2024年味噌仕込み

 

去年初めて味噌を仕込んだが、想像以上に美味だったので、今年もチャレンジ。

去年は分量などをメモしておくことを忘れてしまったので、備忘録として書く(と言っても、仕込んでから2週間経ってるからすでに記憶が曖昧…)。

 

仕込み日

・2024年1月14日

 

材料

・国産無農薬大豆(ハッピーモア市場で購入)・・・2kg

・羽場のこうじ・・・2kg

ぬちまーす・・・800g

 

去年はこくが出るとのことで黒豆も混ぜたが、今年は黄大豆のみ。

 

以下、今回のトラブルや来年に向けて改善点

・前日から大豆を戻す水は、6リットル以上必要だと思われる。500mlのペットボトルを使ったら、何本も使ってしまい、効率悪かった。

・大豆を水に戻すための容器はできるだけ大きく、深さのあるものを用意したい。今回は3つの容器を使ったが、面倒だった。

・大豆を蒸すのに、圧力鍋、電気圧力鍋、ストウブ20cmの3つを使った。2kgの大豆を蒸すには、今あるこれらの鍋の容量では3〜4回に分けて蒸す必要があり、時間がかかる。

・しかも今回はガスの圧力鍋の蓋パッキンの劣化のせいなのか、圧力がうまくかからず、電気圧力鍋は5回回すことになった。

・ストウブは美味しく食べられる程度に大豆を柔らかくすることはできるが、味噌作りのために芯がなくなるまで柔らかくするには相当の時間が必要。

・蒸した大豆を潰す際は、去年と同じくビニール袋(5斤)を2重にして入れて、足で潰した。楽だがムラが出るので、次はポテトマッシャーなどを試してもいいかも。ブレンダーは試してみたが、全く役に立たず。

・去年は上記と同じ分量で、エンバランスの丸型フードコンテナ6リットルにギリギリ収まったが、今年は入らず。原因不明。どちらにしろ余裕がないため、6リットル×2にした方が良さそう。

 

去年は3ヶ月後ぐらいから少しずつ使ったが、コクの出てくるのは半年後あたりからだったため、今回は半年はしっかり寝かそう。

 

 

 

 

栄養素が体内でどのように利用されるかまで考える

超人をつくるアスリート飯

田豊

 

ロードバイクで身体を酷使するようになってから10年以上

年齢を重ねるごとにリカバリーに時間がかかり、40代も半ばを過ぎて、負荷の高い練習の頻度も自然と少なくなってきた。

仕方のないことだが、少しでも抗うべく、また、人より身体が弱いところがあるため、食事、栄養面には気を使ってきた。

 

アミノ酸、タンパク質、ビタミン、ミネラル摂取量などを意識し、分子栄養学、オーソモレキュラー、メガビタミン、糖質制限(ファットアダプト)、グルテンフリーなど、様々な考え方や手法を自分自身の身体で試してきた。

これまでの取り組みで、ある程度成果が出ている部分もあるが、気を遣っている割には物足りない、何かが欠けている気もしていた。

この本に書かれていることは、私がこれまで取り組んできた考え方と異なる部分が多々あるが、経験的に納得できることもあり、考え方の根本を変える必要があるかもしれないと思いはじめている。

 

本書の肝となる部分は以下のところだと感じた。

栄養素が体内でどのように利用されるか、それをふまえて栄養素の接種源をどのように取捨選択すべきかという、いわば「生化学×栄養学」に基づくアウトプットの重要性(P27)

 

具体的なところとして、タンパク質に関する部分を紹介する(一部私見あり)。

激しいトレーニングをしている者にとって、リカバリーのために運動後○○分位内にプロテインを飲む、というのは半ば常識のようになっている。

しかし、接種したタンパク質がそのまま直接筋肉のダメージ回復に使われるわけでは無い。各種細胞や酵素、ホルモンなどの材料にもなる。

本書では、食事から得たタンパク質は「人間用タンパク質」に作り替えてこそ、初めて意味をなすものであり、「人間用タンパク質」をいかに正しく作り出し、正しく働かせるかがタンパク質を論じる上で重要だとしている。

