思考回路の再構築

主に自分の思考を整理するために書いてます。トピックはさまざまです

インプットとアウトプットの話 (1)

前回があまりに堅すぎたので、せめて文体だけでももうちょい軽くしようと思います。

内容は引き続き堅めで(汗)、インプットとアウトプットに関して考えていることをつらつらと書きたいと思います。結構当たり前のことな気がする。

 

インプットの量=アウトプットの質 という通説

今の会社に入って最初の上司に、耳タコ的に言われたのがこの言葉でした。この上司のもと、定期的にインプット機会を担保するためにチームで課題図書設けたりもしていました。それから早3年半がたっていますが、今ではこの言葉は本当にその通りだな、と思います。

これまで生きてきて確信を持って言えるのは、「 一部の天才を除いて、私たちの0 → 1 で物事を創造する力なんてたかが知れてる」ということです。
世の中でイノベーションだの斬新だのといわれていることの大半は実は 0 → 1 で何かを生み出したものではなく、既存の何かを組み合わせたものか、せいぜいそれに少し新しいエッセンスを加えたものなのではないでしょうか。よく言われている話かと思いますが、パズドラも、モンストも、構成要素1つ1つに何の真新しさもないです。
こう考えると、既存の物事をうまく組み合わせることや、そこに新しいエッセンスを加える行為こそクリエイティビティなのだと言うこともできると思います。
すると、何と何を組み合わせるか、というパズルピース(知識や考えの引き出し)を多く持っている人ほど、新しい、あるいは質の高い何かを生み出す可能性が高いということに必然的になります。これが、インプットの量がアウトプットの質にダイレクトに影響する、という説が自分の中でとても納得できる理由です。

 
一回一回が長いのも良くないと思ったので、今回はこれくらいにして、次回はインプットの仕方の種類について、考えてることを書いてみたいと思いまーす!

事業・組織をおびやかすSPF (Single Point of Failure) の話

 

はじめてのエントリになります。

30代間近の会社員が、日々の生活や仕事の中で考えたことを徒然なるままに書き溜めていくブログです。私の興味の幅だけ、トピックは広がっていくと思うので、相当とりとめのないブログになること請け合いですが、楽しんでいただける人がいたら幸いです。

さて、今回は、SPF(Single Point of Failure)について話をしてみたいと思います。

私は、普段は東京のネット系会社で会社員をしているのですが、現在縁があってサンフランシスコの支社で数ヶ月働く機会をいただいています。

こちらで働く中で、組織が避けるべき状態としてよく使われている言葉、それがSPFです。

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SPFとは 

SPFはSingle Point of Failure の略なのですが、直訳すると単一障害点となります。これではピンと来ませんね。簡単に言うと「この人 or この機能 がワークしないと、組織・事業に重大な問題が発生する点」という意味で使われています。もともとはシステム開発サプライチェーンマネジメントの分野で使われていた言葉のようですが、現在はもっと幅広く、あらゆる組織や事業で使われているようです。

もう少し具体的に説明すると、例えば

  • Aさんがインフルエンザで1週間休んだら、Aさんの業務範囲をカバーできる人がいなくて、プロジェクト自体が1週間遅れた
  • エンジニアのAさんが退職した後、システムの改善に取り組もうとしたが、Aさんの書いたコードが解読できずに、システムに触れない状態になってしまった
  • ウェブサービスにおけるAという機能が行政の指摘を受け、改善するまで当該機能を提供できないという状態になったとき、それに関連する他の機能もことごとく影響を受け、実質ウェブサービス自体をストップせざるを得なくなった

などが挙げられると思います。
「うちのチームの○○さんいなくなったら同じこと起きる(汗)」と思われた方がいるのではないでしょうか。

 

SPFを考える重要性

サンフランシスコでは人材の流動性が非常に高く(最近日本もようやく変わってきていますね)、さまざまな理由でメンバーが突然いなくなることがあります。そのような場合に、組織・事業の運営への影響を以下に最小化するか、という点が非常に大切になってきます。

特に草創期~芽が出てスケールし始めた企業においては非常にこの点をきちんとケアすることが非常に大切だと考えます。何をさしおいてもサービスを良くして、事業を軌道にのせることが重要なフェーズであることは間違いないのですが、ここを軽視して爆進していると、後で急ブレーキをかけざるをえなくなり、結果長い目で見て企業のスケールを阻害する要因となるためです。

この点を逆手に取って、自分自身がSPFになってしまえば、会社は自分を手放せないはずだ、とあえて自分の担当業務をブラックボックス化しにかかる社員までいるほどです。

SPFの発生を回避する方法

ここまでの話で、リーダーにとって、自分の組織においていかにSPFを回避するか、という点がいかに大切か共感していただけたでしょうか。では、どのようにすればSPFを回避できるのでしょうか。具体的には、以下の方法が考えられると思います。

  • 業務を棚卸して一覧化し、それぞれの業務に主担当とサブ担当を設け、責任とバックアップ体制を明確にする
  • 重要業務は業務手順をマニュアル化し、再現性を担保しておく

サブ担当制度は、主担当からサブ担当への業務トレーニングを前提にするもので、主担当の指導能力の向上や、主担当不在の際には積極的にサブ担当に任せるなどすればサブ担当の抜擢機会の創出などにも一役買います。

とはいえ、言うは易し行うは難し。1分1秒でも惜しい仕事環境の中で、ここまでカロリーをかけるのは厳しい、と思われる方は多いと思います。
しかし、先述の通り、ここを軽視して進むと後で大きなツケを払わされる可能性は高く、いかに長期的視点を持って、バランスよくカロリーのかけ所を判断できるか、がリーダーには求められていると思います。

 

大分堅い話になりましたが、初回はこの辺で。

ではまた。