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周りの音が遠くてでも近くに聞こえる

周りの音が遠くてでも近くに聞こえる

音が途切れたような世界のなかにいる。私はどこかで選ばれて何かを秘めているに違いないと思っていた感情がどんどんと遠ざかっていく。

空中から押し寄せて一体どこにたどり着こうとしていたのだろう

人は何も知らないことを批判して何かを知っていることを尊敬する

人の中に埋もれないために何かを知るべきだと毎日どこかに行き誰かと会い何かをしたり 誰かが何かをしているということを逃さないように確認していた すると私が私のためにすることが離れていって 容器だけの身体になった あなただけの世界にいるような 純真で 何も知らない子に会った時 失っているものに気づいた 時は進むという当たり前のことの中に閉じ込められて 私を進ませていなかったこと 人と人が交わる時は月の明かりに照らされていなくてはいけないし それくらい神秘的な身体を私たちは持っていること 消費という世界で 消えていったその美しさを取り戻したくて ふと気がついた でもずっと空っぽだったのかもしれない 自分の中のそれが 蚕を育てて繭を作ってその蚕を冷凍庫に入れて殺して お湯で煮て 糸を出した時からあったのかもしれない 焦らなくて良いのならばせめて どこに向かえば良いのかを教えて欲しい 冷蔵庫に入れられるために生きているのかもしれない 

犬が蛇だった

大きなものたちがスルスルと自分の中から消えていく離れていく私が築き上げてきたものはどれもすごく不明瞭なものたちだった。夢で車の中に白い蛇が現れてあれは確かに私の飼っている犬だったんだけれど とにかく姿は蛇で 私の周りに巻き付いたあとスルスルと離れていってしまった。少し寂しくてそれと似ているなって思った。何に向かっていたのか突然わからなくなる。物事は自分が知らないところで進んでいる。傾きながら遠回りでもたどり着くと思っていた先が崩壊して目の前が真っ白な牛乳になっちゃった。誰かが前何かを牛乳で例えていて良かったのだけれど何を牛乳に例えていたのか忘れちゃったな。感覚だけは好きだった。

犬が泣き止んでくれなかったから抱きしめてじっとしていた。悲しいくらい泣き止んでくれなかった犬の頭が私の胸にもたれかかった時 小さくて生きているということを感じた。小さい頃親に夜の道を抱っこされながら帰っていた時のことを思い出した。やけにうるさい街中でも目を瞑っていて此処にいれば大丈夫だと思っていたから。その切り離された世界のおとは何もうるさくなかった。夜もおばけも何も恐れることはなかった。ひとりであるく様になってから町の雑音はうるさいと思う。きっとその中に居るから。目を瞑っては歩けないから。でもたまに駅の真ん中で一人止まって目を瞑る。ことを想像するとなんとなく戻っていける。こんなにもソワソワとした場所に自分を守る人がいるだけでこんなに安心したところになるのだという感覚を思い出す。私は記憶なんてすべて無くなってしまえば良いと何度か思っていたけれどあの時の音を思い出すたびに、匂いを思い出すたびに、思い出せることがたまらなく嬉しい。

被写界深度

今日も何処に焦点が合わせられない クラクラとする 自分のカメラの好きなところはある場所に焦点を合わせると それ以外のところはすごくボヤけるところ 私だってそうして観ていたい 何処もかしこもに情報があって 擦り切れた 眼の端ですら観たくないものも掴んでしまう わたしは何を見ているのか 直ぐ 忘れてしまう 世界を俯瞰して観るよりも 信じられるものを一つだけしっかりと焦点を合わせ見ている方が良いって話

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誰かが大切に何かに思い詰めながら発した言葉は当たり前だけれどこの世に堕ちている言葉と比べものにならない程美しくて 毎日わたしはわたし達は色々な人の言葉を見て そしてその言葉について考えているけれど 発した人がどれ程考えて作り上げた言葉なのかと思うと凄く解像度の低い言葉を見ていたのだなと気づく 