 

一般的に、タンパク質の1日あたり接種目安量としては、体重1kgあたり1gのタンパク質摂取量が必要と言われており、体重60kgの方であれば60gのタンパク質が必要ということになっている。

ところが、体内で1日に新たに作り出される「人間用タンパク質」は230g以上にもおよぶ。差分の170gはどこから?ということになるが、「腸由来」のものが70g、「体内由来」のものが100gほどになるらしい。

腸由来のものは、腸壁から剥がれ落ちた細胞、消化に利用された消化酵素などで、腸内で再吸収される。体内由来のものは、筋肉、血液、ホルモンなどを構成していたもので、全身の細胞内でそのまま再利用されている。

ここが重要なところだが、体内由来のものは、不要になった「人間用タンパク質」をいったん分解し、用途に応じて作り直すということが、一つ一つの細胞内で行われている(再利用・リサイクルされている)ということだ。

つまり、細胞内で行われるタンパク質の再利用・リサイクルをいかにスムーズに行えるよう環境を整えるかが、筋肉の再合成を含めたリカバリーにとってより重要ということになる。

 

再利用を阻害するものとして、例えば、AGEs(終末糖化産物)がある。これはタンパク質と過剰な糖が結びついてできる物質で、タンパク質を変性、劣化させ、本来の働きを失わせると言われている。肌のくすみなどの老化の原因とも言われているが、タンパク質のリサイクルを阻害するからくすみも生まれ、老化するのだろう。

また、牛乳由来のプロテインを飲んで、お腹が張る、おならが臭くなるなどの経験をしたことはないだろうか。

これは消化しきれないタンパク質が大腸の中で腐敗してガスが発生している現象であり、栄養素として無駄というだけでなく、逆に毒素になっている。

最近では腸内環境が悪くなるのを防止するために、乳酸菌などを添加したプロテインもあるが、お金をかけて接種したプロテインを消化しきれないのにさらに乳酸菌が入ることによって普通のプロテインより高価になって…本末顛倒???

(西洋医学的な発想とも言える)

 

タンパク質の摂取量を増やしてもせいぜい100gをちょっと超えられるか、それに対し、体内では170gをリサイクルしている。体外からの100gもいいが、170gをいかにスムーズにリサイクルできるかが、身体作りやリカバリーの鍵ではないだろうか。

 だからこそ、タンパク質を接種することよりも、いかに正しく利用し、正しくつくり出し、そして正しく機能させるかのほうが、はるかに重要なのです。 〜中略〜 アスリートには「タンパク質をしっかりとろう」ではなく「自分のタンパク質を上手に使おう」とアドバイスし、その意味や方法を分かりやすく伝授しなければなりません。(P59)

 

運動してるから体重×2グラムのタンパク質摂取を目指そう!という単純なものではなく、タンパク質が体内でどのように利用されるか、それをふまえてタンパク質の接種源(肉、魚、乳製品、豆類、ナッツ類など)をどのように取捨選択すべきかを考える必要がある。体内でうまく利用できないタンパク質をたくさん摂取しても身体に負担がかかるだけなのだ。

また、必要以上の糖質や、精製された糖質は先に述べたようにリサイクルを阻害する原因になるので要注意である。

 

他に書かれていることとしては、

・肉食(中心)を避けるべき理由

・良質な炭水化物としての玄米食

・共に暮らす仲間のために食べる。ミトコンドリア、腸内フローラ

・炎症のコントロール、良質な脂質の選択

・本物の塩(自然塩)をとる

・ミネラルファスティング

などなど

 

肝となる部分を言い換えると、栄養素の種類や量を計算して食事やサプリメントを摂るだけではダメで、胃や腸でどのように吸収され、活用されるかまで考える必要があるということである。

便秘や下痢を繰り返すような腸内環境ではどんな栄養を摂っても吸収されないし、胃腸が消化しきれないようなタンパク質を摂っても意味がない。胃腸の環境を整えることは最重要事項かもしれない。

 

