トレーニングの組み立て方

トレーニングの組み立て方

ご参考。
学生と同じで社会人選手は時間が限られている為、可能な限り目標に対して的外れでないトレーニングを行う必要がありますが、その観点でスケジュールを立てると言うのは「今すべき事は何か」を認識する重要なツールになります。

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各種PCのソフトは私も使っていますが、読み返せるのとすぐに見れるという点で私は手帳とエクセルで簡単に管理しています。画像の通り、目標、気付いたこと、弱点、今行うべき事をとにかく書き込んでいます。不必要な情報は後で消せばいいので。

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こうやってスケジュールを立てると、意外と時間が無いのと目標とするレースまでにすべき事を考えさせられます。

自分の場合、目標は「MTBのエリートクラスでプロに交じってトップ10に入る」という目標を立てていますが、過去に14位まで行ったことがあるので、7〜8%のパワー/体重比のパフォーマンスの向上が見られればかなり近い所まで行けるのではないかと考えています。

5月の3レースでそれをやろうとすると、年始から18週間でどこまでギャップを詰められるかが勝負です。週に0.5%ずつ強くなる為に努力を重ねれば良いのですが、でもプロじゃないので時間の限り練習するわけにもいかないですし、気合と根性で休まずに練習をしても強くはなれませんので、そこは既に科学的に明らかになってる方法論で練習と休養をバランスよく「大きなインターバル」を繰り返す事で少しづつ能力を向上させていくようなアプローチを図ります。その流れを把握すべく日々細かい濃淡はあれど、ざっくりONとOFFに分けて「赤:能力向上の為にハードトレーニング」「青:次にハードトレーニングする為に休むか軽いトレーニング」という感じで分けて、それぞれのブロックで何をするか当てはめていきます。

もちろん練習と自転車が学生生活の全てじゃないので、計画通りに出来ることはまずないでしょう。ただこういったざっくりとスケジュールと自分の中のガイドラインを引いておくことで、「しばらく練習上手く出来てないけどじゃ、今日/今週は勉強に集中して、ここは確り練習をするように入れ替えよう」と気持ちの整理が出来ます。

と、いう感じでやったとしても、レースは水モノですので、他の選手の動きや、一瞬のミス、コンディション等で結果は大きくひっくり返りますが、少なくとも自分が信じたプログラムで練習をした上でスタートラインに立つことが出来れば、不安や怖れを幾分排除してレースにより集中して臨める&楽しむことが出来ると思います。
私は上記の様な考えで今もレースを楽しんでいます。

さて、これを皆さんに置き換えるとどうでしょうか。
いつもY選手が最も各種指標を判断し易い練習記録を上げてくれていますが、Y選手の場合短期目線だとローカルのクリテリウムで先頭集団で走るのにはタイム/平均速度で3〜4%の向上。おそらくパワーだと5%程度の向上が必要。これはそう遠くない内に努力を重ねれば出来るはず。
中長期的な目線だとインカレで(2年生には高望みかもしれませんが)15%くらいパフォーマンスの指標が向上するとかなり上位陣と近い所で走れると思います。じゃあ仮にコレを今年の夏にやろうとしたら、8月末まであと約30週間、210日くらい。1週間に0.5%、1日に0.07%成長していけば、きっと身体能力では達成出来ます。
そんな算数の話はさておき、思いっきり練習できる週末は残り30回しかありません。60日。全部練習出来るわけじゃないので、40〜50回程度の練習で体力向上だけでなくいろいろな事を学ばなくてはなりません。そんな事を考え始めると、週末にやるべきこと。平日にやるべきこと。逆に週末に練習を確り行うために体調管理・休養を確りと取ることなどを意識せざるを得なくなりますね。(よく男子部員が体調不良で休むというメーリスを回してきますが、体調管理がだらしない故に機会損失が発生しているという事を確りと認識しましょう。)

私自身勉強も自転車も役に立つのか立たないのかわからない遠回りをしたり失敗してきてます。その経験からどうやったら最短距離に近しいトレーニングが出来るかを考えて洋書なり運動生理学の論文を漁って、練習効果がある程度科学的にありそうな方法を皆さんに日々お伝えしています。本当はもっとやってほしいですが、与えられた環境の中でベストを尽くすのは、学生スポーツの美点でしょう。そこで輝く為に、アドバイスを求める為にコミュニケーションを取ってくれる方には同じ選手とし最大限支援をしたいと思います。

いきなりは強くなれません。日々の小さな積み重ねで0.1%をコツコツとやってく為に、自分なりの目標とトレーニングプランを作っていきましょう。組み立て等ではいくらでも相談に乗りますので、遠慮なくどうぞ。