リビジョン / 法条遥

リビジョン (ハヤカワ文庫JA)

リビジョン (ハヤカワ文庫JA)

未来が視える鏡というガジェットを使った時間SF。

ガジェットの使い方は上手いと思うんだけど、展開が複雑に入り組んでいる上に、前作「リライト」の設定まで絡んでくるので、理解するのがいっぱいいっぱいだった。

化学探偵Mr.キュリー / 喜多喜久

化学探偵Mr.キュリー (中公文庫)

化学探偵Mr.キュリー (中公文庫)

相変わらずの化学ミステリなわけですが、相変わらずのライトな読み口でサクサク楽しめる。

今回はSF成分無しの設定。

ただし、真っ当な化学ミステリという設定が故に、そこはかとなく某物理学者の例の人気シリーズを思い起こさざるを得ないというのが残念ポイント。という訳で、個人的にはSF成分があるほうが好きです。

ホテル・モーリス / 森晶麿

ホテル・モーリス

ホテル・モーリス

個性的なキャラクターが活躍し、サプライズもあって楽しめた。

ただ、ちょっと展開が唐突で面食らったので、もう少し伏線があると嬉しい感じ。

あと、准、るり子さん、日野以外のホテル側のキャラが、いまいち影が薄かったのが残念だった。三谷幸喜の「有頂天ホテル」くらい全員が絡んでくると面白いのに(無茶苦茶になるけど)。

離れ折紙 / 黒川博行

離れ折紙

離れ折紙

美術品に魅入られた人々同士が互いに出し抜くために、知略を尽くして仕掛けを施し、騙し騙され、たまに見破る、という丁々発止のやり合いが楽しめる。

どの話にもどんでん返し要素はあるけど、「唐獅子硝子」のラストでの痛快な逆転劇、騙されかけたけどギリギリで仕掛けを見破った「老松ぼっくり」が個人的には好きだった。

はるひのの、はる / 加納朋子

はるひのの、はる

はるひのの、はる

ささらシリーズ第三弾にてシリーズ完結。闘病生活を乗り越えての新作で、それだけでも泣きそうに。

「はるひのの、はる」から「ふたたびはるひのの、はる」まで各話が絶妙なハーモニーで折り重なり、読み終わると何ともいえない優しい気持ちになれる。癒されました。

ここはボツコニアン 3 二軍三国志 / 宮部みゆき

ここはボツコニアン 3 二軍三国志

ここはボツコニアン 3 二軍三国志

相変わらず自由だな!

正直ゲームの話(今回は三國無双?)には全くついていけてないが、作者が実に楽しんで書いているであろうことは良く伝わってきているので、まぁいっかなと思った。

七色の毒/中山七里

七色の毒 (単行本)

七色の毒 (単行本)

ダークサイドに堕ちた人、に焦点を当てた連作短編集。

短編のそれぞれに切れ味鋭いどんでん返しが仕込まれているので、7回もどんでん返しを味わえる。どんでん返しマニア歓喜。

この作品の犯人たちは最初イイ人に見えるだけに、悪意全開の犯人よりも闇の深さが際立つ。人間って怖い。性善説なんて嘘だったんだ。