エビデンスがしっかりしている記述もあるが、著者個人の経験に基づいて書かれている割に断定的な表現もあったりで、少し惜しいところもある。

もっとも、個人的にはエビデンスに拘りすぎるのもどうか、とも思うのでこれはこれで良いかなと。

 

 

 

 

人生とは時間の投資である

時間を使いこなせば人生は思い通り

神時間力

星渉

 

普段だったら手を出さないようなタイトルだが、ここのところ時間の使い方が下手だと感じていて(ブログも書けず)、どうにかしなければと感じているところで目に留まった本。いい意味で裏切られた。

 

本書は冒頭で、仕事やプライベートに忙しい現代人は、タイムマネジメント、時間術、タスク管理、効率化、そんなことばかり考えているが、『人生の時間とは自分の命の残り時間』だというそもそもの本質がわかっていないと指摘する。

 

時間効率を追求するのがうまい時間の使い方だとすれば、現代人は命の時間をただ大量のタスクをこなすために使っていることになるのだ。

 

本書では、人生とは時間の投資である、という。

時間を投資資金に例え、24時間という限られた時間を何かに投資していると考えるだけで感覚が変わるというものだ。

 

どんな人間にも人生の残された時間は決まっている。

人生から得たい結果は何か、残された時間を使って何を得たいか。

何を得たいかが明確になれば、時間の使い方が明確になる

得たくもないもののために使っている時間はない。

 

そんなこと言っても、毎日忙しくて、今何を得たいか考える時間がない、というなら、自分の人生の時間で何を得たいのか考えるより、目の前の仕事や家事をこなし続けることが今の自分に大切なのか考えてみると良いだろう。

自分が時間を投資して、得たい結果は何なのかを決めない限り、毎日の24時間の投資は「目の前のやらないといけないこと」や「娯楽」のみに流れていってしまう。

 

どのようにすればいいかも具体例とともに示されている。

時間もお金と同じで、大切な何かに使うなら、先に確保する

お金を貯める時に、給料日から一定額を定期や財形貯蓄するのと、1ヶ月やりくりして残ったお金を貯める場合に、確実にお金を貯められるのが前者になる方が多いだろう。

時間の場合なら、翌週の金曜が締め切りの仕事があった場合、「来週中に資料を作る」という目標を立てがちだが、そうではなく、「来週水曜の14時から16時に資料を作る」というように、いつやるかを設定する

時間を先に確保するのだ。

 

そのほか、優先順位の決め方(得たいものの見極め)、完璧主義やスマホの問題、マルチタスクは存在しない(タスクスイッチングの回数を減らす)など、実際に限られた時間を自分が得たいものに投資するための方法が示されていて参考になる。

 

まずは、締め切り設定ではなく、いつやるか設定に切り替えるところから始めてみようかな。

 

 

 

 

 

 

まずは睡眠の「量」を確保しよう

 

ぐっすり眠る習慣

白濱龍太郎

 

このブログ開設初期の頃に「スタンフォード式最高の睡眠」についてレビューを書いた。

その中で、睡眠の質を高めるには眠り初めの最初の90分が重要であり、最初の90分で眠ることができれば、最高の睡眠が取れる、という内容が頭に強く残っていた。

しかし、その部分の印象が私の中で強過ぎたかもしれない。

睡眠導入時のことだけを考え過ぎて、量のことを考えることができていなかった。

 

本書は、睡眠不足による睡眠負債を溜めないために、「睡眠ファースト」という考えを提唱している。

睡眠負債を蓄積しないために提案したいのが、「睡眠ファースト」という考え方です。多くの人は、睡眠以外のことを中心にスケジュールを立て、睡眠時間は「調整代」のようにしています。しかし睡眠ファーストは、それを逆転させ、1日のスケジュールで最初に睡眠時間を決め、そこからほかのスケジュールをつくるという考え方です。

p.67

 

睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠というふたつの状態があります。レム睡眠は眠りが浅く、身体は休んでいるけれど脳は働いている状態のこと。そしてノンレム睡眠は眠りが深く、身体と脳の両方が休んでいる状態。ノンレム睡眠のなかでもとくに深い眠りを、深睡眠や徐波睡眠といいました。このうち、身体の疲労回復効果が大きいのは、身体と脳の両方が休むノンレム睡眠のほう。たとえ短時間であっても、しっかり深睡眠がとれているならば、身体の疲労はそれなりに回復するものです。しかし、ストレスの場合はそうはいきません。ストレスの解消効果があるのはレム睡眠のほうで、その状態にある時間を十分に確保するには、短時間の睡眠では足りません。レム睡眠の状態にある時間は、一晩の睡眠の後半になればなるほど増えるからです。

p97

 

最初の90分の睡眠の質を上げれば、深いノンレム睡眠に入ることができ、身体の疲労は回復できるだろう。

しかし、睡眠時間(量)が足りなければ、レム睡眠が不足し、ストレス解消までには至らない。

 

ここのところ、Garminの計測値や感覚的にも、深い睡眠は取れているはずなのに疲れが取れない、頭の中がスッキリしないと感じているのは、レム睡眠の少なさも関係があるのかもしれない。

 

エンゼルスの大谷選手も睡眠について、とにかく量、という発言をしている。

full-count.jp

 

ちょっと睡眠習慣を見直してみよう。

 

 

 

 

rj77.hatenablog.com

 

Free Styleリブレで自分に必要な糖質量を知る!

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最近仕事が忙しくブログの更新が滞っているが、色々とチャレンジはしている。

その一つ、Free Styleリブレは私の健康管理にパラダイムシフトを起こした機器だ。

 

 

 

Free Styleリブレとは

簡単にいうと血糖値を24時間モニタリングできる機器である。

興味のある方はメーカーサイトを確認して欲しいが、基本的には糖尿病の患者さん向けのものだ(患者の方は保険適応もある)。

しかし、現代の食生活の中では、健康でありたい全ての人、そしてアスリートにとっても非常に有効な機器であると思う。

2022年の箱根駅伝では低血糖症で失速した選手がいる一方、フリースタイルリブレを装着して走っている選手も居たようで、スポーツ界でも血糖コントロールの重要性が浸透してきている。

 

www.myfreestyle.jp

 

2週間モニタリングしてわかったこと

 

・血糖値の上昇を抑えるためには、「糖質量」のコントロールが最重要

一般的に血糖値コントロールにはGI値が低い食品を選ぶことが重要だと言われているが、GI値が低い食品でも一定量以上を食べると普通に血糖値が上がる。

例えば、玄米は白米よりGI値が低く、身体に良いと思われていると思うが、私の場合、それぞれ200gを摂取した後の血糖値の上昇を比較すると有意な差はなかった。

また、蕃爽麗茶やからだすこやか茶を飲みながら食べても効果はなかった。

 

それよりも「量」が重要だ。

試行錯誤した結果、一食の摂取糖質量が30g〜40g程度であれば血糖値が140mg/dl以上に上昇しないことがわかった(一般的に70〜140mg/dlが正常範囲)。

お米の量だと概ね100g(白米、玄米関係なし)、おかずなどにも糖質は含まれているので、おかずに何を食べるかによって、さらに減らす必要が出てくる。

 

・タンパク質も血糖値は上がるっぽい。糖質と組み合わせるとハイパー

これは意外に思われるかもしれない。

だが、血糖値コントロールする上で、最も避けるべき組み合わせだ。

お米を食べなければ大丈夫だろうと、ほっともっとのカツとじのおかずのみを昼食に食べた日があったが、170mg/dlぐらいまで上昇した。

試していないが、カツ丼や牛丼では相当上がると予想される。

揚げ物も同じだ。

 

・ストレスでも血糖値上昇

昼食のお弁当、おそらくお米200グラムは入っていたであろうものを完食した後、午後一で結構緊張する会議(自分が説明する)があった際に血糖値が200mg/dlを超えていた。

血糖値に関心がある方なら知っていると思うが、これはストレスを感じたときに出てくるコルチゾールが原因だ。コルチゾールは逃走or闘争時に分泌され、体内に蓄えられている糖をエネルギーとして利用する働きがあり、血糖値を上昇させるためだ。

 

