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【マンションの建て替えは儲かる?】築年数、建築期間、同意数、容積率など気になる情報まとめ

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マンションの建て替え

2020年に差し掛かって、都内のマンションの多くが建て替えの節目を迎えています。

建築費用、期間、住民の負担金など、何かと不安の多い建て替えですがマンションを購入した以上はいつか直面する問題です。

 

そこで今回は建て替えに関する気になる疑問を、項目別に分けて解説していきます。

建替は儲かる?

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建替では大幅に収益が上がることがあります。

例えば、ボロボロの3階建て築古マンションから、ピカピカの20階建てマンションに建替が決まれば、建替後のマンションは当然ながら高額で売却できますよね?

 

「そんなタワーマンションへの建替をしたら建築費が高くなりすぎるのでは?」と思いますが、容積率の余りがあれば区分所有者の負担金はそれほど大きくありません。

容積率緩和されていると資産価値が◎

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容積率とは、土地に対する建物の合計床面積の比率です。

例えば、100㎡の土地に、床面積100㎡の平屋を建築した場合の容積率は100%となります。この建物が、2階建になれば200%、3階建になれば300%といったような認識で大丈夫です。

 

この容積率が緩和されると土地の価値は大きく上昇します。

まず、マンションの建築当時には200%が容積率の上限であり、2階建しか建築できなかったとしましょう。しかしながら、数年経った後に容積率が600%まで緩和された場合、その土地は現状の約3倍の規模の建物を建てることができます。

 

このようなケースで建て替えを行えば6階建から2階建を引いて、4階建分の住戸を分譲販売することができます。そうなると、大幅に収益が生まれるため、建て替え費用にそれを充当することができます。

そのため、運が良ければほぼ無償で新築マンションを手に入れることができるんですね。

 

容積率緩和と建て替えの関係性についてもう少し気になった人は、「渋谷区代々木のニューステイトメナー」や「千代田区の新丸の内ビルディング」について調べてみるといいと思います。

ニューステイトメナーは建て替え前、新丸の内ビルディングは建て替え後なので比較してみるのも面白いかもしれません。

建替の成功例

マンション建替例を紹介していきます。↓

①マンション建替事業の実績 | 三菱地所レジデンスのマンション建替え|三菱地所レジデンス株式会社

②実績|三井不動産レジデンシャルのマンション建替え

③【野村不動産】マンション建替え実績

 

中でも、三菱地所レジデンスの藤和西浅草コープを種地とした浅草タワーはその戸数規模がなんと7倍でした。

もともと総戸数100戸程の11階建てのマンションが、700戸弱の37階建てのタワーマンションに生まれ変わったのです。

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築年数は何年ぐらいから建替が検討できる?

マンションはRC造(鉄筋コンクリート造)であり、その躯体は約70〜100年ほどは保つと言われています。しかしながら、都内で最も古い四谷コーポラスや柏木アパートですら、まだ築60数年なので仮説の域です。

 

建替時の築年数は平均すると築30〜40年の間で多く行われています。

少し調査記録が古いのですが、2014年に行われた東京カンテイの「建替事例調査」によると東京のマンションの建替時期は築40年が平均でした。

 

そのため、RCの耐用年数とは関係なく建替は行なわれています。60年経っても現役で居住できるマンションが残っていますので、建替するかどうかは区分所有者と収益性次第なところがあります。

決議に必要な同意数は?

建て替え決議のためには、区分所有者の5分の4の合意が必要です。

また、棟内で一人の区分所有者が複数戸を所有している場合は合わせて1票としてカウントされます。

 

※単棟、連棟の違いで同意の割合は多少変化します。また、土地が借地権だったりとイレギュラーな場合以外は、区分所有者の5分の4の同意さえあれば建て替え決議は通ります。

建て替えにかかる工事費用の相場は?

RC造(SRC造)のマンションは、新築費が建物坪70〜100万円程はかかります。

つまり、建物全体の坪数が100坪程であれば、約7,000万円〜1億円ほど建て替え費用がかかる計算になります。

 

その他、建築費用に影響するのは、

  • マンションのグレード
  • 前面道路の状況
  • タワーなどの高層建築
  • 設計・施工会社

などが挙げられます。

 

億ションと呼ばれるような高級嗜好のマンションは当然ながら工事費が上がります。また、前面道路が狭かったり、資材の搬入経路が確保しずらいような場合も作業員の人工が増えるために人件費が増額されます。

タワーマンション等の高層建築になると特殊なクレーン、足場費用が必要になりますから、その点も加味すると坪150万程までかかるケースも珍しくありません。

最後に設計・施工ですが、三井分譲や長谷工施工のように大手ブランドが関わると多少の影響があるでしょう。しかしながら、大手ブランドマンションは売却時も高値がつくので大きな心配はいらないかもしれません。

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竣工までにかかる期間は?

建て替えの大まかな流れは、

  1. 建替組合の結成
  2. 5分の4の賛成で決議
  3. 施工会社とプランを作成
  4. 権利関係を移転&引越し
  5. 着工
  6. 竣工
  7. 入居

となっています。

 

おおよそ建替の話が上がってから竣工まで、5〜10年ほどの期間がかかります。

建て替えるマンションの規模や階数にもよりますが、着工から竣工までの純粋な建築期間だけで言えば約1年程ですね。15階建以上のタワーマンションになってくると、建築期間は2年近くまでかかることもあります。

そのため、建築中の引っ越しで賃貸に住む期間は大体1〜2年前後のイメージです。 

建替決議を通すのは難しい? 

現状、建て替え決議を通すことは難しいです。

一時負担金を区分所有者が支払えなかったり、地価が安すぎてディベロッパーが余った住戸を分譲しても収益の回収を見込めない等の理由から決議まで結びつかないことがほとんどです。

 

国土交通省の全国マンション建替調査によれば、2019年に建替完了したマンションは僅か161件程とのことです。↓

住宅:マンションに関する統計・データ等 - 国土交通省

 

また同調査によれば、築30年を超えるマンションは全国に約200万戸以上あるため、建替決議を通すことがいかに難しいかわかりますね。

建替自体が不可能なケース

基本的に建物は、土地が道路に面していなければ建築基準法により建築することができません。

加えて、面している道路の幅員が狭い場合は容積率が制限されてしまいますので、現在と同規模の建替が難しいケースもあります。このように接道や容積率に問題があるマンションは、既存不適格や再建築不可建物と呼ばれます。

 

当時の建築基準法では適法でしたが、現在の建築基準では違法とみなされているような物件ですね。

既存不適格物件の建替となると現在の規模より建物が小さくなりますし、余りの住戸を分譲して建替費用を賄うといったことができないため、区分所有者の負担は大きくなってしまいます。

不動産投資に潜む6種類のリスク|現役不動産営業マンが徹底解説!

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1.空室リスク

不動産投資の失敗事由で一番多いのは空室問題です。

ローンを組んで物件を購入したものの、賃借人がみつからなければ返済だけが残ります。月々の返済とランニングコスト、自身の生活費の3重苦になれば投資どころの話ではありませんね。 

では、空室の改善策としていくつか紹介します。 

 

敷金礼金を0にして、借り手の初期費用を減らしてあげる

特に大学の近くのワンルームや大規模な工場の近辺など、単身者で賃借の初期費用を抑えたい借り手のニーズと合致します。

また、物件のグレードが低い場合、賃料も安さ目当ての借り手が多いため有効な手段です。

 

敷金はどうせ返却しますし、礼金も空室期間が短くできるのであればそこまで大きな問題ではありません。とにかくローンの返済を家賃収入で相殺することが最優先です。 

 

リフォームして集客力と収益性を向上させる

リフォームすれば一時的には手元の出費がありますが、長期的に見れば収益の回収ができるケースがあります。

致命的に室内が汚く賃料を格安にしなければ借り手がつかない場合などにはリノベーションも検討してみましょう。

 

賃料格差の中間層を狙え

地域によっては、極端な築古か、新築マンションの2種類しか物件がないようなところがあります。経済成長期に大開発された故に、土地の余りががなくなり新しい建物が殆ど建てられずに平成を終えたような地域です。

いわば中間層の価格や賃料の物件がなく、一定の需要が宙に浮いてるようなケースですね。

 

そこで、開いた賃料格差の中間を狙ってリフォームしましょう。

新築ファミリーが25万前後、築古が15万の賃料なら、約20万の家賃を目指してリフォームするということです。

 

ボロ屋を買ってリノベーションしたら利回り20%なんて話も聞きますから、収益性上昇のためには周辺の相場に目を向けてみることが大切です。

 

リフォーム箇所の目の付け所

例えば、賃貸物件を探す時の要望で一番多いのはバストイレ別です。

まず、投資物件が築古の3点ユニットであれば、周辺のバストイレ別の物件と比べて家賃の差がどれほどあるかを調べましょう。

 

リフォームすればこの差分の家賃を高く設定でき、当然ながら集客力も上がります。後々の売却にもリフォーム分を乗せられますね。 ワンルームであれば150万円もかからずにバストイレ別に変更できると思います。

 

賃貸仲介と相談しながら、現状に比べてリフォームの方がメリットが多いようであれば検討してみてください。

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OCから実需に変えて売り逃げる

OCのままの方が高く売れるとか売りやすいとか思い込んでませんか?

基本的に不動産は空室価格が1番高く、売りやすいです。

 

まず、OCを買うことができるのはローンの兼ね合いで投資家や法人のみに限定されます。

そうなると、OCのまま売り出すということは、少ない見込み客に加えて周辺の利回り競争に勝つ必要があり結構厳しいんですね。

 

その点、空室売りにすれば投資ローン客だけでなく住宅ローン客も集客できるため、買い手の幅が広がり売価も高くなります。

どうしても空室からのローン支払いが苦しいならば、逃げ切り売却を検討するのも1つの選択です。

 

サブリース契約には注意しよう

サブリースとは、相場賃料の7〜8かけでサブリース会社が投資家より投資物件を借り上げて第三者へ転貸するという収益モデルです。

投資家にとってのメリットは、賃借人を見つけなくてもサブリース会社から定期的に賃貸収入を得られるという点です。

管理の手間もかかりません。

 

ただ、本気で不動産投資で生計をたてるならばサブリースはやめておきましょう。

そもそも、相場の8かけの賃料収入でローンの返済やその他経費の支払い含めて収益性を保てる物件を私はほとんど見たことがありません。

相場額で貸すことができる物件ならばサブリース自体不要ですよね。賃借人が捕まらなくて困るならば不動産賃貸会社に賃料の3倍の謝礼金を払った方がよっぽどマシです。

 

サブリース会社に賃借人を見つけられて、投資家に見つけられないことはありません。

加えて敷金礼金も全てサブリース会社の取り分となります。それにもかかわらず、リフォーム費用や修繕費は物件の所有者持ちです。最初は良くてもいずれキャッシュフローが破綻する可能性があります。 

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ここまで辛辣な文章を連ねてきましたが、もちろんメリットを享受できるケースもあります。

投資物件を現金購入した老人で、管理やその他詳しいことがわからないし、収入は落ちてもいいから、手間を全て請け負ってほしいといった場合ならいいと思います。

もしそうでないなら、不動産投資の舵取りを全てサブリース会社に任せることになるハイリスクな契約だということを念頭に置きましょう。

 

2.金利リスク

基本的に、不動産投資ローンは基本的に変動金利で組むことになります。月々の返済額は景気の良し悪しに左右されますから注意が必要です。

 

いくら金利分は経費計上できるといえど、金利上昇でキャッシュフローが赤字に転落してしまえば投資自体を続けることが難しくなってしまいます。

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2020年以降の金利は上昇するのか

単刀直入に、今後は金利上昇の兆しがあります。

私自身不動産業者なので銀行の方とも話をする機会が多いのですが、2019年の住宅ローンの最優遇金利が0.5%は異常です。

 

約10年ほど前はフラットでも金利は3%前後でした。それが、現在は当時の3分の1程まで下がっています。この背景にはアベノミクスや日銀の低金利政策が絡んでいますね。

 

金融機関からすると金利=収益であり、これだけ政策でダメージを受けた分の反発が必ずやってくるでしょう。

金利だけでなく融資事務手数料や保証料が上乗せされたりするかもしれません。

 

特に政権交代や日銀の総帥が変わる節目にはテコ入れがありますので、日経や東洋経済を利用して常に経済ニュースにアンテナをはっておきましょう。

 

金利変動は収益性でカバーする

大切なことは、金利の上昇を見込んでもキャッシュフローに余裕のある利回り物件を取得することです。 

家賃10万に対してローンやランニングコストの支払いが9万円で、月々1万円のキャッシュみたいな収益計算での購入はリスキーなのでやめましょう。

現在の金利から+1〜1.3%程増えても手残りがあるような安全な物件の購入をすべきです。

 

また、空室や漏水などの予期せぬ出金に対応できなければ、不動産投資は簡単に頓挫します。

そうならないためにも、手元の資金はできる限り貯めておきたいところです。

 

3.賃料下落リスク

建物が古くなればそれだけ賃料も下落します。誰しも新しくて綺麗な建物に住みたいと思いますからね。

また、老朽化以外にも賃料に影響する要因がいくつかありますので紹介していきます。

 

都心は賃料が落ちにくい

日本六大都市など、都心は物件の資産価値が減りにくく賃料も落ちにくいです。 

都心は人口が多く、ある程度の築古物件でも一定の需要があります。そのため、地方ほど賃料を下げなくとも借り手がみつかります。

 

例えば、東京23区の駅から徒歩10分以内の区分であれば、10年間で家賃の下落率は10%前後です。

新築時10万円で貸せた物件が、築10年経っても9万円で貸せる感じです。

さらに、代官山や目黒などの一等地であれば新築から20年程経っても家賃の下落率が10%以下も珍しくありません。

 

補足ですが、統計局ホームページ/平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果によると47都道府県の中で唯一、東京の持ち家率が50%を切っています。

これだけ賃貸需要がある地域は他にありません。さすが日本の首都ですね。

 

地方は賃料下落が早い

一方、地方は都心より人口が少なく、持ち家が浸透しています。持ち家があれば、賃貸の需要は減るのでそれに伴って賃料の下落率は大きくなりますね。

 

水戸や宇都宮、高崎等の地方都市の区分でも10年で15%程は下落しますので注意が必要です。

特に木造アパートは築30年も経てば新築時と比べて約半分ほどまで家賃収入が落ちるイメージで構いません。

 

地方は賃料下落が激しい分、都心に比べて物件価格が安くローンを組みやすい傾向にあります。

比較的利回りも高く設定されていますので収益性は一長一短ですね。

 

主要施設の移転

有名大学や大きな工場など、人を集める施設の近くに投資物を持っていると集客に困りません。

 

よくあるのが、

  • 大学と提携して借り手の紹介をしてもらえるケース
  • 工場を持つ法人が一棟借り上げしてくれるケース
  • 行政から生活保護者を紹介してもらえるケース

などですね。

 

しかしながら、それらの施設が移転や閉鎖されると強烈に収益が落ち込みますから注意が必要です。

そのため、主要施設と合わせてその他交通利便や生活環境が充実しているなどの2〜3本柱で需要を考えることが大切です。

 

4.相場変動リスク

リーマンショックは本当に悲惨でしたね。

当時は景気が急激に落ち込み、収入が減った人の住み替えや、馘首された人が賃貸物件から実家に戻ったりして空室物件が多量に生まれました。

 

空室が生まれれば大家はたまったもんじゃありません。

毎月ローンの返済とランニングコストが降りかかってきて、キャッシュフローは火の車。

逃げ切るために収益物件の売却を考えても不況じゃ買い手は見つからないし、見つかっても好景気時代に組んだ水増し融資分をひっくり返すほどの売却額には届きませんでした。

 

不況は最高の商機である

ただ、この未曾有の経済ショックの波に乗った投資家もいました。大量の手元金を貯めておいた方々ですね。

リーマンショックの問題は銀行が金を貸しすぎたことを発端にしており、当然それが弾けたあとには融資の引き締めが行わました。いわゆるサブプライム問題です。

 

融資が降りないとなると現金一括購入の買い手は神様です。

キャッシュフローが赤転落している投資家は一刻も早く物件を処分したいために、今では考えられませんが安売りの逆オークションみたいなことが起こっていました。

 

つまり、どの収益物件も相場が急落した時の底値で仕入れることができたのです。

特に都心で2008年に底値で購入した区分の価格は、2019年現在は当時の2倍近くまで膨れ上がっています。

売却益は数千万円にも及ぶでしょう。

 

何が言いたいかと言いますと、経済ショックの後は商機なのです。

株価と同じですね。東芝も急落した時から随分と持ち直しましたし、クリスマスの大暴落は今は見る影もなく相場を戻しています。

 

2020年以降に考えられる相場変動

今後考えられる相場変動の要因は下記の通りです。

  • 2020年:東京オリンピック後
  • 2022年:生産緑地問題
  • 2025年:日本国際博覧会後
  • 未定:ドイツ銀行問題 

 

直近で一番の経済ショックを起こしかねないのはドイツ銀行ですかね。当時のリーマンブラザーズ銀行と同じことを繰り返しています。

しかも、負債総額は260兆円でリーマンショック時の4倍超です。もしもドイツ銀行が破綻すればリーマンショックを超える経済不況が訪れるでしょう。

  

5.告知リスク

入居人が室内で死亡した場合にはそれを次の所有者や賃借人に伝えなければなりません。これを告知事項といいます。

 

もしも告知事項があるにもかかわらず伝えなかった場合は、心理的瑕疵として損害賠償を請求されることがあります。

告知義務は、告知物件を購入して次の所有者に売却する際にも発生します。

 

告知事項の重さ

告知事項には内容の重さがあります。

殺人等事件性があるもの>自殺(練炭、焼死など)>自殺(首吊りなど)>老衰死

の順です。

やはり殺人等の事件性があるものは重く、老衰などの不可抗力は軽い傾向にあります。 

 

告知による物件への影響

売買、賃料相場への影響ですが、殺人等は6かけ、自殺であれば8かけ、老衰は9かけといった具合です。

やはり、告知が重いほど売却、賃貸収入に影響します。 

 

告知事項発生の季節や発見までの期間

夏場の告知はリフォームまで必要になるケースがあります。

センシティブな内容になりますので具体的な説明は省きますが、とにかく床や壁や建具にニオイや色がついてしまいます。

 

発見までの期間も延びれば延びるほど室内の状態は悪化しますので、入居者の入金が遅れたりポストが溜まり過ぎていたりと違和感を感じたら要注意です。

大体3カ月ほど放置されていた場合は、確実にクロス床など目に見えるものは新規交換する必要があるでしょう。

 

告知はどのように防ぐ?

