猿でも分かる高校物理

高校物理をとことんわかりやすく説明することにこだわりぬきます。猿、赤ちゃん、中学生、バリバリの文系の方々にも物理の楽しみを強制的に分からせることが目的です。高校物理を学ぶ前、学んでいて分からなからない人必見!教科書以上の馬鹿丁寧さでエブリバディ解決♪日本から物理嫌いを無くすことが使命です:)

01力学(Ⅰ 速度と加速度)⑤平均の速度のグラフ

同じ速度でも

平均の速度と瞬間の速度の違いを理解できましたか?

今日はグラフで平均の速度を考えていこうと思います。

 

まず、下のグラフをご覧ください。

横軸が時間、縦軸が変位のグラフです。

(x-tグラフ<エックス・ティーグラフ>:xとtについてのグラフ)

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このグラフを見て、どんな運動か想像できますか?

 

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同じ⊿tという時間で、変位が異なるということは

速度が異なるということです。

どうことなるか?

時間が経つにつれて同じ⊿tという時間で、変位が大きくなっていますね。

 

ということは・・・

速度がどんどん大きくなっていく運動です。

 

さて、話を戻します。

このグラフのどの部分が平均の速度を表すかを考えてましょう。

 

それにはまず、平均の速度の公式を見直す必要があります。

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平均の速度はx2-x1をt1-t2で割ったものですね。

この量がグラフで何を表すのか分かればいいですね!

 

さてさて、物理から数学に話を変えます。

※中学2年生の内容です。

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この一次関数の単元を覚えていますか?

ここでは、数学については多く語りません。

y2-y1をx2-x1で割っていますね。

 

あれ?

形似てませんか?

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x2-x1をt1-t2で割ったものが何を表すか?

それは、

(t1、x1)と(t2、x2)を通る直線の傾きです!

 

つまり、t1~t2の平均の速度は

(t1、x1)と(t2、x2)を通る直線を引き

その傾きを求めればいいということです。

下の図参照!

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いかがでしたか?

傾きについて?な方は中1の比例の単元を

2点を通る直線が?な方は中2の一次関数の単元を

ネットなどでかる~く読み通すと理解できるはずです^^

 

01力学(Ⅰ 速度と加速度)④瞬間の速度

さて、今回は瞬間の速度です。

瞬間について説明できますか?

 

 

物理の世界ではこうです。

限りなく0に近い時間。

具体的には”0.0000000000000・・・・0001”ぐらいですね。

0が果てしなく続く時間のことです。

つまり瞬間の速度とは、超短時間での変位から求めた速度のことです。

身近な例では、自動車など乗り物のスピードメーターですね。

あの値は刻々と変化しています。瞬間の速度です。

 

言葉で理解できたでしょうか?

次は、もっと具体的に考えていきます。

 

まず、平均の速度の公式をご覧ください。

 

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でしたね。

時刻t1での瞬間の速度を考えていきたいと思います。

時間を瞬間にするには、t2をどうすればいいでしょうか?

 

 

t2をできるかぎりt1に近づければいいですね。

すると、⊿tが限りなく0に近づきますね。

(高校2年で学ぶ”微分”ってやつですね。)

※0ではダメです。移動しないので・・・

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つまり、このとききに求められるvが瞬間の速度です。

 

 

 

 

 

01力学(Ⅰ 速度と加速度)③平均の速度

速度と速さの違いは大丈夫でしょうか?

今日は平均の速度です。

平均の速度は、ある区間を一定の速度で進んだと考えたときの速度のことです。

日常生活で、一定の速度で進み続けることは稀かと思います。

 

例えば、車を運転するときを想像してみてください。

最初から一定の速度で走っている車に乗り込み、赤信号でも突き進み続け、到着したら、飛び降りる。※かつ、ハンドルも切れない。(一定の速度、つまり向きも一定)

↑これならずっと一定の速度で走っていますね。

 

現実には

車は最初静止しており、速さはアクセルとブレーキによって大きくなったり、小さくなったり・・・

ハンドル操作によって、向きも変わる・・・

↑こんな細かいことを考えない速度を平均の速度といいます。

もっと簡単に言うと、〇から△までの変位と時間から求めた速度です。

さらに簡単に言うと、スタートからゴールまでの変位と時間から求めた速度です。

※変位なので、経路なんてどうでもいい!必要なのはスタートとゴール

 

下の図を見てください。

 

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0.1秒ごとに撮影した図をあらわしたものです。

スタートから1cmの位置まで移動するのに0.1秒かかり

スタートから4cmの位置まで移動するのに0.2秒かかり

という物体の運動がこの図からわかります。

 

さて問題です。

この物体の運動は、時間が経つにつれて

速さが大きくなっている?変わらない?小さくなっている?

