歯科医師の暴露日記

歯科の裏事情やタブー、内緒話。患者さんには言ってはいけないと言われるような内容を書きまくります。

妊娠中とか授乳中の歯科治療って大丈夫なの?

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

 

今回のテーマは

妊娠中とか授乳中の歯科治療って大丈夫なの?

だ。

 

女性特有の問題ではあるのだが、実は悩む人が多いと思う。

答えとしては、以下の通り。

 

妊娠中であれば安定期(4~7か月)の間のみ。

授乳中であれば、何の問題もなし。

 

となる。

 

・・・実は、妊娠中に歯に痛みがでる女性は非常に多い。

というのも、妊娠中は悪阻や女性ホルモンのバランスの不調和により、虫歯・歯周病が一気に進みやすいのだ。

実際、私の患者でも、

妊娠前に最後に来て、産後に通院を再開した人が居たが・・・

残念なことに歯周病が一気に進んでしまい、抜歯せざるを得ない状態になったことがある。

 

ここまで急激に進む人というのはさすがに少ないが、それでもかなり危険な状態となるのだ。

 

そして、妊娠中に不幸にも痛みが出てしまった場合、歯科での投薬に制限が掛かる。

要は全く効かない弱い薬しか出せなくなってしまうという事だ。

 

その為、痛みに耐えながら処置をしなければならなくなってしまう・・・。

 

こうならないためにも、痛みが出そうな虫歯や、歯周病がある場合は妊娠前に治療を完了させておいた方が良い。

 

今後妊娠したい。或いはする予定の方は十分に注意していただきたいと思う。

 

では、また。近いうちに。

歯科医師に嫌われる患者と、そうならないために・・・その3。

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

 

今回はそういえばこういうのも困るな。

というのを思い出したので追加で記入していきたいと思う。

前までの記事はこちらなので、もしよければ見ていただけるとありがたい。

 

real-dentist.hatenablog.com

 

real-dentist.hatenablog.com

 

 

さて、冒頭にも書いた通りだ。

これまでも大概困る患者についてツラツラと書いてきたが・・・

実はまだ居た。

 

 

歯科は医科に比べるとどうしても命に直結するものは少ない。

 

その為、

お薬手帳を持ってこない人

・他科通院中である事を言って来ない人

が居る。

 

まずはお薬手帳についてだが・・・

 

薬に関しては化学物質である為、飲み合わせなどを誤ると非常に危険だ。

その為、

初診の時には必ず持ってきてほしいし、

服用内容が変わったらその都度教えてもらわなければ困る。

 

 

患者さんとしても死にたくはないだろうし、

こちらとしても殺したくない。

 

 

お薬手帳については軽く見られがちなので十分に注意してもらいたい。

そもそも、急に倒れた時なども同様に非常に危険なので、お薬手帳は常に持っておくことを心掛けておいた方がいい。

 

 

次は他科通院中の方だが・・・

高血圧・高脂血症・糖尿病などなど内科的疾患は血圧の変化など注意しなければならないことが多い。

特に歯科で使用する麻酔薬には血圧をあげる作用を有しているものが多い為、

高血圧の方は更に悪化してしまうことがある。

 

歯科医師に伝えなかったことで、血圧が一気に上がってしまって脳の血管が切れる

 

なんてこともありがちだ。

大体の歯科では最初に掛かった時に問診票などを記入してもらう所が多いが・・・

内科的疾患は全てそちらに書き出しておいた方がいい。

 

医科も歯科もそうなのだが。

決して治療を医師・歯科医師任せにしてはいけない。

結局自分の体を守れるのは自分だけだ。

 

あと、よく自己申告しない人が多くて困るのが、

精神疾患(統合失調症・鬱など)を有している方だ。

日本人には精神疾患患者は多く、こちらとしては別に見慣れているので気にしないで告げて頂きたいのだが・・・

飲んでる薬などが原因で唾液が少なくなり、歯周病や虫歯が進みやすくなったりだとか・・・

そもそも精神疾患が安定していない状態では思った通りに治療が進められないことが多い。

その為、精神科の先生と話をしながら治療をどう進めるか決めるのだが・・・

それを内緒にされてしまうと進め方の検討すらできなくなってしまう。

 

また、歯科というのはただでさえ憂鬱になる診療科だ。

その為、下手をすると精神疾患の方まで悪化してしまうというケースもある。

 

 

つまり、結論としては、

 

自分の為にも自身の健康状態などはしっかりと伝えるようにしてほしい。

 

となる。

 

伝えないことで誰も得をしない状態になるので、しっかりと注意をして頂きたい。

 

では、また。近いうちに。

キシリトール配合のお菓子を食べれば虫歯にならないってホント?

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

 

今回のテーマは

キシリトール配合のお菓子を食べれば虫歯にならないってホント?

だ。

 

昔からよくCMやインターネットなどで、

キシリトール配合のガムなどを噛むと虫歯予防になる

と言った内容を耳にする。

 

これ自身は間違いではない。

というのも、

実際に虫歯予防に効果があるという研究データも出ている。

 

ちなみに、キシリトールをはじめとする代替甘味料はたくさん有るが・・・

これらは全て虫歯にならない。

しかし、「虫歯にならない」と「虫歯予防」とは似ても似つかない。

この虫歯予防という能力については唯一研究で証明されているのがキシリトールのみだ。

 

さて。

では、なぜ敢えて記事にしたかというと・・・

 

実は一般の店で販売されているキシリトール配合のお菓子とは・・・

実際はキシリトール100%ではない。

 

というのも日本語の言い回しの問題なのだが・・・

「配合」とは10%でも入っていれば記載できる。

 

そして、残りの90%が代替甘味料であれば、まだ良いとして。

実は虫歯の原因となるショ糖を使用している可能性もある。

 

ここら辺は実際にお菓子メーカーに問い合わせてみないと分からないが・・・。

 

なので、実際に店で売られているキシリトール配合お菓子を、

キシリトールだから大丈夫♪」

といった具合にバリバリ食べてると、即座に虫歯になるので注意していただきたい。

 

じゃあ、どうすればいいのさ!!