空間を把握する能力が高ければ言語に置き換えなくても 人を動かす事が出来るし その作品の動きが何も大げさで無くても小さな人撫ででも感動が出来る わたしは何を考え何を追いかけて何の為にここにいるのか これ以上何を学びたくて ここにいるのか わたしが求められている時とは何なのか わたしがいつもいつも考えていることは何なのか 

わたしが一人で月などを見たり音を聴いている間大抵の人間は裏側の世界にいるみたいで 私は裏側の世界に行けないから みんなの事をずっと見失っていて 裏側の世界スプーンで言う丸みの方 決して救えない方 私は救ってばかりだから 掬わない救えない方に行けなかったけれど そちらの世界は 野生的 裸ん坊達が 服を脱ぎ捨てた人間達が本望と欲望だけで動いている 凄く狭い部屋の中で そう言う世界 何も掬えないけれど どちらが本当に救えているのか分からない世界

 

 

 

 

架空の人物

昔見た演劇で忘れられない人が居た彼女が実在の人物では無く物語にしか存在しない事の意味が分からず自分自身が半分彼女に乗っ取られ友人が話した舞台についての見解を聞いて全身を酷い寂しさと恐怖が包み動かなくなってしまった事があった あの時わたしを乗っ取ったあの人にもう一度会いたいなf:id:rariru_rei:20171217012140j:image

Xとyを求めよ

Xとyの値を求めよと言われていつまでもその答えがわからなかったときそれは、Xとyがそもそも何処から来たのか何故その名前なのかそれすらも分からないからだったのだけれど 今は分からない分かった所で私には何ら関係のないXとyの答えばかりを求めていた頃に戻りたい 今は全てが意味があって私はもう意味から別れを告げたい今のわたしから意味を抜いたら何もなくなるけれどいつか意味を失っても生存するということをしたい 自分ばかりが愛されるわけは無くてみんな別にだいすきな人が居るんだよね 私はみんなに意味を付けてあげる為に存在して居るらしい いつかきっと意味を殺してくれる人が居るはずだよと今日もわたしは意味を求めて制作したり音楽が鳴って居る場所へ行く 気持ちが安定しないならおうちに居れば良いのに意味を求めてしまうから外へ出てしまうんだね 自分の居場所はそこにはないのに Xとyを求めて居るのともしかしたら同じ事をしているのかもね 分かったとしてもそれはわたしにとってXとy以上にはなってくれなくても 答えが出たらそれ以上になってくれるんじゃないかって でも答えを出したくもない気がしているしってずっと求める事だけに執着している 答えは 何もない だったよって言われるのが怖いから遠回りしてでもずっと求めているの 早く抜け出したい 早く抜け出してあったかい牛乳とかを飲みたい 小さい頃預けられて居た所で一番遅くまでいると 夜食としてクロワッサンと温かい牛乳をくれた すごく美味しくて その味今でも忘れられない この前いきなり出た涙も本当はクロワッサンと温かい牛乳があれば良かった Xとyを求めるのやめよう

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立ち入り禁止なんて言ってない

f:id:rariru_rei:20171004164209j:image最近見つけた中で1番大好きだった壊し途中の家が更地になってしまった 此処にこのままあっても意味はもちろん無いし確かに破壊し新たな土地にするべきなのだけれどわたしにとってはとても美しい建物だった入れない畳の背後のドアの階段の奥から差している光の先には何があるのかを考えながら通り過ぎる 本当は何も無いのを知っていたけれど 気づいていたことを無視して考えた こういう人生だなと思っていた わたしはずっと壊されたくないなと思いながらも思うだけで触れもせずその先を覗きもせず消えてから悲しむ けれどもしかしたら本当は消える前にどうにか出来たかもしれないことも知ってる 愛犬の元気がなくてずっとかなしい

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