・トレーニング中の捕食でも血糖値は普通に上がる

これまで自転車トレーニングの休憩時には、激しく運動してエネルギーを大量に消費しているから、糖質補給が必要で、エネルギーが枯渇しているので血糖値も上がらないと思い(理由をつけて)、甘いものを結構食べていたが、普通に上がることが判明。

2時間近く走ってきて、どら焼き1個食べるだけでも、180mg/dlまで上がってしまう。

 

血糖値コントロールの効果

・肌状態の改善

もともと肌が荒れやすいのが悩みだが、糖質制限をする前は、年に数回、皮膚科に行って抗生剤を飲まなければ治らないぐらい化膿することがあった。

しかし、糖質制限を始めてからは、荒れることはあるけども、自力で治せるまでは改善している。

 

・間食が減った。

脂肪燃焼をうまくできるようになり、お腹が減りにくくなったと思われる。

また、甘いものを食べると気分が悪くなることも(大好きなルマンドを食べて気分が悪くなったのには驚いた)

 

・昼食後に眠くなりにくい
・頭の回転が早くなる、冴える
・体重コントロールが容易になった(安定した)

 

以上、ざっくりとわかったことや効果を書いてみた。

興味のある方は是非!

 

 

果糖の摂りすぎに注意! 〜肥満・糖尿病の人はなぜ新型コロナに弱いのか

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肥満・糖尿病の人はなぜ新型コロナに弱いのか

「糖質過剰」症候群Ⅱ

清水泰行

 

本のタイトルは新型コロナが中心のようだが、内容は糖質過剰摂取の害を広く深く(かなり深め)取り上げている。

 

今回はその中で最も印象深かった「果糖」について。

 

果糖はいわばサバイバル糖質で、生存に有利であった。

 

まず第一に、果糖はブドウ糖単独よりもはるかに多くの脂肪とグリコーゲンの貯蔵を刺激する。冬眠する動物や渡り鳥なども、果糖によって脂肪を蓄積する。

 

果糖を摂取してもインスリンやレプチンを直接刺激しないため、満腹感が低下するだけでなく、脳のレプチン耐性の発生を促進するために持続的な空腹感をもたらし、食事の摂取量を増加させることができる。

 

また、果糖はパゾプレッシンという抗利尿ホルモンの産生を刺激する。

水不足の状況では排尿を抑制し、脱水を防ぐことができる。

 

パゾプレッシンには、生存に関わる様々な機能がある。

ストレス反応(攻撃性、不安、衝動性など)の生成、血圧の上昇、ナトリウムの再吸収増加、タンパク質合成の刺激、脂肪蓄積の刺激、脳にエネルギーを供給するためにグルカゴン分泌を刺激して血糖値を上昇させる、などの作用がある。

 

狩猟採取の時代では、適度な果糖の摂取により、飢餓を回避し、生存するために、食糧を求めてあちこち動き回ったり、リスクを冒したり、衝動的な行動をしたり、ときには奪い合いなどの攻撃性を持つことが非常に重要であった。

 

現代ではどうかというと、まず果物が狩猟採取時代のものとは別物である。品種改良により、果糖の含有量が大幅に上がっている。

また、異性化糖(高果糖コーンシロップ、果糖ブドウ糖液糖など)はあらゆる食品に添加されている。

 

多すぎる果糖の代謝は、生存回路を過剰に活性化し、それが渇望、衝動性、リスクテイク、攻撃性を引き起こし、ADHD双極性障害などを引き起こす。

さらに、脂肪蓄積の刺激は肥満へ、血圧の上昇やナトリウム再吸収は高血圧や心不全をもたらす。

 

他にも、うつ病、がん細胞の増殖、2型糖尿病、アルツハイマー、免疫の働きすぎによる炎症など、様々な疾患へと繋がっていく。

 

コーラやジュース、お菓子は控えめにしても、果物はビタミンが豊富で身体にいいと思ってたくさん食べている方もいると思うが、控えめにしたほうがいい。

 

ちなみに、新型コロナに弱くなるのは、糖質過剰摂取により免疫が過剰に働いている状態がかなり影響している模様(サイトカインストームや血栓など)

 

著者ブログ(何らかの疾患に悩んでいる方や糖質制限に興味ある方にお勧めです)