安心して食べられるお菓子はないのかよ!!

 

と思った方も居るだろう。

 

実はある。

 

それは所謂歯医者さんで売っているようなガムであったりお菓子であったりがそうだ。

パッケージはほとんど一緒だが、実は端っこの方に

 

「歯科医院専用」

 

と書いていたりする。

 

この記載があるものについては、キシリトールが限りなく100%に近い量が配合されているので、安心できる。

 

・・・もちろんその分お高いが・・・。

 

もし、

間食をしたいけど虫歯が怖い!

と言った方が居れば、歯科医院で売っているお菓子を買うと良いかもしれない。

 

では、また。近いうちに。

明けましておめでとう。

明けましておめでとう。

匿名歯科医師だ。

 

今年もいろいろなネタを暴露していく予定だが・・・

セミナーに参加したり、逆にセミナーを主催したり・・・

 

地味に忙しい年になるので、

今まで以上に更新が遅くなりそうな気がする。

 

そんなブログだが、今年もよろしくお願いしたいと思う。

 

では、また。近いうちに。

重曹うがいってどうなの。

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

 

今回のテーマは

重曹うがいってどうなの。

だ。

最近、と言っても割と前だが

とある歯医者のブログでご丁寧にお子さんのレントゲン写真を添えて

「虫歯になったけど、重曹うがいで治ったよ!!」

という内容の記事が書かれたことがあった。

それ以降、インターネット上では

重曹うがいをしたら虫歯が治る。」

「ホワイトニング効果もある。」

だの、無責任な記事が溢れかえってしまった。

重曹うがいで検索をかければ関連記事がすぐに出てくる。

 

歯は虫歯菌の出す酸で溶かされる。

じゃあ、アルカリ性重曹で口腔内のPH上げればいいんじゃね!?

と考えたようだが・・・。

 

びっくりするほど的外れな考えだ。 

 

そもそも虫歯というのはプラークの付着している所に出来る。

そのプラークとは、「細菌+それを保護するグルカン」と呼ばれる構造物だ。

そしてそのグルカンが細菌を守っている為、

口腔内のPHとは関係なしに歯を溶かす。

つまり、どれだけ重曹うがいで口腔内のPHを上げようが、全く意味がないのだ。

 

しかし、その歯医者はレントゲンで、虫歯が治ったことを証明している!

と思った人もいるだろう。

 

・・・本当に治ったのだろうか・・・?

 

というのも、

エナメル質・象牙質は再生することが出来ない組織なのだ。

 

つまり、レントゲン上で虫歯の所が埋まってきているのであれば、それは別の何かで埋まってきているという事になる。

その何かとは・・・

 

所謂歯石だ。

 

要は、重曹うがいで虫歯が治った!と思っているのは、

ただただ、虫歯の所に歯石が出来てしまっただけの話だ。

 

そして、歯科医師であれば恐らく誰でも知っている常識。

 

歯石は多孔性。細菌とかスカスカ通る。

 

つまり、今後数年後にまた彼のレントゲンを撮ったら・・・

埋まったと思っていた所の下にかなり大きな虫歯が出来てしまった。

 

なーんてこともあり得る。

 

もっともそうならないように、必死にフロスなどをさせていると思うが。

 

また、重曹うがいをすることで歯の表面に細かい傷がつき、着色しやすくなるだけか、歯石まで付きやすくなってしまう。

 

まぁ、つまり、だ。

間違っても重曹うがいなんて絶対にしないように。

 

 

 

 

・・・とか言いながら、

数年後にしっかりとした論文などで重曹うがいの有用性が発表されたら

全力で謝罪したいと思う。

 

 

では、また。近いうちに。

歯科医師て偉いの。

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

 

今回のテーマは

歯科医師って偉いの。

だ。

 

歯医者に行ったことがある人なら、解ると思うが・・・

基本的に歯医者はなんか偉そうなやつが多い。

なんでかはよくわからないが・・・なぜか偉そうだ。

あれはなぜかというと、

 

本当に歯科医師は偉い職業だと思っている。

 

からだ。

そう。つまり、彼らは本気で偉いと思っているのだ。

実際今まで勤務した所であったり、歯科医師と出会う機会は多々あるが、

偉そうな方が非常に多い。

内心で患者を小ばかにしている人が居たりする。

 

実際に、歯科医師に限らず医療職というものは人からダイレクトに感謝されることが多い職だ。

その為、若手の歯科医師は最初こそは

「治したら感謝された!また次の人の治療も頑張ろう!」

と思う。

しかし、次第に感謝されることに慣れてくると、

「患者は感謝するのが当たり前」

になり、

そして最終的には

「オレ、オマエヨリ、エライ。」

となってくるのだ。

 

もちろん、そうならない人もいる。

(自分で言うのもなんだが、そんなこと思っていたらこんな記事は書いていない。)

 

だが、残念なことに偉いと勘違いをしている歯科医師が非常に多い。

確率で言うと、おおよそ7割強と言ったところだと思う。

もちろんこんな統計などはないので、完全に今まで出会った歯科医師との会話で思っただけなので完全に私見だ。

 

「まぁ偉そうでも治療さえしっかりしてもらえればいいや。 」

 

と思った方もおいでだろう。

しかし、残念。

こういった歯科医師は新しい治療技術などを目にしても、

「そんなものより俺の治療の方が優れている。」

とここでも更に勘違いをして新しい治療の概念や技術を入手することを拒む方が多い。

そう。

今までは患者のみに対して偉そうだった人がとうとう次は同職の若手や新しい技術に対しても偉そうになってくるのだ。

 

自分自身、こうならないように常に注意をして診療していきたいと思う。

 

では、また。近いうちに。

フッ素は害だと言う歯医者が多いことに驚きを隠せない。

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

 

今回のテーマは

フッ素は害だと言う歯医者が多いことに驚きを隠せない。

だ。

 

「フッ素は実は体に悪いので、当院では使用しておりません!!」

 

と元気いっぱい書いている歯医者のHPがたまにある。

 

これを見ると、

・・・嘘だろう・・・?

