『路上のうた』

路上の人から川柳を買いました。

私の優先順位ではとても関わる時間が長く持てないが、彼らの生活を知りたいのと、

私が短歌を好きだから。

面白い詩が沢山ありました。
例えばp.113の、『ホームレス 長すぎたのか ホープレス』は単純な言葉遊び見たいになってるけど立派な自虐ネタ

p.93の『苦手デモ 炊き出しあれば いざ参加』は、、なるほどこういう仕事もあるのかと思うし、

p.61『北の風 このままいると 北枕』はブラックユーモアとかれらの現実の厳しさと、それを笑い飛ばす生命力を感じます。

穂村 弘さんが雑誌『本』7月号の中で、エッセイを書いていて、その中で、

「短歌が、今の若者にとって、昔のようにハイカルチャーではなく、外国の人が浴衣や着物を着る感覚に近く、サブカルチャーとして扱われ流行っているのではないか、という気がしている。」

という趣旨の事を書かれていてなるほどなあと思いました。

主語を抜いて、自然をそこに想像させたり、いくつもの意味を重ねてみたり、私はそういう意味での短歌が好きだったし、口語の短歌には少し違和感があったのだが、

ツイッターの、綺麗な言葉で書かれた現代語の川柳や短歌を見ると、なんかそれはそれで良いなと、現代人の生活にあった状態でかつての伝統がリサイクルされてるなあという実感を持つに至りました。

更に、このように訳ありの人の日常を川柳にしてるという事で、読んで楽しむ他に、ニーズの把握にも使えると思うし、ぜひ路上文学大賞もっとやってほしいと思います。

路上の人だけでなく、普段見えない場所にいる人たちの川柳も読んでみたいです。

そして機会を作って、そういう本について、どの歌がどう良かったかとか、当事者の人と話し合う場が生まれたら良いなあと、読み終わった後切実に思いました。