低価格でノートPCをゲーミングPC化!グラフィックカード外付け
PCで通常の事務作業をするには、CPUのみで十分賄えたりするのであまり必要のないグラフィック性能ですが、昨今のPCゲームは画質なども向上しているため、遊ぶためにはCPUとは別にグラフィックカードが必須となっています。
とはいえ、デスクトップ型のパソコンならばグラフィックカードを購入して、対応するスロットに差し込めばいいだけですが、ノートパソコンとなるとそうはいきません。
最近はゲーミングノートパソコンというタイプも増えてきていて、GPUを内蔵したノートパソコンも多いですが、これはマザーボードに直接ハンダ付けされているタイプが殆どであり、デスクトップ型のようにパーツを交換して気軽に性能アップとはいかないのが実情でした。
かくいう私が普段使いしているノートパソコンも元はゲーミングノートパソコンという括りでして、かつては当時のPCゲームをそれなりに快適に遊べたものです。
ちなみに私が使っているパソコンは、ドスパラさんの「Prime Note Galleria QF655」というノートパソコンです。
- 型式 Prime Note Galleria QF655
- 発売日 2012年7月
- CPU Core i7 3610QM(Ivy Bridge)2.3GHz/4コア
- ビデオチップ デュアルグラフィックスGeForce GT 650M + Intel HD Graphics
- メモリ 16GB
- ストレージ SSD120GB+HDD1TB
しかし、それも購入から10年近く経つと、スペック不足は否めません。最近流行りのゲームなんかは殆ど遊べない状況です。
最近「valorant」というゲームにハマっていまして、このノートパソコンでなんとかやりくりしながらプレイしていました。
「valorant」は、最近公開されたゲームですが、動作が非常に軽く10年前のPCでも動くというのを売りにしているそうです。
おかげで私のパソコンでも動作はしてくれるのですが、流石に辛そう……最低画質設定なのにファンは凄い勢いで回っていますし、CPUやGPUの使用率は100%に常に張り付きです。
これでは快適にプレイできない……なんとかならないか。でも新しいデスクトップパソコンやノートパソコンを買うのも憚れる……。
私のパソコンのCPUは第3世代core i7であり、若干の力不足は感じるものの、それでもGPUのスペック不足に比較するとまだマシ……問題はGPUなんだよな……。
そんな思いを抱えながら色々と情報収集していたところ、eGPUというキーワードが引っかかりました。
要はノートパソコンにゲーム動作に必須のグラフィックカードを外付けしてやろうってことですね。
最初はなるほどと思いました。
ゲームに必要なのはどちらかといえばCPU性能ではなくGPU性能です。必要な性能は外から持ってくるという発想は確かにその通り。
更にeGPUについて調べると、いくつかの方法があることがわかりました。
さて、それぞれの方法について解説する前に、前提として必要な知識があります。
それは、外付けでグラフィックカードを接続すると、そのグラフィックカードの性能を100%発揮できないということです。
個体差もあるようですが、概ね70%から80%程度の性能しか発揮できないようです。
この原因は諸説あるようですが、私個人としては接続するケーブルや端子の伝送速度がボトルネックになっているためかなと考えています。
グラフィックカードの処理性能がいくら高くても処理するデータそのものが届かないと意味ないってことですね。
もちろん性能低下の理由はこれが全てではありませんが、結果として現在の外付けでは性能低下は免れないということを覚えておいてください。
これを踏まえて上記の方法をそれぞれ考えます。
外付けGPU BOXを使用(Thunderbolt3接続)
グラフィックカードをセット可能な基盤と電源を内蔵したケースです。基本は蓋を開けて中にグラフィックカードをセットし、電源を入れてパソコンとケーブルで繋ぐといった形です。
恐らく性能面では①の方法が一番グラフィックカードの性能を発揮できるものだと思います。
要因の1つとして、端子、ケーブルの伝送速度が高いということがあげられます。
Thunderbolt3のデータ転送速度 は最大 40 Gbpsと非常に高速です。
「eGPU」と検索かけると、大抵この方式のものが検索結果として出てきます。
しかし、色々とデメリットも多いです。
まずは接続端子であるThunderbolt3がまだ新しく、端子として搭載されているノートパソコンが少ないこと。macだと搭載されていることが比較的多いようです。
そして、なにより高価なこと。
2020年7月時点で、約3万円から6万円程度の価格となっています。
これに加えてグラフィックカードの価格も上乗せされるわけですから、総額では下手するとパソコン買い換えと同程度の出費となってしまいます。
これでは中々気軽に導入しようとは思えないですよね。
私の場合はそもそもThunderbolt3端子が備わっていないため導入は無理なのですが、価格面で考えても導入することは難しいなと思ってしまいます。
EXP GDCを使用(mPCIeスロット、エクスプレスカード、NGFFのいずれかで接続)
KKmoon ラップトップ 外部独立型ビデオカード グラフィックスドック V8.0 EXP GDCビースト向け ミニPCI-Eバージョン
低価格でなんとかできないかと探していた際にヒットしたのが、この方式です。
中国で生産されているパーツでして、低価格&比較的一般的な接続方式でグラフィックカードを外付けできるということでかなり愛好家がいるようです。
すでにたくさんの方々が挑戦されていますので、youtubeにも参考動画がたくさんアップされています。
しかし、成功もあれば失敗もあるようで、挑戦するのは中々ギャンブルなようです。
形としては、グラフィックカードの主な接続端子であるPCIe×16の変換アダプタといったところ。
①のGPU BOXと違って電源がありませんので、グラフィックカードへ補助電力を供給する電源を別に用意する必要があります。といっても、PC自作をされていた方なら部屋の片隅に電源の一つくらい転がってそうですし、無い方でも安い電源であれば1000円程度から入手は可能です。もちろん、質は保証されませんが……。実際、今回私が使用した電源は2500円程度でヤフオクで中古品を入手しました。
ちなみに新品だとこんな感じです。
接続端子は、mPCIeスロット、エクスプレスカード、NGFFの3種類。
エクスプレスカードスロット搭載のノートパソコンは最近あまり見ないので、古い機種を魔改造して復活させたいといった用途以外ではあまり出番がないかもしれません。
NGFFは今だとM.2といった方が良いですね。
主にSSDを接続するスロットとして使用されている端子です。これは結構搭載されていることが多いと思いますので、大抵のパソコンで挑戦が可能かと思います。
mPCIeスロットは、主にwifiやbluetoothのカードを接続するのに使用している端子です。
wifiに接続可能なパソコンならば、まずこの端子が内部にあると思って良いと思います。
一つ注意なのが、mPCIeスロットを使用する場合、元々差さっていたwifiカードなりを抜き取って、代わりにEXP GDCのコードを差すことになります。そうすると当然ながらwifiなどは接続できなくなりますので、別途USB端子の方で子機などを接続しておく必要があります。まあ、wifiなんか使わないで有線しか使わない方は問題ないでしょう。
ちなみにこれは、上記のNGFF(M.2)も同様です。
さて、この方式のメリットですが……
- 価格が安いこと
- 取り扱いが簡単なこと
かと思います。
amazonなどで探すと、大体4000円程度で手に入るようです。中国の通販サイトで直接購入すれば、さらに安く手に入りそうです。