国家資格を取得して・・・

そんな、中学生でも解るような化学の常識を分かっていない歯科医師がいるなんて・・・。

 

と、非常に物悲しくなってくる。

こんな歯医者ばっかりではないので、安心して欲しい。

 

所で、今までの記事の中で、私は「歯科医師」と「歯医者」で呼び方を使い分けている。

所謂歯科のプロフェッショナルに対しては「歯科医師

患者さんに対してや、明らかに的外れな考え方をしている時は「歯医者」

と呼ぶようにしている。

 

そして、

フッ素は体に悪いので使わないというのは、「歯医者」だ。

 

まず、フッ素とはどういうものを言うのか、書いていきたい。

根本的なことになるが、歯科のフッ素塗布で使用する「フッ素」とは正式名称は「フッ化ナトリウム(他にもあるが、ほとんどはコレ。)」だ。

化学式で表すと、フッ素は「F」でフッ化ナトリウムは「NaF」となる。

化学がある程度出来る人は既に察したかもしれないが・・・

元素というのは、化学式に1つ別の元素が付くだけで全く別の物質に変わることとなる。

 

「F」というのは確かに猛毒だ。ナチスドイツでも使われていたそうだ。

対して「NaF」に左程の毒性はない。

 

根拠はいくつかあるが、全部書くとさすがに英語の論文のようになってしまうので避けることとする。

その代わり、身近なもので比較的わかりやすい例があるので、それで説明したい。

 

それは塩素だ。

 

塩素の化学式は「Cl」これは非常に強い毒性があり、これまたナチスドイツで、毒ガスとして使用されていた。

だが、そこにフッ素同様、Naをつけるとどうなるか・・・

 

塩「NaCl」だ。

 

確かに塩も取りすぎれば毒となるだろう。

だが、取りすぎなければ全く問題はないという事は、皆さんの実体験で既に分かっているはずだ。

 

これを聞いても、なお、

「いや!!でも!!!フッ素は毒じゃないですか!!!」

という人がいるなら、それはもう、好きにしたらいい。

そういったタイプの方どれだけ論理的に物事を説明しても、自分の頭の中の答えが全てなタイプなので言うだけ無駄となるからだ。

ちなみにフッ素が毒だと主張し続ける歯医者達もこのタイプであることが多い。

実際、知り合いに毒だと言って止まない歯医者が居た時に同じように説明したことがある。

 

・・・驚くほどに聞き入れてもらえなかった。

 

その後、疎遠になったという事は言うまでもないだろう。

 

 

さて。

今度は少し論文についての話をしたいと思う。

 

フッ素の虫歯予防の有用性が認められた論文は、信ぴょう性の高いものが多い。

それに対して、

フッ素が毒だという論文は的外れなことを書いていることがほとんどだ。

 

例えば、日本のとある国立大学の研究だが・・・

フッ素は〇〇な理由で人体にとって毒だ!!

と発表したことがあった。

が、この論文に書かれてあるフッ素とは、フッ化ナトリウムを使用したのか、それとも、ただのフッ素を使用したのかも書かれていなかったため、

結局何が言いたい論文なのかさっぱり分からずに終わった。

という事もあった。

 

つまり、論理的に考えれば考えるほど、

 

NaF=毒の構図には疑問が出てくる。

 

 というよりも、それを証明するマトモな論文が一切ない。

 

当然我々歯科医師は、患者の健康を最優先で考えている。

その為、もしフッ化ナトリウムが有害であるという、マトモな論文が出てくれば一斉に使わなくなる人がほとんどだろう。

 

・・・少なくとも、今のところは

 

使用量さえ守っていれば体に害などなく、むしろ虫歯を防ぐことができるというメリットの大きさを考えると、なるべく使用した方が良い。

 

と考えて貰えれば間違いない。

 

この情報に溢れかえったインターネットで、正しい知識を見つけるのは非常に難しい。

だが、今回の事のように、

中学生レベルの知識でも考えればわかる。

と言った事も、実は多いという事も知っておいた方が良いと思う。

 

長くなってしまったが、今回はこの辺で・・・。

 

 

では、また。近いうちに。

虫歯の治療の時に麻酔って必要?その2

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

 

今回は

real-dentist.hatenablog.com

前回に引き続き、

虫歯の治療の時に麻酔って必要?その2

を書いていこうと思う。

今回はちなみに、保険のルール編だ。

 

前回も書いた通り、虫歯の治療の際には必ず麻酔を行わないと痛みが出てくる。

痛みを好きな人は・・・いや、まぁ居るんだろうけど。

基本的には居ないはずだ・・・。

そして痛みや苦痛を伴う歯科医院からは遠ざかりたくなるのは一般的な患者の心理だろう。

 

なので、歯科医師は患者の痛みに配慮する必要がある。

その為の麻酔だ。

 

だが、この麻酔・・・実は無料で行っている歯科医師がほとんどだ。

というもの、保険のルールのせいだ。

 

白い詰め物(コンポジットレジン修復:略語CRF)

