UiPath Orchestratorの使い方・開発を外注してもセキュリティを保てるアセットの使い方篇
Uipathは便利な機能ですが、その使い方をまとめている情報はあまり見かけません。
その中でも、Studioではなく、Orchestratorはまだまだ使い方の解説が少ないものの一つではないでしょうか。
今回はOrchestratorのアセットについてです。
アセットは、Orchestrator上でパスワードやユーザーIDを管理する際に使用します。使用ケースとしては、発注者と開発者が異なる場合に、セキュリティを担保する際に使用する事が出来ます。
TESTフォルダで、アセットを作成してみましょう。
アセットを追加から、新しいアセットを作成をクリックします。
更に、ロボットのアセット値を追加を選択すると、このアセットを利用できるユーザーやマシンを指定する事が可能です。
作製すると、アセットが作成されます。
繰り返しになりますが、このアセットの作成は、発注者が行います。そして、外部の開発者に対して、アセットを付与します。
この状態になると、発注者のIDやセキュリティが開発者に知られる事なく開発を行えるようになる為、非常に便利です。
さて、アセットを付与された開発者側ではこれをどの様に使えばいいのでしょうか。
これはStudioの開発画面です。
右下に、Sharedと出ているので、これをアセットを付与したTESTに変更します。
リソースの変更が行われ、右上のリソースを選択すると、先ほど付与したアセットが使用できる様になります。
このアセットをドラッグ&ドロップすると、使用できるアクティビティが出てきます。
このアセットがパスワードなどの秘匿性の高いものであれば、資格情報を取得を選択します。アセットを取得だと、先ほどのアセットで指定したCredentialでは取得が出来ないからです。
資格情報を取得した後、パスとユーザー名を変数に格納しておきます。
後は、ログイン時にこの変数を使用するだけでOKです。ログイン時には、もちろんパスワードは見えない情報になっています。
この様に、RPA開発者は、発注者の重要情報を知らなくても開発を行う事が出来ます。
業務効率化・RPA
僕は税理士ですが、基本的には繰り返し作業が嫌いです。
だから、そういう繰り返し作業はなんとかなくしたいと思っていました。
今は仕事の作業効率化として、RPAを活用しています。
RPAはお金がかかるんじゃないの?と思っていましたが、
UiPathのコミュニティエディションというタイプは基本的には
個人か、一定規模までの売上の企業であれば無償で利用する事ができます。
僕は税理士でおり個人事業主ですので、ある程度RPAに手伝ってもらわないとおっつかない部分というのがあります。
RPAなんて1人でやるには難しいでしょ?と思っていましたが、UiPathは触ってみたら意外と簡単。
プログラミングをするより数倍人間の言葉に近い処理でやってくれます。
しかも、完成したら、何回でも何万回でも同じことを繰り返し、人よりも高速でやってくれるのです。まだまだRPAは習得の途中ではありますが、今後より業務に使う決意を固めたため、ノウハウの言語化として、できるだけ記事に書き表していきたいと思っています。
売上を上げる為の分析手法:相関分析
相関分析は、2つの要素の関連性を見る分析の方法です。財務の支援をしている我々のような場合には、売上の予測や固変分解の計算するときに用いますね。
最も有名な一例が「気温とビールの販売数量の関係」でしょう。
気温が上がれば上がるほど、ビールを飲みたくなるのは人情ですよね。
上記は気温とビールの販売数の関係です。これをデータにプロットしていきましょう。
データをプロットすると、気温が上がれば上がる程、ビールの販売本数も伸びるという、右肩上がりの関係になっている事が分かりますね。これを、「正の相関関係がある」といいます。
この場合では、当然気温が低い季節にビールの販売量を増やすためにどんなに試行錯誤をしても限界があると言えます。今のような寒い時期は別の商品を販促した方が効果的でしょうね。
更に相関分析はそれ以外の分析にも利用できます。
例えば、ビールと一緒に販売するおつまみの相関関係を自社で分析すれば、最も販売数量が増えるセット商品を見つけることができるかもしれません。
この分析は世界中、幅広く利用されています。
例えばアマゾンでは、大量のデータを分析し、様々な商品の相関関係を分析し、「Aを買った人はBも購入しています」というレコメンド機能に利用しています。このように、相関分析は、「売上や収益を上げる際の打ち手を決める」という際にも利用しやすいのです。
IT系のサービスを提供する企業はこのような分析を多用しており、例えばNETFLIXは数多くの種類のドラマの中からどのような条件であれば視聴が増えるか?という分析を多用していると言われていますし、米国のコーディネートされた服を送っていくというStichFix(以前のZOZOのお任せ定期便のようなサービスです。)は、好みの傾向と購入履歴から、「このような服を送ると購買につながりやすい」という分析を行っています。
このように、相関分析とは、成長している企業が数多く行っている分析手法になるのです。
相関関係が高い商品同士は一緒に販売してもいいでしょうし、例えば広告と販売動向等をしっかりとデータとして捉えていれば、次の打ち手を考えやすくなります。
また、店舗型の事業を運営している経営者であれば、「交通量と売上」の関係等も非常に参考になるデータになります。このように、多くのデータの中から、経営判断につながるデータを導き出せるのが相関分析です。
不確実な時代だからこそ、意思決定において少しでも精度を上げるためには必須の分析手法ではないでしょうか!