電源が付いていないとはいえ、GPU BOXの導入コストと比較するとかなり魅力的な価格差ですよね。
そしてその取扱いですが、グラフィックカードをアダプタに差して、電源を繋いで、ノートパソコンと接続するだけ。
電源のONOFFもノートパソコンと連動するようになってくれているので、扱いは楽かと思います。
さて、デメリットですが、
- グラフィックボードをパソコンに認識させるために若干の難があること
- 中国製なので信頼性が低いこと
- 納期が非常に長いこと
といった3点があげられます。
ネット上で検索をかけると、たくさんの方の挑戦結果が確認できると思いますが、使用するノートパソコン及びグラフィックカードによってはデバイスの認識をしてくれず導入が不可能だったという例が数多く報告されています。これについては、後ほど詳しく説明します。
次に生産元としての信頼性ですね。これもネットの口コミなどでは、接続端子が歪んでいたり、ケーブルが断線していたりといった不良品としての報告があげられていて、注文して届く製品が果たしてきちんと動作してくれるのか、届くまでかなり不安にさせてくれるようです。
たとえ不良品ではなかったとしても、上記にあるようにデバイス認識してくれなくて使えないこともありますので、かなり博打の要素が高いと思ってください。
そして、特に私が我慢できなかったのか納期です。
通常でも海外からの発送となりますので、最短でも二週間程度はかかるようですが、昨今のコロナ事情により、更に納期が延びている印象です。
現在ですと一ヶ月以上かかるのが殆どのようで、中には当初の納期を大幅に過ぎても届かないといった情報もありました。
今すぐにでも快適にゲームをプレイしたいのに、一ヶ月以上お預けなのは耐えられない……。
そう考えた私は、この方式を断念し別の方式を模索しました。
マイニング用のアダプタパーツを使用
色々調べていて私が考えたのは、EXP GDCはグラフィックカード外付け用アダプタという側面が強く押し出されているけれど、これって結局ただPCIe×16の端子を他の端子に変換してるだけなんじゃないのか、ということでした。
検索用ワードをそっち方面に切り替えて調べるといくつか似たような製品がヒットしました。
グラフィック性能向上のためというよりも、先般流行っていた仮想通貨のマイニング用にグラフィックカードを増設するためのパーツとして使われていた製品が多いようです。
しかし用途が違うとは言っても、結局はグラフィックカードを接続して、パソコンに認識させ、その性能を発揮させるためのパーツです。マイニングのための演算に使おうが、グラフィック処理に使おうがパソコンにちゃんと認識さえしてくれるのであれば関係ないと私は踏みました。
私が考えていたのは、miniPCIeスロットをPCIe×16に変換することでしたので、候補としてあがったのは下記です。
Demiawaking mini USB 3.0 PCI-E Express 1x〜16x エクステンダー ライザーカードアダプター SATA 6ピン 電源ケーブル 40cm
これは私の要望に正に合致する製品だったのですが、残念ながら納期がEXP GDCと同様に一ヶ月以上ということで候補から外しました。
結局採用したのが、下記のパーツたちです。
GLOTRENDS PCI-E 1x〜16x延長ケーブル0.6m USB 3.0 外部グラフィックスカードまたは他のPCIeデバイスを接続するため( (UEX106))
GLOTRENDS Mini PCIe-PCI Express X1インターフェースアダプターアダプターエクステンダー、60 cm USB 3.0ケーブル付きPCIEライザーカード(UEX107)
MiniPCIeからPCIe×1に変換し、PCIe×1からPCIe×16に変換するというちょっと手間のかかる方法となりました。
しかし、これらのパーツは納期がわずか1日か2日程度で、しかも価格もそれぞれ1000円程度と、EXP GDCと比較しても更に安いというかなり魅力的な要素を持っています。
早速これらを購入して、グラフィックカードの外付けに挑戦しました。
次回、実際の接続風景を掲載しながら説明をしていきたいと思います。
懐かしのネットブックを再生!【ASUS eeePC1005HA 分解】
昨今、コロナウイルスの影響で在宅勤務が増えましたよね。
そんなわけで我が家にも色々とパソコン関係の環境を整えていたのですが、そこで見つけたのが今回のお題のネットブック。
もう今から10年以上前に流行った機種です。当時は、左程性能は良くないけれど、ネットサーフィンや簡単な作業には使えて、何より筐体が小さいので持ち運んで色々な場所で使えたりするのが強みでしたね。
まあ、今ほどwifi環境なんかも整っていなかったので、中々家の外で使うにはハードル高かった気もしますが……。
何はともあれ、この小ささは今見ても中々魅力的です。もう少し軽ければ言うこと無しなんですが、そこまで望むのは贅沢でしょう。
我が家の片隅で眠っていたのは、ASUSのeeePC1005HA。
- 発売:2009年 9月
- CPU:インテル® Atom™ プロセッサー N280 1.66GHz/1コア
- HDD:160GB
- メモリー:1GB
- OS:Windows XP Home
こいつをどうにか活用できないかと、google先生で調べると出るわ出るわ……。
eeepcというと、中々愛好家の多い機種のようですね。
先人の皆様に倣って、私も今回このeeepcを中身を改装して今でも使える小型PCへと生まれ変わらせてみました。
改装内容は以下の通り。
- 内蔵HDDをSSDへと交換
- メモリの増設 1GB→2GB
- OSをWindowsXPから動作の軽いLinuxOSへ変更
以上3点でお送りします。
内蔵HDDをSSDへと交換
PCの動作というとCPUやメモリ、最近だとグラフィックボードのGPUなんかが重要視されがちですが、HDDからSSDへの交換もあなどれません。
そもそもデータがしまわれているのがHDDやSSDといったストレージですからね。これの読み込みや書き込み速度がPCの動作にも大きく影響します。
特に注目なのは、HDDとSSDの読み込み速度差。SSDの方が文字通り桁違いに速いです。他にも重量が軽いこと、振動や衝撃にも強いとメリットが多いです。デメリットはHDDに比べると若干割高になることでしょうか。それでも最近は相当安くなっていると思います。
今回のeeePC1005HAですが、HDDが少しやっかいな場所に設置されています。
裏蓋を開けただけではアクセスできず、キーボードを取り外して前面からアプローチすることが必要です。
下記の手順で交換をします。
①バッテリーを外す。
②裏蓋を開放する。
③メモリを抜き取る。
④裏側のネジを全て外す。※メモリスロット内にも固定ネジがあるので注意!
⑤キーボードを外す。※キーボードのケーブルを切らないように……。
⑥キーボード下の全面パネルを開放。
⑦邪魔なケーブル類を一時取り外し。
⑧HDDとSSDを交換。
⑨逆の手順で復旧。
といった感じです。
eeePC1005HAの裏面です。
バッテリーを取り外します。
付けたまま作業をするのは危険です。基盤に触る可能性がありますので、感電や短絡による回路の破損などの可能性がありますので、分解する際は必ずバッテリーを外しましょう。
メモリスロットの蓋を開けます。
メモリを抜き取ります。
ちょっと上に起こしてやれば、簡単に抜き取れます。
前面に戻って、キーボードを取り外します。
まずは、上の写真のようにキーボードとパネルの隙間に細くて薄っぺらいマイナスドライバーのようなものを突っ込んで隙間を作ります。
こんな感じ。
これをキーボードを一周するように抉っていき、キーボードを取り外します。
キーボードの手前側には、マザーボードへつながるケーブルがありますので注意!
