやったが元々リプレースするつもりだった
- Flutterでできない機能が出てきた
- 金と時間にある程度余裕があって、もっと品質を上げたい
- Flutterエンジニアがあまりにも居ない
くらいでしょうか。
なおこの話は次の「iOS/Flutterエンジニア問題」も関わってきます。
iOS/Flutterエンジニア、めちゃくちゃ少ない説
当然ですが、Android/Flutterエンジニアはそこそこ数が出ると思いますが、iOS/Flutterエンジニアはどうでしょうか?
それはつまり、今進んでいるSwiftUI+combine化をちゃんとフォローしつつFlutterもやっていける人材なわけで、そんなやつどんだけおる??という印象です。
じゃあAndroid/Flutterエンジニアに全てお株を奪われるのかといえばそうでもなくて、彼らもiOSの知識が必要になってくるので、結局全部フォローするのは誰にとってもきつくなってくるはずです。
Android / Flutter / iOSで分断が起こるのでは?
多くの案件を抱える受託企業であったり、私のような馬鹿みたいに案件数をこなしているワーカホリックでもなければ、Android/Flutter/iOSの2領域を続けるのは結構きついと思っています。
受託企業では3領域のうちの1.5領域について詳しいみたいなところを目指すのではないかと思いますし、フリーランスはどうするんでしょうね?敢えてFlutterに飛び込もうとする人はそれなりに居ますけど、需要よりも少ないんじゃないかと予想しています。現に案件がだぶついてますし。
SwiftUI+combineは増えてる?
増えてます。私も最近SwiftUIしかさわっていません。
来年もっと増えると思います。iOS15まじで切りたいです、という雰囲気です。
iOS16で安定すると思っています。
あと、Appleがそろそろ強制移住させそうだなーって危惧してます。
iOSエンジニアが問われる、SwiftUI or Flutter
まあ大抵のエンジニアはプロジェクトや会社次第なので選択できないんですが。
受託企業だったり、フリーランスだったりする場合、まずどっちを攻めるかという選択が迫られます。両方は無謀です。
注意したいのは、FlutterもSwiftUI+Combineも、まだ成長途上で書き方が毎年バンバン変わっていることです。キャッチアップやフォローするために、勉強だけでは追いつかないという認識です。
結果、人材不足が予想される
たとえば1領域に3000人の技術者がいる場合と、3領域に1000人ずつ技術者がいる場合。
どちらがより人手不足が起こるかといえば、後者ですよね。人材の再配置がうまく出来ないので。
これはRxSwiftの時に強く感じました。モバイルアプリ市場はこれまで以上に人手不足が厳しくなると思っています。
新人に期待はできるか?
できません。
モバイルアプリ開発はそれなりに歴史を積み重ねすぎてしまって、覚えることが多すぎます。iOSだけだって今ならUIKitとSwiftUI、旧来のオブジェクト指向的プログラミングとCombineのような新しい書き方を両方覚える必要があります。FlutterならiOSとAndroidの両方について詳しくならなきゃなりません。
だから本当は育成が必要なんですが、モバイルアプリ開発はWebとは違って少人数体制であることが多く、育成なんてほぼありません。
てかどうなんでしょうね、今から始めるならWebの方が良いんじゃないですか?20年後もありそうだし、私はモバイル好きなのでWebには行きませんが。
まとめ
プロダクトオーナーには厳しい時代が続きます。
モバイルアプリエンジニアのフリーランスには嬉しい時代が続くと思います。
新人には「仕事はあるけど育成はない」が続きます。
てか、モバイルアプリの育成+人材紹介って需要ありそうですよね。
Web方面とかの人材枯渇具合ってどうなんでしょうか?モバイルほどではないと思うんですが。最近全然情報が入ってこなくて。
補足
私が分かっていないのは、Androidの新規アプリを作る際に、Flutterを採用することでデメリットがどのくらい有るか?です。もしデメリットゼロに近いのであればAndroidエンジニアがそのままFlutterエンジニアにスライドし、kotlinが絶滅する格好になりますし、そうなると今回の予測もちょっと外れてきますよね。
誰か教えて下さい。
あとGoogleとAppleがどう思ってるのかも謎です。マテリアルデザインが若干iOSっぽくなったのはFlutter意識してのことなんでしょうか?