ピラミッドストラクチャ―の留意点
ピラミッドストラクチャーで考える際の留意点です。
ミラミッド構造をつくる為には、まず「何について考えるべきか?」を明確にします。
(何について考えるべきか・・・)
そして、それに対する答えが結論になります。
論拠の1と2を考えれば、求める結論が出せるだろうと考えます。
そして、その論拠を支える事実を集めていきます。
一度すべて集めると、「論拠は結論の『なぜ?』に答えるものなのか?」「集まった事実は、その論点の『だから何?』に答えるものなのか?」という事を見ていき、階層を何度も上下していくことになります。
その際に気を付けることは、「論拠は事実を寄せ集めただけにしない」という事です。事実集めた結果、どのような論拠を導き出すか?という事はしっかりと考え抜かなければなりません。
また、上から下で「だから何?」を求める際には、集めた事実が不十分で、「主張が強引ではないか?」と取られるリスクがあります。そのような場合には、「どのような事実を集めることによって、その主張は納得できるものに変わるだろう?」と考え、実際にその事実を加えるために行動していくことが求められます。
頭の中で考えるだけではなく、主張を実際にピラミッド構造に置き換えて、論点を整理していく事は非常に重要ですね!
筆者自身、財務分析は深く分析したり、思考したりする事が多いですが、社長にそのまま伝えても上手く利用はしてもらえません。そこから導かれる結論はどのようなものか?をブラッシュアップして、経営者に経営に活かしてもらえるような財務分析や提案を行えるようにする為にこのツールは使い倒したいと思います。
人に物事を伝える為の基本ツール:ピラミッドストラクチャー
今回はピラミッドストラクチャ―について。
ピラミッドストラクチャ―とは、プレゼンなどにおいて他者に説明を円滑に理解してもらい、説得に繋げるための思考の型の事です。
マッキンゼーのバーバラミントという方が書かれた、「考える技術、書く技術」という書籍の中で紹介され、多くのビジネスパーソンへ広まっています。
基本的な型はこちらです。
まず結論があり、その結論を支える為の論拠があります。論点が複雑になってくると、この論拠に更に複数の論点が積み重なり、まるでピラミッドのように見えることから「ピラミッドストラクチャー」と呼ばれています。
確かにピラミッドっぽいですね。
例えば、筆者が上場企業であるファーストリテイリングの財務内容を分析し、以下のような感想を持ったとします。
「ファーストリテイリングは『LIFEWEAR』というコンセプトに代表されるようにベーシックでトレンドから離れた服を製作している。また、基本的には製品の開発は非常に長期間であるものの、同じ商品を大量に作ることによって質のいい商品であっても安価に製作する事を可能にしている。しかし、その為近年のファーストリテイリングの商品在庫と商品回転日数は増加の一途をたどっている。柳井会長はそれに満足せず、『情報製造小売業』として、ECやアプリなどの購買情報をビックデータとした製造や物流、販売計画を策定している。これは、欲しい服が欲しい量だけあり、不要なものは作らないという世界観に基づいている。これが成功すれば、不要な商品は減っていく事になる為、今後商品回転日数は減少していく事になるだろう。」
これを、ピラミッド構造に置き換えるとこのようになります。
結論
ファーストリテイリングの重要な指標の一つである在庫回転日数は今後短くなっていくことだろう。
論拠①
というのも、ファーストリテイリングのコンセプトであるLIFEWEARは、ベーシックで高品質な洋服を安価に作るというものである。
その為に、ファーストリテイリングは高品質な原材料を大量に仕入れ、スケールメリットを活かしてコストダウンを図っている。一方で、大量に商品を仕入れるという事は、在庫が増加する事になり、これが現在のファーストリテイリングの在庫回転日数を押し上げている原因である。
論拠②
柳井会長の提唱する情報製造小売業とは、ECやアプリを通した顧客の購買情報を起点に商品の製造や販売計画を策定するというものである。
欲しい服が欲しい量だけあり、不要なものを作らないことを目標にしている。これが成功すると、洋服の製造計画や販売計画が最適化されるため、在庫は適正化されていくだろう。
よって、財務上で見ると、ファーストリテイリングの在庫回転日数は在庫回転日数は今後短くなっていくであろう。
最初の説明に比べるとスッキリ理解しやすくなっているかと思います。ピラミッド構造は、上から下へは「なぜ?に答える」下から上には「だから何?に答える」という構造になっています。
色々なものに応用が効きそうなピラミッドストラクチャー。ぜひ使いこなしたいですね!
経営の為の思考ツール フェルミ推定②:フェルミ推定に必要な3つのスキル
フェルミ推定を用いて、ポップコーンの市場を推定してみました。
では、フェルミ推定に必要なスキルとはいったい何でしょうか。
それは、「論理的思考」「仮説構築力」「当該分野の知識」だと言われています。
まずは論理的思考です。
論理的思考は、簡単な式を作る際に役に立ちます。例えば、先ほどの例でいう、「映画館に来場する顧客数×購入割合×ポップコーンの単価」という式。
この式が、「映画館に来場する顧客数×ポップコーンの単価」となってしまっていたらどうでしょうか。仮に他で正確な数値を置くことができていたとしても、計算結果は大きく異なってしまうでしょう。
このように、論理的思考は「もれなくダブりなく」というロジックツリーと組み合わせる意識を持つと非常に有効でしょう。
次に仮説構築力です。筋のいい式を作ることができたとしても、たいていの場合にはその式に当てはまる数字をどこかから検索してくることは不可能です。そんな時に、その数字を仮定しておくのですが、出来る限り論理的な数字を引っ張ってこれるのかが仮説構築力のキモになります。自分に都合のいい数字ではなく、論理的に筋のいい仮設を作れているかどうかが非常に重要だと言えるでしょう。
当該分野に対する知識も、筋のいい仮設を導く際に非常に重要です。例えば、先ほどのポップコーンの値段やチケットの値段など、ある程度の知識を持っていれば正解に近い数字を出すことができるでしょう。そのような知識を持っているかどうかも、当然ながらフェルミ推定の結果に大きな違いをもたらします。
これら3つのスキルを意識して、筋のいい仮説を立てて、質の高い意思決定を目指していきたいと思います。