マザーボード側のソケットの固定を外して、ゆっくりケーブルを抜き取りましょう。
ケーブル抜き取り後です。
左の細いケーブルはタッチパッドのケーブルです。
これも同様にマザーボード側から抜き取ります。
キーボードが外れました。
前面パネルを固定するネジがいくつかありますので、取り外します。
この中の一本(写真右上)にシールが貼ってあります。
ネジを外すには、このシールを破らないとダメなのですが、シールを破ると保証が受けられなくなると思いますので自己責任でお願いします。
ネジを外したら、いよいよ前面パネルの取り外しです。
写真のように端の隙間にまたマイナスドライバーを突っ込み、抉りながら外していきます。
ゆっくりやらないと割れますので注意してください。
前面パネルが外れました。
今回の狙いのHDDは右上ですね。
ただ、ご覧の通りケーブルが上を這っているので、邪魔です。
邪魔なケーブルは抜き取ります。
ただ、片側だけ抜けばHDDの交換はできると思います。
HDDはスロットに差さっているだけですので、引っ張れば簡単に抜けます。
HDDをマウントごと外し、分解します。
マウントに今回交換するSSDに乗せ換えます。
今回購入したのは「Transcend SSD 120GB 2.5インチ SATA3 6Gb/s」です。お値段は、購入当時で約2,700円。
SSDも安くなりましたよね。
きちんとマウントを付ければ、スロットには簡単に差せると思います。
あとは、これまでと逆の手順で復旧します。
メモリの増設
メモリの増設は凄く簡単です。
大体のノートPCは、裏蓋を開放すればメモリスロットへアクセスできるような造りになっています。
このeeepcでもそれは同じです。
①バッテリーを外す。
②裏蓋を開放する。
③メモリを抜き取る。
④新しいメモリを差し込む。
⑤逆の手順で復旧。
注意点は、交換可能なメモリに制限があることです。
メモリにも規格がありますので、当然規格が合っているものが必要です。
そして、メモリ容量の問題。
今回のeeePC1005HAは残念ながら2GBのメモリまでしか認識してくれません。
そのため、私も2GBのメモリをamazonで手に入れて組み込みました。
HDD交換でメモリを抜いているかと思いますが、代わりに新しいメモリを差すだけです。
今回購入したメモリは、「Crucial ノートPC 増設メモリ PC2-6400 DDR2 800mhz 2GB 200pin SO-DIMM」です。
お値段は、購入当時で約1,200円でした。
Crucial ノートPC 増設メモリ PC2-6400 DDR2 800mhz 2GB 200pin SO-DIMM
ハード面の改装は以上になります。
これだけでも以前と比較してかなりの動作改善が見込まれるはずです。
今回は更にOSの入れ替えも行います。
OSをWindowsXPから動作の軽いLinuxOSへ変更
元々このeeePCにはWindowsXPがインストールされていたわけですが、もうサポート終了されているOSなわけですし、何より重い……。
ということで、以下3点の要素で新しいOSを選定しました。
①無料で導入可能
②動作が軽い(必要スペックが低い)
③デザインが良い
その結果、選んだのが「Linux Mint 19.3 "Tricia"」のXfce版です。
※2020年6月に「Linux Mint 20 "Ulyana"」がリリースされています。
LinuxというOSには、世界中の開発者が独自に開発・改装したディストリビューションというものがありまして、その中でも今回の「Linux Mint 」は「Ubuntu」や「Debian」といったディストリビューションを元にして作られたものです。
デザインの良さに加えて、比較的動作が軽く、操作も初心者に優しいというメリットがあります。
普段Windowsユーザーな私ですが、Linuxはあまり経験がないのでネットで下調べした結果、「Linux Mint 」に決めました。
導入手順としては、以下の通り。
①Linux Mint の公式HPから、導入したいバージョンのイメージファイルをダウンロード
今回導入するeeePC1005HAのCPUは初めに触れている通りAtom N280であるため、選択するのは32bit版です。
②ブート用USBメモリの作成
DVDなどの光学ドライブが付いているならばイメージファイルをDVD-Rなどに焼いてインストールができるのですが、eeePC1005HAには光学ドライブがありません。
そのため、USBメモリにイメージファイルを書き込みます。
ファイルの書き込みの際には、USBメモリからOSを起動できるようにツールを使って書き込みます。
渡しの場合、下記のツールを使用しました。
無料で使えますし、デザインも綺麗で直感的に操作が可能です。
使い方は簡単で、書き込みたいファイルを選択し、書き込み先のUSBメモリを指定し、書き込みボタンをクリックするだけ!
あっという間に終わります。
注意として、OSブート用にイメージファイルを書き込んだUSBメモリは、書き込んだファイル分の容量を占有してしまい、通常のWindowsのエクスプローラーなどで容量の開放ができなくなります。
もしUSBメモリを再活用したい場合は、下記ツール等を使用して容量の開放をしましょう。
③eeePC1005HAのBIOSで、OSの起動をUSBから行うように設定
BIOSの設定画面へいくには、パソコン起動時に「F2」キーを押します。
BIOS設定画面までいけたならば、「Boot」タブを選択し、「USB Flash Drive」の起動優先度を一番上に持っていきましょう。
これでUSBメモリのイメージファイルからOSを起動することができます。
④「Linux Mint 」のインストール
USBメモリからOSを起動します。
この時点ではパソコンそのものにOSがインストールされているわけではありませんが、「Linux Mint 」が立ち上がっていますので、簡単な使い勝手は試すことができます。
もし気に入らなければ、他のディストリビューションに差し替えするのも有りです。
問題がなければ、デスクトップにOSインストール用のアイコンがありますので、それをクリックしてインストールを開始します。
画面の指示に従って進めれば、然程難しくなくインストールは完了するはずです。
改装を終えて
「Linux Mint 」には、最初から様々なアプリケーションがインストールされています。
そのため、ネットサーフィンや、簡単な書類を作る程度であれば特に何も弄らなくても問題はないと思います。
慣れてきて、自分の使い勝手を良くしたいならば更にカスタマイズをしていけば良いでしょう。
肝心の動作の方ですが、ネットサーフィンなどは流石に機敏に表示されるというほどではありません。
しかし、慣れれば別にこの程度の読み込み速度は問題ないと個人的には感じます。
Youtubeといった動画もなんとか観れなくもないですが、流石に快適とは言い難いです。
それでも簡単な調べ物や作業には十分な性能となったかなと思います。
皆さんも家に古いノートパソコンがある場合、改装してみては如何でしょうか。
【小説家になろう】ゲーム実況による攻略と逆襲の異世界神戦記(アウタラグナ)(ネタバレあり)(完結済)
今回の紹介は、小説家になろうにて連載され、講談社レジェンドノベルスで書籍化されている「ゲーム実況による攻略と逆襲の異世界神戦記(アウタラグナ)(作者:かすがまる様)」です。
この作品はこんな人におススメです
・主人公最強が好きな人
・神様視点で世界に介入するのが好きな人
・滅びに瀕した人類の終末戦が好きな人
・理不尽な逆境からの大逆転が好きな人
・死にゆくキャラの遺志を継いでいく展開が好きな人
本作品は、2017年12月15日より「小説家になろう」で連載開始され、2019年8月12日に完結されています。
この方の作品は他にも「小説家になろう」で投稿されていまして、戦記物の群像劇が本当に素晴らしい方だと思います。
では、まずあらすじをどうぞ。
あらすじ
ドラゴンデーモンRPG……鬼のような難易度と理不尽極まるシステムでもって「マゾゲー」と愛されるタイトルである。ゲーム実況者・いもでんぷんは、そのDX版を購入、実況動画を撮り始めるが―――それが異世界における熾烈な最終戦争への介入であることを、気づいてもいない。
主人公
現実世界のゲーム実況者。口調からは男のようにみえるが、性別不詳。
異世界において、ゲームを媒体に神として降臨する。
人間の守護神であり戦いの神であり火を司る神でもある。鬼神。
ある日、鬼のような難易度と理不尽極まるシステムでもって「マゾゲー」と愛されるタイトル「ドラゴンデーモンRPG」のDX版を購入し、ゲーム実況を始める。
当初はゲームだと思ってプレイしながら実況を続けていくが、やがてゲームの不思議さに気づき、異世界における人類種の守護神として、依り代の少女を操って人間を勝利へと導いていく。
通常版の「ドラゴンデーモンRPG」をやりこんでいるため、プレイヤースキルもさることながら、効率的な成長手順やボスキャラの行動パターンも熟知しており、それらを駆使して驚異的な戦果を叩きだす。
結果して、操るのが奴隷の少女という劣悪スタートでも彼女を神をも殺す英雄へと成長させた。
読んでみて
ある日ゲーム実況者である「いもでんぷん」は、絶望した幼女が神に戦う力を乞い願う夢を見ます。
その世界が、過去にやり込んだオープンワールド形式のアクションRPG「ドラゴンデーモンRPG」に酷似していたことから、彼のゲームをやり込んだ後、ダウンロード販売限定のデラックス版……DX版を購入したまま放置していたことを主人公は思い出します。