金属の詰め物(メタルインレー修復:略語In)の形作り型取り

或いは神経を抜く治療(抜髄)

 

等は私から言わせれば必ず麻酔が必要な処置だ。

だが、実はこれらを行った時に麻酔の代金を請求できないことになっている。

というよりは、上記処置の点数に含まれているのだ。

つまり、

 

麻酔を行おうが、行うまいが、懐に入ってくるお金は同じだ。

 

当然、麻酔も液体や針などの材料代が掛かるし、使用する注射筒の滅菌のコストもかかる。

それらをすべてサービスで行うことになる。

麻酔を行わない歯科医師が居るのは、ほとんどの場合がこれが理由だったりする。

 

 

あとは、麻酔を使用しない歯科医師には稀にだが、以下のものもある。

 

・「麻酔なしでも取りきれるぜえぇぇぇぇぇ」という自己満足に塗れた歯科医師

・「痛い思いをした方が、次以降虫歯にならないように気を付けるようになる」という素っ頓狂な考えを患者に押し付ける歯科医師

・患者が痛がるのが楽しくてしょうがないというゴミのような歯科医師

 

等々・・・ちなみにこれらの歯科医師は私の知り合いに実在している。

 

どんな処置でも麻酔を必ず行わなければならないという事ではないが・・・

 

少なくとも、痛みが出る可能性がある処置については、

 

「痛みが出る」という説明をした上で、「麻酔をするかどうか」の選択を患者に行わせるのが歯科医師として当然の責務であると私は思う。

 

と、厨二感を出しつつ。

 

今回のブログは終了したいと思う。

 

では、また。近いうちに。

虫歯の治療の時に麻酔って必要?その1

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

 

今回のテーマは、

虫歯の治療の時に麻酔って必要?

だ。

 

実は、

 

虫歯の所というのは痛覚が存在しない。

 

その為、

虫歯の所だけを削れば、麻酔をしなくても痛みなどは一切出ない。

 

 

つまり、

 

麻酔など不要なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・とは残念ながらならない。

 

なぜなら、

「虫歯のみ」を削ることは実質不可能だからだ。

 

 理由としては、

①虫歯の原因菌のサイズ

歯科医師のスキルの問題

の2点があげられる。

 

それぞれについて書いていく。

 

①虫歯の原因菌のサイズ

これは、歯学部の学生でも知っているレベルだが・・・

虫歯の菌はメジャーなものが2つある。

1つ目はミュータンス菌:エナメル質の虫歯の原因菌

2つ目はラクトバシラス菌:象牙質の虫歯の原因菌

この2つはどちらも大きさは0.5~1.0㎛程度といわれている。

㎛という単位が聞きなれない人の為に、mmで表すと、

0.0005~0.001mm 

となる。 

「え、見えてるの?それ。」

と思ったあなた。

その感性は非常に正しいものなので是非忘れないでいただきたい。

ハッキリ言おう。

「見えるわけないじゃん。」

いや、そりゃそうでしょ。

そんな小さいもの裸眼で見えるわけないよね。

歯科医師は某猫型ロボットじゃないんだから、ズームなどできない。

いや、猫型ロボットもズームは出来なかった気がするが。

その為、その細菌を可視化するため、齲蝕検知液というものが存在する。

これは何かというと、虫歯の細菌を染めてくれる画期的な代物だ。

だが、これにも欠点がある。

接した所しか染色してくれないので、染め忘れなどがあると、そもそも虫歯が染色されない。

そして、なにより。

結局染めたものも限りなく小さいサイズなので、結局見逃してしまう。

 

そして、

歯科医師のスキルの問題

これもまぁ当然だが・・・

どれだけ染色液でピンポイントに染め出した所で、そこだけを削るなど、人間には不可能だ。

某猫型ロボットなら・・・いや、彼はそもそも意外とドジっ子なので無理だろう。

そして何より、現在発売されているバー(歯を削るドリルの先端部分)でピンポイントに削ることが出来るサイズは存在しない。

 

以上の2点より、

 

虫歯を取る時に痛みを出さずに取りきることは不可能だ。

 

 

だが、思い返してみてほしい。

今まで行った歯医者で、何件かは必ず麻酔なしで治療を行ったはずだ。

これにはまたもや保険のルールという、

日本の歯科治療の闇が絡んでくる。

若干長くなるかもしれないので、またこのあたりで区切りたいと思う。

 

では、また。近いうちに。

治したところがまた虫歯になるのはなんで?

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

 

今回のテーマは、

治したところがまた虫歯になるのはなんで?

を書いていこうと思う。

 

歯医者に行ったときに、

「昔治したところがまた虫歯になってしまっているので、やり直しましょう」

と言われたことはないだろうか。

 

歯科的な知識のない一般の方からすると、

「治したのにまた虫歯・・・?」

と思う人も多いのではなかろうか。

 

実は、歯科医師は言いたがらない人が多いが

虫歯の治療した=もう大丈夫

ではなく、

虫歯の治療した=絶対また虫歯になる

というのはもはや歯科界では常識だ。

それはなぜかを書いていこうと思う。

 

そうなると、まずは歯の構造から説明する必要がある。

            f:id:real-dentist:20161216110847j:plain

歯とは、外側から「エナメル質」「象牙質」「歯髄(神経)」の構造になっている。

「セメント質」などもあるが、今回はスルーする。

 

「エナメル質」とは人体の中で最も硬い組織。

象牙質」とは細ーい穴が大量に開いている、柔らかーい組織。

「歯髄(神経)」とは神経と血管の混合物。

 

で、「エナメル質」を突破して「象牙質」に入ったら虫歯の治療を行う必要が出てくる。

ただし、この「エナメル質」を虫歯が突破するには、成人であれば数年~十年以上かかる。

それほど硬いのだ。

 