ドクターシミズのひとりごと

 

 

 

 

 

 

 

 

呼吸と体幹の安定 〜勝者の呼吸法

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勝者の呼吸法

森本貴義・大貫崇

 

一言で内容をまとめると、

「呼吸が体幹の安定に重要である」

という本だが、人間の身体の左右非対称性について、

内臓の配置から横隔膜や呼吸に関係してくることをわかりやすく

解説してあり、スポーツ全般の動きで参考になりそうだ。

 

 

肺と横隔膜

左右非対称性の前に、前提として呼吸の仕組みを

理解する必要がある。

 

肺そのものには筋肉は付着していないので、肺だけで呼吸することはできない。

肋骨の下で肺の土台のように付着する横隔膜という筋肉の働きによって、

呼吸することができる。

具体的には、横隔膜の屋根(肺の土台)はドーム状の形をしているが、

収縮すると屋根が下がって肺が大きくなるので(肺の中の圧力が低下するので)、

空気が入ってくる(息を吸う)。

反対に弛緩すると屋根が上がるため、肺の中の空気が押し出されることになる(息を吐く)。

 

身体の左右非対称性

そして、身体の左右非対称性は、骨格や筋肉といった、外面的なものではなく、

内臓の位置関係などから理解すると腑に落ちる。

 

左の肺と右の肺は大きさが異なる。

肺は葉(よう)と呼ばれる空気の入る部屋で区切られているが、

右は3葉あるのに対し、左は2葉しかなく、やや小さめになっている。

左側の胸郭には心臓があり、その分スペースが狭くなっているからだと

考えられているが、結果、右側の肺と左側の肺では酸素の出入りする量に違いがある。

 

また、横隔膜の右下に位置する肝臓は大きくて丸いが、

この肝臓の大きさにより、右側の横隔膜は押し上げられていて、左側の

横隔膜より少し高い位置にある。

また、心臓によって上から押さえられている左側の横隔膜は、右側より

面積が小さく薄くできている。

 

先に横隔膜の弛緩によって呼吸をしていることを説明したが、

右側の横隔膜は面積も大きく厚く、肝臓のおかげで高い位置にドーム状の形を維持しやすいことから、呼吸機能の右側は、左側よりも有利な状態にある。

要するに、人間は、呼吸機能から見ると、構造的に右側が優位であり、右側で呼吸しやすい。

そして、後述するが、右側の安定性が生まれやすい。

 

右側の安定性が生まれやすい理由

右側の呼吸機能が優位だと、なぜ右側の安定性が生まれやすいのか。

これは、体幹が安定しているとは、どういうことか理解すると腑に落ちる。

 

人間の骸骨を想像する。

後ろ側は、頸椎、胸椎、腰椎、骨盤が連なっている。

それに対し、前側は骨だけで考えれば、肋骨と骨盤の間は空洞だ。

直立している状態だけなら、バランスを取ることも可能だ。

しかし、座った状態から立ち上がろうとする場合、空洞に

なっているお腹の部分は、頭蓋骨や肋骨の重みを支えきれず、

バランスを崩すだろう。

 

そこで骸骨のお腹の部分に大きな風船を一つ入れてみる。

そうするとうまく立ったり、座ったりすることが想像できないだろうか。

 

体幹が安定しているとは、このイメージだ。

 

そして、この風船の上部が横隔膜ということになるが、

右側の肺は大きく膨らむため、風船の右上部は左上部と比較して

上から強く押されることになる。

強く押されるということは、圧力が高まるわけで、ゆえに崩れにくい

 

右側が安定する、踏ん張りやすいのはこのためだ。

陸上競技は大昔は左回りだったり右回りだったりしたらしいが、

現代では左回りに統一されたのも、左回りの方が右側へかかる

強い遠心力に耐えやすく、記録も出るからだろう。

ロードバイクで右カーブが難しいのも同じ理由だ。

 

左右差もそうだが、そもそも

横隔膜の働きが弱いと体幹が不安定になる。

呼吸はとても大事。

体幹を安定させるとはどういうことなのか

理解できる一冊。