平成最後の夏に起きたちょっとした出来事

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私は物心ついた時から女性の方に興味を持っていた。でも幼かった私は自分がバイセクシャルであるとは知らず、呑気に味気ない学生生活を送っていた。


高校にあがり、周りが恋愛ムードになっていても彼氏がほしいと思うこともなかったが、そんな私に告白してくれた1人のクラスメートがいた。私はOKをだし、付き合ったが程なくして私から別れを告げた。彼とは短い間だったが楽しい思い出をたくさん作れた気がする。


でも元々女性にも興味があった私は、彼女が欲しいとずっと思っていた。そう思って出会いを探さねばと手軽にできるLGBT関連のアプリを始めてみることにした。そこで1人の女性と親しくなった。その女性をここではRさんと呼ぶことにする。Rさんの見た目はフェム(女性らしい)な感じで、本人曰くリバタチだそうだ。ちなみに、リバタチとは男性側のせめるポジションが基本だが女性側の受け身ポジションにもなれるという意味だ。


Rさんは私よりも7つ歳が上で、性格はあっさりしていて、明るく陽気で、ノリの良いおもしろい女性だった。Rさんがバイセクシャルだと自覚したのは学生の頃知り合った女性と仲良くなり、自然と彼女の魅力に惹かれ自分は女性もイケるのかもと思ったことがきっかけだったそうだ。その人がRさんの初恋相手だと言っていた。それ以前は男性とも何度か交際し、結構やんちゃもしてたと。


私とRさんは共通の趣味と言えるものはないものの、他愛もない話をしていくうちにずいぶんと仲良くなっていった。そして通話もするようになった。彼女の声は女性らしく、少し低めでとても落ち着く声だった。いつからか私はRさんに惹かれていった。だがRさんに気持ちがバレないよう私は常に平常を装っていた。


何ヶ月か経ち、私はRさんの住んでいる県の近くに旅行に行く事が決まった。Rさんにその事を伝えると、会ってみる?と言われたが、とてもじゃないが人見知りで恥ずかしがり屋の私はRさんに会える気がしなかった、ましてや好きな人だと。


そして2泊3日の旅行にでかけた。2日目の夕方、結局私とRさんは会ってみようという話になり、会うことになった。時間の都合上、1時間半ほどしか会わなかったが、とても濃い時間だった。待ち合わせ場所で合流した時、私は緊張と羞恥心、Rさんの顔をなかなか見る事ができずにいると、Rさんは優しく私の頭をポンッと叩き、「なに照れてんだよー」と笑いながらいじられ、私は「いや、そんな事ないよ」と強がるのが精一杯だった。


そろそろRさんが帰る時間になり、途中まで送ってあげていたら、Rさんは私に「☞私 〇〇って本当に私の初恋の人に似てる」と言ってきた。Rさんの事が好きな私からすると複雑な気持ちだった。私はきっと一方通行な片思いをしているんだろうと思った。Rさんと住んでいるところも歳もすごく離れていて、何を言ってもRさんには相手にされていないんだろうと。どんなに真面目に思いを伝えても本気にされないんだろうと。Rさんの様な人が私の彼女ならばどれだけ幸せだろうか、、ないものねだりをしてもキリがないというのは分かっていた。現実を見なきゃと。


そして「じゃ、ここで」と私が言うとRさんが「最後にキスしなくていい?」と驚く事を言ってきた。内心飛び跳ねていたが、冷静を装い「いや、いいよ」とやんわり断ったつもりだった。するとRさんが「ほんとに?」と煽るように言ってきたので、私の弱い意思は崩れ、「じゃ、したいです」と言ってしまった。そこからはあまり鮮明に覚えていないが、私は手を引かれ、壁に詰め寄られ、Rさんの顔が近づいた。ふわりとRさんの良い匂いがした。少しRさんは緊張しているようにも見えたが、優しく私の唇に彼女の唇を重ねてきた。すごく柔らかな感触が私の唇に感じた。はじめて女性ときちんとしたキスをした瞬間だった。私は女性とはふざけてポッキーゲームなどでの軽いキスしかしたことが無かった。


Rさんとのキスはきっと忘れられないものになるだろう。私の脳裏に深く刻まれた。たかがキスごときでと思われるかもしれないが、私にとっては特別な出来事なのだ。平成最後の夏に甘い思い出ができたものだ。



終わり





ここまで読んでくださりありがとうございます。ブログというものを初めて書く高校生の初心者なもので、読みづらいと思いますが優しい目で見守ってやってください。語彙力もなく、うまく伝わらない部分もたくさんあると思います。少しづつ成長していけたらと思っております。また気が向けばなにか書かせてもらいます。