正直なところ、告知事項に関しては対策の術が殆どありません。オーナーにとっては不可抗力であり、災害に近しいものがあります。 

せめて、超高齢の方の入居は遠慮いただく程度が現状の唯一の対策です。

 

また、物件に告知事項がある場合は、「当該住戸に告知あり。詳細担当まで」といった内容が販売図面、賃貸図面に小さく書かれています。

見落とさず、担当に内容を確認しましょう。

 

6.災害リスク

地震や台風、火災で建物が損害を受けてしまい投資物件への入住が困難になってしまうリスクもあります。

災害は告知同様、不可抗力なので防ぐのが難しいです。

 

対応のポイントは、

  • 購入前にハザードマップを確認する
  • 保険に入る

の2点です。

 

ハザードマップとは?

ハザードマップは、自然災害が起こりうる地域を色分けしてあるマップのことです。浸水や土砂崩れ、津波などが該当しています。

 

ハザードマップ自体は、不動産が立地する市や区役所の都市計画課に行けばもらうことができます。

もしくは国土交通省が運営しているポータルサイトなどでも確認可能です。↓

disaportal.gsi.go.jp

災害リスクを減らすためにも、購入予定の不動産がハザードマップで災害区域に指定されているかを確認しましょう。

土地勘がない地域の物件を購入する場合は必須ですね。

 

木造は水災保険に入るべし

損害の修繕費を最小限に止めるためには保険に入りましょう。

特に戸建て投資の場合は、木造であるために台風や洪水などの水災の被害を受けやすい傾向にあります。

水災による保険料は他に比べて多少高額になりますが、土地が隣接する道路と比べて低い位置にある場合は入っておいて損はないと思います。

 

区分、鉄骨造は躯体が強い

木造に比べて、マンションや鉄骨アパートであれば躯体が強いため、水災や台風の被害を受けにくいです。

そのため、個人的には水災保険はあまりメリットがないように思います。ただ、余程の築古で屋上・外壁防水を行っていないような物件であれば水災保険を検討しましょう。

 

保険は安心を買う的な意味合いが強いので、災害における心配事を減らして投資に専念するためにも、できる限り加入しておくことをお勧めします。

リースバックの仕組み|リバースモーゲージと何が違うの?家賃はどれくらい?

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リースバックの仕組み

リースバックとは、持ち家をリースバック会社に買取ってもらい、その後すぐに賃貸借契約を結んで引き続き住み続けられるといった商品です。

 

流れとしては、

  1. リースバック会社に自宅を売却する
  2. リースバック会社と賃貸借契約を結ぶ
  3. 今までと変わらず住み続ける(月々の家賃が発生)

となります。

 

端的に言えば、「持ち家を売却したいけど住み続けたい」という矛盾を解決できる商品ということになります。

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どんなケースで利用できる?

利用のケースとしては、

  • 老後資金に行き詰まって持ち家売却を考えているが、今後も同じ家に住み続けたいと考えている場合
  • 離婚するが子供の学区や世間体の問題があり、引っ越しはしたくない場合
  • ローンの支払いが苦しいため、一旦売却で完済してから賃貸で住み続けたい場合
  • 親の家を相続するが、相続人が複数人いて尚且つそのうちの一人は親と暮らしていた家に住み続けたいといった場合

が等があげられます。

 

また、不動産であればマンションでも戸建てでも関係なくリースバックすることができます。その他にも事務所や店舗のリースバックなど、事業の手助けとしても活用できるため汎用性が高い点もメリットです。

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リバースモーゲージとの違い

リバースモーゲージとは、不動産を担保に入れて定期的に融資を受ける代わりに、利用者の死後に銀行が不動産の処分を行い元金を回収するといった商品です。

 

リースバックとの違いは以下の通りです。↓

  リースバック リバースモーゲージ
提供業者 不動産屋 金融機関
資金の取得 不動産売却時に一括

定期的に融資

資金の使い道 自由 生活資金のみに限定
月々の支払 家賃が発生 金利の支払い
利用条件 ローン残債<売却額 年齢、健康状態に制限有

 

似たような2つの商品ですが、大きな違いは不動産売却の時期です。

リースバックは不動産売却後に賃貸契約を結びますが、リバースモーゲージは契約者の死後に金融機関が不動産を処分します。

この差は大きく、リースバックの場合は現在価値で売却益を得られますが、リバースモーゲージは不動産の老朽化を見込んだ未来価値で融資を受けることになるのです。

そのため、受け取る資金の総額はリースバック>リバースモーゲージとるケースが多いです。

 

※上記2つの商品と似たようなもので不動産担保ローンという商品もあります。

不動産担保ローンだと毎月の返済が滞れば即座に不動産を処分されるので、それに比べればリースバックやリバースモーゲージの方が安心して利用できますね。

気になる不動産の買取額は?

リースバックで気になるのが不動産の買取額ですよね。

ずばり、相場の6〜7掛け程です。

 

5,000万円ぐらいで売買されているマンションであれば、3,000万〜3,500万円程で買取になります。

そのため、当然ですが今の持ち家に住み続けたいという意志がなければ普通に個人に売却した方がいいです。

 

 自分の不動産の価値を調べるならばこちらの記事をご利用ください。↓

www.re-kaitoriya.com

家賃は周辺相場と同じくらい

家賃は相場のままです。

近隣の同規模の戸建てやマンションを調べ、それに近い額での家賃設定をします。

賃貸契約の更新時に周辺相場に合わせて多少増額されることもありますから注意しましょう。 

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賃貸契約期間は3年ごと

定期借家の3年契約で提供している業者がほとんどです。

基本的に家賃の滞納等の問題がなければ、毎度契約更新で好きなだけ住み続けることができます。

 

しかしながら、契約更新の回数を3回までと定められていたり、更新料が家賃の3ヶ月分だったりと問題のある賃貸借契約もあるため、契約時は入念に内容をチェックしましょう。

退去はいつでも大丈夫

住み替えたいと思えば、退去は自由にできます。

通常の賃貸と同じなので、契約で定められた期間より前に退去の通知を送れば特に違約金もなく引っ越しできます。

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買い戻しも可能

売却して賃貸中の家を買い戻すこともできます。

ただし、当時の売却額と同額というわけにはいきません。

 

相場が上がっていればその分買い戻し額は高くなりますし、もしもリースバック業者がOC物件として第三者に売却した場合は買い戻し自体が難しくなるケースもあります。

不動産購入にかかる手数料や費用、税金のまとめ|7項目に分けて紹介!

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不動産購入にかかる7つの諸費用

不動産購入時の諸費用は大きく分けて7種類ほど存在します。

  • ①仲介手数料
  • ②融資事務手数料
  • ③保証料
  • ④印紙代(税金)
  • ⑤登記費用(税金+手数料)
  • ⑥不動産取得税(税金)
  • ⑦火災保険料

 

上記の諸費用の計算方法を簡単な表にまとめます。↓

購入時の諸費用 計算方法
①仲介手数料  物件価格400万円以上の場合、
(物件価格の3%+6万円)×消費税
②融資事務手数料 合わせて物件価格の約2%、もしくは金利上乗せ
③保証料
④印紙代(税金)

物件額、融資額によって上下

※印紙税の項目に表があります。

⑤登記費用(税金+手数料) 登録免許税+司法書士の手数料
⑥不動産取得税(税金)

課税標準額×3/100(もしくは4/100)

※色々な控除があります。

⑦火災保険料 物件の規模、補償範囲次第

 

不動産購入時にかかる諸費用の相場は物件価格の7〜9%と言われいています。

5,000万円の物件を購入する場合は、約350〜450万円程ですね。

※あくまでも相場なので、物件次第では10%前後までかかることもあります。

 

おそらく上記の表を見ただけでは理解しづらいと思いますので、それぞれの諸費用を項目別に詳しく見ていきましょう。

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①仲介手数料 

仲介手数料とは、不動産の売買の際に仲介会社に支払う手数料のことです。

 

物件の取引価格によって手数料の限度が変わります。↓

物件取引価格 手数料の限度額
400万円超〜 (物件価格の3%+6万円)×消費税
400万以下 18万円×消費税

 

例として、2000万円の物件を購入する場合は、

(2000万×0.03+6万)×1.1

=66.6万

となります。

 

また、物件の売主が不動産会社であれば仲介会社を使わず契約することも可能です。この場合、仲介手数料はかかりません。

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②融資事務手数料

金融機関でローンを組む際には融資事務手数料がかかります。

費用はメガバンクであれば、3〜5万円程です。

 

一方で、ネット銀行系統から借り入れる場合は融資事務手数料が物件価格の2%程に設定されていることが一般的です。

物件価格が3000万円であれば、約60万円程になります。

ただ、その分ネット銀行の場合は保証料が無料になっています。 

 

金融機関ごとの融資事務手数料と保証料についての表です↓

金融機関 融資事務手数料 保証料
メガバンク・地銀等 3〜5万程 物件価格×2%
ネット銀行系 物件価格×2% なし

 

どこで借入れても融資手数料と保証料の合算額に大きな差はありません。

二つの支払いを合わせて物件価格の2%程だと考えておきましょう。

 

③保証会社への保証料 

保証会社は、物件購入者のローン返済が滞った際に銀行から債権を引き受ける役割を果たします。

銀行側がローンの貸倒れに対して保険をかけているといった認識で構いません。

 

保証料の支払い方は2パターンあります。

  • 購入時に一括で支払う
  • 金利に上乗せして分割で支払う

 

資金に余裕があれば一括で支払った場合の方が支払総額は安くなることが多いです。

ただし、投資目的で購入する場合はできる限り現金を手元に蓄えておいた方が良いため、多少金利が上がっても分割支払にするのがおすすめです。

 

④印紙税

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金銭消費貸借契約書、不動産売買契約書の2つには印紙税を支払う必要があります。

 

⑴まず、金銭消費貸借契約書とは金融機関から融資を受ける際に交わす契約書のことです。

金銭消費貸借契約書の場合は借入額に応じて印紙の代金が変わります。 

借入額 印紙代
1,000万未満  1万円以下
1,000~5,000万未満 2万円
5,000万~1億未満  6万円
1億~ 10万円以上

 

⑵不動産売買契約書とは不動産売却、購入の際に交わす契約書のことです。

不動産売買契約書の場合は物件価格に応じて印紙代金が決まります。↓

物件価格  印紙代
1,000万未満  5,000円
1,000~5,000万未満 1万円
5,000万~1億未満  3万円
1億〜 6万円以上

 

不動産売買契約書は印紙税の軽減措置を受けているため価格に対する印紙代が半額ぐらいになっています。 

 

⑤登記費用

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購入した不動産の所有権を表すためには所有権登記が必要になります。

さらに、購入時にローンを借り入れる場合は物件に抵当権も設定しなければなりません。

(抵当権とは担保権の一種で、借入者のローンの返済が滞った際に金融機関側が優先的に不動産を処分して残金を回収できる権利です。)

 

この所有権登記、抵当権登記の費用は、

登録免許税+司法書士の手数料

となります。

 

登録免許税とは登記をする際にかかる税金です。

評価証明書と呼ばれる市区町村で取得できる書類に固定資産税評価額が記載されており、その額を基準に算出されます。

 

ただ計算が複雑なので、基本は仲介業者に見積もりを聞くのが良いと思います。

どうしても気になる方向けに分かりやすい登録免許税の手引きのリンクを貼っておきます。↓

登録免許税(登記費用等)|平成31年(2019年)度税金の手引き|三井不動産リアルティ株式会社

 

⑥不動産取得税

不動産を購入した際には不動産取得税がかかります。

 

登録免許税と同様に評価証明書に記載される課税標準額を元に計算されます。

こちらも税金控除特例や物件の土地持分等の複雑な要素が絡むので、仲介業者に見積もりをお願いするのが安定します。

 

より詳しく知りたい方はこちらです↓

不動産取得税|平成31年(2019年)度税金の手引き|三井不動産リアルティ株式会社

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⑦火災保険料

不動産購入の際には火災保険等に入るのが一般的です。

保険に加入しておけば、火災や地震、水災などの被害を物件が受けた際に補償料を受け取ることができます。 

 

肝心の保険料ですがピンキリです。補償額を物件価格の8割にするか10割にするか、火災以外にも水災から盗難まで幅広くカバーするか等様々な要因が絡んで決まります。

そのため、付けたい補償を選んでから保険会社に問い合わせるのがいいと思います。

 

プランごとの保険料はどの会社も大差ないです。いくつかの保険会社に見積もりを出してもらい条件が良いものを選びましょう。

一つ言えるとすれば、大手であれば保険の支払い余力があるので、大規模災害時もパンクしにくく安心感があります。 

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居住用でも投資用でも必須知識

不動産購入時にかかる7つ諸費用について理解できたでしょうか。

 

居住においても、投資においても物件購入の資金計画は重要です。

諸費用の目安をつけておくことで、無理のないローン計画が立てられますし、急な出費に備えて手元金を確保しておいたりとライフプランの幅が広がります。

 

また、購入の諸経費だけでなくランニングコストも同じくらい重要な要素なのでよかったらコチラの記事も見ていただけますと幸いです。↓

 

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上記は不動産投資関連の記事ですが、居住用の観点でも当てはまる項目が多いので僅かながらでも参考になればと思います。

不動産投資の維持費用はどんなものがある?|利回り計算に必須の4項目を紹介

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投資物件の利回りがいくら高くとも、ランニングコストも同時に高ければ利益は微々たるものになります。

 

費用を抑えることと、利益を増やすことは同義です。

 

見せかけの利回りに騙されないためにも、不動産の維持には「何の費用がどれくらいかかってくるのか」を把握しましょう。

 

 

不動産にかかる4つの維持費用

大きく分けて投資不動産には4種類の維持費用が存在します。

  • 建物管理費
  • 賃貸管理費
  • 修繕費用(リフォーム等)
  • 固定資産税・都市計画税

 

この4つの維持費用を当てはまる不動産ごとに表にするとこのようになります。↓

  建物管理費 賃貸管理費 修繕費 固都税
区分投資
アパート投資
戸建て投資  
土地活用投資      

※ ○が付いている項目は、維持費としてかかることになります。

 

この4項目は実質利回りの計算にも必要になるので、不動産投資の必須知識です。


それでは、これら4つの維持費用について項目別にみていきましょう。

 

①建物管理費

建物管理費とは、共用部の清掃や区分所有者の毎月の支払いの管理などを請け負う建物管理会社に対して支払う費用です。

  

管理費の相場は150円〜200円/㎡の間です。 

専有面積70㎡の部屋であれば、10,500円〜14,000円程になります。

ただ、毎月の清掃回数や管理人の勤務頻度などの要因によって相場が上下しますので注意が必要です。

 

特にタワーマンションでコンシェルジュが常駐していたり、室内プールを備えていて、設備とグレードが充実していればその分の建物管理費はもちろん上乗せされます。

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建物管理会社を選ぶ時

⑴区分所有の場合、管理会社を選ぶのは区分所有者、もとい管理組合です。

管理がずさんだったり、支払いに見合った仕事をしていなければ、総会で管理会社の変更を提案しましょう。

ただし、区分所有の場合は決議を通すために他の区分所有者の半数の賛成が必要になります。

 