そして例えば、虫歯の治療を行ったしよう。

白い詰め物や、金属の詰め物を詰めたとする。

ところが、詰め物と歯の間で段差を完全になくして詰めることなど不可能だ。

0.1mm程度は必ず段差ができる。

その結果、以下のような事態になる。

 

白い詰め物であれば歯に接着しているので、まだいいのだが・・・。

金属の詰め物などは金属と歯との間に接着剤を介在してくっつけている。

そしてその接着剤は長い年月(数年)をかけてじわじわと溶け出してくる。

溶け出した隙間や、段差に細菌が繁殖し、そこから中の方へ虫歯が進んでいく。

 

という流れで再度虫歯になる。

 

 

そもそもだが、一番虫歯になりづらい「エナメル質」を削り取って、別の物質を無理やり詰めているだけなのだから、当然健康な歯に比べて虫歯になりやすくなる。

これと同様で、例えば再生医療が発達し、虫歯になったところに「エナメル質」を再生させることが出来たとしても、人間が行う以上必ずそこには段差が生じてくる。

 

 

ちなみに、

「歯医者に積極的に通う人ほど、歯を失っている」というデータもある。

(私の記憶にある言葉なので、多少語弊はあるかもしれないが、大体のニュアンスはあっているはずだ。正確な言葉が分かる人がいれば是非教えていただきたい。)

 

これは、「歯というものは削れば削るだけ寿命が短くなる為、まだ様子見でも大丈夫な虫歯を削られてしまうことで逆に寿命が縮まる。」ということだ。

 

もちろん、「だから歯医者に通うのはやめましょう」というわけではない。

 

正確な診断の元、適切な時期に治療に介入してくれる

診断力のある歯科医師に定期的に診てもらう。

 

という事が何よりも大事となる。

歯医者に行ったときに、必ず「虫歯が何本あります」など言われるはずなので、

その時に、治すべき虫歯まだ様子見で大丈夫な虫歯かをしっかりと教えてくれる歯科医師は信用に足る。

逆に、「ここはまだ小さい虫歯ですけど、早めにやってしまいましょう」という歯科医師は売上至上主義で患者の10年・20年後を一切考えていないタイプなので、注意をしてほしい。

 

最後の方は少し横道にそれてしまったが、是非歯医者選びの参考にしていただきたい。

 

では、また。近いうちに。

顎関節症の治療でマウスピース?

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

非常にお久しぶりになってしまった。

 

まぁ、このブログは歯科医師の本音を暴露する・・・

言ってしまえばタダの世の中への愚痴を吐くためのブログなので、

更新が不定期になってしまうのは許していただきたい。

 

さて。

早速だが本題だ。

今回のテーマは

顎関節症の治療でマウスピース?

だ。

どういうことだ?顎関節症と言えばマウスピースだろう?

と思った方もいるかもしれない。

だが、残念ながらこれは間違いだ。

 

読者の中にも顎関節症になった人もいるだろう。

また、なったことがない人もいるかもしれないので、まずはその症状から書いていきたい。

・口を大きく開閉する度に音が鳴る(関節雑音)

・顎が痛む(顎関節痛)

・口が開かない(開口障害)

このうち1つ以上の症状があり、鑑別診断で他の疾患が無い状態を「顎関節症」という。

 

一昔前、日本では顎関節症になった人には必ずと言っていいほどマウスピースを作っていた。

そして、保険でも作成可能でしかも、簡単に作成でき、しかも保険点数は高めなため、現在でも非常に多くの歯科医師が作成している

 

さて、ここでテーマに戻る。

顎関節症の治療でマウスピースは適切なのだろうか。

というのも、実はこの顎関節症

5つのタイプが存在しており、それぞれに対する処置の方法も変わってくる。

 

それらについてはまたその内書こうかと思う。

 

ちなみにマウスピースには別の呼び方もある。

マウスピース=ナイトガード=スプリント・・・などなど、一番オーソドックスな呼び方がこの3種類だ。

それを踏まえて以下のものを見てもらいたい。

これは顎関節症学会のガイドラインのものだ。

えらくポップなデザインだが、そこは気にしないで頂きたい。

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画面中央部に、書かれてあるのが、マウスピースに対する考え方なのだが・・・

「咀嚼筋痛を主訴とする顎関節症患者において、適応症・治療目的・治療による害や負担・他治療の可能性も含めて十分なインフォームドコンセントを行うならば、上顎型スタビライゼーションスプリント治療を行っても良い。」

となっている。

 

・・・行っても良い。

 

察して頂けただろうか。

行った方が良い。ではない。

また、非常に回りくどく、また丁寧に書かれているので、わかりやすく書き直すと

 

むやみやたらとマウスピース入れてんじゃねぇよ。

バァカ。

 

となる。

学会からの公式発表でそうなっている。

なぜ学会からもマウスピースを推奨しないかというと、そのデメリットにある。

実はこのマウスピース、1月も連続で装着すればかみ合わせが狂い始める。

そうすると、むしろ顎関節症が悪化する可能性も孕んでいる。

そしてそれに対して、メリットは皆無だ。

 

ただ、この説明をすると患者からはこういった返しが返ってくることがしばしばある。

「でも先生。前にそれ入れたら痛いのがすぐに無くなりましたよ?」

だ。

ハッキリ言おう。

それは、ただ自然治癒したか、もしくは思い込みだ。

「病は気から」という言葉もあるが、これは意外と正しい。

これで大丈夫だと思い込むことで症状が改善することは医学的に非常によくある。

薬理の世界では「プラシーボ効果(偽薬効果)」と呼ばれるものだ。

 

原因不明の腹痛で悩んでいた人が、医師から特効薬と言われてある薬を飲んだところ、たちまち痛みが消えた。

所が、実はこの薬はただの小麦粉だった。

 

