音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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シベリウス:交響曲第2番 / クラウス・マケラ, オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 (2022 96/24)

マケラのシベ2を聴くのは実に初めてのこと。冒頭から透明感と温かみのある、そして背筋の伸びた演奏に感銘を受ける。

指揮者のノリにオケを乗せて率いるスタイルとは異なり、じっくりと真面目にスコアに取り組み、共に練り上げていくかのごとく音が進んで行く。もちろんそこで四角四面な演奏になることはなく、シベリウス作品としての複雑さ、編み込みの緻密さを音に反映させている様が頼もしい。

自分の中でどこか「2番はシベリウス作品の中でも、普通の交響曲」と思い込んでいた節があってこれまであまり聴いてこなかったのだけれども、この演奏に触れると、やはりシベリウスはシベリウスなのだと納得させられる説得力がある。どこをどう切り取れば、これが普通の交響曲だとするインプレッションが生まれるのかと。

シベリウス:交響曲全集

メインオーディオ結線完了

引越以降、最後の最後まで引き延ばしていたメインオーディオの結線、そのスピーカーの接続をようやく行う。どうにかこうにか4月中に終わらせた。

まだまだスピーカーは仮置き状態なので、セッティングを詰めるのはこれからになるのだけれども、当座の出音は…。

「スピーカーは音の出口」で完結するのではなく「部屋の環境が音を決める」との結論に達した次第。

以前の居室は和室、壁の両側に棚などがある状態だったのに対し、今回の部屋は洋室かつ両側に物は無し。

出音がガラッと変わるほどではないにしても、印象は結構大きく変わってくる。まだ音源を聴き込んだ状態ではないので、その印象も決めつける段階ではないのだけれども、低域の質がタイトかつ重くなり、中域のボーカルは輪郭がより明瞭に、高域はやや硬質に変わった感がある。

こう書くと全体的に締まった音になったかのように見えるかもしれないけれども、実際にはどことなくリバーブがかかった部屋の響きが加わって、微妙に頼りない雰囲気も垣間見えるかのような。

ともあれ、残念な方向に音が変化したわけではないので、今後、セッティングやらチューニングやらを煮詰めていきましょう。

RHYTHM NATION 1814 / Janet Jackson (1989 44.1/16 Amazon Music Unlimited)

島谷ひとみの「パピヨン」が突然聴きたくなる→聴く→ジャネット・ジャクソンの原曲も聴きたくなる→聴く→ふと「RHYTHM NATION」が聴きたくなる→聴く→アルバムも聴きたくなる→聴く←イマココ。

何周も回って、今聴くからこそ格好良くも聞こえるこのマッチョなサウンドメイキング。イカしてる。

リズム・ネイション1814

SCIENCE FICTION / 宇多田ヒカル (2024 96/24)

つい最近きら星のごとく現れたと思っていた宇多田ヒカルももう25年選手。リリーススパンが長いことから、そのキャリアの割には楽曲数を稼いでいるわけではないけれども、その分だけ楽曲毎の重さ、密度の高さには凄まじいものがあって。

それが故にこれまでは好きであっても積極的に日常的に聴くことが出来なかったのだけれども、このベストアルバムは別格。25年間を120分程度に凝縮しているのにもかかわらず、どの曲にも新鮮な思いで、そして軽やかな気分で接することが出来る。

以前にも書いたのだけれども、クオリティの高い新録、新ミックスが適度に配置されていることで、単なる過去の曲の羅列に陥らず、今と昔を心地よく繋げている。そのことが、この大ボリュームでも聴きやすいことに繋がっているのだろうと。ベストアルバムという作品として仕上げられているとでもいえばよいかな。あちこちに「聴き流させない」フックが仕掛けられている。「おっ?」と思わせる瞬間が多数存在するのだよね。

新たに発見するものであったり再確認するものであったりするのだけれども、楽曲が持つ様々な表情にあちこちから光が当てられて、多角的な再発見に結びついており、それが飽きずに最後までしっかりと聴かせてくれるのだろうと。

そして楽曲を時代に風化させない宇多田ヒカルの作曲スキルとクオリティの高さにも改めて感服させられる。あの曲もこの曲もどれもこれも、純粋に「かっこいい」と思いながら聴けるのだよね。楽曲に宿るエモーションが熱量を失わずに今に至る。

しかし感想の情報量も多すぎて、何をどのように書いていいのかすら分からなくなるな。だんだんとっ散らかってきた。

ま、いいや。焦らずゆっくり時間をかけてこの素晴らしいギフトを聴いていこう。

SCIENCE FICTION (通常盤) (特典なし)

OVER / 三浦大知 (2024 48/24)

トゥーファットでトゥーソリッドでトゥーグラマラスなのだよね。

ライヴをこの目で見てからと言うもの、生三浦大知のその衝撃の大きさからか、なかなか彼を音楽だけで振り返ろうと言う気持ちになれなかったのだけれども、少し日をあけて聴いてみれば、やはり凄まじいまでの孤高の世界がここにはあるだよね。

ここにあるのは、音楽だけであっても「三浦大知の音楽」になっている世界。それはもちろん生のあの身体の動きを体験してしまったが故の、マイ脳内オーバーダブが働いているからこその、ある種のゾーンのようなものなのかもしれないけれども。

OVER【AL (スマプラ対応)】