⑵戸建てやアパートなど、一棟丸々物件を所有しているのであれば好きなように管理会社を選べます。

何社かに相見積もりをとって最も条件がいい管理会社を選びましょう。

もしくは自主管理という形で管理会社を設けずに投資家自身が管理人になることもできます。

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②賃貸管理費

賃貸管理会社の主な業務としては、

  • 賃借人の募集
  • 家賃の集金
  • 入居者からのクレーム、急な要望への対応
  • 修繕やリフォーム業者の紹介

が挙げられます。

 

賃貸管理費の相場ですが、家賃の5〜10%ぐらいですね。

7万円の家賃であれば、約3,500〜7,000円程が毎月賃貸管理費としてかかることになります。

 

賃貸管理会社がいなければ、入居者がカギを無くしてマンションに入れないなどの緊急時にオーナー自ら対応しなくてはなりません。

なので、遠方の不動産を所有しているような場合には必須だと思います。

 

また、戸建て投資の場合は家賃の入金確認ぐらいしか業務がないので賃貸管理も建物管理も利用しない投資家もいます。

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③修繕費用(リフォーム等)

戸建てやアパートなど、一棟所有の場合は修繕積立金制度がありません。そのため、オーナーは賃料収入から修繕費を捻出する必要があります。

 

損傷箇所が見つかればその都度手元資金で修繕する形をとるため、修繕費費用をある程度見込んで資金を貯めておくことが大切です。

 

目安として室内の修繕費用を表にします。↓

室内修繕(70㎡) 表層 30~50万円
水場 200~300万円
床貼り替え 60~75万円
建具 40~55万円
給湯設備 8~12万円
エアコン 7~10万円
フル内装 500~700万円

 

大体、新築から15〜20年ぐらいは床、建具、水場設備は持ちます。(アクシデントがなければ)

その間は表層リフォームでつなぎ、15〜20年前後で設備等に不具合が出始めたら交換しましょう。

 

また、エアコンは保って10年、給湯器は15年程なので水場や床より早く交換の必要が出てきます。

冬場に給湯器が壊れると結構なクレームになるので特に気をつけましょう。

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一棟修繕の場合はRC、鉄骨造、木造で大きく修繕費が変わります。

加えて、建物の形状や総戸数によっても左右されるため相場の目安をなんとも伝えづらいので実際の例を2つあげます。

 

⑴一棟RC

総戸数:20戸

運用期間:30年

部屋:ワンルームタイプのみ

修繕総額:約2,700万円

 

 ⑵木造アパート

総戸数:12戸

運用期間:30年

部屋:ワンルームタイプのみ 

修繕総額:約900万円

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修繕積立金(区分投資の場合)

修繕積立金とはマンションの外壁や共用部の修繕工事に備えて、区分所有者から毎月徴収して積み立てておく資金のことです。

漏水や災害でマンションが損害を被った緊急時にも、この修繕積立金を用いて建物を修繕します。

 

修繕積立金は相場額が当てになりません。

たとえ現在が相場額であっても、今後の修繕計画によっては増額や一時金が必要になるケースがあります。

 

一応、国土交通省のガイドラインでは150〜250円/㎡が適正額として定められています。

 

修繕積立金についてもっと詳しく知りたい方のために、以前まとめた記事があるので貼っておきます。↓ 

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④固定資産税・都市計画税

不動産を所有している場合、固定資産税が年に一度課税されます。加えて、不動産を都市計画区域のうち市街化区域内で所有している場合には、更に都市計画税も同時に課税となります。

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この2つの税額は課税標準額という一定の基準を用いて算出できます。

所有する不動産の課税標準額は、物件の所在する市区町村の役所で評価証明書を取得すれば記載されています。

 

計算式は、

課税標準額× 1.4%=固都税額

です。

 

※都市計画税は0.3%。

 

また、市区町村や不動産の規模や条件によって様々な減税措置があります

専門的な知識が多いため基本的には自身で計算するより、購入物件の所有者や仲介に頼んで納税通知書を見せてもらうのが間違えがなくオススメです。

 

※評価証明書に記載される課税標準額が土地で30万円、家屋で20万円以下の場合は非課税となります。

 

納税方法ですが、年に一度市区町村より納税通知書が届くのでそれに従い納税します。

納税を4分割に分けて行うことも可能ですので、その都度手持ち金と相談しましょう。

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 利回り計算に必須の知識

明確なキャッシュフローの計算は優良物件探しの第一歩となります。上記で紹介した維持費用は、どれも利回りの計算には必須の項目です。

収支計算ができれば、購入後の運用計画もスムーズにいきますし投資失敗の確率を大きく減らす事ができます。

また、見せかけの利回りに引っかかってしまうのを防いでくれますから、自分を守る武器としても利回り計算の知識はもっておきましょう。

 

利回り計算の仕方をまとめた記事です。↓

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表面利回りと実質利回りの違い【不動産投資の成功と失敗の最初の分かれ道】

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不動産投資を始めるなら、一番気になるのは利回りではないでしょうか。

簡単に言うと、利回りとは投資資金を何年で回収できるかの割合です。利回り10%であれば投資資金を10年で回収できます。

 

そして、そんな利回りは大まかに分けると表面と実質の2種類があります。

今回はその代表的な2種類の利回りについて、簡単な例を交えつつ解説していきます。

表面利回り

表面利回りは不動産投資で最も一般的な利回りの表し方であり、多くのポータルサイトや販売図面で使われています。

 

計算式は、年間収入 ÷ 物件価格です。

 

【具体的な計算例】

  • 家賃収入 :10万円(月額)
  • 物件価格 :2,400万円

 

①まずは月々の家賃収入をかけ合わせて、年間の収入を計算します。

 

10万円(月額家賃)×12(ヶ月)
120万(年間収入)

 

②次に年間収入を物件価格で割ります。

 

120万円(年間収入)÷2400万円(物件価格)×100

5%(表面利回り)

  

このように簡単な計算で物件の収益性を手早く推測できるのが表面利回りの利点です。

その反面、不動産の維持費用や購入時の諸費用が計算に組み込まれていないので、実質利回りと比べて収支の正確性が低いです。 

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実質利回り(NET利回り)

先程の例を踏まえて、実質利回りでの試算も見ていきましょう。

 

実質利回りは、

(年間収入 − 維持費用) ÷ (物件価格 + 購入の諸経費) 

で算出されます。

 

表面利回りの式にはない、維持費用と購入の諸経費が新しく追加されました。

この二つの費用が計算に加わることによって、より正確に利回りを計算することができます。

 

では、実質利回りの具体的な計算例を紹介する前に、この維持費用と購入時の諸経費とは何なのかを見ていきましょう。

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維持費用 

不動産の維持のためには様々な費用がかかります。 

  • 建物管理費
  • 賃貸管理費
  • 修繕積立金
  • 固定資産税・都市計画税(固都税)etc....

 

実際の年間収入を計算するために、投資不動産ごとにかかる維持費用を年間収入(家賃12ヶ月分)から引きます。 

  

投資不動産の種類ごとの維持費用をグラフにするとこんな感じです。↓

  建物管理費 賃貸管理費 修繕積立金 固都税
マンション
アパート  
戸建て    
土地      


不動産の維持費用について詳しい解説はコチラ↓

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購入の諸費用

 物件購入時には様々な手数料や税金がかかります。

  • 仲介手数料
  • 登記費用
  • 不動産取得税
  • ローン事務手数料 etc..

 

実際の物件取得費用を計算するために、上記の手数料や税金を物件価格と合算する必要があります。

 

物件取得の際にかかる主な諸費用を表にしました。↓

仲介手数料  (物件価格×3%+6万円)×消費税
ローン事務手数料 物件価格×2%
登記費用   登記にかかる税金+司法書士の手数料
不動産取得税  固定資産税評価額による
その他 印紙や火災保険料など

 

詳しい諸経費の解説や計算についてはこちらの記事を参照ください。↓

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実質利回りの計算 

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これまで年間費用と購入の諸経費について簡単な解説をしましたので、いよいよ実質利回りの計算を考えていきます。

 

投資不動産は一般的な区分所有を選びました。

東京の平均表面利回りである5%を主軸において、他の項目は仮の数字を当てはめていきます。 ↓

年間収入 120万円
建物管理費 0. 5万円(月額)
賃貸管理費 0. 5万円(月額)
修繕積立金 1万円(月額)
固都税 5万円(年額)
物件価格  2,400万円
仲介手数料  80万円
不動産取得税  15万円
登記費用   10万円
ローン手数料 50万円

 

①まずは、実際の年間収入を計算します。

先ほどの表から関連部分を抜き出しました。↓

年間収入 120万円
建物管理費 0. 5万円(月額)
賃貸管理費 0. 5万円(月額)

修繕積立金

1万円(月額)
固都税 5万円(年額)

 

年間収入−維持費用=実際の年間収入

なので、数式に当てはめると、

 

120万(年間収入)

− 12万(年間修繕積立金)

− 6万(年間建物管理費)

− 6万(年間賃貸管理費)

− 5万(固定資産税等) 

= 91万円(実際の年間収入)

 

実際の年間収入は91万円となりました。

 

②次に実際の物件取得費用を計算します。

物件価格  2,400万円
仲介手数料 80万円
不動産取得税 15万円
登記費用 10万円
ローン手数料 50万円

 

表内の費用を全て合算すると、

2,400万円(物件価格

+80万円(仲介手数料

+15万円(不動産取得税

+10万円(登記費用

+50万円(ローン手数料

2,555万円(実際の物件取得費用)

 

実際の物件取得費用は2,555万円となります。

 

③実質利回り計算

 

実際の年間収入÷実際の物件取得費用×100

=実質利回り

のため、数式に当てはめると

 

91万円(実際の年間収入)

÷2,555万円(実際の物件取得費用) 

×100(%)

3.561644.....

 

この例の実質利回りは約3.5%です。 

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2つの利回りの違い

表面利回りと実質利回りの違いが理解できましたでしょうか。 

簡易的に不動産の収益を計算する時は表面利回り、より明確に収益を測るならば実質利回りの計算が適しています。

 

そして、投資物件を購入する際は必ず、実質利回りで計算をしましょう。

表面利回りが高くとも、ランニングコストが高額で実際の収益性が低い物件が不動産界には多く存在します。 

それら負動産の購入を避けるためにも、最低限の収支計算はできるようにしておきましょう。

おすすめの投資セミナー

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様々な記事を読んで内容の理解はできても、実際に行動に移すまでには心理的な壁があるものです。

 

そこで、オススメの不動産投資のセミナーを3社紹介します。

もし、そこで自分には向いてないなと思うならば投資自体をやめればいいですし、ネットで100記事読むよりは一度セミナーに行ってプロに教えてもらう方が手っ取り早いです。

百聞は一見に如かずですから、思い切って休日にでも参加してみてはどうでしょうか。

 

①株式会社グローバル・リンク・マネジメント

この会社は、東京を拠点にしている不動産投資の大手です。

東証一部に上場していて、本社は渋谷のマークシティに入ってます。 

業務は不動産賃貸管理から売買まで広く扱っているので、「購入した物件の賃貸の仕方がわからない」や「投資物件の出口戦略を知りたい」といった悩みも解決でき、不動産投資の初心者向けです。

会社自体が有名ですし、セミナー参加費も無料なので気軽に参加できるのでオススメします。↓

 

株式会社ジー・ピー・アセット

こちらも不動産投資をメインに行う株式会社です。

女性専用セミナーがあり、男性ばかりで女性には受けづらいセミナーも気軽に参加できます。↓

 

 

 ③ハイコネクション株式会社 

 こちらは、セミナーとは少し異なるのですが不動産投資コンサルを複数社紹介してくれます。

自分の投資の方向性と合った提案をしてくれるコンサルタントとの巡り合わせが期待できます。↓

 

自分で不動産を簡単に査定する時に役立つサイト4選【マンション編】

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査定に役立つサイト4選

マンションを売却する際に自分のマンションってどれくらいで売れるのか相場が気になになりますよね。

そんなあなたに現役不動産営業マンが査定の時に使っているサイトを一挙公開します。 

不動産会社に査定を頼む前に、自分である程度の目安をつけておくことは大切です。折角の資産の売却ですから1円でも高く売りましょう。 

①マンションマーケット

このマンションマーケットには、マンションの売買履歴が豊富にアップされています。

 

またその他にも、同じマンション内で販売中の物件もピックアップされていたり、賃貸に出した時の家賃相場まで広くまとめられています。 

一言でいえば超優秀です。

課金コンテンツさながらの情報を、メールアドレスとその他簡単な個人情報の登録だけで無料で見ることができます。

②マンションレビュー

マンションレビューは、マンションマーケットと近しい機能がそろっています。つまりこちらも超有用なサイトです。 

 

まず、物件トップから売買履歴を見ることができます。 加えて、賃貸情報や販売中物件まで様々なコンテンツがあるので、売却でなく賃貸収入を得る方向にプラン変更する場合にも役立ちます。

また、マンションマーケット同様に無料で閲覧できます。

③不動産ジャパン

皆さんはレインズを知っていますか。

不動産会社のみが登録、利用できる不動産情報サイトです。査定の際に私たち不動産会社はこのレインズを利用しています。しかしながら、守秘義務の観点から一般人には公開されていません。

 

ただ、この不動産ジャパンはレインズの情報を事実上公開しています。

恐ろしいクオリティで、尚且つ民間企業の発信できる情報量を遥かに超えています。

 

築年数や専有面積、最寄り駅など細かく設定できるので、売却予定のマンションの別室が今いくらで売りに出ているかを調べることができ便利です。 

また、周辺の相場観もつかめるのでこの額以下であれば売らない!といった線引きもできますね。

 

Web屋の芝生DIYさんが、非常に細かくサイトの使い方を説明されていらっしゃったのでリンクを貼っておきます。↓

web-diy.jp

④REINS Market information

REINS Market informationはレインズが一般向けに公開している成約事例等が閲覧できるサイトです。不動産流通機構というレインズを運営している大元が管理運営をしているので情報の精度は高いです。

 

REINS Market informationは以前まで私のPCで閲覧できたのですが、記事の作成にあたって確認したところ検索ボタンがグレーアウトしてしまっており、クリックできない状態になっていました。

 

もしかすると、別のPCであれば閲覧可能かもしれませんが詳細は不明です。今後、私のPCで閲覧できるようになりましたら追記します。 

査定の仕方

査定にあたって不動産業者は坪単価ベースで計算をします。

 

例えば、5階建で1Fが坪240万円、5Fが坪260万円で売りに出ているマンションがあったとします。 

今回あなたの売却予定の住戸が3Fだとすると、240万と260万の間をとって250万円程が坪単価になると推測できますね。

 

 後は簡単です。

まず、専有面積×0.3025で坪数が計算できます。

専有面積が75㎡であれば、0.3025をかけて22.68坪となります。

 

この坪数に坪単価をかければ売却予想価格が算出できますので例にならって計算すると3Fは、

22.68(坪数)

×250万(坪単価)

=5670万(査定額)

が売却予想額となります。

所在階とリノベーションの有無

マンションマーケットの売買履歴には、リノベーションの有無が記載されています。

このリノベーションによって付加価値をつけられたマンションは、相場より高めに販売額が設定されます。なので、リノベーションされていない物件とリノベーション済みの価格差を調査してみましょう。

 

現状価格とリノベーション後の価格差が大きく開いていれば、自分でリノベーションをしてから売却すればその分の利益を得ることができます。 

 

一方、マンションレビューには過去の中古販売履歴の欄に所在階が記載されています。

基本的にマンションは高層階になるにつれて、眺望や風通しの面から優遇されます。そのため、明確に所在階が記載されていることは大きなメリットになりますね。 

マーケットとレビューを照らしあわせよう 

新しいタブで2つのサイトを開き、共に売買履歴のページを開きます。

もしくはプリントアウトできれば書き込めるので◎です。

 

まず、販売年月、間取り、向き、専有面積、販売価格、向き方角、坪単価は両サイト共通の事項ですね。

 

違いは所在階とリノベーション済みかどうかなので、上記の販売価格や専有面積が同じ物件を見つけて照らし合わせれば、所在階とリノベーションの有無をどちらも把握することができます。

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室内状況を考慮する 

査定額が落ちる要因は様々ですが、多いケースはタバコのヤニ汚れや設備の老朽化ですね。自分のマンションを購入された方の負担になる要因は差し引かなければなりません。

 

ゴミ屋敷のまま売りに出すケースであれば、残置物の撤去費用、クロスや床の張替え、キッチン風呂場含め設備の交換まで視野に入るので当然査定額は落ちます。 

 

