叶うことの無い恋物語 4.5 〜番外編〜

アメリカ視点

俺は今ものすっごくドキドキしてるんだぞ!
何でかって?それはもちろん…日本が家に来てるからに決まってるだろ?
あぁ、内容が分からない人は叶うことの無い恋物語 3を見てもらえれば分かると思う。
じゃぁ、この物語を始めようか。
元はと言えば日本が悪いんだぞ!俺の心を好き勝手に乱していったんだから…
こんな気持ちになったのは初めてだし、こんなに強く欲しくなったのも君だけだし、初めてだ。こんな風に人を好きになるなんて初めて知った。
まぁ、俺達は人の形をしているが聞いて驚くなよ?国なんだ!
え?信じられないって?んー・・・それじゃあ君が俺を国だって認めてくれるように説得しなきゃいけないね。説得させるまで帰さないのが俺のルールだからね。でも、それはまた今度にしておくよ。今は日本と俺の話だ。俺の話を聞いて、普通の人の恋愛を想像しちゃいけないぞ!なんたって国だから!え?その話はもう良いって?しょうがないな。じゃぁ、話を続けよう。
俺は国だから人間の思う恋愛なんて分からないけどきっとおんなじ様なもんだと思った。そう、俺は日本が好きなんだ!って、コレはもう既に話しているよね?
まあいっか。
で、とにもかくにも日本は俺の家に泊まる事になったんだ!