と言うのがこの話のオチなのだが、これも偽薬効果だ。

 

それと同様に、「マウスピースを入れているからもう大丈夫」と思うことで痛みが改善することがよくある。

 

また、人間の生体に対する許容範囲と言うものは非常に広く作られているので、

多少顎関節がズレたりしても、その内痛くなくなってくるものだ。

その結果、それがあたかもマウスピースを装着したことで症状が改善したと錯覚する。

 

つまり、はっきりと言ってしまおう。

 

マウスピースは顎関節症にほとんど全く効果がない。

 

もし今まで、マウスピースで改善したと思っていた方は、

詐欺の被害に会いやすいので注意していただきたい。

 

 

ちなみに、未だ出会ったことはないが、マウスピースを入れることで症状が悪化する方も稀にいるそうだ。

もし自分がマウスピースを入れて症状が悪化してしまったら・・・と考えるとぞっとする。

まぁ、私なら確実に訴訟を起こすだろうが。

 

顎関節症の治療については、

むやみやたらとマウスピースを入れようとするヤブ・・・失礼。

歯医者には掛からないように気を付けていただきたい。

 

では、また。近いうちに。

歯科治療がなぜ何回もかかるのか。その2

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

 

今回は前回に引き続き、

歯科治療がなぜ何回もかかるのか。その2

を書いていきたいと思う。

長くなると思うが、読んでいただきたい。

 

前回を読んでいない方はまず

real-dentist.hatenablog.com

を読んでいただけるとありがたい。

 

②歯内療法(神経の治療)

次はこちら。神経の治療だ。

これに関しては保険のルールは一切関係ない。

 

歯科医師の知識と技術の問題がほとんど

だ。

 

そもそも、神経の治療は回数をかければかけるほど、むしろ赤字になっていってしまう処置だ。

保険の点数が非常に低く設定されているので、人件費・光熱費・材料費まで考えると、とんでもなく赤字になってしまう。

では、なぜそんなに回数をかける歯科医師が多いか。

 

それについては3パターンの歯科医師がいる。

 

「患者一人当たりの点数が高くなると国に怒られる。下手すると保険診療が出来なくなってしまうから、平均点数を下げるために長引かせている。」

「本気で治そうと頑張っているが、歯内療法の基本を理解していない。」

「長引けば長引くほど抜歯のリスクが上がるので、抜歯してより高い治療費をもらおうとしている。」

 

だ。

このうち上2つは非常に理解できるところもあるし、人として至って普通だと思うが・・・

3つめは、日本の歯科医療の闇と言えるもので、人として終わっていると思う。

 

それぞれ説明していく。

まずは

「患者一人当たりの点数が高くなると国に怒られる。下手すると保険診療が出来なくなってしまうから、平均点数を下げるために長引かせている。」のタイプ。

 

ちなみに、患者一人当たりの点数の事を専門用語で「レセプト単価」と呼ぶ。

そのレセプト単価がその県の上位15%?に入ると、強制的に「個別指導」というものに呼ばれる。

この個別指導は「指導」とは名ばかりで実際、ほぼ恫喝に近い。

インターネットで検索してもらえれば割と出てくるが・・・

これが原因で自殺した歯科医師もいるくらいだ。

「個別指導 自殺 歯科医師

などで調べてもらえれば一発だ。

ちなみにこの個別指導で認めれ貰えなければ、最悪の場合、保険医と保険医療機関を取り消される事となる。

つまり保険治療が一切できなくなるのだ。

となるとそれまで通っていた歯科に通えなくなるため、それまでそこに通院していた患者たちはいきなり転院を余儀なくされてしまう。

そういうことを避けるためにも、レセプト単価を下げたがるというのは割と理解できる。

 

 

そして2つめ

 「本気で治そうと頑張っているが、歯内療法の基本を理解していない。」のタイプ。

これに関しては、歯科医師が歯内療法の勉強をあまりしていないパターンだ。

昔、強い薬で消毒を繰り返すと治ると言われていた時代があった。

と言っても、30年以上前の考え方だ。

現在では強い薬を入れる意味はあまりなく、むしろアレルギーなどのリスクの問題から世界的に行われていない。

日本は昔から体質として、上司が「カラスは白い」と言えば「白い」と言わなければならない風潮が存在する。

これは歯科だけではなく、一般企業でもそうだろう。

つまり、若手の歯科医師は現代の歯科治療を学んで卒業してくるわけだが・・・

 

その後の勤務先で古臭い・・・失礼。古き良き歯科治療へと修正されることとなる。

 

その後しっかりと勉強して再修正すればいいのだが・・・勉強していない歯科医師はその修正が出来ず、そのまま古いやり方でやっていく。

実は回数に関しても同様で

現在アメリカなどの医療先進国では、

 

神経の治療の回数は少なければ少ないだけ良い。

 

という事が研究で明らかになってきている。

正確には回数が増えれば治療成績が良くなるという事はなく、むしろ神経の治療の度に感染のリスクが上がるから、短い方が良い

という事だ。

決してやっつけ仕事で良いというわけではない。

そこだけは注意していただきたい。

ここら辺は書き出すとまた恐ろしく長くなるので、また別の機会にでも詳しく書いていきたいと思う。

 

そして3つめ

「長引けば長引くほど抜歯のリスクが上がるので、抜歯してより高い治療費をもらおうとしている。」

についてだ。

これもまた歯科治療の闇なのだが・・・

現在日本で行われている歯科治療はほとんど全て、

歯を失えば失うほど高額な医療費が必要。

となっている。

 