そのため、マンションの箇所ごとの修繕費用を簡単に把握しておきましょう。

残置物の撤去費用

冷蔵庫やテレビなどの家電は処分費用が高額であるため注意が必要です。また、混合廃棄物と呼ばれる様々な材質のゴミが混ざっていていて分別が困難な場合も費用が高くなります。

 

目安ですが、80㎡の居室にゴミや家電が詰め込まれたような物件の残置撤去を先日業者に頼んだところ総額で70万円程かかりました。 3tトラック4台分の残置物があったそうです。

クロスの張替え

タバコのヤニ汚れや臭いが残る場合はクロスの張替えをお勧めします。張替え費用は、壁1㎡あたり800〜1000円程です。

 

ファミリータイプの物件の壁と天井全て張替えるとすると300㎡分ぐらいはクロスが必要になります。ざっと、30万程はかかる計算です。

水場設備の交換

水場の総取り替えはファミリータイプのマンションで200〜300万前後かかります。ここでいう水場とは、キッチン、浴室、洗面台、トイレを含めた水洗関連設備全てですね。

 

水場設備が破損することは稀ですが、買い手から見て明らかに汚いと感じるような状態であれば修繕費用として差し引いておいた方がいいかもしれません。

床の張替え

床に大きな傷があったり、浮いてしまっていて床鳴りがするような場合は修繕が必要となります。

 

床まで張り替えるとなると、専有面積の1㎡あたり1万円ぐらいが相場だと思います。床の組み方やマンションの駆体の状態によって金額は多少変わってきます。

 

大きく費用が発生する項目は上記の通りです。これらの費用を売却予想額から差し引いて査定を終わります。 

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売買仲介に売却を依頼する

自分のマンションの相場や査定額がわかってきたら、売買仲介に売却の依頼をしましょう。

この売却依頼の契約を、媒介契約といいます。

 

媒介契約を結んだら自分の物件がレインズやポータルサイトにしっかり掲載されているかを確認しましょう。

レインズからは不動産業者の反響を、スーモなどのポータルサイトからは一般人の反響を得ることができます。

 

もし、レインズにもポータルサイトにも物件が掲載されていなければ、店舗での直接紹介以外で買い手が見つからないため集客力が格段に下がります。

必ず仲介に確認しましょう。

お勧めの売買仲介

オススメの売買仲介ですが、顧客の集客力が高く尚且つ物件の周辺に店舗がある業者がいいと思います。

やはり、有名で集客力があればそれだけ自分のマンションを買い手に紹介してくれる機会が多くなります。

 

物件近辺の店舗については、特定の地域で物件を探す人はその地域の不動産屋にお願いするケースが多いためです。東京の物件を探すのに神奈川の仲介にお願いしても案内の効率が悪いですよね。

 

もし、街の不動産を探す時間がなければ、不動産売買仲介で日本各地に店舗があり、大手で集客力が高い野村不動産アーバンネットのノムコムに簡単査定をお願いするのもいいと思います。

 

単純に会員数が10万人と非常に多く、購入希望者が見つかりやすいです。査定依頼をすれば、物件近くの店舗の担当と繋いでくれるのでスムーズな売却に一役買ってくれます。

まとめ

マンションのの査定に役立つ4つのサイトと簡単な査定方法を紹介させていただきました。

 

それぞれのサイトが発信してる情報を照らし合わせて、総合的に売却価格の目安を決めることが大切です。

自分のマンションの相場観を捉えているのといないのとでは最終的な売却額に必ず差が出ます。

 

つまり、「いくらで売れれば満足、これ以下の金額では売らない!」といった明確なボーダーを持つようにしましょう。

追記

戸建ての場合、接道の状態、建物面積、高低差、擁壁など査定に関連する要因が専門的かつ複雑です。そのため、不動産知識を持ち尚且つ社内データを活用できなければ査定が難しい現状になっています。

言ってしまえば、戸建ての査定にはさじ加減の側面が強くあります。

これは、近い将来AI技術が進化しても変わらないため戸建ての完全自動査定サイトは生まれることはないでしょう。

反面、マンションは棟内で売買履歴が豊富にあり、住戸ごとの比較が容易です。室内の利用状況に違いはあれど、その点を加味しても大まかな査定額の試算は難しくありません。

そのため、今後5年もしない間にAIを用いたマンションの自動査定サイトが生まれるのではないかと私は思っています。 

超初心者ブロガーが記事数6つでグーグルアドセンスの審査通過した経緯【はてなブログ】

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この度、はてなブログ開設より6記事目でグーグルアドセンスに合格することができました。 何故合格できたのか自分の記事の考察や振り返りをしたいと思います。

 

私自身、ブログについては9月に始めたばかりでして、殆ど初心者に近いためそこまで詳しい知識はありません。

 

ただ、初心者には初心者の目線が役立つこともあると思います。

現在のアドセンス審査と過去のアドセンスの審査は多少なりとも視点が変わっているかもしれません。

それらも踏まえて気楽に記事を見ていただけますと幸いです。

審査通過時の記事数

合格までに6記事でした。

 

私は2019年9月5日に記事を初投稿しまして、合格は9月27日でしたので毎日投稿はしていません。

大体、平均して3〜4日に一度ぐらいの投稿頻度です。

 

ネットでは、審査通過のためには毎日投稿!記事数30以上!みたいな内容のサイトが多いですが、この結果を踏まえてみると、そこまで記事の投稿頻度や数は現在の審査には関与しないのではと思います。

1記事あたりの平均文字数

合格までの6記事の文字数を平均すると3,665文字です。

一番文量が多い記事は7,000文字ほどで、逆に1番少ないものは2,172文字でした。

ブログを始めるにあたって検索上位サイトの文字数を調べたところ5,000文字近い記事が多かったため、出来る限り1記事あたりの内容を拡充させることに務めました。

 

以下、記事ごとの文字数です。

  • 1記事目:3,693文字
  • 2記事目:7,185文字
  • 3記事目:2,172文字
  • 4記事目:3,341文字
  • 5記事目:4,123文字
  • 6記事目:2,841文字 

 

平均して3,000文字近く書いていれば、合格ラインなのでは?と思います。

記事の内容は不動産関連の特化型

記事のコンテンツは不動産関連のみです。

私自身が不動産会社に勤めていますので、それについて知っている情報をまとめていました。完全に特化型ブログですね。 

文体は基本的には丁寧語です。たまにフランクな話し方を混ぜたりしています。

 

最初の1〜3記事まではウケ狙い多めの感じで書いていました。

例として2記事目を載せます。

www.re-kaitoriya.com

このマンション買取業者の仕事内容の記事に、白いバッファローの出生率について画像と共に掲載しています。自分でも何故この様なことをしてしているのかよく分かりませんが、一応はセーフのようです。

 

残りの3〜6記事までは堅い内容です。不動産関連のまとめみたいな形で書いています。

例としてはこのような具合です。

www.re-kaitoriya.com

この結果をふまえると、記事の内容に統一性がある方が審査通過しやすいのではと思います。俗に言う特化型記事ですね。

レイアウトは見出しのみ変更

はてなブログのテーマは初期のままです。

変えられるということすら当時知りませんでした。

 

また、目次のレイアウトも殆ど変えていません。

とりあえず、目次に目次という文字を入れたぐらいです。

 

見出しのレイアウトは多少変更しました。

参考にしたのはこちらの2つのサイトです。 

www.3939life.com

 

saruwakakun.com

 

見出しのデザインは、はてなブログのデザインCSSにコードをコピペすれば簡単に変更できます。

一応、大見出しと中見出しはオレンジを基調としたデザインにしています。小見出しはブログの編集画面の文字色変更のみで、青色にしています。

※現在の見出しは、緑と青の爽やかな感じになっています。

アクセス数の9割はSNSから流入

アクセス数は雀の涙です。

確か9月5日〜27日までで合計300アクセスほどでした。↓ 

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このアクセスの9割はTwitterからです。ブログ開設と同時にTwitterもアカウント作成して運営しています。

現在フォロワーは100人くらいですかね。

はてなブログProに変更

私は9月5日の記事投稿と同時にはてなブログProにプランを変えています。

Proに変えた理由は初期投資がなければいずれブログをやめてしまうと思ったためです。所謂、背水の陣ですね。退路を絶って、自ら継続せざるを得ない状態を作り出しました。

 

Proに変えたことによって、独自のドメインを利用できるため多少は審査に影響があったのかなと思います。

ドメインの取得

ドメイン取得の理由もProに切り替えたのと同様です。とにかくブログを続けるための理由作りとして取得してみました。

https://www.re-kaitoriya.com

また、ドメインを持っているとグーグルアドセンスやその他の広告の審査に通りやすいと知人が言っていたのもあります。

 

ドメインを取得しておけば、はてなブログ以外のブログサービスに移行する際も苦労が減りますし、グーグルの信用も引き継げるといったメリットがあります。

2記事目でアドセンスに申請

初めてグーグルアドセンスを申請したのは9月12日です。この時の記事数はわずか2記事でした。

 

ただ申請と同時に、アドセンスへのドメイン登録が上手くいかずに四苦八苦することになります。

「お客様のサイトにリーチできません。」といった警告が毎回出てきてしまうのです。

 

このリーチできない問題に関しては、ドメインがhttpsからでもhttpからでもブログに飛ぶことができるようにすれば解決します。(リダイレクト設定というらしい)

 私の場合、ドメイン取得がお名前.com からだったので設定を弄っていたらなんとかなりました。

リダイレクト設定のやり方

かなり直感的ですが、やり方を記しておきます。

  1. お名前.com にログインする。
  2. 右上の「オプション設定」をクリック
  3. 左側の「転送Plus」の項目にある「URL転送設定」をクリック
  4. 100円ぐらい払って「DNS追加オプション」の契約をする。
  5. 「転送情報」をクリック
  6. 「www.転送設定」の項目の「www.なしのみ」にチェック
  7. 「転送先URL」に、httpsから始まる自分のブログのドメインを打ち込む。
  8. そこから下は「ON」「リダイレクト転送」「301」の順で全て左側にチェックする。
  9. 保存して、有効にして、半日ぐらい待つ。
  10. 転送設定完了のメールがお名前.comから届く。
  11. グーグルアドセンスにドメイン登録できるようになって、リーチできない問題が解決する。
アバウトですが、2019年9月現在はこんな感じで解決しました。

ブログ名

ブログ名は「不動産はドラマ」です。

正直、ブログ内にドラマの要素はありません。

 

開設当初は、不動産売買には様々な理由があり、その1つ1つに人間模様が現れるのだということを伝えたかったのですが、それについても記事内では一切触れていません。

なので、読者やグーグル側も何故このブログ名なのか理解できていないと思います。

 

しかしながら、ブログ名と記事の内容に相関性がないかと言われれば、不動産という文字は被るため多少はあると思います。ただ、深掘りするとなぜドラマなのかについては言及されていません。

なので、ブログ名はアドセンス通過にそこまで影響を与えないかなと思います。

 画像の出所

画像はPhotoACというサイトに登録して、そこから取得しています。↓

www.photo-ac.com

著作権侵害になってしまうのが怖いため、ネットから拾ってきた出所のわからない写真は貼り付けないようにしています。

 

また、一応圧縮して軽くしてから貼り付けています。↓

compressjpeg.com

さいごに

記事の文字数と内容の一貫性がグーグルアドセンスの審査通過のための最重要項目なのではと思っています。

なぜならば、当ブログはその二つ以外に誇れるものがないからです。

 

SEOはほぼ無知識ですし、はてなブログ内の設定についてもわからない言葉が多すぎて放置しています。 

そのため、今後グーグルアドセンスに挑戦しようと考えている方はこの2点を気にしてみてはいかがでしょうか。 

【不動産投資のプラットフォーム】不動産投資の基本やノウハウを網羅!

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このサイトは、現役不動産マンが作る不動産投資のノウハウや情報をまとめたプラットフォームです。

私が過去に物件を流した現役の投資家とともに、仲良く2人でこの記事を書いています。

 

現在不動産投資を検討している方や、すでに投資を始めている方々の助力となれましたら幸いです。

現状未完成ですが、日々更新を続けていく予定でいますので何卒お願いいたします。 

不動産投資とは?

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不動産投資には大きく分けて二つの収益を得る方法があります。

  • 所有する不動産を賃貸に出して継続的な収益を得ること
  • 所有する不動産を売り渡し売却益を得ること

 

それぞれ、インカムゲイン、キャピタルゲインと呼ばれ不動産投資はこの二つの収益を根幹として成り立っています。また、マンションやアパートを筆頭に、戸建てやビルや土地まで様々な不動産が投資商品と成り得ます。 

凝り固まった考えは捨てて、自分の持てる全ての不動産を用いてこの投資コンテンツを攻略しましょう。

目指せ不労所得です。 

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ローン関連 

不動産投資は数千万円から場合によっては数億円の借金をして始めます。言ってしまえば自己資金に究極のレバレッジをかけた投資です。 失敗すれば、多額の借金を追いますし行く末は自己破産にもなりかねません。

 

ローンを制するものは不動産投資を制します。 

そもそも、ローン組まずに現金一括で不動産投資をすれば殆どの場合成功しますが、そんな大金持ってる人は一握りで一般的には投資ローンを組んで購入を考えるものですよね。  

なので、不動産投資をこれから始めたいと思っている方へ最低限知っておくべき投資ローンの要点をまとめます。↓ 

www.re-kaitoriya.com

 

利回り関連

利回りとは投資物件取得の費用に対して、毎年どれだけの資金が戻ってくるかの割合です。簡単に言えば、利回り10%であれば10年で投資金の元が取れることになります。

 

また、一口に利回りといってもいくつか種類があり、それぞれに長短を備えています。

この項目では代表的な利回りの種類と特徴、それに関連するコンテンツについて紹介していきます。

 

表面利回りと実質利回り

不動産投資における代表的な2種類の利回りについてまとめています。↓

 

イールドギャップ

金利と利回りの差はイールドギャップと呼ばれます。利回り%から金利%を引いた値が大きければ大きいほどイールドギャップが高く、収益が見込めます。  

 

例えば利回りの異なる物件AとBがあったとします。

物件Aは利回り10%、金利5%で融資が下りました。

一方、物件Bは利回り8%ですが金利2%で融資を組めたとします。

このケースだと、物件Bの方が利回りから金利を引いた値が大きいためイールドギャップの面で有利になります。

 

ただ、イールドギャップは表面利回りと同様に物件購入時の瞬間的な利率を表した数値であり、融資の返済期間を組み込んではいません。

返済期間が延びるほど返済総額は増えるので、あくまで一つの指標として捉えましょう。 

 

IRR(内部収益率)

IRRとは、投資物件の長期的な収益を予測する際に用いる手法です。

しつこいようですが、表面・実質利回りは瞬間的な物件取得時の収益性しか計算することができません。

一方、IRRの場合は賃料の下落や空室のリスクなどを仮定として計算に加えて見積もることができます。

 

IRRの計算式は分かりにくく電卓ではかなり面倒なので、エクセルを使うことをオススメします。エクセルであれば、仮の家賃やリスク費用を打ち込んだ後にそれを=IRR()の関数にドラッグするだけで数値を出せます。

IRRは金融機関に大きな額の融資を引っ張る際に提出する目論見書を作る際にも役立つため、気になれば詳しく調べてみてください。

 

IRRが何%であれば収益性が高いのかについてですが、5%を目安にしてかまわないと思います。

しかしながら、地域、物件の構造、材質、駅距離、築年数などでIRRの目安も変わりますので、その都度周辺の物件と照らし合わせて総合的に判断しましょう。

※IRRについての詳しい計算方法も当初記載する予定でしたが、文字数がかかりすぎるため控えました。

 

ぶっちゃけると投資家の方で実際にIRRまで明確に計算している人は少ないので、そこまで深入りしなくて大丈夫な分野です。

ビルや商業テナントを扱うような大規模投資では必須ですが、区分や地方一棟系投資であれば実質利回りを理解していれば十分だと思います。

 

収支シミュレーション

ここまで、ローン関連から利回り関連までの基本をまとめてきたので、それらを用いて簡単に収支計算をしてみましょう。

 

「不動産投資連合隊」さんの収支シミュレーターを活用します↓

www.rals.co.jp

 

物件価格、満室時想定年収、自己資金の三つを入力すればよいので本当に簡単です。尚且つ、返済後の利回りや年間支出額まで出してくれる優れもの。 

とりあえず、都心の利回り5%区分を突っ込んでみましょう。不動産投資の現実を教えてもらえます。

現在、気になる投資物件があれば収支シミュレーションしてみてください。

 

維持費用関連

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不動産を維持するためには、どのような費用がどれくらいかかるのかを把握しましょう。キャッシュフローの計算も正確になりますし、なにより維持費が抑えられればその分利益が増えます。

 