***
「本当にすみません…私としたことが…」
「本当に良いんだぞ!!俺だって一人暮らしで喋る人が居なくて暇だったんだ。」
「そうですか…」
日本は浮かない顔をしている。
きっと何かされるんじゃないかとか思っているんだろう。
過去には俺が勝手に押しかけて無理なお願いをたくさんした事があるからな…
あの時は特に悪気は無かったけれど、今思えば悪い事をした。
「に…日本、どうかしたのかい?」
「え!わ・・・私何かしましたか?」
「いや、さっきから浮かない顔してるからどうかしたのかなと思って。」
「それはすみません。どうもアメリカさんの家は初めてで緊張しているようで…」
「そういえばそうだね!いつも俺が日本の家に行ってるし、会議も別の場所だしね!」
「そうなんですよね。ですからそんなに気にせずに…」
「・・・だめだぞ!」
「え?」
「体調が悪いならそういってくれないと!」
「え?…わっ!あ、あの、ちょ!ちょっと!!」
俺は日本を抱き上げた。
そして、そのままずんずんと進んでいった。
「ちょっと!アメリカさん!!私、重いですしこんなこと慣れて無いですから!あっえ、えと、と!とにかく!!降ろしてください!」
「…やだっていったら?」
「え?!」
日本がすっとんきょんな声を上げる。
「だって日本、具合が悪そうだしそれにこっちの方が早い。…いいだろ?」
「うっ…」
「あと日本。一応首都に居るとはいえここは裏道なんだ。だから声、落して?」
「あっすみません…」
別にこれは正論だと思う。だって、もう日も落ちていて夜といって良いほどの暗さだ。
あと、ここは裏道のため市街地よりももっと暗い。
でも、さっき急いで口を押さえた日本は可愛かった…。別に俺が変態だからとかじゃないんだぞ?日本だから可愛いんだ。
そして俺のうちに着くと日本は驚いたような声を上げた。
「すごいですね!何て広い…いやなんて大きい…。」
「そうかい?コレが普通だと思うんだけど…」
「いえ!何というか…私の家にはありえない大きさですよ!」
「え?そうかな…まぁ日本のうちも結構大きいとは思うけどね」
日本はちょっと頬を染めた。
「そ…そんな事無いですよ!!」
俺はニコッと笑うと
「じゃあ、入ろうか」
と、声をかける。
「はい!」
*****
「何か欲しいものとかあるかい?」
「いえ、特に…お昼を結構遅く食べたのでおなかもそんなに減ってないし…」
「本当にかい?日本はいつも気を使ってるからこういうときぐらい俺に言ってくれたって良いんだぞ!日本だって俺がそっちに行った時色々聞いてくるじゃないか!俺は結構遠慮なくいってるけど日本だって遠慮なんてしなくて良いんだぞ!」
「えぇ、有難うございます。では…少しお菓子を頂いても…?」
「分かったぞ!じゃぁ、ちょっと待っててくれ!」
俺はキッチンにある倉庫へ向かった。もしもの時のために色々たくさん入っている倉庫だ。
「日本が好みそうなもの…」
んー…何が良いだろう。和菓子なんて無いし、アイスだってこんな時間に食べるなんておなかをこわしそうだ。
俺は平気だけど。
「あっ」
コレで良いか。ポテトチップスなら日本も好きそうだし、俺も一緒に食べれる。
俺は菓子をお皿に盛り付けて(といっても袋から出しただけだ)キッチンを後にした。
「お待たせ!こんなものしかなくって…コレで良いかい?」
「あ!有難うございます。」
日本は俺が手に持ってるものを見てニコッと笑った。
アメリカさんのことだからアイスとかハンバーガーだとかそんなものと思っていましたけど、意外なものを持ってきましたね」
「?日本は俺にどんなイメージを持っているんだい?俺だってさすがにハンバーガーはおやつに食べないよ。間食には食べるけど」
「ぷっ それがおやつっていうんですよ」
「そうなのかい?」
日本はくすくすと笑っている。
俺も釣られてくすくすと笑った。
「ところで日本、着替えとかもって無いんだろ?」
「そう…ですね。直ぐに帰るつもりでしたし、さすがにずっと背広って言うのもあれですよね…」
「んー・・・どうしようか。さすがに俺の服だとサイズが違いすぎて着れないだろ?」
俺は長身、ちょっと太り気味だが日本は小柄で細い。明らかに違いすぎる。
さすがに上だけで日本のひざ下までなるだろう。
ちょっとエロい…か。
・・・
「あっ!確か前にカナダが置いて行った服が在った様な気がするよ」
俺のは無理だとしてもカナダのならいけるかもしれない。
一応イギリスが置いていった服も在るのだが(日本の事だからそっちの方がサイズが合うかもしれないけど…)着せたくない。日本が折角家に来ているのにイギリスのことを考えている日本の姿なんて見たくない。
「持ってくるよ」
「お気になさらずに!」
「背広じゃきついんだろ?じゃあ問題ないじゃないか!日本はその間に風呂にでも入っててよ。」
「分かりました」
「風呂場はあっちだからね!脱いだ服はそこのバスケットにでも適等に入れておいてよ!明日までに洗っておくからさ!」
「有難うございます」

ニコッと笑いかけて日本は風呂場へ行った。

そして今に至る。
****
その後俺はカナダが置いていった服を見つけて日本に声をかけて一息ついた。
コーヒーでも飲もうかな…
こんな時間にコーヒーなんて飲んだら眠れなさそうだがとりあえずこの高鳴っている鼓動を落ち着かせたかったので飲む事にした。