夢で少女から受けた熱を胸に主人公は久しぶりに「ドラゴンデーモンRPG」をプレイして生実況することを決め、ゲームを進めていきますが、徐々にそのゲームの異常さ……つまり、ゲームを通して異世界を覗いていることに気づいていきます。
やがて、ゲームの異常さが現実世界にも影響し始め、主人公は現実世界と異世界、二つの世界で神として戦うことになる……といったお話です。
まずこのお話で特筆すべきは、その世界観でしょう。
「ドラゴンデーモンRPG」は、とことん人間が絶望するような世界観、設定をしています。魔物に苦労したり、エルフに支配されたり、ヴァンパイアに虐殺されたり……というのは文中の説明ですが、描写はもっと過酷です。
直接的なグロ描写はあまりありませんが、そういった事があったんだなと察する事ができるセリフや描写は多々でてきます。
遠回しに表現することで、ドラデモ世界の過酷さが上手く引き立てられていて、読んでいる最中は常に緊迫感や臨場感を感じさせてくれます。
舞台となるドラデモ世界には、かつていくつもの種族がいましたが、現在は3種族しかいないとされています。
水と風を操るエルフ、土と雷を操るヴァンパイア、そして火を操る人間。
他にもファンタジーではお馴染みのドワーフや、虫人間のインセクター、人魚や獣人なんてのもいましたが、ヴァンパイアやエルフに滅ぼされています。
現存する3種族とはいえ、世界はエルフとヴァンパイアにほぼ二分されており、人間は彼らの領域の境界となる緩衝地帯において、わずかに生き残ることを許されている種族でした。
人間がそんな状態に陥っているのは、種族間の戦闘能力の差、特に魔法の力に依るものです。
非力な人間は、エルフとヴァンパイアから徹底的に搾取されています。
ヴァンパイアからは文字通り食料としてみなされ、比較的親交のあるエルフですら人間は奴隷扱いで、人間の子供はエルフの眷属である猛獣の餌代わりといった過酷な世界です。
人間も火の力を持ってはいますが、エルフやヴァンパイアの力とは比較にならないほど弱いものでした。
その理由は、人間に加護を与える神が存在しなかったこと。
エルフには竜神、ヴァンパイアには魔神と呼ばれる神々が己の種族に加護を与え戦闘力を強化しています。
しかし、人間には加護を与える神がいなかった……そこに現れたのが主人公でした。
主人公はクロイと名付けた操作キャラの少女を通して、人間の神、鬼神として力を振るいます。
ちなみに、竜神や魔神も鬼神と同じく現実世界の人間が異世界へアクセスして神を演じており、それぞれ大きなバックがついていたり、超絶的な技能を持っていたりします。
一般人に過ぎない主人公ですが、彼?には通常版の「ドラゴンデーモンRPG」で蓄えた知識と磨き上げたプレイヤースキルがありました。
それらをもって主人公は奴隷の少女を鍛え上げ、数々の強敵を討ち果たしていきます。
当初は人間も鬼神の存在を知らないものですから、エルフやヴァンパイア、魔物相手に無双できるのは主人公の操る少女くらいしかいません。
それでも一騎当千の働きで孤軍奮闘する彼女に希望を見出した人間たちは、やがて彼女を通して人間の守護神、鬼神の降臨を知ります。
こうして人間たちは鬼神たる主人公への信仰を深めていくわけですが、過酷な世界だからこそキャラクターたちの神=主人公へと縋る姿が実に胸に来ます。
やがて信仰を集めたことで力を増した鬼神により、人間たちにも加護が与えられ、エルフやヴァンパイアとも互角に戦える力を持ちますが、元が滅びに瀕した弱小種族であった人間ですので、多少強化されても戦いは常にギリギリな状況。
そんな劣勢を少女の力と鬼神の加護によって切り抜け、人間たちは逆転とジャイアントキリングを続けていきます。
その様はタイトル通りの正に逆襲といった展開で、序盤から終盤まで息継ぎする暇がないくらい一気に走り抜けるような感覚です。
人間にとって理不尽な世界観なので、人間はどんどん死にます。
しかし、彼らはただ死ぬのではなく、必死に生き抜いて、次へと継がせるために死んでいくのです。
そして、少女はそんな彼らの魂を鬼神の加護により文字通り不死の軍勢として引き連れて戦う……戦死した戦士たちが舞い戻って戦列に参加する場面は本当に胸熱間違いなしです。
基本は主人公の一人称ではありますが、様々なキャラの視点が混じる群像劇でもあり、登場するキャラクターは多岐にわたります。
その上で、名もないキャラクターすらこの世界を生き抜いていいるという生き様を見事に見せてくれていて、この物語のキャラクターたちの存在感と世界の重厚さは本当に凄まじい。
敵キャラも、安直な噛ませキャラなんて殆どいません。
悪党は清々しいくらい悪党で、他の敵キャラもしっかりと信念をもって主人公たちにぶつかってきます。
何より、主人公が操作するキャラにもちゃんと意思があることが大きなポイントかなと思います。
昨今、VRMMOものなどでゲーム世界に持ちキャラで転移なんて物語はたくさんありますが、そういった話は基本的に持ちキャラ=主人公です。
しかし、このお話は操作キャラたる少女にも意思があり、世界で初めての鬼神の信徒として自身の全てを捧げて使徒という役割を全うしています。まあ、本当のゲームキャラではなく異世界人なので当然ではありますが……。
神官というとヤンデレっぽい狂信者とかがよく描かれますけど、真に神を想い、神を語る少女の醸し出す雰囲気が本当に凄い。
そんな少女と主人公の関係、そしてゲームとプレイヤーという関係を非常に上手く昇華させて世界観に落とし込んでいて、主人公が敬われる背景を作り込んでいるのは素晴らしいなと思います。
物語の持つ熱に圧倒される作品です。
読んでみるとそれがよくわかってくださると思います。
ぜひご一読ください。
【小説家になろう】最果てのパラディン【感想】(ネタバレあり)
今回の紹介は、小説家になろうにて連載され、オーバーラップ文庫で書籍化されている「最果てのパラディン(作者:柳野かなた 様)」です。
この作品はこんな人におススメです
・王道ファンタジーが好きな人
・主人公最強が好きな人
・ダンジョンズ&ドラゴンズのような魔法が好きな人
・世界観を重厚に作り込まれているのが好きな人
本作品は、2020年2月22日現在も小説家になろうにて連載されていまして、まだ未完の作品になります。また、現在Webコミック誌『コミックガルド』にて、奥橋睦さんによるコミカライズ版が月刊で連載しています。
この方の作品はまだ本作品だけではありますが、実に世界を作り上げるのが上手な方だと思います。読んでいただけるとわかりますが、作品の世界への没入感が凄いです。今はWEB版の更新が滞っていますが、ぜひまた更新を再開していただきたいなと期待しています。
では、まずあらすじをどうぞ。
あらすじ
かつて滅びた死者の街。
そこには1人の子供と3人の不死なる者たちが存在した。
かつて英雄であった不死者たちに養育される少年、ウィル。
技を継ぎ知識を継ぎ、愛を注がれ少年は育つ。
解き明かされてゆく、不死者たちの過去、秘めたる謎。
その全てを知る時、少年は聖騎士への道を歩みだす。
主人公
現代からの転生者。
失敗をきっかけに外へ踏み出すことができなくなり、両親の死を経て自分も死に至る。その後、異世界の流転の神グレイスフィールに導かれて転生。
転生後、赤子の彼を育てたのはアンデッドと化した三人の英雄たち。
一流の戦士、神官、魔法使いであった彼らに鍛えられ、主人公はその技能を次々と習得。
15歳になる頃には、神の加護をまだ授かっていないため神官としての祈祷は使えないものの立派な魔法戦士となっていた。神官としての能力も、加護を授ける神を不死神との戦いの中で見出したことで使用可能になり、聖騎士として歩み始める。
力量としては、この世界でも有数の実力者。彼の師たちの技能を受け継いでいるため、一流の戦士でもあり、神官でもあり、魔法使いでもあるという万能プレイヤー。父代わりでもあった戦士の影響か、意外と脳筋でもあり、筋力で解決できそうなら力技で問題をぶち壊すような面も見せる。
読んでみて
冒頭のオススメポイントにも記載しましたが、正に王道ファンタジーというのがピッタリくる物語です。
主人公は現代からの転生者なのですが、現代知識で俺TUEEEといった雰囲気は全くありません。前世では外に踏み出せない引きこもりであったこそ、二度目の生では精一杯生きようと直向きに頑張る主人公です。
力量としては、この世界でも随一の英雄たちに鍛えられているため、周囲の人間からは常軌を逸した強さを持っているのですが、長年廃墟の中で育て親の英雄たちとだけしか関わってこなかったために世の常識に疎い所があり、度々失敗を重ね、落ち込んだ姿を見せてくれたりします。そんな所が、ただ主人公が強いという描写の中で、非常に人間らしさを感じさせられます。
この世界では、人類の敵としてデーモンという種族がいますが、かつてそのデーモンたちの王ともいうべき存在がいました。主人公たちが暮らす廃墟は、人類とデーモンの決戦の地であり、デーモンの王が封印された地でもあります。
人類側の最精鋭として集められた幾多の英雄の中で、直接デーモンの王と戦ったのが主人公の育て親たる英雄たちでした。しかし、彼らはデーモンの王に勝てず、殺しきれなかった。
かろうじてデーモンの王を封印することはできましたが、周囲は仲間たちをすり潰した他のデーモンに囲まれ、彼ら自身も満身創痍の瀕死状態。このままでは封印を守る事もできなかったため、死の間際に悪の陣営に属する不死神と契約を交わしアンデッドとなった……という経緯があります。
この世界では幾多の神々が善の陣営、悪の陣営に分かれ争っています。不死神は元は善の陣営でしたが、生死の悲劇を見ることに耐えかね悪の陣営へと道を違えた神です。