相場を知って無駄な出費を減らすことは投資の大原則ですね。

不動産のランニングコストについてまとめた記事です。↓

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売買の手数料関連

不動産売買の際には、仲介手数料をはじめとしてローンを借りるならば融資事務手数料や保証料等の様々な諸経費が必要になります。

 

実質利回りの計算にあった購入時の諸経費ですね。

この諸経費が増えれば増えるほど利回りは落ちますから、ちゃんと理解していないと当初の収益計算が狂ってしまいます。

 

利回り≒収益性ですから、できるかぎり明確な収支計算のために物件取得の諸費用がどれくらいかかるのかを理解しましょう。↓ 

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  修繕・建て替え関連

建物を所有するならば修繕を定期的に行わなければなりません。

適切な修繕を行わなければ資産価値の低下につながり、投資効率を悪化させてしまいます。

 

この項目では専有部のリフォーム費用や、一棟物における大規模修繕、建て替えの概要についてをまとめていきます。

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リフォーム費用

【区分所有】

区分投資であれば築20年を越えるまでは表層のみでOKです。表層とはクロスの張替えや、床のワックスがけなど簡単なリフォームのことです。

70㎡で50万円ぐらい見積もれば足りると思います。

 

その他のリフォーム費用ですが、室内を70㎡だと仮定すると、水場の総交換は200〜300万ほど、床の張替えは床の専有面積1㎡あたり1万円ほど、建具交換は約50〜60万円前後でできます。

 

間取りを変えるぐらい大掛かりなリフォームで、全設備新規の新築そっくりさんであれば500〜700万ぐらいは必要になります。

 

【戸建て】

基本的には室内リフォームの費用は区分と大きな差はありません。ただ、区分にはない外壁と屋根の修繕が必要になります。

外壁塗装は坪2〜2.5万円前後、屋根の修繕は50〜70万円ぐらいです。

 

その他にも、ブレーカーのアンペアが20Aで弱すぎたり、浴室を在来タイプからユニットバスに変更したりすれば別途費用がかかってきます。

 

【一棟RC】

  • 屋上防水の補修工事 12~18年ごと 8,000~12,000円/㎡
  • 外壁補修工事 10~15年ごと 1,000~30,000円/㎡
  • バルコニー・開放廊下の防水補修工事 10~15年ごと 6,000~8,000円/㎡
  • 鉄部塗装工事 4~6年ごと 3,000~5,000円/㎡
  • 給水ポンプの取り換え 12~18年ごと 150~250万円
  • 給湯器の交換 10~15年ごと 8万円/台
  • エアコンの交換 10~15年ごと 10万円/

https://110web.net/large-repairより引用

 

 一棟物の全体的な修繕費は「一棟収益不動産投資専門の不動産BLOG」さんから引用させていただきました。

上記の一棟の物件にかかる修繕費用に加えて、区分所有の項目にある室内修繕費用がかかります。

 

これだけの多岐の修繕をオーナーが個人で段取るのは難しいと思うので、管理会社と相談しながら先の修繕計画を決めておきましょう。

 

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大規模修繕工事

大規模修繕工事とは、管理組合が作成した長期修繕計画に従って定期的に行われる大がかりな修繕工事のことです。

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12〜18年ほどの周期で行われ、外壁から配管、共用部まで手広く修繕します。修繕積立金の大半はこの大規模修繕工事の費用に当てられることになります。

 

大規模修繕の費用ですが、国土交通省の調査によると全体の35%のマンションが1,000〜3,000万円程、22.2%と全体の約1/4のマンションは3,000〜5,000万程が一度の修繕にかかっています。

 

建て替え

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リスク関連

投資にはリスクがつきものです。しかし、裏を返せばリスクを改善すればその分の見返りがあります。

リスクとはチャンスであり、数多のインターネットに貯蓄された不動産知識がその糸口を見つけてくれるはずです。誰も手を出さない物件こそ、なんらかの事情があり必ず改善の余地があるのです。

 

投資家たるものリスクをとっていきましょう。

この項目では不動産投資における代表的なリスクとその対策や解決策についてまとめました。↓

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不動産投資の種類

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収益不動産は様々ありますが、今回は個人でも手が出しやすい4種類に絞って紹介します。

それぞれの不動産がメリット、デメリットを備えていますので自分の投資スタイルにもっとも適した不動産を選びましょう

 

マンション

マンションは基本的にRC造(鉄筋コンクリート造)で建築されており、住宅用の耐用年数は47年です。

アパートや戸建てと比べて躯体が頑丈なため、耐用年数が長く、中古物件でも融資を組みやすいです。

その反面、修繕費が高く、利回りもアパート・戸建てより低くなる傾向にあります。

 

また、マンションは1住戸ごとに登記することができます。

普通は建物1つにつき1人の所有者ですが、マンション内には独立した複数の住戸があるので、それぞれの所有権を示すために区分して登記することが許されています。

これを区分所有と言い、戸建てやアパートにはないマンションの特有の制度です。

 

【区分所有投資】

区分所有投資とは、マンションの一室を単品で買い進めていく投資法です。

 

メリットは、

  • 一室のみの購入なので、自己資金や借入が少額で済む
  • 流動性が高く、購入や売却がしやすい
  • 総戸数が多いほど管理費・修繕積立金が安くなる
  • 駅近、商業地などの好立地な物件にも手を出しやすい

 

デメリットは、

  • 利回りが低めである
  • 一棟に比べ、空室時のリスク分散が難しい
  • 管理会社や修繕内容は区分所有者全員での多数決のため、融通がきかない

 

【一棟所有投資】

マンションを丸々一棟保有する投資法です。

 

メリットは、

  • 複数住戸を持つため、空室リスクの分散ができる
  • 管理会社などを自由に選べる
  • 土地の割合が大きく、建物も資産性が高いので融資を組みやすい

 

デメリットは、

  • 初期投資が高額になりやすい
  • 買い手が投資家や業者に限られ、出口戦略が難しい
  • 修繕計画や費用は全てオーナーが段取る必要がある

 

アパート

アパートを新築、もしくは中古で購入して賃貸する投資法です。

構造は木造か鉄骨造のため、耐用年数がRCと比べて短くなります。

つまり、RCと比べて減価償却の割合が高く、キャッシュを手元にためて別の物件に再投資をしやすいので個人的におすすめな投資法です。

※詳しくは、経費関連の「減価償却」の項目でまとめます。

 

また、アパートは原則区分登記ができないので、一棟所有のみとなります。

 

メリット 

  • 利回りが高い
  • RCに比べ初期投資(建築費、購入費)が安く済む
  • 修繕費もRCと比べて安く済む
  • 減価償却の割合が大きい
  • 解体費が安く、更地売りしやすい
  • 新築は融資が組みやすい

 

デメリット

  • 中古購入の場合、木造だと耐用年数が少ないため融資が組みにくい
  • 融資を受けられても返済比率が高めになる
  • 災害やシロアリなどの影響を受けやすく、致命打になりかねない
  • RCより騒音や防犯の面で劣る

 

戸建て投資

戸建ては木造が多く、上記アパートのメリット・デメリットが殆ど当てはまります。

 

異なるのは、

  • 一棟に対して複数の部屋がないため空室のリスクを分散しにくいこと
  • アパートほどの広い土地を必要としないため、初期投資は少なく済むこと
  • 基本ファミリー向けで入居の期間が長いこと
  • 管理会社が実質不要なこと
  • マンションやアパートと異なった立地にもニーズがある

の5点です。

 

特に管理会社が不要な点は大きなメリットですね。賃貸管理費がかからなければ、その分利回りが高くなります。

 

また、立地についてですが戸建て特有のニーズがあります。

戸建ては車庫や駐車地付きが多く、駅や商業地帯から多少離れていても生活利便が確保できます。そのため、マンションやアパートの場合と異なり、駅近やバス便が良好でなくとも一定の需要があるんですね。

商業地から離れた閑静な地域や、高速ICに入りやすい地域なんかをターゲットにしてみても面白いと思います。

 

【ボロ屋再生】

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ボロ屋を格安で買い取り、リフォームして貸し出す投資法です。

うまくいけば利回りが恐ろしいことになります。その反面、ボロ屋なので問題箇所が多く、修繕費用の見積もりが難しい点がリスクとして挙げられますね。

 

ボロ屋再生のリスクを最小限にとどめるためには、土地値−解体費の価格で買い取ることを心がけましょう。

 

最悪リフォームが難しくても建物解体から更地売りできますし、建物が無くなれば売却後に瑕疵担保の責任を負わなくて済みます。

 

【リースバック方式】

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リースバックとは、持ち家に居住中の方から戸建てを買取り、賃貸借契約を結んで引き続き住んでいただく手法です。

売主が賃借人になるのですぐに借り手を見つける必要はないですし、元々住み慣れた家のため賃貸の期間も長くなる傾向があります。

 

【プラスα】

リースバックに関しては不動産屋より、銀行や信金、税理士の方が案件を持っている可能性が高いです。

 

その背景には、銀行各社が行っているリバースモーゲージというローン商品が絡んでいます。

このリバースモーゲージとは、不動産を担保に入れて定期的に融資を受ける代わりに、利用者の死後に銀行が不動産の処分を行い元金を回収するといった商品です。

 

要は不動産担保ローンの死んだ後に回収してくれる版といったイメージですね。

不動産担保ローンだと毎月の返済が滞れば即座に不動産を処分されるので、それに比べれば死んだ後に一括返済のリバースモーゲージの方が安心して利用できるといった次第です。

 

ただ、リバースモーゲージにも欠点があります。

地価が安い地域の物件の取り扱いが難しいんですね。銀行側としては、融資分を取り返せる額で担保不動産が売却できなければ困ります。

 

例えば、不動産の担保価値が200万程で、毎月5万円も融資していてはビジネスとして成り立ちませんよね。

ですから、土地値が安く流動性も低い地域の物件はそもそもリバースモーゲージを組ませてもらえません。

 

また、リバースモーゲージの融資には使途の制限があり、生活資金以外に当てることは契約違反となります。

その他にも、同居人がいればその承諾が必要であったり、年齢制限があったり色々と融資を受けるまでの制約が厳しいのです。

 

そこで登場するのがリースバックです。

まず、資金の使途の制限はなく自由に使えます。不動産の売却ですからまあ当然ですね。売主にとっては大きなメリットです。

 

そして、投資家視点では確実に家賃収入が取れます。売主兼賃借人にとっては住み慣れた家であるため居住期間も長いです。

地方の高利回り戸建てであれば5〜7年で投資金を回収できますね。

 

最後に、ここ2〜3年でリースバックを行う業者がかなり増えました。

つまり、そういうことです。↓ 

www.re-kaitoriya.com

 

経費計上関連

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不動産投資は節税ができるという話を聞いたことはありませんか。 

その筆頭が減価償却という、経費を複数年に分けて計上できる形のない勘定科目です。ここら辺は簿記をやっていたり、会社経営を実際にしている方でないと、なんとも旨みや凄みはわかりづらいと思います。

そのため、この項目では法人化と経費による所得の圧縮効果についてをまとめていきます。

 

結局、不動産投資で財を成すならば法人化のプロパーローンで融資額を億単位まで引き伸さなければなりません。

本腰をいれて脱サラするなら一番重要な項目だと思います。

 

個人所有

個人で不動産投資を始める場合は、会社での給与所得と不動産投資の所得を合算した額に所得税が課税されます。

 

例として、給与所得が500万円、不動産投資の所得が100万円だと、

500万+100万=600万

この600万円が1年分の所得とみなされます。

 

この600万円の年収から、いくつかの控除分を引いて所得税率をかければ所得税額が計算できます。

 

酒井会計事務所が「年収別手取り一覧」をまとめていましたので、面倒な計算を省くためにリンクを貼っておきます。↓

www.sakai-zeimu.jp

 

表と照らし合わせると、年収600万円の手取りは約487万円となっています。

ただ、不動産投資事業では減価償却などの経費計上があるため、実際の手取りはもう少し多くなります。不動産の節税効果ですね。

 

その他、個人のメリットとしては税理士費用などが不要です。

所得合算して確定申告だけすればいいので、法人に比べて手続きも簡単なことが挙げられます。(小規模な時は)

  

法人所有

 

法人化する大きな理由は、 

  • 所得の分散による税金対策
  • 融資枠の増加 

の二つです。

 

なんだそんな単純なことか、と思いますがこれが非常に大切です。

 

法人税

まず、法人で不動産投資をする場合は、1年あたりの所得に対して法人税がかかります。

 

給与所得500万円、法人の不動産所得が100万円だと、

500万円には所得税、100万円には法人税の課税となります。

 

上記では法人税と一括りにしましたが、法人税は計算が面倒で、地方法人税、事業税、住民税などいろんな税金が絡んでいます。 

 

そのため、実効税率という形でそれらの税を合算し、実際に支払う税率を簡単な表にします。

法人の課税所得

実効税率

~800万円

約22~25%

800万円超~

約34~35%

※上記内容は中小法人の場合です。大企業はもう少し税率が低いです。

 

上の表の「法人の課税所得」に「実効税率」をかけあわせて法人税を算出します。

この実効税率には累進性があり、800万円を超えたからといって所得全てに税率がかかるのではなく、超えた分の所得に対して34〜35%課税さます。

 

また、「課税所得」とは収益から費用・損失を引いた当期の利益と同じような意味合いです。

 

年間家賃収入が500万円、費用・損失が100万だと、

約400万円が当期の利益≒課税所得額です。

 

400万円(課税所得)×22%(実効税率)

=88万円(法人税)

となります。

 

※厳密に言えば、益金ー損金=課税所得となります。益金と収益、損金と費用・損失は少し異なる点があり、収益にはできるが益金にはできない勘定などが存在します。

例えば、役員兼親族に報酬を多めに支払う場合は損金として処理できません。やってることは贈与に近いですからね。

法人について深掘りすると不動産投資から内容が大きくズレるため、概要のみを理解できるよう簡略的な説明をします。

 

法人化のタイミング

ここで気になるのが、所得がどれくらいになったら法人化したらいいの?という問題ですね。

 

ザックリですが、会社での給与所得と不動産所得の合算年収が600万程から法人化が視野に入ってきます。。※税率面では

 

もっと詳しく言うと、個人の課税所得金額が330万円を超える場合は法人化のメリットがあります。

 

個人所有の項目で少し触れましたが、個人の給与所得と不動産所得は合算されます。

そのため、年収600万前後で課税所得額が330万を超えるので、それに伴って税率のテーブルが上がり、所得税率>法人税率となります。

個人の課税所得金額(所得税+住民税) 所得税率 控除額
~195万円以下 15% -
195万円超え 330万円以下 20% 97,500円
330万円超え 695万円以下 30% 427,500円
695万円超え 900万円以下 33% 636,000円
900万円超え 1,800万円以下 43% 1,536,000円
1,800万円超え 4,000万円以下 50% 2,796,000円
4,000万円超え 55% 4,796,000円

出典:国税庁HP(エクセルで住民税率だけ足しました。)

 

大切なのは、法人を立てて個人の給与所得と法人の不動産所得を分けることです。

 

例えば、個人で給与収入400万、不動産所得200万の場合は計600万円に所得税がかかります。

個人の所得600万円の課税所得金額は330万円を超えるので、その後の税率は30%です。

この際に法人を設ければ、給与所得400万円〜600万までは所得税率30%、不動産所得800万円までは法人税率22〜25%といった具合でうまく税率のテーブルを下げることができます。

 

そして、所得税の課税所得金額900万円を超えるまでには必ず法人化をして所得を分けましょう。

年収だと約1,300万円くらいですね。

 

純粋にその後の税率が43%なので、半分近く持っていかれます。

 

法人の費用

法人設立費用ですが、約25万円です。

定款を増やしたりすると、もう数千円は費用が嵩むかもしれません。

 

資本金は1,000万を超えないようにしましょう。

1,000万円以上だと、消費税の納付義務が発生したり、住民税が2.5倍になったりします。

銀行から融資を受けるときに不審がられないように、100〜200万円前後が良いと思います。

また、資本金は預けたりして使えなくなる訳ではないので、そこまで出金の心配はいりません。設立後は自由に使えます。

 

法人のランニングとしては、税理士費用20〜30万円や住民税の均等割7万円が毎年かかります。

 

個人所有の不動産を法人所有に登記しなおす場合は、登録免許税や不動産取得税が再びかかります。

複数戸、複数棟を移すとなると数百万まで税金が及ぶので注意しましょう。

 

融資枠の増加

法人の二つめのメリットは融資枠が増えるという点です。

まず、個人の場合は投資家本人のスペックが重視されます。年収や借入状況、年齢などの属性と呼ばれるものですね。

 

一方法人の場合は個人のスペックだけでなく、従業員(家族など)の規模も融資の審査に組まれます。

 

例えば、60歳の方が個人でローンを組む場合は、退職や寿命の兼ね合いから長期の融資を受けにくいです。

ローンが組める期間を満75歳までに設定している金融機関が多いため、今回のケースだと最長でも約15年程しかローンが組めません。

 

ここで、法人経営によって配偶者や子息を雇えば、融資期間を伸ばし同時に融資枠も増やすことができたりします。

 

また、金融機関は融資の際に法人の決算書を見ます。

 

黒字決算3年もあれば、個人の信用だけでなく、法人の信用で融資を受けられようになるため事業規模拡大がしやすいです。

 

そのため、個人の融資枠が上限になりそうならば、法人を検討するのもアリです。

 

法人化のタイミングとして年収600万前後からと先ほど話しましたが、黒字決算3年積んで融資枠を増やす方が先決だと考えるならば、早めに法人をつくるのも◎です。

 

減価償却

不動産投資の肝であり、節税の要です。

 

減価償却とは、高額な資産の取得費用を分割して経費に当てられる会計処理のことです。

 

例えば、ボールペンやティッシュ等の消耗品は買った瞬間に償却され、経費にできます。

これが、不動産や車などの高額な資産になると減価償却が適用され、1年ごとに分けて経費にすることができるのです。

 

は?って感じだと思いますが、これによって所得税や住民税の圧縮ができるのです。

 

【例】

建物     :1000万円

減価償却期間 :10年  

年間家賃   :100万円

修繕費用や金利:30万円

 

1000万円の建物を10年で減価償却するため、1年あたり100万円を経費に当てると仮定します。

 

まず実際の収支は、

100万(家賃収入)−30万(修繕費用)

70万(所得)となります。

 

一方会計上では、

100万(家賃収入)−30万(修繕費用等)−100万(減価償却)

−30万です。

 

実際のキャッシュは70万円増えるけど、会計上は30万円減っているということですね。

 

つまり、会計上では利益が出ていないことになります。

 

普通70万円も稼いだら所得税・住民税がかかります。

不動産以外に年収が600万円あれば、既に所得税率30%のため約23万円も税金を支払うことになりますね。

 

しかしながら、減価償却という実際に支払っているわけではない費用が利益分を食いつぶしてくれるので、利益0円とみなされて課税されません。

不動産業界のアンダーグラウンド|業務委託料詐欺に御用心!