「やっぱり欧米の方は背が高いんですね〜」
ほくほくした表情の日本は何処となくほんわかした雰囲気が漂っていた。
「そうかい?逆にアジアの人が小さいんじゃないかい?」
「そうともいえますね」
「でも、そういうところがアジア方面の人種の良いところでもあるんじゃないか」
アメリカさんは変な事言いますね」
「何がだい?」
「いえ、何でもありません」
「ふーん。ところで日本今日はもう寝るかい?それともゲームして遊ぶかい??」
「こっこんな時間にゲームですか!」
「日本は好きだろこんな時間」
「うっ、まぁ好きといえば好きですね。夜ってこう、わくわくしませんか?」
「するよ!でもちょっと夜はお化けが出てきそうで恐いかな」
「そうですか?私はアメリカさんのところのお化けは恐く無いのでよく分かりませんが」
「恐いよ!!!逆にジャパニーズホラーが俺には理解できないよ!」
「あの恐さが分からないとは!」
しばらくこんなくだらない言い争いが続いた。
でも10分もすればお互いに疲れて息を荒げていた。日本にいたっては少し目がとろんとしていた。
よほど眠いのだろうと俺は思った。だからココは日本を気遣う事にした。
「大丈夫かい?やっぱり今日はゆっくりと休んだ方がいいみたいだね。」
「そう…ですね。では今日はこれで休ませてもらいますね」
「俺の寝室を使ってよ!俺はココで寝るから」
「そんな!ちょっとそれはいくら私でも良心が痛みます!私がここで…」
「いや!!!仮にもココでは君はお客様なんだ!そんな事させないよ!」
「…あっ有難うございます」
「それでいいよ」
「でっでも、一つ言ってもいいですか?」
「なんだい?」
「えと…」
「?」
「もし、アメリカさんが良ければですけど、一緒に寝ませんか?」
「え!!」
「だって、アメリカさんは私がお客様だから寝室を貸してくださるわけでかわりに貴方がそんな…」
「日本…」
ごくりとつばを飲み込む。
日本は慌てて色々話しているがあまり俺の耳には入ってこなかった。
日本が俺と一緒に寝てくれるなんてこんなチャンスあるかい?
いや、きっとこの先100年、いや1000年くらいはないチャンスだろう。
「日本…君がそういうんだったらいいぞ」
「! ありがとう…ございます」
日本は赤くなったまま俯いてしまった。
*****
日本は隣で寝息を立てて寝ている。
可愛い寝顔だ。
「そんなに無防備にしてるとあのエロ大使に何されるか分からないんだぞ」
ぼそりと呟き、そのまま日本の髪をかきあげ、額にキスをした。
小さなリップ音が部屋に響き、俺は一瞬で我に返った。
自分でも分かるくらい顔が赤い。何てことをしてしまったんだ。
日本が起きていないのが唯一の救いだと思う。
きょッ今日のことは無かった事にしよう。うん。それがいいと思うぞ!
自分に言い聞かせ、ベットにもぐりこんだ。

****
結局それ以上何が起こるわけでもなく日本は帰国した。
俺としては日本の中の俺の高感度が上がっていればいいと思っていた。
(まぁ、こんなものかな)


俺は日本が乗っていった飛行機を見上げた。
「覚悟してるんだぞ!日本!イギリスなんかより俺の方がカッコいいって思わせてやるからな!」

久しぶりに来たよー!!

ホント久しぶりに書き込んでる気がするww
あっ小説はもう少し待っててくれると嬉しいなーと((

今回は…皆さん知ってますか?私がうごうご中学校と言う神企画に参加したことを…
と、言うことでそこで知り合った方のオリキャラとうちの龍駕をコラボしてみましたw
勝手に使っちゃってすみません…
先に謝りますごめんなさい…

えと
ときさんの神原しんぎ君を今回は描いて見ました^^
mjかっこいいよ!しんぎ君!!
私が描いたらksになってしまったOTZ…
線が汚いというか全体的にやばいですがそこはスルーでw
テスト前で急いでいるのよ((
でわ↓


あははは…
とりまコレくらいで!!
ノシノシ

雑食

最近色々はまり過ぎててやばい!!

歌プリの音也君かっこよすぎる!!音也君しかもう見えない!!
すきすきすきすきすきすきすきすき!!!!

ピンドラ!!双子がおいしすぎる!!最初はあんまり…って感じだったけど、見て見ると大分印象変わるね!!やばいよ!!今度、うごメモでも描いて見たい。

青エク!コレはもう皆様知っての通り、半端無いね!!志摩君カッコいいね!!
志摩燐好きすぎてタヒれる^p^

T&B コレも好き!おじさん可愛い☆もうため息が出ちゃうくらい。バニーちゃんで思い出すとかおいしすぎる!!