そして、主人公が成長し15歳となる日、不死神が彼らの前に現れ、契約に従い英雄たちの魂を自らの陣営に召し抱えようとします。英雄たちはそれに抵抗しますが、神の強大な力には敵いませんでした。前世の親には何もできなかったため、せめて今世の親は救おうと主人公は一人、神と戦う道を選びます。
その戦いの結果は……ぜひ実際に作品を読んで楽しんでいただきたいと思います。
神々や魔法、種族、地理、歴史など実に綿密で重厚な世界観を作り上げている作品です。魔法は、最近よく見かけるテレビゲームのような魔法ではなく、ダンジョンズ&ドラゴンズのような昔ながらのTRPG寄りの魔法ですね。装備の説明や描写も凝っていて、そういった設定が好きな方にはたまらない物語だと思います。
また、ストーリーの展開がとても素晴らしいです。第一章にあたる第一巻は、実際に登場しセリフがある主要キャラクターが英雄たち3人と主人公、そして流転の神と不死神のわずか6人しかいません。これだけ登場人物を絞っているせいか、各キャラクターの掘り下げも深く、英雄たちの主人公に対する愛と、主人公の成長、前世の過ちを乗り越え強敵へ挑む勇気、神々の加護と山も谷も織り交ぜた実に見所のあるお話になっています。
王道ファンタジーを楽しみたい方は、ぜひご一読ください。
【小説家になろう】世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)【感想】(ネタバレあり)
今回の紹介は、小説家になろうにて連載され、オーバーラップ文庫で書籍化されている「世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)(作者:黒留ハガネ 様)」です。
この作品はこんな人におススメです
・超能力ものが好きな人
・マッチポンプが好きな人
・正体不明のヒーローが好きな人
・細かい数字でもって検討することが好きな人
・一見普通でも癖のあるキャラ設定が好きな人
本作品は、2020年2月20日現在も小説家になろうにて連載されていまして、まだ未完の作品になります。作者の黒留ハガネ様は他にも多くの作品を書かれていまして、特に『ノーライフ・ライフ』は『小説家になろう』をよく利用される方には有名なのではないでしょうか。
この方の作品は、とにかく設定が細かいです。よく数字を示しながらの描写をされていまして、よくぞここまで調べて練り込んだなと唸らせられることが多いです。本作品でもそんなシーンがよく出てきますので、数字的な根拠が好きな方には琴線をくすぐられる物語ではないでしょうか。
いずれ他作品について紹介したいなと思います。
では、まずあらすじをどうぞ。
あらすじ
ある日唐突にサイキックパワーに目覚めた主人公ッ! 主人公の力を狙う秘密組織が暗躍しない! 学年一の美少女が実は主人公と同じ超能力者だと発覚しない! 異世界への扉が開いて召喚されない! 主人公の生い立ちに秘密などない! サイキックパワーに目覚めた壮大な理由が明かされない! 普通ッ! 圧倒的日常ッ! 何事もないまま学生生活を終え就職! 過ぎ去る凡庸な社会人生活! 全人類を相手に戦争を起こして勝てるサイキックパワーがあるのに何事も無さ過ぎてキレる主人公! もういい! こうなったら俺が、俺自身が秘密結社になって暗躍してやるッ! ようこそ人工非日常へ!!!
主人公
高校生時代に突如念動力に目覚める。
目覚めた当初は、重さ3gまでのものを自分に向かって引き寄せるか、引き離すことしかできないクソザコ能力であったが、試行錯誤の末に能力は成長する事を発見し独学で鍛え続ける。その結果、比類ない念動能力者となった。
自分の他にも超能力者がいるかもしれないと、世界を巡って同類を探し続けたが結局は自称能力者の紛い物しか見つからず、さらには戦うべき強大な敵も現れない。主人公の周りは実に平和で、順調に世の中への絶望を積み上げていくことになる。
しかしながら、ついには我慢の限界を迎え、世の中にファンタジーが起こらないのであれば、自分で起こしてやると奮起し、己の超能力をフル活用して暗躍を始める。
能力的には他の追従を許さないほどの凄まじさ。地球を粉砕するくらい、その気になれば余裕だと思われる。アラレちゃんかな?
治癒能力の修練のために平気で己の骨を折ったり、ヒロインのプレゼントの為にこれまた己の骨を抉りだしたりと普通の思考に見えて、どこかネジが外れている。
読んでみて
超能力に目覚めた主人公となると、通常は非日常に導かれるものですが、この作品は実に現実的です。超能力といったファンタジー要素は主人公以外になく、世の中は通常通りの日常生活が営まれるという斬新な切り口を見せてくれます。
期待を裏切られ続けた主人公は、何の心躍るイベントを発生させなかった世界に対して半ギレし、ついには自分でファンタジー要素を作り出そうと動き始めます。
彼が取り組んだのは仲間探し。マッチポンプを行う上でのパートナーを彼は求めました。そこで登場するのが、頭脳明晰で容姿端麗なメインヒロイン。
ヒロインというと美少女あるいは美女というのが定番であり、この作品も例外ではないのですが、そのキャラ設定で作者様のセンスが大いに光っています。実はこのヒロイン、大層な整形モンスターで声すら自力で変声しているという凄いキャラ。しかも昔の醜い己の写真を自戒としてオープンにし、中二病的な夢を叶えるために人目を気にせず全力投球するようなとてつもない努力家です。こんなキャラ設定をぶっこんでこれるのが本当に凄いです。
そんな女性をパートナーとして目に付けた主人公は、念力を使って連絡を取ります。彼女もまた非日常に憧れるが故に日常に対して諦観していました。そこに突如姿を現した非日常。ヒロインの喜びっぷりがとても可愛いので、ぜひ読んでいただきたいシーンだと思います。
世界に主人公以外の非日常は存在しないと知って、若干の落胆はしますが、それでも待ちに待った展開にヒロインは喜んで仲間になってくれます。ここで凄いのが、ヒロインの超能力考察。幾通りもの超能力パターンを既に研究しており、主人公の能力の特性を聞くやいなや即座に能力の譲渡方法を導き出してしまいます。そうしてヒロインもまた超能力を手に入れ、彼ら二人の手によって様々な仲間たちを集めていくことになります。
そうして出来上がるのが、秘密結社『天照』や闇の秘密結社『月夜見』、そして『世界の敵』です。
全ての黒幕として主人公がいるマッチポンプ(特に世界の敵なんかは主人公が念力で動かしています)ですが、各組織に所属するメンバーは本気で自分に眠っていた超能力が目覚めたと思い込んで日常の中の非日常を送ることになります。
主人公視点だとコメディではあるのですが、メンバー視点だと実にドラマティックな物語となっています。こうした表現方法はとても面白くて勉強になります。
また、上記でも少し触れていますが、本作品に登場するキャラクターたちはとてもバラエティに富んでいるんですよね。完璧整形美女に仏教系美少女、炎を崇拝する氷系能力者とキーワードでまとめてみても、中々のパワーワードが並びます。正直このクオリティとレベルの捻った設定は他では見られない面白さの一つだと言えます。
題名にある半ギレという言葉が示す通り、主人公は世の不条理に切れつつも一応は能力の使用についても配慮しながらとなっています。おかげで世界は、超能力フィーバーが起こったり、東京の一部がスラム化したりと多少の変化はあったものの大きな変革といった事態にはなっていません。
実はWEB版では、一時期全ギレ版というのが掲載されていました。主人公が世の中への配慮なく、世界を相手に全力で超能力を振り回しすというIFストーリーとなっています。残念ながら現在は取り下げられてはいますが、その物語にも本編のキャラが登場し、あちらとは違う道を歩んだ姿が見られるため、とても面白いお話でした。いつかまた掲載されることを楽しみにしています。
読めば良い意味で印象を裏切られる面白い作品です。
ぜひご一読ください。
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【小説家になろう】山内くんの呪禁の夏。【感想】(ネタバレあり)(完結済)
今回の紹介は、小説家になろうに投稿され、角川ホラー文庫で書籍化されている「山内くんの呪禁の夏。(作者:二宮酒匂 様)」です。
この作品はこんな人におススメです
・伝奇的ホラーが好きな人
・男装美少女が好きな人
・呪いや祟り、田舎村の独自風習といったワードが好きな人
・一見普通の主人公が実はヤバい力を持った家系という展開が好きな人
・『ひぐらしのなく頃に』や『月姫』が好きな人
本作品は、2014年11月24日に完結されていまして、雑誌などでも当時紹介され、現在は書籍化されています。
作者の二宮酒匂様は他にも作品を書籍化されていまして、描かれるキャラと物語の世界観が私の琴線に触れてとてもゾクゾクさせてくれる作者様です。←何の説明にもなっていなくてごめんなさい(笑)
細かい設定やキャラの仕草の一つひとつに非常にアクセントが効いている物語を書いてくださっています。
この方についても、いずれ他作品について紹介したいなと思います。
では、まずあらすじをどうぞ。
あらすじ
『きみ、なんで火がお口から出てるの?』『……へーぇ。オレの火がみえるんだ』幼い日、墓石の陰から現れた妖しい子に、山内くんは命を救われた。小学校六年生になった山内くんは緑豊かな兵庫県山奥の町で、その子、十妙院家の紺(こん)に再会する。しかし今度は“仲間”にひきこまれ、この世ならぬものが見えるようにされてしまう。そのために事件につぎつぎ巻き込まれ、さらに、自分が以前から誰かに呪われていたことを知る。『心配するな、オレが守ってやる』紺は胸を張るが、その胸はふくらんでおり、ずっと彼女を男の子だと思っていた山内くんは困惑せざるをえず……?
