オリジナル長編アニメ、素晴らしく丁寧に作られた娯楽大作ですね。とても楽しめました。この作品、どれだけ知られているのでしょうか。観ないのはもったいないです。是非劇場で!
『クラメルカガリ』は偶然発見された鉱脈の上に立ち上がった街が舞台です。そこはトンネルや坑道が入り組んだ迷宮と化しています。地下世界は採掘利権をめぐって組織が争っている無政府状態。
主人公はそこの「地図」を作って情報料をもらって暮しています。つまりそれは「宝の地図」なんですね。しかし、主人公はそういうところに関心はないようです。大切な「居場所」なんです。
利益独占をたくらむ組織がついに新兵器を手にいれ武力制圧を開始し、話は動き始めます。
『クラユカバ』の方も舞台は地下。地下鉄や過去の開発跡という地下空間に住み着いて勝手な生活圏作り上げている人たちがいて、そこもまた地上の権力が及ばない無政府状態になっています。
主人公は探偵。その地下社会の情報探索に出した情報屋が囚われの身になってしまい、その救出に向かいます。
警察?軍?はその無法者たちの掃討作戦にうって出ますが簡単には行きません。
両方とも地下がテーマというか舞台になっています。その面白さと、「昭和?大正?」仕立ての世界構築が合さって、とても魅力的です。
この作品は想像上の「昭和」、「地下」を楽しむ趣向になっています。なので、そこに「リアリティ」で突っ込みを入れるのは野暮だと思います。あの「東映走り」をみればこれが「まんがまつり」での冒険アニメの正当な後継だとわかると思います。
「かわい子ちゃん5人出しておけ」とかに始まる「ねーよ帝国主義」とは全く無関係。これ、海外で先に評価をもらったのは正解だと思います。
作りの丁寧さを「地味」と同じとみなしては欲しくないですね。これは滅多にお目にかかれないすてきな作品です。是非劇場で観て欲しいです。
初日初回観客6人。2週め平日朝一番上映でふたり。。。。。もっともっと見にきて欲しいです。