どれでしょうか?

 

 

 

 

正解は”大きくなっている”ですね。

0.1秒で移動する距離が大きくなっている・・・

つまり1秒あたりで考えても移動距離が大きくなっているので

速度が大きくなる運動ということがわかります。

 

では0秒~0.5秒での平均の速度を考えてみましょう。

変位は19cm、時間は0.5秒

1秒(単位時間)での変位を考えればいいので

19cm/0.5s=38cm/s

(※s<secondの頭文字>:秒という意味)

 

【確認問題】余裕かも・・・

(1)上の図で0.2s~0.4sでの平均の速度を求めよ。

 

では、公式について触れたいと思います。

とその前に、2点整理しておくことがあります。

 

時刻と時間の違いについて

日常生活で区別して使用していない時刻と時間・・・

物理ではしっかりと区別して使用します。

時刻:時の流れの中の1点 というイメージ

時間:時刻と時刻の間 というイメージ

 

次の例で違和感を感じれるかと思います。

『今から10分間の時刻を取るので、問題を解きましょう。』

いかがでしょうか?

日常生活では時刻のことを時間として使うことはありますが

時間のことを時刻として使うことはないので違和感を感じるかと思います。

10分間は時刻と時刻の間のことであり、時間が正しいですね。

 

位置と移動距離に例えると、

時刻≒位置(1点の場所)、時間≒移動距離(位置と位置の間) ですかね?

相対性理論だと時間≒変位ですかね?)

 

変位、時間などの表し方

下の図を見てください。

 

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5mの位置にあった物体が、15mの位置に移動したようすを表したものです。

このとき変位は・・・?

 

 

 

そうですね、10mですね(もちろん+です。)

どう計算すれば変位を求められますか?

 

 

 

そうですね、15-5 を計算すればいいですね。

(変位5m)変化後の位置 15m)-(変化前の位置5m

このような関係式を立てることができるかと思います。

 

変位(位置の変化量)だけでなく、他の量でも使えるように言い換えると

(変化量)変化後)-(変化前

となります。

 

 

なぜこのように変化量を求められるか・・・

それは変化前の量が変化して変化後になったと考えると

すっきりするのではないでしょうか?

(変化前に変化を加えると変化後)

 

これを式で表すと

(変化前)+(変化量)変化後)

変化前を右辺に移項(両辺から変化前を引く)と

(変化量)変化後)-(変化前

となりますね^^

 

【確認問題】

(1)上の図で、15mの位置から5mの位置に移動したときの変位を求めよ。

 

 

 

 

では、平均の速度を文字で表してみたいと思います。

下の図を見てください。

※位置は、よくxを使ってあらわすことが多いです。縦の場合はyですね。

 時間、時刻はtを使ってあらわすことが多いです。timeのt!!

 

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時刻1のとき、位置X1にある物体が

時刻2のとき、位置X2にあった。

このときの平均の速度を、文字を使って表してみよう!

 

まず、平均の速度に必要な変位と時間を文字で表す。

変位は位置の変化量、時間は時刻の変化量なので

(変化量)変化後)-(変化前の出番です。

変位はX2-X1 、 時間は2-

となりますね。

 

※重要※

変化量という意味を文字で表すには⊿(デルタ)という文字を使用します。

変化前と変化後の間、つまり距離、つまりdistanceの頭文字d

さらに、英語⇒ギリシャ文字変換でdと対応するデルタを使用して表します。

例えば変位は⊿x、時間は⊿t こんな感じです。

⊿〇:〇の変化量→直訳するとこんな感じ。

 

~平均の速度の公式~

単位時間あたりの変位つまり、、、

 f:id:puraian:20190212000213j:plain

となります。

時間分の変位という簡潔な式になりました~。

ちなみに、左側の文字はv(速度:velocityの頭文字 v)

その上の棒は”バー”と読み、平均という意味をもちます。

読み方はブイバー、平均の速度という意味です。

平均の速度という言葉も文字で表すことができましたね。

 

 

【確認問題】(2)は意地悪問題かな???