イナGO!京天いいねいいね!俺がこいつの力を…←剣のセリフ…なんかエロいぞw((
蘭拓最高!!そろそろ南沢先輩出てこないかな…歩く18禁w早く来いw


h/k
何かうごメモに書いてあるジャンル全然描いて無くてごめんね;;
特に青エク…何か描けない^p^
うん。BSR熱が冷めてきた(・ω・`)
どうしよう…ジャンル変わっちゃうのも何だかなって気がするし…
むむう…。
h/k
やっとヘタリア漫画買いました((遅いw
3巻まで古本屋でwでもでもなんと3巻は特装版!!凄くない?!やばくない?
古本屋で特装版だよ!!やったね!tk25日にイベントがあってそれに行きたいんだが金を使ってしまったOTZ…だが後悔はしていないw

このぐらいかな…じゃあ、ばいばーい☆

叶うことの無い恋物語 4

日本視点

今日は結局イギリスさんが泊まっていくことになったのでちょっと嬉しい。
アメリカさんと考えた料理のメニューが役立ちそうだ。

「日本、俺も何か手伝うか?」
手がぴたりと止まる。イギリスさんには申し訳ないですがここは私に任せてくれればいい。
「す、すみません。お心遣いは嬉しいのですがここは私の家ですし、お客様に手伝ってもらうわけには行かないのです!!本当にすみません。」
「そ…そんなに謝らなくてもいいんだぞ;;そうかこっちこそすまなかったな。分かった俺はあっちの部屋で待ってるよ。」
「はい。」
ふぅ…よかった。イギリスさんの料理はさすがの私でも食せませんからね。
でも、一緒に料理を作るなんて新婚さんみたいでいいですよね…。
それにイギリスさんを手取り足取り教えるなんていうのも理想的ですし…
あっ!コレは決して変な意味じゃないですよ!!私は純粋に…。
ハッ!!いけないいけない…私ったら…。
そんなことを考えている間に料理を作り終わっていたみたいだった。
考え事をしながら作っていたので味が心配でしたが大丈夫なようですね。
良かった。
料理を部屋に持って行くとイギリスさんは顔を輝かせた。
「おぉ!!やっぱり日本料理は見た目も美味しそうだな!!」
そんなイギリスさんをみたら顔がほころんだ。
すると、イギリスさんは目を少し見開いた。
「?どうしましたか??イギリスさん」
「あっ…いや、日本もこんな可愛い顔するんだなと思ってさ…」
「えっ」
「いや!!あの、会議とかだと愛想笑いしかしてないだろ?俺と話しているときの顔もそれに近い感じの顔だし…だから…えと、不意打ちっていうか…可愛いって言うか」
最後の方は声が小さくて聞き取りづらかったがしっかりと私の耳には可愛いという言葉が聞こえました。嬉しい。嬉しい嬉しい 嬉しい!!
顔が赤くなっていくような感覚がした。
イギリスさんから可愛いなんて・・・可愛いって・・・・
「あ…有難うございます」
「あ、えと、いやなんか可笑しいだろ?お、男に可愛いなんていわれるのって…」
「いえ、そんなこと無いですよ?イギリスさんに言って貰えるなんて…すっごく嬉しいです」
「そ、そうか」
イギリスさんは勢いよく肉じゃがを口にかきこんだ。
「ん!げほげほ」
「!!大丈夫ですか?!」
「けほ・・・すまん。日本。」
「いえ、肉じゃがは勢い良く食べる物ではありませんよ?気を付けてくださいね?」
「あぁ。」
心なしかイギリスさんの頬が赤いような気がしたが気にしないことにしよう。
その後私達は美味しくご飯を食べて、楽しく会話しました。
すると、イギリスさんは私の家に泊まりたいといってきたので驚きました。
「あっ・・・あの、お仕事とか大丈夫ですか?そ・・・それに客間の準備とか全然してないですし…えと、あの…」
我ながら恥ずかしい。イギリスさんが泊まっていく場合も考えておくべきでした。
「いや、大丈夫だ。仕事なんて朝早く戻れば間に合うようなもんだし、客間も別にそんなに気を使わなくていいんだぞ?」
「いえ!私が嫌なんです!!常にお客様には気を使わないといけないって言う昔からの私のところの礼儀なんですから!」
「そ、そうか…悪かったな。」
「あっ!す・・・すみません。つい熱くなってしまって…」
「まぁまぁ、そんなしょげるなって;」
「では、私の寝室でも使ってください。さすがに何も準備されていない客間に通すわけにはいけませんし・・・」
「あぁ、まあ気にすんなよ。それより、日本は何所で寝るんだ?」
「私はそこら辺で布団を敷いて寝ようかと思ってますが・・・」
「おい!それこそダメだろ?一緒の所で寝ればいいだろ?」
「えっ!!」
「何だよ?日本のところじゃスキンシップは少ないけど友達と同じ所で寝るくらいのことはあるだろ?」
「ま、まあそうですが…」
「じゃあいいじゃねえか」
笑顔を向けられましても・・・・ま、つられて流されてしまう私も私ですが…
ていうか…それって結構…大変な事態じゃないですか・・・?