例えば、虫歯の治療小さいものならプラスチックで1日で終えることが出来るが、保険を使えば1000円程度だ。

仮に神経の治療後に被せ物まで行ったとしよう。

すると今度は10000円ほどかかる。もちろん保険でだ。

そして歯を失うとしよう。

ブリッジでも20000円・入れ歯で10000円。

インプラントだと30万円以上

と言った具合に、歯をなくせばなくすほどお金が掛かるシステムとなっている。

要はさっさと抜歯してしまった方が医院収入は大きくなる。

 

また治療を長引かせれば

・「これだけやってダメだったからな・・・」と患者の諦めも付きやすいし。

・上で言ったレセプト単価の引き下げもできるし。

・収入は大きくなる。

と、医院にとってのメリットは計り知れない。

要はこれをワザとやっているのが3つめのタイプなのだ。

人として終わってると言った意味は分かってくれたかと思う。

 

つまり、神経の治療でやたらと長引くのはこう言った事情なのだ。

 

 

ちなみに、神経の治療で1回ずつの治療が短いにも関わらず・・・

治療回数も少ない歯科医院は・・・

 

ほぼ確実にやっつけ仕事の所だ。

 

ちなみに、専門医などでは、治療回数は少ないが1回の治療で2時間ほど時間がかかることが多い。

・回数の少なさだけでなく、

・1回の処置時間や、

・どれだけ歯科医師が口の中を触っているかを考えると、

自ずとしっかりと治療をしている医院かどうかが分かってくると思うので、参考にしていただければと思う。

 

 それでは、今回はこの辺で。

 

では、また。近いうちに。

歯科治療がなぜ何回もかかるのか。その1

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

今回は妻からの要望で、

歯科治療がなぜ何回もかかるのか。

を書いていきたいと思う。

 

さて。

治療の回数が掛かる筆頭の処置としては、皆さん思い浮かぶのが・・・

 

歯周病の治療(歯石取り)

②歯内療法(神経の治療)

 

のツートップだろう。

実際、この2つは5~6回以上は余裕で掛かってくる医院がほとんどだ。

ではなぜか。

ただ、この2つは回数が掛かる理由がそれぞれ別にあるので分けて説明していきたいと思う。

 

歯周病の治療(歯石取り)

これは、保険制度の問題と処置時間の問題であることがほとんどだ。

基本的に治療の流れとして

 

歯周検査(1)

スケーリング

歯周検査(2)

スケーリングルートプレーニング

歯周検査(3)

必要なら外科処置へ

歯周検査(4)

 

の流れが決まっている。これは保険云々ではなく、歯周病の治療をしっかりと行おうとすると必ず必要なものだ。

また、この処置後の歯周検査(2)(3)(4)については処置後から2週間以降でなければ検査を行ってはならない。これは保険のルールで決まっている。

実際は1週間くらい待てば十分だが、なぜか2週間以降にしろと国から言われる。

そして更に処置についてだが・・・

スケーリングは上下一気にやらずに別々に行う。

スケーリングルートプレーニングは6ブロック(上下の左右奥歯・上下前歯)に分けて行う。

これに関しても、

ルールで決まっているわけではなく、国からこうしろと言われる。

つまり、国からの移行でやたらと長くなってしまっているのだ。

しっかりとルールと国からの指示を守ろうとすると・・・

 

歯周治療は一般歯科で行われるレベルであれば、

歯周検査(3)まで最短でも11回はかかることとなる。

 

これが歯周治療がやたらと回数が掛かる理由だ。

ちなみに、これは保険のルール上こうなっているだけであって・・・

保険外診療であれば、2~3回で終わらせることも可能だ。

ただしその分、非常に高額になってしまう。

タイムイズマネーという現代的な考え方が出来る方であれば、是非自費で歯周治療を行っているところに掛かられることをお勧めする。

今まで何か月もかけていたものが2週間とかで終わってしまうのだから。

その空いた時間を使って更に仕事をしても良し。

家族との時間に使っても良し。

となるわけだ。

 

 

思ったよりも②歯内療法についてが長くなったので、

こちらに関しては明日にしたいと思う。

 

では、また。近いうちに。

保険診療のルール。その2

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

 

今回は、

保険診療のルール

の続きを書いていきたいと思う。

 

前回は、初診再診と歯科疾患管理料について記載した。

今回は歯科疾患管理料がどういった時に算定(請求)できるかを書いていきたいと思う。

 

ルール本には、このように記載されています。

 

1回目の歯科疾患管理料は、継続的な歯科疾患の管理が必要な患者に対し、患者又はその家族等(以下この区分番号において「患者等」という。)の同意を得て管理計画を作成し、その内容について説明を行った場合に、初診日の属する月から起算して2月以内1回を限度として算定する。

2回目以降の歯科疾患管理料は、1回目の歯科疾患管理料を算定した患者に対して、注1の規定による管理計画に基づく継続的な管理を行っている場合であって、歯科疾患の管理及び療養上必要な指導を行ったときに、1回目の歯科疾患管理料を算定した日の属する月の翌月以降月1回を限度として算定する。

 

 

国の書いている内容は非常に分かりづらいので、ざっくりというと、

①治療計画を立てて、それを説明する。

②初診月から2か月以内に算定する必要がある。(10月初診なら11月末までに)

③2回目以降の算定は「○○あたり、気を付けてねー。」と言うだけでも算定可。

④月に1回しか算定できない。

ということになる。

 

また今までは文章提供と言って、治療計画を紙で印刷したものを患者さんに渡さなければ算定できなかったが・・・

今年の4月からは紙を渡す必要はなくなった。

その代わり、今まで110点だったものが100点に減点となっているので、患者への負担額は若干安くはなっている。

 

ちなみに、備考として以下のような記載もある。

 