下の図の物体の運動について、次の問いに答えよ。

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 (1)0~0.1sでの平均の速度を求めよ。(★☆☆)

(2)0~0.5sでの平均の速度を求めよ。(★★☆)

(3)0~0.8sでの平均の速度を求めよ。(★★☆)

   ※下にヒント~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・ヒント

 これはUターンする運動ですね。でも関係ありません。

 平均の速度は移動距離ではなく、変位と時間で求めるのです!

 (2)変位は 5-0

 (3)変位は -8-0

 

もうできるはず!!!!!

   

 

 

 

 

 

01力学(Ⅰ 速度と加速度)②移動距離?変位?

速さと速度に引き続き、大事な移動距離と変位についてです。

移動距離とは、そのまま移動した距離のことです。大きさのみを持つのでスカラーですね。

変位とは、どの向きにどのくらい位置が変化したかという量です。向きをもつのでベクトルです。

 

 

下の図を参考に説明します。

 

 と、その前に

ベクトルは矢印で表すことができます。

向き:矢印の先っぽ

大きさ:矢印の長さ

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 ↑こんな風に

 

で、話を戻します。

・黒色の点線の矢印が物体の動き

・青色の実線が移動距離

・赤色の実線の矢印が変位

を表します。

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①は移動距離と変位の大きさは同じです。

②は折り返す運動です。結局位置はそんなに変化していないですね。

③どんなに動いても変位とは位置の変化!

 

いかがでしょうか?

単純にスタートの位置を矢印の始点、ゴールの位置を矢先として

矢印を書いたものが変位を表すことになりますね^^

 

このあとの運動で区別しなければならない量なので

まとめました。

 

では

【確認問題】

家から50m東にあるコンビにでお菓子を買い、コンビにから100m西にある本屋で本を買い、帰宅しました。

①家を出てから、コンビニに行くまでの移動距離と変位を答えよ。

②家を出てから、本屋に行くまでの移動距離と変位を答えよ。

③家を出てから、帰るまでの移動距離と変位を答えよ。

 

 

 

 

ヒント

 

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01力学(Ⅰ 速度と加速度)①速さ?速度?

今日は運動の基本中の基本”速さ・速度”についてです。

速さとは、単位時間(1秒とか1時間、たまに1分)に進む距離のことですね。

小学校の算数から登場します。

 

※単位~あたりの・・・ → よく出てくる表現です。

 簡単に1~の・・・という意味です。

 今回は~が時間で・・・が距離ですね。

 

ということで速さを求めるには・・・

移動距離を時間で割ればいいですね。

v=x/t 

 

次に速度です。

速度は、速さと向きの2つをあわせもつ量です。

なんて言ってもよくわからないと思うので

下の図を参考に説明します。

 

左に5m/sで運動するAと右に5m/sで運動するBがあります。

1次元(前と後ろ、右と左、上と下、北と南など1方向の空間)のとき

向きは2通りしかないので向きを+-であらわすことができます。

※今回は左を-、右を+の向きとしました。

このときの速度と速さを考えていきましょう。

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A:左に5m/sなので

速度は-5m/s、速さは5m/s

B:右に5m/sなので

速度は+5m/s、速さは5m/s

となります。速さは向きが関係ない量です。

 

速さのように大きさのみをもつ量をスカラー

速度のように大きさと向きをあわせもつ量をベクトル

といいます。

 

スカラーの例

温度、質量、体積、距離、時間などなど

※温度のは方向ではなく0を基準にしたとき、0よりも小さいという意味です。

・ベクトルの例

速度、力(方向によってはたらきが変わりますね)などなど

※ベクトルはこれからたくさん出てきます。

 

スカラーの場合、足し算・引き算は今までどおりできます。

が、ベクトルの場合、2次元や3次元での足し算・引き算は作図が必要です。

1次元の場合は、向きを+-で表現できるのでスカラーと同じです。

 

【確認問題】

次のA,Bの速さと速度をそれぞれ答えYO!

上向きを+、下向きを-とする。

 

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準備体操♪(物理で超使える数学~指数・平方根・三角関数~)※数学が苦手な人へ

初記事は準備体操!

何事も準備が9割!(数学が得意な人は閉じてください。)

 

物理での準備体操とは、ずばり数学!。

物理では数学道具としてめちゃめちゃ使います。

数多の道具の中から、よ~く使う数学の知識を今回は3つ取り上げます。

 

~目次~

  1. 指数
  2. 平方根
  3. 三角関数

 

1.指数

指数は知っていますか?

