経済ブログ

経済について書いていきたいと思います。コメントを歓迎します。 

仮想通貨

 ビットコインの急騰を受け仮想通貨に注目が集まっている。このところ新しい仮想通貨が作られたというニュースをよく聞く。第二のビットコイン狙いが透けて見える。ビットコインは急騰したが、数日後には半分の価値になるなど値動きの幅は激しい。仮想通貨を考えるときにまず考えなければならないことは、仮想通貨は、実際の世界で流通しているドル、ユーロ、円と交換しなければ使い物にならないという事だ。一部の商品、サービスは仮想通貨で買えるかもしれないが、それだけでは生活はできない。そしてドルは米国、ユーロは欧州、円は日本がその通貨が自国で使えることを保証している。それに引き換え仮想通貨が使えることを保証する場所は、小さく、信頼性が薄い。発行元が簡単にもうやめたとなれば、その仮想通貨は無価値となり、保持者には大きな損失となるだろう。
 実際の通貨を発行している政府にも、ビットコインなどの仮想通貨を規制する動きも出始めた。政府にとって政策が反映できない仮想通貨に大きなメリットがあるとは思えないし、マネーロンダリングの温床にもなりかねない。仮想通貨との付き合い方は、もっとよく議論しよく考えた方がいいだろう。

2018年の世界の主な政治・経済日程

1月30日:大統領が米国議会に一般教書を送付・演説。
2月3日:イエレンFRB議長が任期終了/パウエル氏が後任
3月末:通商代表部(USTR)が外国貿易障壁報告書発表
3月4日:イタリア総選挙
3月上旬:中国で全国人民代表大会開幕
3月18日: ロシア大統領選挙
4月8日:黒田日銀総裁の任期終了
4月中:米国半期為替報告書発表
6月8日:カナダにてG7首脳会議
7月:メキシコ大統領選/メキシコ議会選挙
9月30日:安倍首相の自民総裁任期満了(総裁選開催)
10月中:ブラジル大統領選挙
11月7日: 米議会の中間選挙

11月:沖縄県知事選/沖縄県那覇市長選

アメリカのインフレ政策は正しいのか?

 日本は長い間デフレで苦しんでおり、アメリカみたいに年2%のインフレが理想的だとして、黒田日銀総裁のもと大幅な金融緩和を実施し、年2%のインフレを目指している。今のところ日本の年2%のインフレは実現しそうもないが、アメリカの現状をある記事で読んだ。それによると、ここ約20年間、米国のCPIは年率2~3%前後で推移している。アメリカの学費は、この15年間で2.5倍、家賃は1.5倍、医療費は2倍になった。もちろん賃金がそれと同じ、それ以上の上昇があれば問題ないし、インフレと賃金上昇は理想的な経済と言われている。だが、アメリカの賃金は15年間で約1.3倍にしかなっていない。これを見るとアメリカ人の生活はむしろ苦しくなっているのがわかる。教育、家賃、医療といったサービスは、生きていくうえで不可欠で、其の価格が上昇しているとなると、生活が苦しくなると感じるに違いない。
 日本はデフレで苦しんではいるが、サービス価格は大きく変わっていない。賃金も大きく変わっていない。現状維持と言ったところだが、客観的に見るとアメリカよりは苦しくなっていないのがわかる。
 このようにただインフレだけを目指すのは、間違っていることがわかる。要するに、インフレ率と同じか、それ以上の賃金上昇がなければインフレは国民にとってマイナスだし、デフレでも賃金が変わらないか、逆に上昇すれば国民にとってプラスという事になる。
 インフレ率より、賃金の上昇に焦点を当てることが正しい経済の見方であろう。

