七十二候 雉始雊 小寒末候
雉始雊 きじはじめてなく
あぁ聞こえる
呼んでいる声
寒さをきりさき
静寂を破って 届く
もう見え始めたんだ
すぐそこまで来ている
信じられないかもしれない
けど ウソなんかじゃない
始まりがすぐそこに
分かるんだ
もうすぐそこなんだ
まだ遠いけれど
聞こえてくる
近づいてくる
私は待っている
あなたの到来を
ここで待っている
→款冬華70
←水泉動68
七十二候 水泉動 小寒次候
七十二候 芹乃栄 小寒初候
芹乃栄 せりすなわちさかう
よーい どんっ!!
競って
争って
寒さなどには
負けない
我先に
一番に
吹き付ける風など
ものともせず
群を抜くのは
競り勝つのは
いったい 誰だ!!
→水泉動68
←雪下出麦66
→小寒
七十二候 雪下出麦 冬至末候
雪下出麦 ゆきくだりてむぎのびる
ここで しばらく
じっとしていなさい
外はまだ君たちにとっては
厳しい季節だから
それが過ぎ去るまでは
こうして閉じておくからね
厳しさがゆるみ始めたら
私達とはお別れ
そうしたら君たちは外へ出られる
そこからは自由だよ
精いっぱい外の世界を謳歌してね
雪は あたたかに
そう 語りかける
→芹乃栄67
←麋角解65
七十二候 麋角解 冬至次候
麋角解 さわしかつのおつる
春の芽吹き
夏へと成長を続け
秋にはおとろえ
冬には・・・・・・
そういう一生を送るのは
何も私達だけではないようで
ほら ここに
落ちるのは
ある動物の頭上を飾っていた
ものだという
静寂をやぶり
眠る私達の上に落ちてきた
起きて見てみれば
まるで木の枝だね
実に立派だ
これから
命の糧に
なっていくのだろう
じっと 大地に
身を横たえているよ
→雪下出麦66
←乃東生64
七十二候 乃東生 冬至初候
乃東生 なつかれくさしょうず
大方 周りは眠っている
そりゃそうさ 休息の季節だ
眠るのにぴったりな静寂の中
目を覚ますなんて 珍しい
季節を先取りかい
寒くはないのかい
まぁわるくはない
ちょうど相方がほしかったんだ
一人ではどうにも持て余してしまう
一緒にこの静寂を楽しもうじゃないか
そうすりゃ
この谷底の季節の寒さも
少しは和らぐというものだ
→麋角解65
←鱖魚群63
→冬至