2023年〜2024年のiOS開発実務のトレンド
2年ぶりくらいにエージェントにお願いして仕事を探したんですが、結構業界の様子が変わっていたと思うので、ここらへんで再度環境認識をまとめておきたいと思います。
それにしていもiOS開発業界は狭いですね、2000人も居ないのでは?正味1000人以下。
SwiftUIは2023年から来る
ただしゆっくり来ると思います。
私の観測では「使い物になる」がiOS15,iOS16あたりからだという認識なんですが、最低バージョンにすることが求められるので。
3バージョン保証の場合
2022年末 iOS16, 15, 14
2023年末 iOS17, 16, 15
2024年末 iOS18, 17, 16
となり、「まあ2023年末くらいに一般化かな?」という温度感でしょうね。
ただベンチャーの新規開発なんかでは2023年あたりにかなり入ってくる印象が強いです。SwiftUI経験エンジニアは依然少ないので、安定を取るか将来性を取るかでまあ60%ってところでしょうけれど。
あと長期プロジェクトでも、2023年末を見越してリプレースが入ってくるところが出てくると思います。
ただ、大きいところでは4バージョン保証とか5バージョン保証というところもありますし、リプレースしてるような余裕は無いというケースも多いでしょうから、リプレースは2025年くらいまでかかるんだと思います。
Combineは必須になっていく
CombineはSwiftUIとセットになっていくと思います。
最初はこいつ要らない子になるのでは?と思ってたんですけど、SwiftUIと親和性高いならしょうがないですね。
RxSwiftからCombineへの移行案件が起こる
これそこそこヘビーで、しかもできる人材少ないので厄介だと思います。
そういう案件って要求レベルが高いんですよね。
タイミングとしては上記と同じです。RxSwiftを取り入れている案件は先進的ではありますが、最低バージョンからは逃れられないのでタイミングはおなじになると思います。
これ、下手するとモダンな設計をしようとしたのに置いていかれてレガシーになるみたいなことも有り得そうですね。
Combine化によってRxSwiftエンジニアとノーマルエンジニアが合流する
あまり考えたくないですが良いことは起きないでしょう。
パラダイムが違うんですから。
Flutterは増えるが一定数は超えない
Flutterを採用するのは
- 新しいもの好き
- 両OS必要で、ディティールへのこだわりは薄い
- IoTや動画編集、OS特有の処理など重い処理が走らない
- 金がない
あたりで、ポジションとしてはReactNativeなんですよね、ReactNativeが復活するくらいのイメージでいいと思っています。あれがイケイケの時って今のFlutterみたいな感じ有りましたしね。どこでしたっけ、昔DeNAだったかどこかがReactNative習得必須にしてたと思います(間違ってたらすいません)
TCAは来ると思う
新しい技術の採用というのは、壮大な暇つぶしでも有り工数確保でも有り自尊心の拠り所でも有り。
とにかく新しい何かを常に追い求めるこの業界ですが、iOSについてはVIPER,Combine,SwiftUIあたりの次のポジションが今ないんですよね、それでTCAはSwiftUI導入したらこれ入れるよねみたいなやつです。
んでRxやVIPERほどのヤバみは感じられないのでMVVMくらいには流行ると思います。
しらんけど。
BDD(Quick)も来ると思う
その流れで言えばQuickというライブラリも多分使われることが多くなると思います。
本当はBDDなんでしょうけど、BDDやってます!(実際はQuick使ってるだけ)みたいなケース増えると思います、観測範囲で言えば大体今で採用率5〜10%くらい。
個人的にはTDD嫌いですけどBDDはすんなり入ってくるので改善したと思って喜んでいます、まだやってませんけど。
フリーランス減るのでは?
インボイス制度が始まります。
人手不足に拍車がかかる。
全体的に工数が足りなくなる
明らかにアプリ開発が難化していってます。
おまけにエンジニア自身もやること増やしてる状態です。
フリーランスは向こう5年は食いっぱぐれることはないでしょう。ただストレスは溜まりそう。全然進まなくて。
おわりに
相変わらず技術的なようでいて全然そうでもない話でした。
それにしても2022年にもなって何でこんなカオスなんだろ。
あと最近Androidの方面から声が聞こえてこないので気になる。ここ1,2年iPad案件とかiPhoneのみ案件多かったので。