ジョージ・ソロス氏のトランプ相場における大損

 ジョージ・ソロスは、とても有名で成功して大金を稼いでいた投資家だ。そんな彼だが、アメリカ大統領選挙ドナルド・トランプ氏の当選が決まってから数週間のうちに10億ドルの損失を出したと報道されている。2016年の米大統領選では、ヒラリー・クリントン氏が勝利するとほとんどのメディアは報道し、もしトランプ氏が勝利すれば、その過激な公約への警戒もあり株価は大暴落という予想が大半を占めていた。伝説の投資家も、同じように考えていたようで、トランプ大統領誕生が確定してからは、かなり大きな額の空売りを行ったようだ。しかし、実際はアメリカの株式市場は、彼の規制緩和的な政策に期待を示し大きく上昇した。
 どんなに知識、経験が豊富で百戦錬磨の投資家でも未来を確実に予想できないことを証明したわけだ。彼にとってこの額は、許容範囲なのかどうかわからないが、絶対という事はありえず、常にリスク管理をする大切さを思い知らされる出来事である。

2017年の世界の政治・経済日程

1月17~20日: 世界経済フォーラム年次会合月20日: トランプ氏が米大統領に正式就任

1月27日?: 安倍首相訪米、日米首脳会談

1月中: 英国最高裁EU離脱の議会承認の要・不要を判断

2月:アメリカ大統領議会演説

3月15日:オランダ総選挙

3月15日: 米予算債務上限の適用再開(上限引き上げ論争に注意)

3月内: 英がEUとの離脱交渉を正式開始

4月23日:フランス大統領選・第一回投票

5月7日:フランス大統領選・第二回投票(一回で決まらない場合)

5月25日: OPEC定例総会

5月26日:G7シチリア・サミット

5月~6月:米中戦略対話

7月7~8日:G20ハンブルク・サミット

7月?:東京都議選(都議の任期満了日は7月22日。)

9月: ドイツ連邦議会選挙

11月: APEC

ECBは追加緩和を決定、しかし市場は期待外れと判断

 先週の木曜日の欧州時間終盤にECB理事会が開かれ、そこで追加緩和実施が発表された。内容は、ECBは資産購入策を少なくとも2017年3月まで延長、ECBは元本支払い額を再投資する、地方債を取り入れるなど資産購入の対象拡大などだった。
 ユーロ/ドルは10月の後半ぐらいからECB総裁の発言などにより、12月のECB会合での追加緩和への思惑が強まり1.1495から1.0518まで 約0.1下落してきた。前週発表した追加緩和には、市場が期待していた中銀預金金利の0.1%引き下げ、資産買入れ期間の延長、月額150億ユーロ程度の 規模拡大がなかったため失望からの買戻し、材料出尽くしなどを要因に1.098まで大きく上昇し、10月後半からの下げの約半分ほど戻した。

ギリシャ債務危機

 ギリシャ危機の発端は、2009年1月に巨額の財政赤字が発覚したことによる。ギリシャ国債が暴落(利回りは上昇)して資金調達ができなくなり、EU、ECB、IMFに支援を求めざるを得なくなった。
 ギリシャは、2002年のユーロ加盟により、ユーロという強い通貨を手にしたことで、信用力を背景に低金利資金を調達、国債発行ができるようになった。もともとギリシャの経済規模は小さく、身の丈以上に借金をしてしまったというわけだ。
 そして、ECBや欧州銀行などの債権者たちは、ギリシャに緊縮策による財政の健全化などを求めて債務の返還を求めているが、ギリシャ側は債務の減免や、新たな融資を求めて交渉している。債権団はデフォルトも困るが、新規の融資をしても返済の可能性に疑問もあり、苦しい状況に立たされている。ギリシャもデフォルトは国際金融からの離脱を意味し、ユーロからの離脱もハイパーインフレを起こす可能性もあり、苦しい状況に追い込まれている。
 ギリシャとしてはできるだけ債務を減免してもらい、融資を引き出し、経済成長により財政の健全化を進めたいようだが、主な産業が観光だけでは苦しい。債権団もギリシャのユーロ離脱は、他のユーロ圏のスペイン、ポルトガルなどの財政状況が厳しい国にそれが波及し、ユーロ崩壊につながる恐れもあり、良い選択とは思っていないようだ。