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今回は不動産界のアンダーグラウンドである、業務委託料のお話です。

 

これから不動産を購入、売却しようと考えている方に向けて業務委託料とはそもそも何なのか、なぜ危険なのかをお伝えしていく所存です。

 

合わせてその他ピンハネ報酬や悪徳業者に騙されないための方法も項目別に分けて紹介していますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

不動産売買における業務委託

業務委託料とは言葉の通り、なんらかの業務を委託した場合に支払う手数料のことです。

 

不動産業界では仲介手数料の他に支払う報酬のことを指します。

 

例をあげると、マンションディベロッパーが土地の仕入れ時にマーケットリサーチを仲介業者に委託して、その分別途で業務委託料を支払うみたいな感じです。

報酬の額に上限はなく、一度の取引で数百万支払うようなケースもありますね。

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また、業務委託料≒コンサル料で同じような意味合いです。

顧客に不動産のノウハウや事業プランを提供する場合はコンサルティングに該当しますし、そのコンサルティングも大まかに言えば業務の委託として考えられます。

 

上記を読む限りでは、個人間の居住用の不動産取引には業務委託料は発生しないのでは?と思う方が大半ですよね。

では、もう少し深掘りしていきましょう。

なぜ問題視されているのか

業務委託料やコンサル料が問題視される理由としては、報酬発生の規定が曖昧で簡単に悪用ができるという点に尽きます。

 

特に1番多い悪用例は、物件価格を下げるから下がった分の何割かを報酬として貰いたいといったケースですね。

 

例えば、あなたが2000万円の物件を購入したいと考えていたとします。

 

そこで、仲介会社が売主を説得して500万円値下げするから100万円の業務委託料を欲しいと話を持ちかけます。

 

あなたとしては、購入予定の物件が1500万円、コンサル料が100万円なので、当初の2000万円と比べれば、400万円も得することになります。

 

仲介業者も通常の仲介手数料にプラスα100万円の儲けが出ますね。

 

双方の利害が一致しますし、悪い話じゃありません。

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一方、売主はどうでしょうか。

 

まず、仲介業者から物件を値下げして早く売却した方がいいと説得されます。  

 

例えば、1年売れ残ったら相場下落して大損しますよ!とかですね。

皮肉ですが、2019年10月現在はドイツ銀行の第2のリーマンショック問題と絡めれば説得力が◎です。

 

そして、焦った売主は2000万で売却できる不動産を1500万で手放してしまいます。

単純に500万円の大損ですね。

 

問題の業務委託料はあなた(買主)と仲介業者の契約ですので、売主は契約があったことすら分かりません。

 

値下げの理由は早期売却のためだと勝手に納得します。つまり、売主は損したことすら気づかないのです。

 

そして売却後には、お陰様で早く売却できて助かりました〜なんて言葉が出てきます。

売却後に詐欺に気づいても...

不動産業者が上記のような値下げ分を業務委託料としてもらうことは違法となります。

 

コンサルティングの域を逸脱していますから当然ですね。

 

しかしながら、売主が不動産の売却後にコンサル料の存在を知ったとしても既に遅いケースが大半です。

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詐欺だと糾弾しても、悪徳業者は「あくまでもコンサルティングの報酬であり、値下げ分を貰ったわけではない。」と言い張ります。

 

また、売主側も一度は価格に納得して判子を押しているため、少なからず責任があるのです。

 

どうしても納得いかない場合、行き着く先は裁判ですし、コンサルティングをしたという証拠が少しでも残っていれば売主側が勝つのは難しいです。

 

悪徳業者もバカではないので、なんらかの形でコンサルティングの証拠書類を備えているでしょう。

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業務委託料と似たピンハネ

業務委託料の悪用の怖さを知った所で、次はそれと似たような不動産会社のピンハネ報酬を項目別に紹介していきます。

担当者ボーナス

担当者ボーナスとは、物件を安く買わせてくれた御礼だったり、高く売ってくれた御礼として仲介の担当者に支払われます。

業務委託料と異なり、契約書や領収書なしの裸現金の手渡しになるケースが大半です。

 

通称、担ボ(たんぼ)と呼ばれており、未だに不動産業界で横行しています。

建築費

建築条件つき売地といった、売主や仲介指定の業者で戸建てを建築することを条件として購入可能な土地があります。

このような場合に、戸建ての建築費を水増しして、増した分を建築会社が仲介業者に支払う形をとっていることがあります。

 

建築条件つき土地の購入を検討していれば、戸建ての建築費相場を多少頭に入れておきましょう。

ローン紹介料

不動産の購入でローンを組む際に、仲介業者が金融機関を紹介してくれることがあります。

基本的には無償で紹介してくれますが、たまにローン紹介料という名目で手数料をとるケースがあるので注意しましょう。

 

大体、概算書や請求書に小さくローン斡旋料とか事務手数料とか買いてあります。

ローンの紹介料で10万とか取られるくらいなら、自分で探しましょう。金融機関に何社か電話するだけで済みますから。

残置撤去

物件の売却時に室内に残った家具や電化製品の処分を仲介業者にお願いする場合も注意が必要です。

 

これも多少残置撤去費用を水増しして請求するケースがあります。

買主の登記費用

不動産購入時には所有権を示すために登記をします。登記は司法書士の独占事業なのでそれに依頼することになります。

 

ここでも、仲介業者から紹介してもらう場合はピンハネの余地があるので注意しましょう。

etc...

書ききれなくなってきましたので要点をまとめますが、とにかく他業者を紹介してもらう際に紹介料が発生しているといった認識を持ちましょう。

 

どの業界も間を挟めばその分の仲介料は発生します。商社をはじめとした仲卸業がそれに当たりますね。

ただし、不要な中間手数料はできる限り無くした方がいいと個人的に思っています。

 

電話一本で済むことに、分からないや知らないだけで数万円の報酬を支払うなんて勿体ないです。

悪徳業者に騙されないために

仲介業者に売買を丸投げするのではなく、自分自身が知識をつけましょう。

特に不動産は一度の取引で数百〜数千万が動きますので、勉強しておいて損はありません。

売買相場を知る

まずは、自分の不動産の価値を知ることです。

売買前に必ず相場を調べましょう。相場を知っていれば、明らかに安い金額での売却や高い金額での購入を避けることができます。

 

マンションの簡単な相場の査定の仕方についてまとめた記事を載せておきます。 

 

土地や戸建ての場合はこちら↓

中古一戸建ての価格相場を調べるなら中古住宅HOME4U

 

土地や戸建ては接道状況や建築構造など専門的な知識が必要になるため、マンションと比べて明確な査定は難しい傾向にあります。

 

しかし、上記のサイトで近隣の土地戸建ての売却相場を直感的に把握しておくだけでも騙される確率はぐっと減りますので見ておいて損はありません。

諸費用相場を知る

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土地の測量や残置物の撤去などは、今の時代ネットで調べれば安いところはいくらでもあります。

費用の概算を何社かに作ってもらい、一番コストパフォーマンスが高い業者を選びましょう。

 

自分で探せばピンハネされませんし、選択肢を増やせば増やすほどリスクが分散されて好条件の業者が残ります。

最後に 

業務委託料詐欺の怖さが分かったでしょうか。不動産の売買は大金が動きますから、売主や買主自身がしっかりと知識や自覚を持たねば必ず損をする方向に向かいます。

 

仲介会社に全て任せるのではなく、自分で全部やってやる!ぐらいの気持ちで勉強して売買に臨みましょう。

【マンション買取業者の営業マンの仕事内容に密着】不動産未経験から転職できる?

f:id:re-kaitoriya:20191021193519j:plain こんにちは!現マンション買取業者の営業マンをしている「とんりぷ」です。

 

前回から気になっていましたが、この業種は呼び方がたくさんありますね。「マンション買取業」とか「区分屋」「区分買取」etc...

混乱を未然に防ぐため、このブログでは「マンション買取業者」で統一しようと思います。 

※「区分」・・・マンションは一室ずつ所有者が区分けされているので、このように呼ばれることが多いです。

 

ということで、今回はマンション買取業者の営業マンの仕事内容をお伝えします!

拙い文章ですが、どうぞよろしくお願いいたします。 

マンション買取営業マンの仕事内容 

マンション買取業者の仕事内容を大まかに分けると3つ段階があります。 

  • ①マンションの仕入れ(仕入れ=買い取ること)
  • ②内装工事(リノベーション工事)
  • ③完成物件の販売 

 

マンション買取業は「買って、直して、売るだけ」の簡単なお仕事。中古時計屋が壊れた時計を買い取って直して売るのと理屈は同じです。 

それではこの3つの段階に一つ一つフォーカスして、より詳細な仕事内容をまとめていきます。 

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①マンションの仕入れ(買取)

マンション買取業者の最初の仕事は、マンションを安く仕入れることです。

言わば買取業は転売商なので、この仕入れの段階がとても大切です。

安く仕入れられればその分の利幅が取れますし、逆に収益計算を間違えて高く買ってしまうと再販売時に物件が売れず事業計画が破綻します。

 

そして、この仕事は仕入れるまでが一番キツイです。

逆にここさえクリアすれば後の内装工事や完成物件の販売はそこまで辛くありません。

それでは、買取業者の生命線とも言えるこの仕入れのステップを7項目に分けて順を追って解説していきます。

マンションの買取案件探し

マンションの買取案件をもらうために、まず何をするかっていうと一番オーソドックスな方法は不動産会社への飛び込み営業です。

 

私も新人の時期はgoogle map で不動産屋と検索し、引っかかったポイントにひたすら突撃していました。

案件がない時期は、業者訪問の他にできる仕事がありません。ですから、暑い夏も寒い冬も外回りを繰り返します。

1日に何件回るのか

駅とマンションが密集する東京に関して言えば、午前10時から始めて午後18時まで回り続けて、40件が限界だと思います。

 

一つ言えることは、1日歩き回るので靴選びが大切です。営業スタイルとかセールストークを覚える前にまずは靴。

履きなれていない靴で1日外回りすると、気づかぬうちに血豆が炸裂します。怪我防止のためにもアシックスウォーキングを始めとした歩きやすい革靴での業者訪問をお勧めします。

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挨拶と自己紹介

不動産屋に入ったらまずは、

「お世話になってます!◯◯会社の◯◯です!何かマンションで買い取れる案件ありますか!」といった具合で挨拶します。

 

大体の返答は「今は案件ないです。あったら連絡します。」です。

 

このように案件が貰えない状態が続くと人は疑心暗鬼になります。 だんだんと業者訪問への活力を失い、自分の営業のスタイルは間違っているのかと悩み始めます。  

最終的には、「チィィッス、何か買えるのあります?」とかフランクに挨拶したほうが逆に案件をもらえるのではないか?と思考が迷走します。(経験者は語る。) 

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ですが、安心してください。

3ヶ月も回り続ければ名刺交換した業者さんから勝手にメールで案件が届くようになります。(これ査定してよ〜みたいな) 

業者訪問の当日に案件がもらえることは稀で、大体は後日案件が発掘されたタイミングで連絡がきますから気楽にいきましょう。

机上査定とは?

マンションの買取案件をもらったら次は机上査定というものをします。

机上査定とは、このマンションいくらなら弊社で買い取るよというものを大まかに試算することを指します。 

 

※机上査定の方法はまた別の機会に詳しくまとめます。 

まとめました。↓

www.re-kaitoriya.com

  

この時点ではまだ室内の内見が済んでいないので、仮の値付け状態です。

机上査定で試算した買取価格を案件を振ってくれた不動産会社に伝えて、売主さんの売却希望額と近ければ室内の内見に進みます。

 

ただ、もらった案件の90%ぐらいは机上査定の時点で価格が合わず断りを入れます。

なので、50件ぐらい査定して土台に乗るのは3〜5件ぐらいです。

 

全然関係ないですけど、白いバッファローが生まれる確率は100万分の1らしいですよ。それに比べれば50分の3なんて楽勝楽勝。

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マンションの内見

次にマンションの内見に行きます。机上査定だけでは分からない室内の状態や周辺環境を実地調査をして補填するためです。

 

ポイントをザックリと挙げていきますね。

  • 最寄り駅からの距離
  • 街並み
  • 年齢層
  • 坂の数や角度
  • 治安
  • 外観
  • 共用部(エントランス、廊下等)
  • 室内
  • 床、壁、建具
  • その他設備の状態
  • バルコニーからの眺望
  • 陽当たり

      etc.....

 

まず物件に向かうまでの道のりではアクセスのしやすさと住環境の2点に目を向けましょう。

不動産は立地が9割的なところがあるので、同じ徒歩5分でも坂だらけなのか、平坦な1本道なのかで感じ方が大きく変わります。

 

物件まで到着してからは、外観や共用部(エントランスとか廊下)をしっかり観察します。

マンションの管理状態の良し悪しはこの外観と共用部に現れますから、管理会社がしっかり仕事しているかを確認します。

 

最後に室内です。

まずは写真を撮っても大丈夫かどうか売主に許可をもらいましょう。(大事)

 

工事費の概算を作るため、床、壁、建具、キッチンなど一つ一つの設備に補修や交換の必要があるかを見ていきます。

この内見の過程でヤバイ個所を発見できなければ、物件仕入れ後の内装工事費用が思いっきりブレますので慎重に。

バルコニーからの眺望や陽当たりも忘れずに写真におさめて終了です。 

不動産購入申込書の作成

室内の内見が済んだので、粗方の工事費が概算できるようになりました。

ここで、机上査定の試算額と工事費を掛け合わせて正式な買取額を算出します。 

 

正式な買取額が決まったら、不動産購入申込書に金額を記載して案件を紹介してくれた業者さんや売主に渡します。 

この不動産購入申込書は別名「買付け」とも呼ばれ、売買契約前に売主と買主の金額の折り合いをつけるために用います。

また、この不動産購入申込書には法的拘束力は有りません。 

不動産売買契約(仕入時)

不動産購入申込書で金額の折り合いがついたら売主との売買契約に移ります。

これまでの血と涙の業者訪問が報われる瞬間ですね。 

 

仲介さんが間に入る場合は契約書や段取りを全部請け負ってくれるので、当日はハンコを押す以外にすることはありません。

仲介さんを挟まず、売主と買主(自分の会社)の直接取引であれば契約書やそれに関わる書類の準備をします。

 

また、不動産売買契約は契約日と残代金決済日が分かれていることが大半です。 契約日は書類の記名押印と手付金の支払いをして終えます。 

そして、後日の残代金決済日に残りの代金を銀行振込などで売主に支払います。

 

売主買主間の金銭の授受が滞りなく行われたら、マンションの引き渡しを受けます。

これにて、マンションの仕入れ(買取)までのステップが終了です。 

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②内装工事〜図面作成まで

安く買えるマンションはどれも訳アリなことが多いですね。室内がゴミ屋敷だったり、築古で設備が故障していたりと現状で居住が困難なケースが大半です。

 

そのため、まずは内装工事で室内を綺麗にする必要があります。

室内が綺麗になれば、今度は販売の準備をしなければなりません。どちらも営業マンが段取りを組まなければならないので、それら仕事の詳細や注意事項などを5項目に分けて紹介します。 

リノベーションとは?