つづく

叶うことの無い恋物語 3

アメリカ視点

「日本は今頃どうしてるんだろうな…」

俺は今自室で仕事をしていた。上司が昨日たくさん仕事を置いていったおかげで日本に会う約束を取り消さなければ無くなって上司を恨みつつも俺は素直に仕事をしている状態なんだぞ!

「まったく…俺の上司は何でこう…」
ブツブツと文句を言った。
上司のことは嫌いではないがこうやって仕事を溜め込んで一気に俺の所へやるのが少し不満だ。毎日やっていれば日本に会う約束も取り消さずに済んだのに。

しかも、さっき日本へ連絡した所俺と入れ違いにイギリスが来ることになったらしい。
不満。嫉妬しちゃうよ。まったく。
俺は日本の好きな奴を知っている。イギリスだ。
この前相談されたからコレだけは確実だ。

話は数日前にさかのぼる。
「あの。ちょっといいですか?」
一体誰に言ってるんだろうと思った俺は日本を見た。
すると、日本が俺のことを見上げてきたので少し胸が高鳴った。可愛い。
もちろん、日本は無自覚だと思うが。
「…?いいでしょうか??」
「え?」
「あの…相談があるのですが…」
「相談…?」
日本からの相談なんてなんだろう?仕事のことだろうか??
「あの、えと…ココじゃちょっと喋りにくいことなので…」
「じゃあ、近くのハンバーガーショップにでも行くかい?」
「え!?こ…この格好で、ですか?」
日本にはスーツでマッ●に行くという習慣が無いのだろうか?
まあいいや。会議以外で日本に会うときは大概ゲームを一緒にするだとかそんな所だ。
第一、日本から喋りかけてくるなんてちょっと珍しい。日本と会話するときは大体俺から話しかけているのだ。
それにいくら会議のついでとはいえ日本と一緒に少しでも長く居られることが嬉しかった。
しばらくしていつも通り騒がしい店内へ入った。
俺の心臓の高鳴りが大きくてプラスして騒がしく感じるのは多分俺だけだ。
「で、相談ってなんだい??」
いきなり本題へ入る。どうせ仕事のことだろう。でも、ここなら騒がしいから普通に喋っても特に心配は無いはずだ。
日本のほほが少し赤くなった。可愛い。
そんな風にされるとなんだかこっちまで恥ずかしくなってくる気がした。
だから日本の次の言葉を中々理解できなかったのだ。
「私、イギリスさんのことが好きみたいで…その、好きなものとか知っていたら教えて欲しいかなと…思いまして。」
「へ?あぁ、うーん。何だったっけな…」
「あ!別に思い出したくないならいいですよ?」
俺はそんなに嫌そうな顔をしていたのだろうか?日本が付け足した。