狐と禁呪、恋とおまじないの青春オカルティックファンタジー。
主人公
小学校六年生の男の子。
ワケあって義理の父親と暮らしていたが、住んでいたアパートが全焼し生まれ故郷に戻ってくる。幼い頃から、彼の周りでは様々な災害や不幸が起こるため災難に巻き込まれてきた。その原因は、彼の本当の両親から受け継いだ血にあるのだが、その真実を生まれ故郷に戻ってきた時に起こる事件を通して知ることになる。
読んでみて
あらすじだけを読むと、なんだかライトな感じであまりホラーっぽさは感じないのですが、読み進めていくと実にホラーの醍醐味を味わわせてくれる作品です。でも、しっかりと恋と青春も描いている辺り本当にストーリーが上手いなと思います。
主人公は小学生です。ライトノベルだと高校生や大学生、社会人といった主人公が多い中、本当に中身も外見も小学生の主人公というのは中々珍しいかなと思います。
幼い頃から呪われているかのように凄まじい災難を潜り抜けてきている小学生です。
はじめてのおつかいでは殺人強盗犯に人質にされ、ハイキングに行けば遭難し、電車が通過中の踏切に突き飛ばされ、無人の車が彼を押し潰そうと歩道に乗り上げてくる。
実際呪われているが故の結果なんですが、そんな彼の身を守ったのが生まれ故郷で出会った女の子に貰った牙笛というアイテムです。
主人公に危険がせまると自然と音が鳴って知らせてくれるという便利アイテム。これのおかげで主人公は幾度も危険を脱してきたわけです。
物語ではそんな主人公の災難の一つで住居を失ったため、きちんとお祓いのような対処をしてもらおうということで、義理の父親の古い知り合いでもある専門家が住む生まれ故郷の村に戻るところからストーリーが始まります。
生まれ故郷に戻った主人公は、かつて牙笛をくれた女の子と再会します。と言っても、その女の子の家系のしきたりで男装しているため当初は男の子だと勘違いしているのですが……。そして、その女の子の家系こそが義理の父が言うその筋の専門家で、呪禁師と呼ばれる家でした。
呪禁師としての血から、幼いながらも不思議な力と術を持つ女の子は、気まぐれに主人公の中に眠っていた見鬼の力を目覚めさせてしまいます。
見鬼とは『怪異を見る術・能力』のことで、狗眼もしくは浄眼とも呼ばれる能力。その能力のおかげで、主人公はこの世とは違う見えざる者たちを見えてしまうことになってしまいます。
村でも相変わらず様々な事件に主人公は遭遇します。
謎の焼死体や、こっくりさんによるピンチ、ヒロインとは別の古い力のある家の跡取り息子からの襲撃。
子供たちの日常と非日常の切り替わりを主人公の『見鬼』の眼を通して見事に表現していて、実に物語に引き込まれます。
そして、物語の冒頭から断片的に語られていたいくつもの伏線が終盤における主人公の出生の秘密と、敵である殺人鬼との対決の結末に紡がれていくのは本当に素晴らしい展開でした。
ホラーの怖さからくるドキドキとカタルシスによるドキドキとが相まって、終盤は読んでいると胸が苦しくなります(笑)
冒頭のおススメポイントでも書きましたが、『ひぐらしのなく頃に』や『月姫』が好きという方は絶対気に入ると思います。
他の方にとっても、ホラー一辺倒ではなく、しっかり青春を描いて最後は綺麗にまとめてくれていますので、おススメです。
ぜひご一読ください。
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【小説家になろう】最強呪族転生~チート魔術師のスローライフ~【感想】(ネタばれあり)(完結済)
今回の紹介は、小説家になろうに投稿され、アース・スターノベルで書籍化されている「最強呪族転生~チート魔術師のスローライフ~(作者:猫子 様)」です。
この作品はこんな人におススメです
・俺TUEEEが好きな人
・勘違い系が好きな人
・ざまあ展開が好きな人
・転生して、幼少期から魔力を鍛える展開が好きな人
・ヤンデレヒロインが好きな人
本作品は、2019年7月19日に完結されていまして、現在は書籍化しコミック版も販売されています。作者の猫子様は他にも多数作品を書籍化されていまして、とても力のある作者さんだと思います。総じて主人公が強い作品傾向にありますので、そういった作品が好きな方は、他の作品を読んでも満足されるかと思います。いずれ他作品についても紹介したいなと思います。
では、まずあらすじをどうぞ。
あらすじ
車に撥ねられて死んだはずの俺は、異世界にて再び生を受ける。
だが転生先はマーレン族という、魔術を扱い木偶人形を操る胡散臭い少数民族だった。
生前から魔術に強い関心を持っていた俺は、周囲がちょっと引くくらい熱心に魔術を学びながら暮らしていた。
そんなある日のこと、マーレン族の文化で16歳になると妹と結婚させられると聞き、俺は都会へと逃げる決意をしたのだった。
とりあえずせっかく最強魔術があるんだし、一生働かなくてもいいだけの金を作ってぐうたらしようかな。
主人公
少数民族であるマーレン族に転生した主人公です。
魔術特化で体力は雀の涙。だけどその魔術だけで大抵の敵はオーバーキルという…。
読んでみて
あらすじからもわかるように、よくある転生もののお話です。
手品師であった父(転生前)の影響か、生前から魔術や魔法といったものに興味があった主人公は、部活からの帰り道に後輩を庇ってトラックに跳ねられてしまい、現世での人生を終えます。
転生した先は、剣と魔法のファンタジー世界。その中でもちょっと特殊な少数民族に生まれ変わります。『オーテム』と呼ばれる木偶人形を媒介に魔術を操るマーレン族です。かつてはその魔術で世界に恐れられたマーレン族ですが、今やすっかり里に引きこもり、マーレン族以外の人間に対する対人恐怖症を発症してます(笑)
生前もちょっと後輩がドン引きするくらい魔術に傾倒していた主人公は、本当に魔術がある世界に転生できたことで舞い上がってしまいます。まさに魔術オタク……というよりもはや狂人の如く魔術に打ち込むことになります。マーレン族はオーテムを彫って作成することで魔術を鍛えるため、彼の家の内外には特殊メイクされた木偶人形が無数に並ぶというホラー展開が待っています(笑)
ちょっと、いやかなり斜め上な思考回路を持つ主人公ではありますが、その能力は本物で、成長するにつて村の問題を解決したり、エルフの古代遺跡を攻略して生身で撃ち落としたり、とある領地を救ったと思ったら世界を破壊しかねない破壊兵器(本人は電波塔代わりのつもり)を無断で作ったりと、話が進むにつれてどんどんスケールは大きくなっていきます。
設定としては、幼少期から鍛えたが故に膨大な魔力を得て魔術TUEEEな感じなのですが、所々で見え隠れする主人公の狂気っぷりが一見単純な設定を一味違う面白さに引き立てています。
元々が転生者で異世界の常識に囚われておらず、生まれも田舎のマーレン族集落であったため、主人公の常識と自己評価は世界の非常識。話の中で、次々と(他の人にとっては)恐ろしい強敵が現れます。大方の敵が凄まじい逸話を持っていたり、伝説に語られていたりする大物で、一般人感覚の抜けない主人公は当然警戒しながら戦うわけです。敵も敵で、己が大物だと自覚がある故に大口叩いて主人公を侮るわけですが、いざ戦うと主人公の魔術が凄まじすぎて瞬殺…。
おかげで、途中からは大口叩く敵が現れると憐れに思えてしまうほどです(笑)
ある意味お約束のような展開になってしまったとはいえ、マウント取ってくる敵を予定通り瞬殺してくれるのはスカッとしますし、なんとも言えない笑いも与えてくれるので非常に面白い作品だと思います。インフレ気味な強さと、主人公が最強過ぎて飽きられかねない展開を上手くバランスを取って維持できていたのは上手いストーリーの作り方だと思います。
主人公にはブラコン拗らせてヤンデレ化した妹がいるのですが、中盤以降は離れ離れになってしまったが故にあまり主人公と絡みがないのがちょっと残念。閑話のような形で、妹視点の話はいくつもあるんですけどね。メインヒロインの女の子も可愛いのですが、妹や他の序盤キャラとの絡みももっと読んでみたかったなぁと思っています。
