煩悩は家で飼っている犬のようなもので、常にかたわらにいる。何をか況や、因果の理を知らずして、名誉と利益にかかずらうのを鎮められるか。そういう人間は、財欲、色欲、名誉欲、食欲、睡眠欲の五欲に引きずりまわされ、終には地獄の奈落の底に入るであろうことは間違いない。心有る人ならば、誰がこれを恐れずにいられようか。こういうざまだから、何事につけてもわが心の頼りなく愚かなるを顧み、すみやかに浄土に生まれることを願うべきなのだ。たとえてみれば、馬飼いの牧士が凶悪な暴れ馬をうまく御して、安全な遠隔地に誘導するようなものである。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。耳の痛い説教ですな。少なくとも私は五欲のひとつもないなんて申すつもりはありません。色欲がなくなっちゃ男として立つ瀬がありません。ということは奈落の底に落ちるのでしょうか。どうなんですか和尚さん。
宋姉妹: 中国を支配した華麗なる一族 伊藤 純,伊藤 真
日本史上もっとも有名な三姉妹といえば、浅井長政とお市の方の間に生まれた茶々・お初・お江だろう。小谷城が落城したのち救出されたお市の方と三姉妹は、本能寺の変後、お市が柴田勝家に嫁ぎ、三姉妹も共に居城である北ノ庄城で暮らす。秀吉との対立が深まり、北ノ庄城が陥落するとお市は勝家と共に自害。残った三姉妹は、秀吉の保護下に置かれ、その後、長女・茶々は秀吉の側室になり秀頼を出産、三女のお江は徳川家康の嫡男秀忠の嫁となり千姫が生まれた。そして秀頼と千姫が婚姻し、次女のお初は京極家へ嫁ぐ。大阪冬の陣で豊臣家は滅亡、淀君は生涯に三度の落城の憂き目を見て自害。こんな数奇な運命をもった女性はいない。前置きが長くなった。本書の宋姉妹とは、中国ではもっとも有名な宋氏の三姉妹のことで、20世紀初頭、最重要な有力政治家といわれた3人で、父親はアメリカの教育を受けたメソジストの牧師で、銀行業と印刷業で財を成した人物。長女宋靄齢は中国で最も裕福で商業意識に富む財務大臣と結婚し、次女宋慶齢は、国民党臨時大総統である孫文と結婚した。そして三女宋美齢は、中華民国総統になった蔣介石の妻となり世界的にも有名な女性だ。国共合作、抗日戦線、内戦と近代中国の陰に陽に政治力を発揮した三人の姉妹。内戦に敗れ、今日大陸が共産党の支配下にあり、中国統一を掲げた蒋介石国民党であったが、大戦中、多くの物資、資金をアメリカから援助されたにも拘わらず、徐々にアメリカが手を引き共産党に破れたのも、宋美齢らの汚職が元だと言われている。贅沢な暮らしをしながらも、それを見て視るふりをした蒋介石にも罪があろう。
ジンジャー・ロジャース Part.7
1936年
1939
1969
1940
1953
ジンジャーさん、アナタの様な美人を生涯見たことがありません。
もし、アナタと共演できたなら、私はもうアナタ以外の女性を考えられないでしょうね。だって、二度とお目にかかれないほどの熱視線ですものねアナタの瞳は。
そんなアナタとお会いしたら私の人生はどうなるのでしょうか。
ルネ・マグリット Part.18
《黄金の伝説》
《物質の力》
《報われた詩人》
《セイレーンの歌》
《占い》
《表現》
《中心の物語》
《恋人たち Ⅱ》
《光を壊す者》
《空の筋肉》
「ムーンライト・セレナーデ」 ねがわくは花の下にて春死なむ
文治六年二月十六日、満月の日、桜が満開の昼下がり、眠るように静かに、かの西行法師が河内弘川寺の草庵で亡くなった。生前詠んだ「ねがわくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ」望月というのは旧暦2月15日、釈迦のなくなった日のことでだ。さすがにいい歌ですね。西行は二十歳いくつかの若さで、武門の名家の北面武士の身を捨てて突然出家したという。可愛い盛りの子供もおり、将来を嘱望され、周囲はもとより世間もたいそう驚き、何が理由かと憶測したが、本人が語ることは終生なかった。「いざこころ花をたづぬといひなして吉野の奥へ深く入りなむ」「あくがるる心はさても山桜散りなむのちや身にかへるべき」なかなか古人(いにしえびと)のようには歌えませんね。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。「たそがるる夏も近しとセミのこえ抜け殻おもいわが身いつまで」おやすみなさい、また明日。
ルネ・マグリット Part.17
《美しい現実》
《日のきらめき》
《若者たちの愛》
《刺激の目的》
《記念日》
《無駄な足音》
《絶対的知識》
《すみれの歌》
《自然の驚異》
《大きなテーブル》
アナタの絵がだんだん解らなくなってきました。
「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 失われた十支族
いま騒がれているイスラエル問題は、紀元前十三世紀頃、エジプトで奴隷の身に甘んじていたヘブライ人たちが、ある日、神に導かれたモーゼとともに約束の地カナンを目指して脱出する。後年、その地にイスラエル王国を建国すると、ソロモン王の時代に栄華を極めた。しかし、王の死後、国は北イスラエル王国と南ユダ王国に分裂。北イスラエル王国はアッシリアに滅ぼされ、のちに南ユダ王国は新バビロニアによって滅ぼされてしまう。問題はアッシリアが北イスラエル人たちをアッシリアに強制移住させたことだ。その翌世紀、アッシリア自身が滅んだとき、捕囚されていた北イスラエルの人々は元の地に戻らず歴史の混乱のなかに忽然と消えてしまった。それが世界史最大の謎の一つ、失われた十支族ということだ。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。歴史のロマンですね。ここに私の様な素人歴史趣味の入る隙があるんです。おやすみなさい。また明日。