俺の頭の中をぐるぐると言葉が流れる。
「私、イギリスさんのことが好きみたいで…」
好き?スキ?すき?す・き。イギリスのことを?日本が…俺じゃなくて、イギリスを?
俺じゃない。俺じゃないんだ。イギリスなんだ。俺じゃダメなのか。なんで?
なんでなんでなんでなんで…

アメリカさん?」
「あ。なんだい?日本。」
「い、いえ。とっても難しそうな顔をしていたもので…」
「あぁ、ごめんよ。思い出すので必死でさ」
持ち前の笑顔で自分の気持ちを隠す。自分からも隠すつもりで。
「たしか…んー日本の料理はどれもおいしいとか言ってたから、日本の料理でも作ってあげたらどうだい?」
「それでしたら、いつも作ってますし…あ でもまだイギリスさんが食べていらっしゃらない料理もいくつかあったはずですよね…それを作りましょう。」
日本は胸ポケットからメモとペンを出し、「料理」と書き込んだ。
その文字を見て嫉妬した。別に日本の手料理はおいしい。俺のも何度か作ってくれたことがある。俺だけのために。
でも今度はイギリスのために色々考えている日本を見るのは辛かった。
これも国の性なのか分からないが俺は人一倍力も独占欲もあると自覚している。
改めて自分の独占欲の強さを知った。昔からそうなのだが欲しい物があると意地でも欲しいと思った。どんな手を使ってでも。
今は…日本が欲しい。侵略とかそんなことじゃなく、心が欲しい。体も命でさえも。
すべて俺のものになって欲しい。そんな風に思った。

そんな俺の心の声が届くはずも無く日本は話しかけてきた。
「んー…これだとさすがに健康に良くないでしょうか…どう思いますか?」
俺は日本の書いたメモをみた。しっかりと丁寧な字でメニューが書いてあった。
「いいんじゃない?日本の作る料理ならさ。ほら、イギリスって料理の腕は壊滅的だし、日本の料理の方が何百倍もおいしいから。」
「そ、そんなに褒めてもいいことなんて無いですよ」
どんどん赤くなっていく日本の顔に笑顔がこぼれる。
そんな日本に吸い寄せられるように日本のほほに俺の手が触れた。
「?アメ…リカさん??」
はっと我に返った俺は急いで手を引っ込める。
「い、いやなんでもないんだけど…その…日本、飛行機の時間は大丈夫かい?」
はっとしたような顔になる日本は急いで時間を確認した。そして落胆したような顔になる。そして予想通り、乗り遅れたらしい。
別に俺たちはいざとなれば今から飛行機を手配して直ぐ帰ることもできるのだが、日本は大概普通の人と同じようにすることにこだわっていた。だから、俺はわずかな希望を持って日本に聞いてみた。
「今日は俺のうちに泊まっていくかい?」
「え!いいんですか?」
「もちろんだよ!だってこの前だって俺が乗り遅れたとき泊めてくれたじゃないか!」
心が躍る。日本が俺の家に一晩居てくれるかもしれない!
「じゃあ、宜しくお願いします。」
もう、俺の心の中は薔薇色いやそんなものじゃないほど高まっていた。

そしてこの後色々ゴタゴタしたことがあるんだけどそれはまた今度…ってことで。

そして今に至る。
あの日のことを思うと嬉しかったような失恋したかのような微妙な気持ちになるがそんなことは大したことじゃない。今は過去よりこれからのことだ。

今まで何百年と生きてきた俺には未来とかそんなこと考えることが少なかったが最近になってよく考えるようになっていた。
もちろん国としての未来のことも考えるが大半は日本とイギリスのことだ。
いや、日本のことだ。
俺は日本が好きだ。皆には空気の読まない鈍感なやつだとか言われているけどあれはわざと空気を読んでいないだけであって本当に、それこそイタリアみたいに天然じゃ無いのだ。KYじゃなくてAKYなだけだ。

話がそれた。
でも、まぁ、とりあえず今日はここまでにしておこう。俺のことだ。どうせすぐまた話がそれる。俺はまた黙々と仕事に戻った。

つづく