10×10=100 これを指数で表すと

(※1)10^2=100です。

このときの2を指数と言います。かける回数のことですね。

(※1)学校では 

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という表記で習います。パソコンで計算するときは10^2と”^”←この記号を使用します。(:10の上に2が乗ってますよ~。10を2回かけますよ~という意味)

 

 

10^(-2) とマイナスがつく場合には、10^2の逆数(分母分子逆転!)という意味です。

10の逆数は1/10(10分の1)

つまり、10^(-2)=1/100 という意味になります。

指数がプラスなら大きな数字に、マイナスなら小さな数字になるということです。

あまり深入りはしません。

意味を理解できればOK!気軽にいきましょう。

【確認問題】得意な人は腕試し。考えればイケル^^

・10^4×10^2=

・10^(-1)×10^2=

・(10^2)^3=

 

2.平方根

二乗(同じ数を2回かける。先の10^2:10の2乗)したらxになる数字

xの平方根と呼びます。

例えば、、、

4の平方根は・・・2ですね!2を2乗すると4ですね(2^2=4)

3の平方根は・・・!? 実は1.73....と永遠に続く数を2乗すると3に近づきます。

3の平方根のように整数で答えられない場合はルートという記号を使って表します。

パソコンでは→√3のように表示されてしまいますが・・・

(※2)√ : これがルートという記号です。

(※2)学校では

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という表記で習います。パソコンでの表記だと屋根が足りませんね。

つまり(√3)^2=3です。

√3≒1.73、√2≒1.41、√5≒2.23 がおおよその値です。(覚え方ありますが、数学ではないので割愛)

 

 

 

 

【確認問題2】得意な人は腕試し。考えればイケル^^

・9の平方根は?

・√16=

 

3.三角関数

これは角度に関する問題でよ~く使います。慣れれば楽勝♪

サイン、コサイン、タンジェントってやつですね。

直角三角形は、辺の比が決まっています。この辺の比は、角度で決まります。

これを活用するのが三角関数

例えば、有名な三角形30°、60°、90°の辺の比は...1:2:√3です。

(√がでてきましたね。)

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この三角形の辺の比は必ず1:2:√3となります。

 

※辺のお名前(上の三角形の図を見ながら読んでください)

90°の向かい側にある辺を斜辺といいます。

三角関数では主人公を決めます。その主人公をもとに辺の名前が決まります。

例えば、60°を主人公としたとき・・・

√3の辺は、60°に対面しています。なのでこの辺を対辺といい

1の辺は、60°のお隣さんです。なので隣辺といいます。

 

辺の比が同じということを使って

対辺斜辺=√3/2

隣辺斜辺=1/2

隣辺対辺=√3/1=√3

という各辺の比をあらわしたものが三角関数です。

上の3つの辺の比を記号で表すと・・・

sin60°=対辺斜辺=√3/2

cos60°=隣辺斜辺=1/2

tan60°=隣辺対辺=√3/1=√3

こんな感じです。

読み方は

sin60°(サイン60°)

cos60°(コサイン60°)

tan60°(タンジェント60°) と読みます。

 

【活用の仕方】

上の三角形の斜辺が4cmのとき底辺(比の値が1の辺)は何cmか?

すぐに答えが出てくると思いますが、あえて三角関数を使います。

60°を主人公とすると、底辺は隣辺ということになります。

隣辺に関係する三角関数はcosかtanです。

斜辺が4cmという情報が与えられているので

斜辺と隣辺に関係するcosを使って隣辺を求めます。

cos60°=隣辺斜辺 なので

cos60°に斜辺をかければ隣辺を求めることができます。

※詳しく

cos60°×斜辺=(隣辺斜辺)×斜辺  隣辺

cos60°1/2なので

cos60°×斜辺=cos60°×4=(1/2)×4=2(cm)

こんな感じで三角関数を使っていきます。

何回も使ううちに慣れてきます。

 

話を戻して、 

主人公が変われば(30°)、対辺と隣辺が変わるので比が変わりますね。

 

【確認問題3】得意な人は腕試し。考えればイケル^^

・sin30°=

・cos30°=

・tan30°=

 

もっと知りたくなった人は

検索してみてください。

 

物理楽しい~が広まりますように。