マンションを買い取った後にはリノベーションを施します。

このリノベーションとは、キッチンやユニットバス等を新規に交換したり床や壁を組み直したりして、既存の住戸に付加価値をつける改修工事を指します。 

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床も壁も設備も全部変えると(俗に言うフルリノベーション)、室内は新築同然に綺麗になりますね。 

また、室内の間仕切りを壊して間取りを2LDKから3LDKに変えたりなんてこともできちゃいます。

内装工事プランを考える

施工店さんと営業で話し合って内装工事のプランを決めます。

お風呂はどんな大きさにするかとか、キッチンは変えずにこのまま残そうとかそういう感じですね。どんな内装をかけたら売れるかを必死で考えます。 

 

例えば、億ションと呼ばれるような高級マンションに、シンクがステンレス製の激安I型キッチンを取り付けると明らかにそこだけ浮きます。

なので、こういった億ションの場合はしっかり大理石を使った重厚感のあるキッチンを設置するのがベターです。

 

マンションのグレードや入居される家族構成を考慮して、その物件に合ったリノベーションを考えましょう。

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工事の注意点

築年数が50年近い物件にはアスベスト(石綿)が発見されることがあります。

アスベストは断熱材や耐火被覆材の一種で、マンションの鉄骨なんかに吹き付けられています。 

このアスベストが見つかると、市や区の調査員立会いのもと除去や封じ込めでの工事を行わなければなりません。工事の期間や費用が膨れ上がりますので注意が必要です。

 

以前、他の営業が仕入れたマンションでアスベストが発見されたことがありました。

当初見込んでいた工事費は600万円ほどでしたが、アスベスト業者に除去の依頼をしてみると合計で工事費が1200万円程になりました。

 

分かりやすく例えると、床を全面大理石にして照明にシャンデリア付けられるぐらいの概算です。

なので、築50年ぐらいのマンションを案件として貰った際は、念入りな調査と強い覚悟をもって買取に臨みましょう。

内装工事が開始

プランが決定したので内装工事が始まります。

建具から設備まで全て新規に変えるフルリノベーションの場合は竣工まで2ヶ月ほどかかります。 

 

工事中はたまに顔を出して、職人さんにお茶を渡したり世間話をしながら進み具合を確認しましょう。

販売図面作り

街の不動産屋に行くと、立て看板や壁中に物件の販売図面が貼ってありますよね。

不動産の販売の際にはこの販売図面が必要になるので作っていきます。

 

どの会社にも販売図面のフォーマットがあるので、それに従って内容を埋めていきましょう。 

物件の広さや間取り、最寄り駅からのアクセス、内装後の写真等をのせてお客様の目を惹くように試行錯誤します。

売れろ売れろと念を込めて、レイアウトを工夫しながら作品を完成させましょう。

 

これにてリノベーションから販売図面作成までのステップを終わります。

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③完成物件の販売 

ついに待ちに待ったリノベーション済み物件の完成です。手塩にかけて育てた物件を売りに出すのは何だか感慨深かったりします。

 

では、再販物件を売り出す際のルートや買い手が見つかった後の仕事について、5項目に分けて見ていきましょう。

レインズ

まずは王道のレインズ。

このレインズは、宅建業者(不動産会社)のみが閲覧や検索できる不動産情報サイトです。 

Real Estate Information Network Systemの頭文字をとって「REINS」と呼ばれています。

 

不動産を売るにも買うにもなくてはならないサイトで、日本中の不動産業者はレインズを見て物件の紹介や販売活動を行っています。

なので、今回のように売りたい物件を抱えた場合も同様にこのサイトに登録します。

 ポータルサイト

緑のもじゃもじゃをメインキャラクターとするスーモをはじめとして、アットホームやホームズなどの一般向けの不動産紹介サイトにも同時に物件情報を登録します。 

レインズは宅建業者しか見ることができない欠点があります。

 

そのため、日頃より私たちに馴染みのあるポータルサイトに登録しておけば、お客様から直接の反響をもらうことができます。

レインズとポータルサイトに物件を載せたら、とりあえずはひと段落。神頼みを始めましょう。

売買仲介と媒介を結ぶ

媒介とは不動産の売却を委託する際に結ぶ契約のことです。基本的に媒介の返し方は2パターンあります。

  • 仕入れ時にマンションを紹介してもらった仲介業者と媒介を結ぶ
  • 販売するマンションの近隣の仲介会社と媒介を結ぶ

 

仕入れ時に紹介してくれた仲介業者には恩義がありますので、一番に媒介を返すことが多いです。

逆に、ここで媒介を返さなければ次から仕入れの案件がこなくなります。

 

次に、物件近辺の仲介業者と媒介を結ぶのは、物件紹介の効率が良いためです。地元に根ざした仲介業者であれば土地勘もあるので物件の案内もスムーズですし、何より店舗集客が望めます。

東京のマンションを探そうとしている人が、神奈川の不動産屋に行くことは考えにくいですよね。 

なので、物件の最寄駅の仲介業者などに業者訪問した際に販売図面を配って回ります。

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棟内投函

マンション内で「もっと高層階に住みたい」だったり、「今より広い部屋が良い」と考えてる方の目に止まるように棟内投函をします。 

みなさんのマンションのポストに入ってる「マンション買いませんか!」といった少しうざったいチラシですね。

 

これ、実は意外と反響があります。

「住み慣れている環境を変えずに部屋だけを綺麗にしたい」みたいな需要が一定数あるようです。とにかく物件が売れなくて困ったら棟内投函です。 

お客様(買主)が見つかったら

自分の物件を買いたい!というお客様が見つかれば、物件の内見をしてもらいます。

そこで購入の意思が固まれば、住宅ローンの事前審査を行います。年収や職種、勤続年数、過去の滞納履歴などお客様のスペックがモノをいいますので、私達に出来ることはありません。  ここでも、ただ神に祈りましょう。

 

※住宅ローンがそもそも降りない物件もあります。(借地権、再建築不可物件等)

そういった場合は現金で支払えるブルジョワジーとの巡り合わせが必要となります。

不動産売買契約(売却時)

住宅ローンの事前審査を通過したら買主との売買契約を結びます。

 

仕入れ時同様、仲介さんがいればハンコだけ持参して契約に臨みましょう。

会社と買主の直接取引の場合は、書類の作成と契約日の設定等の段取りを組む必要があります。

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また、契約日から残金決済日までの間に買主には住宅ローンの本審査を受けてもらいます。

ここでは団体信用生命保険へ加入の必要があるため健康状態に問題がある場合や、脱税だったり結構グレーなことをしてる場合に引っかかります。

本審査を通過したら晴れて残金決済日を迎えることができます。

金銭の授受が完了すれば、物件を引き渡して事業の利益が確定して終了です。

 

これにてマンション買取業者の一連の仕事内容の紹介を終わります。

残業、休日、宅建士免許などエトセトラ

残業について、不動産業なので閑散期と繁忙期がはっきり分かれています。

年末から3月にかけては忙しいですが、夏場は特に案件も少なく暇な時期を過ごします。

なので、働くときにはしっかり働いて休むときはしっかり休める業種だと思います。

 

休日は不動産業界にありがちな火、水曜日休みの会社が多いです。稀に土日休みの会社もあります。 

 

宅建士免許ですが、不要とは言い切れません。

基本的に案件を仲介さんから貰う場面が多く、契約の際も仲介さんが間に入るので宅建免許はなくても何とかなります。 

ただ、売主と会社との直接取引の場合や、税理士さんや離婚カウンセラーなんかの他業種から案件を貰った場合は、契約書作成や売主に対する重要事項説明書の読み合わせが必要になるため宅建士免許が役立ちます。

 

また、個人的な主観によるマンション買取営業の男女比ですが、男性70%以上の女性30%以下ですね。男性の方が明らかに多い印象があります。

とはいえど、力仕事があるわけでないので男女の違いが営業成績に差を生むことはありません。  

おわりに

これにてマンション買取からリノベーションをして再販売までの流れの説明を終わります。

ここまでで7,000文字を超える長丁場でしたが、お付き合いいただいて誠にありがとうございました。

 

比較的、未経験者でも参入しやすい業界だと思いますが、やはり不動産業のため契約時に宅建士免許が必要になる場面はあります。

宅建なんて一年目で取っちゃいましょう!!

(ここだけの話、仲介業者はみんな宅建士免許を持っているがマンション買取再販業者は持ってない人が結構いる。)

 

資格がないから転職できない!とかそういう考えは綺麗さっぱり捨て去って、この業界に飛び込んでください!

転職前に読む!マンション買取営業マンの歩合はどれくらい?

現役マンション買取営業マンが、この業界の歩合やワークライフバランスを日々の出来事を交えながら赤裸々に語っていきます!

今回は当ブログの記念すべき第一回目として、肝心の歩合についてマンション買取再販業の収益構造から順を追ってお話していこうと思います。

 

不慣れな点もございますが、何卒よろしくお願いいたします。 

営業マンの歩合はどれくらい?

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会社によって固定給と歩合の割合はまちまちですが、利益の5%〜20%が営業マンの歩合給になります。

多く件数をこなす人で年間約30本程のマンションを買取って再販売し、年間利益の合計が1億円を超えるケースもあります。

この場合、歩合率が利益の20%と仮定すると約2,000万円がボーナスとして入ることになります。

基本給はペラッペラ

基本給の手取り15万で、仕入れた案件が赤字でボーナスなしは新人の頃のよくある話。営業社会なので、数字を出せなければ給料は安いです。

また、新人は3ヶ月で1本決めれば御の字の世界です。年間5本で新人賞卍みたいな。10年位前は新人でも年間10本は余裕で買えたらしいけど・・・

営業マンの仕事内容

買取業の仕事内容は、

  1. 安くマンションを買取る
  2. 内装工事(リノベーション)をする
  3. 完成物件を再販売する

の3ステップです。

 

単純な仕入れ商売ですね。「安く買って、高く売る」が仕事の根幹です。

 

例として、マンションを1,000万円で買取り、500万円でリノベーションして、2000万円で販売! 

粗利は残りの500万みたいなイメージです。

 

ただし、この粗利の500万のなかに諸経費が含まれています。

実際の利益は、仕入及び売却の際にかかる仲介手数料や不動産取得税、登記費用など諸費用を差し引いた額が純利益になります。

 

 チンパンジーでもわかる収支に直すと、

  △ 2000万円(再販価格) 

  ▲ 1000万円(買取価格) 

  ▲ 500万円(リノベーション費用) 

  ▲ 100万円(諸経費)       

  △ 400万円(純利益)

 

収益モデルとしてはこのような具合です。

 

より詳しい仕事の実情についてはコチラ↓

 買取業と売買仲介業の歩合の比較

同じ不動産業でも、マンションの買取業と売買仲介業はボーナスの待遇に違いがあります。

 

まず、大手売買仲介会社(東急◯バブル、三井の◯ハウス等)の場合、会社から仕事をもらう反響営業ですので、新人の時は大型の案件を任されることが少なく、それに応じて歩合も少ない傾向にあります。 

 

それに比べて、マンション買取業は会社の反響から案件がもらえることは非常に稀です。新人も古株も自分で案件を探しに行く必要があります。

簡単にいうと不動産売買仲介業者などへの飛び込み営業なので、1千万円の案件も1億円の案件も拾ってくれば自分で担当できます。

つまり、マンション買取再販業は若手でも高額マンションを扱えれば一攫千金のチャンスがあります。

 

ここまで聞くとマンション買取再販業はアメリカンドリーム的な爆発力を秘めた業種ですが、もちろんこの業種にもリスクはあります。  

【マンション買取営業のリスク、その1】 

もしも、仕入れたマンションが計画通り売れなかった場合、徐々に売り出し価格を下げていくことになります。 

そのため、1年近く売れ残ってしまうと赤字覚悟の損きり売却をしなければなりません。 

 

チンパンジーでもわかる収支を用いると、

 ▲1000万円(買取価格)

 ▲500万円(リノベーション費用)

 ▲100万円(諸費用)        

 ▲1600万円  

この1600万円が赤字のラインになります。 

 

マンションを2000万円から売り出すとして、400万円ほど値下げをしても売れない場合は赤字になります。 

 必死の思いで買い取って、内装プランを考え、手間暇かけてやっと売りに出した物件が赤字になると気を失いそうになりますね。

【マンション買取営業のリスク、その2】

マンション買取業は反響営業でないということは先ほど話しました。つまり、自力で買取案件を取ってこなければなりません。

 

営業マンの一人一人が個人事業主に近いので、やる気がなければ歩合もない世界です。

 

また、マンション買取会社は基本給を低めに、歩合給を高めに設定しているところが多いです。タコって歩合がなければ、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利は保障されません。(日本国憲法第25条より抜粋)

※タコ・・・仕入れ件数0件のこと。

私の失敗談

私が新人の頃、初対面の業者にいきなり優良物件を紹介してもらったことがあります。 

最上階!ルーフバルコニー!眺望良好!のマンションを格安で仕入れて、絶対に儲かると毎日ニヤニヤしていました。

 

しかしながら、内装工事中にあることに気づいたのです。

ルーフバルコニーに信じられない量のハトのフン。

そうです、売主は私がマンションの内覧に入る前に徹底的にバルコニーを掃除していたのです。

 

私が買ったマンションはハト小屋でした。

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週末になるたびに汚物の掃除に行き、終えるとブルーシートをかける日々。

そんなある日、追い討ちをかけるかのように管理会社から「事件現場と間違われるからブルーシートはやめてほしい。」と苦情が会社にきました。

 

こうして始まる上司からの罵倒。前門のハト、後門の上司ですよ。いつまでこの地獄は続くのだろうかと当時悩みまくりました。

結局、このマンションは半年間私を苦しめつづけ、約500万円の赤字で幕を降ろしました。

今まで他の案件で積み重ねてきた利益が吹っ飛ぶ瞬間です。私はこの一件以来ハトが嫌いになりました。 

 

不動産売買仲介業の場合、マンションの売却や購入の時点で仲介手数料が発生します。

一方、マンション買取業者は買い取った物件が、内装工事を経て、再販売に行き着いて初めて利益が確定します。

物件が売れるまでは本当に何が起こるかわからないということを痛感した一件でした。

まとめ

上記の通り、マンション買取業はハイリスクハイリターンの一面を持っています。仕入れたマンションがリノベーションを経て売れるまでは、本当に何が起こるかわかりません。 

築浅で安くて綺麗で眺望良好で駅近なマンションでも、謎に買い手がつかないことは日常茶飯事です。

そうなんです。事業計画の半分は博打なんです。

去年は絶好調で年収2000万円の営業が、今年は絶不調で年収500万円という強烈な歩合の浮き沈みを披露したりします。 

 

みなさんは、ギャンブルはお好きですか。私は大好きです。(パチスロはしませんが。)

 もしこの業界に興味があれば、私と一緒にハト小屋の掃除でもしましょう! 