とはいえ、おススメキーワードにひっかかる人にはとても楽しい時間を提供してくれる作品だと思います。
ぜひご一読ください。
ティラノビルダー セルアニメーション表示プラグインの使い方【エフェクト】
ティラノビルダーを使用して作品を作っている際、エフェクトとしてセルアニメを使いたいなと思って探してみると、ティラノプラグインライブラリにてセルアニメを表示させるプラグインを発見しました。
まさにこれこそ自分が求めていたもの!と思って早速ダウンロードして使ってみようとしたのですが、まだまだ自分がティラノビルダー初心者なものもあって設定の仕方などがよくわからない……。Google先生にもたずねてみたのですが、詳しい使い方を解説しているサイトも見つからず……。
悪戦苦闘してなんとか自力で使えるようにはなりました。備忘録も兼ねて、今後自分と同じく全くの初心者の方が使いたくても使い方がわからないという状況が回避できるように使い方を簡単に残しておこうかと思います。
プラグインのダウンロード
セルアニメーション表示プラグインは下記からダウンロードできます。
https://plugin.tyrano.jp/item/20012
ダウンロードすると、「celanim.zip」という圧縮ファイルができるはずです。
それを適当な場所に解凍してください。
プラグイン導入
ティラノビルダーを起動し、トップメニューから[プロジェクト] - [プラグイン] の順で開いて、「プラグインを追加」をクリックします。
プラグイン追加画面で、先程ダウンロードして解凍したファイルの中の「celanim.tbp」というtbpファイルを選択してください。
これでプラグインの導入は完了です。
プラグイン表示
プラグインを導入しても、このままでは使えません。
左のコンポーネント画面に表示させる必要があります。
トップメニューから[プロジェクト] - [コンポーネント管理] の順で開いて、「プラグイン」の欄についてチェックをつけ、下の適用ボタンをクリックします。
これで、コンポーネント画面にプラグインが表示されました。
セルアニメ定義
では具体的な使い方です。
まずは使用するセルアニメの定義を設定する必要があります。
左のコンポーネント画面から「セルアニメ定義」をドラッグ&ドロップしてきます。
すると、右端にセルアニメ定義の設定画面が表示されます。
・セルアニメID
使用するセルアニメの名前を設定します。実際に演出を組み込む際にこのIDで
呼び出すので、わかりやすい名前=IDをつけてあげてください。
・画像
使用するセルアニメの素材を指定します。
私はぴぽや倉庫さま(https://pipoya.net/sozai/)にお世話になりました。
・コマ一つあたりの横幅、高さ
上記の画像で指定した素材について、オリジナルの状態での1コマの縦横それぞれ
のピクセル数を記入します。恐らく、素材をダウンロードする際にその素材の1コマ
あたりのサイズは表記されていると思いますので、それを転載します。
※セルアニメ定義は、ストーリーの最初の方に予め組み込んでおく方がいいと思います。分岐の途中に挟むと、違う分岐にいった際に定義が設定されていないことになると思われます。
セルアニメ表示
上記で定義したセルアニメを表示させます。
セルアニメID欄に先程定義したセルアニメIDを入力します。
その後は、エフェクトを発生させる位置の指定をして、そのエフェクトの縦横幅を指定します。オリジナルの大きさで使用したければ、セルアニメ定義で入力した縦横ピクセル数を入力すればよいかと思います。
他、繰り返し回数と再生速度倍率(小さい方が遅い)を指定してあげればOKです。
これで設定したセルアニメが表示されると思います。
簡単ではありますが、セルアニメ表示プラグインの説明をさせていただきました。
恐らくベテランの方からすると当たり前の内容かとは思いますが、一人でも初心者の方の役に立てれば幸いです。
(ネタバレあり)【小説家になろう】Doggy House Hound【感想】(完結済)
今回の紹介は、小説家になろうに投稿されている「Doggy House Hound( 作者:ポチ吉 様)」です。
この作品はこんな人におススメです
・スナイパーが好きな人
・狡猾な主人公が好きな人
・口ではなく実力で相手を黙らせる主人公が好きな人
・強化外骨格やエイリアン、サポートロボといったSFワードが好きな人
・アーマードコアのような世界観が好きな人
本作品は、2018年10月8日に完結されてはいますが、現在も後日談というかオマケ話のようなものが時折更新されています。完結されて寂しい思いをしていた私としては、次代を予期させる後日談が嬉しい限りです。
先日開催された第6回オーバーラップWEB小説大賞にて見事受賞されたそうで、恐らく近々書籍化されることでしょう。おめでとうございます!まだ、絵師さんが誰になるのかなど情報はありませんが、主人公たちがどんな姿になるのか、今からとても楽しみです。
では、まずあらすじをどうぞ。
あらすじ
五百年の月日は少年から記憶を奪った。
コールドスリープにより記憶を失ったトウジは背負った借金を理由に歩兵となることを義務付けられた。
強化外骨格を身に纏い、モノズと呼ばれる球体のロボットを友として、荒野へと変わった地球でトウジは敵性宇宙人と戦い続ける。
配られた鬼札は平和な時代では開花することの無かった狙撃手としての才能。
――荒野で少年は猟犬を継ぐ。
読んでみて
この世界では「スリーパー」と呼ばれるコールドスリープから目覚めた人間がいます。彼らは、多くがコールドスリープ前の記憶の大部分を失っており、目覚めた後の生活基盤も持っていないため、彼らを解凍した企業に所属して戦いながら自身の解凍費用や生活費の借金を返済する生活を送っています。
主人公もそんなスリーパーの一人であり、500年の時を超えて目覚めた日本人です。最低限の記憶は持っているものの、自分の名前の漢字すら覚えていません。
企業がスリーパーたちを目覚めさせるのは、人手不足解消のためです。この世界では、エイリアンを始めとする他種族の侵攻を受けており、戦争の為の人材を必要としています。人類が戦う相手は、以下3つの種族。
〇インセクトゥム
蟲人間。或いはデカい虫。ツリークリスタルを追ってやって来た敵性宇宙人の一種。
数が多くてそこそこ強いので、通常、企業が抱えている傭兵などは彼等の駆除が主な仕事になる。ここ、五十年ほどは、邪魔だったら人間を襲うけど、特に理由が無ければわざわざ人間の街を襲撃したりはしなくなっているが、しっかりと敵性宇宙人。
ツリークリスタル採掘の為にコロニーをつくることがあり、そうなると爆発的に数が増え人間の街が『邪魔』になり、襲われる。
繁殖にはツリークリスタルを使用しているが、一個で一匹と言う分けではなく、一個で複数の個体が生まれる。
役割で生きる真性社会生物。虫に似た生態と外見、攻撃方法を持っている。その形態により、ある程度役割が決まっており、複数の種類がいる。
〇バブル
泡。ツリークリスタルを追って来た敵性宇宙人の一種。
意識が有るのか、無いのか、目的があるのか無いのか。強い風が吹くと吹き飛ばされるので移動できないと言う生物としてどうかと思うレベルの生態持ち。
ハチの巣の様な巣を持って居る。役割は色で別れているらしい。
積極的に敵対はしない、自然災害みたいな種族。
基本的に『増える』以外の思考が薄い。地球に来たのも、自分達の繁殖に使うツリークリスタルを追いかけて来ただけ。
只管に物量で押す戦法が得意……と、言うかそれしかできない。
外見はいわゆるスライムなイメージ。もちろん冒険序盤でザコ敵として登場する方ではなく、凶悪な方。
〇トゥース
敵性宇宙人の一種……なのだが、その実はツリークリスタルの影響を受けて進化した新人類とも言うべき種族。
ツリークリスタルの行った、他の敵性宇宙人、インセクトゥム、バブルなどとの共生先選定に置いて、人間があまりにひ弱だった為、ツリークリスタルがテコ入れとして干渉して生まれた種。