なお、歯周病に罹患している患者の管理計画は、歯周病検査を実施し、その結果を踏まえた治療方針等を含んだものとする。ただし、1回目に患者の主訴に関する管理を開始し、2回目以降に歯周病やその他の疾患も含めた管理を行う場合は、新たな検査結果や管理計画の変更点を患者等に対して説明する。この場合において、当該月より改めて1口腔単位での管理を開始する。

 

やはり分かりづらい。もはやワザとではなかろうかとすら思ってしまうレベルだ。

まぁ要するに

歯周病がある人について歯科疾患管理料を算定したければ検査して、確実に歯周病があると分かってから算定しろ。

ということだ。

昔は途中から歯科疾患管理料を算定した病名が変わったら、ダメだったが・・・

ここに記載している通りであれば問題はないということになる。

いつの間に変わったのか・・・

もしくは最初からこうで、勘違いをしていたか・・・

定かではないが、とりあえずそういうことらしい。

 

ちなみにこの、検査をしてからというのは非常に重要だ。 

というのも、保険診療に限らず、治療とは診断を行った上で、その病気についての処置を行うこととなる。

 

例えば、

虫歯の治療であればレントゲンか、或いは目視にて虫歯と診断をした上で行う。

 

だが、歯周病は歯茎の検査をしっかりと行ってからでなければ歯周病という診断がつかないのだ。

正確には、歯周病にも程度がある為、その程度の診断の為に検査が必要だ。

歯周病の治療は基本的に歯石取りがメインとなってくるのだが・・・

その「歯石取り」という処置を行うためには検査をして「歯周病」という診断をつける必要がある。

 

なので、もしフラッと立ち寄った歯科医院で歯石取りをしてもらう際、

歯茎を触るチクチクする検査を行わない歯科医院は・・・

 

診断もつけずに医療行為を行っている所

 

となる。

非常に危険だ。

もはや医療行為ですらないと思えてくる。

 

しかもこれは違法請求と言って、れっきとした違法行為となる。

なので立ち寄った歯科医院で知らず知らずのうちに犯罪の片棒を担がされていた・・・

なんてこともあるわけだ。

 

今の所、患者が逮捕された例などは知らないが・・・

犯罪行為に利用されている可能性がある為、

 

検査を行わない歯科医院に通っているのであれば、速やかに転院することをお勧めする。

 

自分の身を守るためにもしっかりと法令を遵守しているところに通っていただきたいと思う。

途中から歯科医院の選び方になってしまったが、今日はここまでとする。

また思いついた頃に更新したい。

 

では、また。近いうちに。

認定医、専門医って意味あるの?

お久しぶりです。

匿名歯科医師だ。

 

今回のテーマは

認定医、専門医って意味あるの?

だ。

 

よく歯科医院のHPなどを見ていると、○○学会所属認定医とか○○学会所属専門医とか書いてあるのを見たことがあるかと思う。

今日はそれについて書いていきたいと思う。

 

そもそも論だが・・・

この認定医と専門医とは決して技術の良し悪しを評価するものではない。

というのも認定医・専門医の取得試験は筆記・面接・論述などがメインで技術を判断する試験を行っているところはほとんどない。

せいぜい、最も上手く治った症例を症例発表を行うくらいだ。

多くの患者をみていると上手くいく事もあれば上手くいかない事もある。

なので、この肩書に先生の手技の上手さは全く含まれていない。

 

ただし、上で書いたが、取得のためには試験が必要だ。

逆に言うと、知識は認定医・専門医が一般歯科医師よりも下回っているということは限りなく少ない。

 

ただそれだけである。

 

なので認定医・専門医だから他の所よりもハイレベルな治療が受けられるといった事実は一切ない。

ただし、基本的にはその分野に興味をもって勉強している先生方がほとんどなので、それなりに最新の機器を揃えていたりはする。

 

また気を付けて頂きたいのは、認定医・専門医は学会により多くの種類が存在するが・・・真面目な学会は大体最低3~5年以上は学会に所属している必要がある。

が、所属したら何年以上所属などの縛りが無く、お金を払うだけで認定医をもらえる学会も存在する。

要するに客集めの為に認定医という肩書を買っている。

と思ってもらって構わない。

こういった学会に所属している歯科医師には十分に注意していただきたい。

すごくどうでもいい肩書を大量に書いている歯科医師程、治療自体はお粗末なんてことは非常によくある話だし、我々歯科医師から見てもそういう歯科医師は危険という認識だ。

 

ちなみに、認定医と専門医の違いについても軽く触れておきたいと思う。

一般的に知識も技術も認定医<専門医であることがほとんどだ。

というもの専門医は取得するのが非常に難しい。

下手をすると取得まで10年近くかかるなんてこともよくある。

逆に言うと、それ以外の分野が疎かになってしまっている可能性も実はある。

いつだかの記事でも書いたが・・・

同じ時間をかけて勉強しているのだから、得意分野が分かれるのは至って普通の事だ。

 

つまり、今回の記事での結論を書くと、

 

・認定医にはそんなに大きな期待はしない。

・専門医はその分野のプロフェッショナルだが、それ以外には不安があったりする。

 

となる。

なので、

歯周病の治療は歯周学会専門医の下で。

神経の治療は歯内療法専門医の下で。

上物については接着歯科学会専門医或いは補綴歯科学会専門医の下で。

といったように分野によっていくつかの歯科医院を行くと良好な結果を得ることが出来ると思う。

ただし、基本的にそういった方々は自費で行っているところが多いし、他の歯科に掛かるのを嫌がる先生もいるので実際には何かと無理があるスタイルになってしまうが・・・。

もし、こういったことが可能な歯科医師を複数見つけることが出来れば、今後歯で悩むことは限りなく少なくなるだろう。

 

今日はこの辺までで。

では、また。近いうちに。