 

【マンションが売れない時の解決策5選】

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マンションが売れない時の解決策5選

マンションを売りに出したもの反響が全くなかったり、毎週内見に来る方は居るが一向に成約しないなど売却の悩みは尽きませんね。

 

内見や仲介業者との打ち合わせが嵩むたびに体力的にも精神的に辛くなっていくものです。

 

今回は、そんなマンションの売却を長引かせないための解決策(秘策)を現役不動産営業マンが5つ紹介させていただきます。

 

①室内を綺麗に見せる

買い手側からすると、室内が散らかっていたり生活感が強く残る状態で内見しても購入意欲が湧きません。

 

また、不動産は人生で一番高額な買い物なので、多少なりとも買い手側は神経質になります。小さなことで不信感を抱かれて購入に結びつかないのは勿体ないので不安要素は少なければ少ないほど良いです。 

 

そのため、居住中にマンションの内見をしてもらう際は室内の掃除と整理整頓は必須です。もし可能であれば、魅せる家具の配置を考えたり、普段掃除しないバルコニー等を綺麗にしてみたりして、出来る限り丁寧に部屋を使っていたことをアピールしましょう。

 

まず、オススメなのは水場の水垢を落とすことです。キッチンや浴室などの水垢はメラミンスポンジを使えば簡単に落とすことができますし何より見栄えがガラッと変わります。 

 

次にお勧めなのは床と壁のキズ補修です。張り替えまでせずとも小さな補修でも見栄えが大きく変わります。リビングの目につくようなところに傷があるならば、そこだけでも補修しておくことをお勧めします。

 

大切なことなので繰り返しますが、買い手は少なからず神経質になっています。そのため、物件の良し悪しだけでなく、あなたがどのように住んでいたのかまで気にしているケースが多いです。

 

売却するから傷があっても部屋が散らかっていてもいいだろうといった考えは必ず買い手に伝わります。不信感を抱かれぬためにも、丁寧な売却を心がけましょう。

 

②仲介会社の宣伝状況を確認する

マンションの売却の際は仲介会社に買い手探しを委託する方法が一般的です。まず、この仲介会社が買い手を見つけるために出来ることは大きく分けて3つあります。

 

一つ目はレインズという不動産業者のみが利用できる情報サイトに物件を載せることです。これによって、あなたの物件が売りに出ていることが全国の不動産業者に伝わります。

 

二つ目がポータルサイトにへの掲載です。ポータルサイトとはスーモやアットホームをはじめとして一般客が物件探しをする際に利用するサイトです。 

 

そして三つ目は店舗での宣伝活動です。店舗内の壁に販売図面を貼ったり、いらっしゃったお客様に直接物件を紹介したりして買い手を探します。

 

ここで重要なことは、レインズやポータルサイトにしっかりと物件の売り出し情報を掲載してもらえてるかどうかです。この二つのサイトに登録すると、それを見た不動産業者や一般客からの反響が一定数あるため売れるまでにかかる期間が短縮されます。

 

店舗での宣伝活動ですが、物件近辺の仲介会社にお願いするのが最も効率的です。例えば、A駅周辺で物件を探している人の多くは当然A駅周辺の不動産屋に行く可能性が高いからです。 

 

そのため、仲介会社にマンションの買い手探しを委託する際はレインズやポータルへ物件情報を掲載してくれるかどうかと物件近辺の店舗であり集客に適しているかどうかの2点に気をつけましょう。

 

集客力のある仲介

集客力のある仲介に売買をお願いしたいならば、野村不動産アーバンネットがお勧めです。

この野村不動産アーバンネットは不動産業界最大手の一角である野村不動産のグループ会社で、不動産の売買仲介業務を担当しています。

 

アーバンネットは「ノムコム」という不動産情報サイトを運営しており、このサイトは月間利用者数370万人とマーケットの規模が非常に大きく、マンションを売りたい人と買いたい人の情報が膨大に登録されています。そのため、集客力の面でとても頼りになりますね。

 

また、大手のため各地に店舗がありますので店舗集客や案内の効率が良い点も◎です。

 

③思い切ってリノベーションしてみる

設備が古くなり、室内も使用感がある状態ではどうしても売却が難しくなりますよね。そんな時は思い切ってリノベーションしてみるのも手です。

 

まずは、自分のマンション内でリノベーション済物件はどれほどの価格で売れてるのかを調べることから始めましょう。仲介業者に物件の相場観や動向を聞いたり、マンションマーケットをはじめとした不動産情報サイトで検索してみるのも良いですね。 

 

次に工事会社に連絡してプランを練り、リノベーション費用の見積もりを出してもらいます。リノベりすでは様々なリノベーション工事会社を地域別にピックアップしているので、どの工事会社を選ぶべきか悩んだ時は一度見てみると参考になります。

 

工事にかかる期間ですが、ファミリータイプの間取りで水場から床壁、配管等まで全てを新規に変えるフルリノベーションの場合であれば、工事着工から2ヶ月程で竣工します。

 

こちらの記事で簡単なマンションの査定方法や相場の調べ方、内装工事のアレコレを紹介していますので、よろしければ参考にしてください。

 

④賃貸に出す

賃貸に出して安定のキャッシュフローを得る方向にプランを切り替えるのも一つの手です。住宅のローンの残債がある場合はローンプランを投資系に変更すれば賃貸が可能になります。 

 

まずは不動産賃貸業者に行き、年間のキャッシュフローの概算を作ってもらいましょう。ここで大切なことは簡単な表面利回りではなく、維持費や金利を含めた出来る限り実際の収益を見込むことです。

 

利回りの簡単な算出をこちらの記事でまとめていますので、よろしければ参考にしてください。

 

⑤マンション買取業者に依頼する

マンション買取業者に買取をお願いする手段もあります。まず、メリットとしては売却手続きがスムーズに行われることや売主の瑕疵担保責任が免責になる点が挙げられます。

 

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは売却した物件に配管の水漏れなど通常の内見で分かりづらい隠れた欠陥が生じていた場合に、売主は買主に対してそれを補償する責任を負うことです。つまり、マンションを売却した後も売主には買主に対する一定の補償責任があります。 

 

買取業者にマンションを買い取ってもらう場合、この瑕疵担保責任が免責されることになるので後の事を気にせず安心且つ早期の売却が可能です。

 

デメリットですが、売却額は相場の7〜8掛け程になってしまいます。買取業者はマンションを仕入れた後に内装工事を施して再販売して利益を得ています。そのため、買取額は工事費用と事業の利益分を相場から差し引いた額となります。

 

そのため、室内状況が劣悪で買い手が見つからなかったり、どうしても早期売却で手元にまとまった資金が欲しいといった理由での売却の際には非常に利点があります。

 

マンションの買取を検討するならば、仲介業者を挟まずに直接買取業者へ依頼することをお勧めします。これは、売主と買取業者の直接取引の場合は仲介手数料が発生しないためです。 

 

売買仲介業者を間に挟む場合、当然ながら売主と買主は仲介手数料を支払う必要があります。

仲介手数料の限度額は物件価格×3%+6万円です。

3000万円の物件を例にとると3000万×3%+6万円で96万円となり、これを売主と買主の両方が支払うため192万円分の仲介料が発生します。

 

そのため、売買仲介業者に買取業者を探してもらうのではなく、売主自ら買取業者に連絡して依頼をすれば互いの仲介手数料分だけ売却価格を上げることができます。

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まとめ 

以上、「マンションが売れない時の解決策5選」でした。マンション売却のお役に立ちそうな情報はありましたでしょうか。

 

売却の理由や求めるものは人それぞれです。とにかく早く売りたい方には買取屋がおすすめですが、できるだけ高い金額で売りたい方や収益性を確保したい方はリノベーションに挑戦したり賃貸の分野に飛び込むのも良いと思います。

 

様々な手段を十分に吟味した上であなたの物件に合った解決策を見つけましょう。

不動産投資ローンはどこで借りる?|審査内容から年収、金利相場までのまとめ

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不動産投資の面白いところは、少額の自己資金でもローンを組んで大きな投資ができることではないでしょうか。 

このレバレッジ効果をうまく利用するためにも、どの金融機関を選択するかはとても大切な要因なのです。

 

この記事では、不動産投資ローンの審査内容や必要年収、金利事情についてを出来る限りわかりやすく説明していきます。

そもそも不動産投資ローンとは?

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不動産投資ローンは、別名アパートローンとも呼ばれ住宅ローンとは全く別物です。

 

金利も住宅ローンより比較的高めに設定されていますし、借入の期間や限度額も異なります。

加えて、審査基準についても厳しく設定されており、個人の属性だけでなく投資の事業性や物件の担保価値も厳しく見られます。

 

不動産投資は「投資」というよりは「事業」ですので、その事業のための融資を引っ張るといった認識を持ちましょう。

ローン審査に影響するポイントは2つ

 

  • 個人の属性

属性とは個人の就職先や年収、借金の滞納歴などの状態を表した指標です。

年収1000万円、大企業に10年間勤続しているような方は一般的に属性が良いと判断されます。

 

  • 投資物件の担保価値

投資物件の担保としての価値が高ければそれに応じて融資額も大きくなります。

土地の権利が借地権であったり、建物が古くてボロボロだったりすると担保評価が低くなり融資自体が困難になりますね。

 

上記の2点が審査対象となり借入の限度額や金利、期間を金融機関が判断します。 

ローン審査のチェック項目

チェック項目を簡単な表にします。↓

個人の属性 勤続先 会社の規模、雇用形態、勤続年数を基準に安定性があるか
年収 過去3年分(1年でも可)がどれくらいか
保証人 配偶者、両親等に継続的な収入があるか
資産 貯金額、株、債券等、金融資産があるか
借入状況 住宅、車等で借入があるか
年齢 20〜75歳未満か
健康状態 三大疾病など、大病を患っていないか
投資物件の担保価値 耐用年数 築年数が耐用年数を超えていないか
積算評価 金融機関の物件評価額が低くないか
土地の権利 所有権>借地権
構造 RC>鉄骨>木造

 

個人の属性に関しては、その人の収入や生活がどれほど安定しているかを見られます。

そのため、年収がいくら高くても多額の借入があったり大病を抱えていれば融資はつきにくくなりますから注意が必要です。

 

物件の担保価値は、単純に物件の資産性を見ています。

例えば、木造よりRC(鉄筋コンクリート)の方が、頑丈で耐久性に優れるため担保としての価値は高くなります。

 

それでは、審査の基準を簡単に理解したところで金融機関の選び方を見ていきましょう。

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どの金融機関で借入れるか

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金融機関からの融資を受ける時に気になるのは、やはり年収と金利でしょう。

個人の属性の面でも年収は大きなウエイトを占めますし、融資を受けるならば金利は低ければ低いほど得をします。

 

そのため、年収と金利の2つの観点から利用する金融機関を考えていきます。 

年収、金利別の金融機関表

まずはアパートローンを提供している金融機関を年収別に分けてみました。

年収 金融機関
700万〜1000万以上 メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行)
500万〜700万程 スルガ銀行、地方銀行(千葉、静岡、鳥取等)、オリックス銀行
300万〜500万程 日本政策金融公庫、商工組合、その他ノンバンク
0〜500万程 かなり厳しい。金主を見つけるしかない。

 

次に金利別の金融機関表です。 

融資金利 金融機関

0.8〜1.5%

メガバンク(大手4社)
1.5〜2.5% 日本政策金融公庫、一部の地銀(千葉、横浜等)
1.5〜3% スルガ銀行、地銀(静岡、鳥取等)、オリックス銀行
3%〜 その他ノンバンク等

 

①属性、物件担保価値が共に良好であればメガバンクを利用すべきです。

理由としては、他の地方銀行や信用金庫に比べると金利が圧倒的に低いためですね。

2019年9月現在は、0%台からの借入も可能なので金利リスクを最小限に止めることができます。

しかしながら、上記の通り属性が高めでなければならないため年収700万円程からでなければ審査通過は厳しいです。 

 

②次席として、日本政策金融公庫をおすすめします。

この金融機関は事業性を重視しており金利も低めに設定されています。恐らく1.5〜2.5%ほどの金利で借りられます。

借入の際に創業計画書を提出する必要があることからも、特に事業性を重視していることがわかりますね。

デメリットとしては、融資期間が10年〜15年と短いため物件の利回りが高めでなければ審査通過は厳しいです。

 

③その他の信託銀行やノンバンクは属性や物件担保価値がある程度低くても借入が可能ですが、金利は上記の2つと比べると高めになります。  

大体、3%前後の金利で借りる方が多いですね。

その他のメリットとしては、融資枠がメガバンクや地銀より広く、年収の約20〜30倍近くまで借りられます。そのため、メガバンク等で融資上限に達していても利用可能です。

 

また、金融機関によっては築古物件を扱わないところや借地権の融資が弱いところなど様々あります。

一つの金融機関で融資が降りなかったとしても、簡単に諦めずに広く目を向けて探してみましょう。

参考に見ておきたい記事

①「不動産の投資を考えるメディア」さんが、不動産投資ローン25社まとめ記事を書かれていたのでリンクを貼ります。↓

media.tousee.jp

恐らく不動産投資ローンを扱う金融機関が全て網羅されています。 

レイアウトもシンプルで非常に見やすく、金融機関ごとの特色をつかむのに大変有用な「まとめサイト」だと思いますので、是非とも参考にどうぞ。

 

②「across corporation」さんが不動産の積算評価の計算方法をまとめていますので、こちらもリンクを貼ります。↓

across-c.jp

ローン審査のチェック項目で少し触れたのですが、物件の積算評価が高いほど融資において有利になります。

この積算評価は、一棟物の融資を受ける際の必須知識なので勉強しておきましょう。

不動産投資ローンに関連するアラカルト

不動産投資ローンに関わる、知って得する情報を項目別にまとめておきます。

もう少し不動産投資ローンについて詳しく知りたい方はサラッとでも目を通してもらえますと幸いです。

住宅ローンとは違うの?

住宅ローンとは自己居住のための住宅を購入する際に組むことができるローンです。 フラット35をはじめとして、都市銀行や地方銀行など様々な金融機関が提供しています。

 

投資ローンに比べると非常に低金利での借り入れが可能ですね。

2019年9月現在は国の政策の追い風を受けて0.6%以下の金利で借りられるケースもあります。 

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ただ、こちらの住宅ローンには制約があります。

それは、「自己居住専用」ということです。 

 

つまり、あなたが購入した物件にちゃんと住む約束なら低金利でお金かしてあげますよといったことが契約条件です。そのため、この住宅ローンの返済中に第三者へ賃貸に出すことは基本的に御法度になります。

 

もし、第三者への賃貸に出していたことが債権者にバレれば、一括返済を求められるケースもありますので注意が必要です。

 

ただし、転勤や病気などのやむおえない事情がある場合や、ローンプランを変更する場合は例外です。もしも現在の住宅から住み替えを考えていれば、残債があれどローンプランをアパートローンに変えて賃貸事業を始めることができます。

住宅ローンの金利そのままで、というわけにはいきませんのでその点だけ注意しましょう。

金利1%の差はとても大きい

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投資ローンの金利とは利息のことを指します。基本的に金利の表記は年利ベースで記載されています。

 

例えば、3000万円を金利2%で借入期間20年間として借り入れた場合、利息総額は650万円程になります。

これが、金利3%となると利息総額は約1,000万円です。

 

 なんと差額は350万円にも上りました。

 

つまり、金利1%の差ははとても大きいのです。

 

利回りを意識して良質物件を探すことも大切ですが、金利を意識して融資条件を最良化することも同等に重要であるということを覚えておきましょう。

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融資期間に関わる物件の耐用年数とは?

担保価値の中でも特に注目すべきは物件の耐用年数です。

建物とその用途ごとに耐用年数というものが定められており、築年数がこの耐用年数を上回ると融資がつきにくくなります。

 

逆にいえば、この耐用年数が残っているほど物件の担保としての価値が高いと見なされますから、築浅の方が融資の面では有利です。

 

物件ごとの耐用年数を国税庁がまとめていますので、参考にどうぞ。

www.keisan.nta.go.jp 

上記によると建物を住宅として利用する場合の耐用年数は、

  • 木造        :22年
  • 軽量鉄骨造     :27年 
  • 重量鉄骨造     :34年
  • 鉄筋コンクリート造 :47年

となっています。

 

不動産投資では住宅用か店舗用での賃貸がメインだと思うので、まずは上の4つを覚えておけば大丈夫でしょう。

 

投資に慣れてきて、飲食店用やホテル用などに事業拡大する際は、住宅用と耐用年数が多少異なりますのでその点だけ注意が必要です。  

投資ローンは変動金利が基本?

不動産投資ローンの金利タイプは変動金利が一般的です。

理由としては、固定金利より低金利で借りることができるためですね。その反面、変動金利の場合は固定金利と比べると返済額が景気に左右されるため安定性に欠けます。

 

2019年現在はアベノミクスによる金融緩和や日銀のマイナス金利政策により、比較的低金利で借り入れができます。

ただ、今後の景気動向次第では金利が上昇しキャッシュフローを圧迫する可能性も十分にありえますから注意が必要です。

金利と経済の相関性は?

先の金利変動を予測することは難しいです。

ただ、金利は株価や景気を含めた経済情勢との一定の相関性があります。

 

例えば、好景気が続き企業の株価が上がればそれに従って金利も上昇します。

これは、景気が上向きになることで人の交流や商業の回転率が上がり、従って企業の収益も増えていくためです。

 

そして商業が活発になれば、事業拡大のための借入需要が増加するため金利も徐々に上がり始めます。

しかしながら、金利が高い状態が長く続くと、今度は企業の収益が伸び悩み始め株価が下がる傾向に変わっていきます。

株価が下がり始めると、当然商業の回転が悪くなりいつか景気はピークアウトします。その後は景気、株価、金利の三者共に下降傾向で進んでいきます。

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ここで大切なことは、景気の浮き沈みを大まかに推測することです。

なんだか最近、株価が上がって景気がいいなと感じたら、これから金利も上がってくるだろうなと考えて手元の資金を貯めておくみたいな感じです。

 

その他にもリフォームしてみたり賃料改定してみたり、なんらかのアクションを起こすキッカケにもなるので東洋経済や日経を読みながら経済情勢にアンテナを張っておきましょう。