人間の進化系なので、遺伝子的には完全に優性。
人間と交わった場合、その子供は母体の種族によらず、『必ず』トゥースになる。
なので、人間の女性が孕んだ場合、子供の形によっては母体が死ぬこともある。
種族を滅ぼされるわけだから、多分、人間にとっては一番、性質が悪い敵性宇宙人とも言えなくはない。
その特徴から、数百年、数千年後にはトゥースが『人間』になって居るかもしれない。
一応、その対策として、人間側は、『トゥースとの婚姻は認めない』『トゥースと婚姻関係を結ぶ場合は人間とも婚姻を結び、最低でも同数の子を為すこと』という法令を出している。
ツリークリスタルの都合により、宇宙に飛び出すことも考慮されているので、自分の身体がもとより武器だったり、女性の胎で装備を造れるようになっている。
何故、敵性宇宙人呼ばわりされているかと言うと、その方が『殺しやすい』から。同類が変異したモノよりも、侵略者の方がよかろうと、大戦中にそう定めて、情報が流布された結果。
外見としては、映画「エイリアン」のエイリアンと人間が融合したようなイメージ。
対する人類が武器としているのが、ムカデと呼ばれる対敵性生物用戦闘型強化外骨格とモノズと呼ばれる球体構造の機械。ムカデはいわゆるパワードスーツで、モノズはサポートロボみたいなイメージです。
ムカデもモノズもツリークリスタルという資源が作成には必要で、他種族でも繁殖やら分裂やら武器製作やらでツリークリスタルが必要です。おかげで、敵性三種族と人類は、ツリークリスタルを取り合って戦争をしています。
主人公は狙撃の特性があったため、スナイパーとして育成され、やがて解凍技術を持たない小さな会社にもスリーパーを行き渡らせるための措置として開催されるオークションにかけられます。
主人公の成績は優秀であったため、本来は残留させるため元の企業が買い取るはずでしたが、そこに横槍が入れられ、他者に買い取られてしまいます。
主人公を買い取ったのが、民間軍事企業ドギー・ハウス所属の傭兵である「猟犬」でした。主人公は彼に師事し、やがて「猟犬」の名を継ぐことになります。
普通の人間に見えて、簡単に境界を踏み越えていくような色々とネジが外れている性格の主人公です。ですが、実にクールで格好いいと思います。
スナイパーとして非常に優秀で、熱い戦闘シーンも凄まじいスナイピングによるものが大半ですが、一方でスナイピングをするためのお膳立て、つまり戦術の組立も優秀な主人公です。それは何も戦闘だけには限らず、対人の交渉でも遺憾なく発揮されています。時には狙撃としてのスキルよりも、交渉という名の脅迫スキルが目立ったりして、とても面白い展開を見せてくれます。
また、この作品を一層引き立てているのがモノズたちの存在です。機械ではありますが、独自の自我のようなものを持っていて、主人のために勇敢に戦います。しかし、時には同じモノズ同士のネットワークの中で、匿名掲示板形式の井戸端会議をやっていたりと、シリアスの中に上手くコメディを表現できていて、物語の面白さを広げてくれています。
物語の端々で見えるワードや展開に、ハマる人は本当にハマると思います。モノズたちの掲示板をまとめサイト感覚で見るのも一興かなと思います(笑)
ぜひご一読ください。
↓小説家になろうの掲載ページです。
https://ncode.syosetu.com/n5839el/
掲載日 | 2018年 06月10日 18時39分 |
---|---|
最終部分掲載日 | 2018年 10月10日 22時00分 |
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ティラノビルダー凄すぎる……
ちょっと作りたい作品があったので、良いツールはないかなと色々と探っていたら巡り合ってしまいました。
ノベルゲーム開発ソフトの「ティラノビルダー」です!
ノベルゲーム開発ソフトというと、私の頭の中では吉里吉里というのが思い浮かぶのですが、今ではこんな便利なソフトが出ていたのですね。
早速ダウンロードして弄ってみましたが、スクリプトを知らなくても感覚的にドラッグ&ドロップしていればゲームが作れてしまうという……。
これでPCゲームのみならず、ブラウザゲームもスマホアプリゲームとしても出力できるって凄い!
しかも多少制限はありますが、基本無料で有償版でも¥1,480という安さ……。本当に便利な世の中になったと思います。こんなソフトを世に出してくれたことを感謝します。
これだけ簡単にゲーム作成に手が出せるなら夢が広がりますね。しばらく弄ってみたいと思います。
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【小説家になろう】フシノカミ【感想】(ネタばれあり)(WEB完結済)
今回の紹介は、小説家になろうで投稿され、オーバーラップ文庫にて出版された「フシノカミ( 作者:雨川水海 様)」です。
この作品はこんな人におススメです
・成り上がりが好きな人
・賢い主人公が好きな人
・俺TUEEEが好きな人
・戦うヒロインが好きな人
・ファンタジーの中に香るSFが好きな人
・幼馴染とお嬢様のどっちも好きという人
本作品は、WEB完結ということで小説家になろうの掲載ページでは完結していますが、恐らく書籍の方ではWEB版では語られなかったエピソードが続くものと思われます。また、この作品は2019年1月1日に連載開始し、ちょうどほぼ1年後の2019年12月31日に完結という、とても計画的できれいな終わらせ方をしています。内容としての文章も非常に読みやすく、作者様の性格が窺い知れるかなと思います。
では、ひとまずあらすじをどうぞ。
あらすじ
前世らしき記憶を持つ少年アッシュは、決意した。記憶にある便利な生活を、今世に取り戻そう。
辺境のド田舎、何の地位も財産もない農民の倅に、そんなことが果たしてできるか。
少年は笑った。まず、無理だろう。だが、笑った。
どうせこれ以上ないほど絶望的な今世だ。精一杯夢を見て、全力で追いかけて、思い切り前のめりにくたばってやろうではないか。
これは、文字を覚えるところから始めた少年が、田舎の寒村を仰天させ、辺境の領都を発展させ、王国を震撼させ、世界を変革する記録。
後世に伝説として語られる、文明復旧の物語である。
読んでみて
辺境の田舎に住む農民の息子として主人公は生まれますが、彼は前世の記憶のようなものを持っていました。記憶にある世界と今の世界との差に絶望するも、幼馴染の母親に目を覚ませられ、記憶の世界の実現を目指して周りを遠慮なく巻き込みながら我武者羅に突き進む物語です。
よくある転生ものかと思いきや、物語が進むとちょっと一筋縄ではいかない印象を与えてくれます。
当初の記憶の描写から現代からの転生かと思ったのですが、さりげなくSFちっくな単語が前世の世界では馴染みのあるものとして語られていて、良い意味で自分の期待を裏切ってくれました。伏線というか、読者の想像と主人公の認識・背景の食い違いのヒントを物語の端々に散りばめられていて、読ませ方が上手いなあと感じさせられます。
主人公は武力もあるのですが、どちらかというと頭で勝負するタイプで本気で勝つためならば手段は選ばないという性格です。しかし、卑怯というわけではなく、戦国時代での武略を使う武将といったイメージでしょうか。
主人公はトントン拍子に出世していくのですが、周りをしっかり味方につけ、論理的に話を進めていくので展開がスッと頭に入ってくると思います。ただただ主人公だけが凄いという描写ではなく、周囲のキャラを上手く持ち上げて面白さを引き立てていっている感じです。
逆に主人公の敵も幾多登場しますが、口でも腕力でもしっかりと反撃してとっちめてくれるので安心してすっきりできます(笑)
おススメの点でも少し触れましたが、メインのヒロインは二人登場します。
幼馴染とお嬢様ということで、DQ5をプレイした方は馴染みが深いのではないでしょうか。
最初に幼馴染とくっつくのでヒロインは一人だけかと思いきや、お嬢様もしっかりいただいてしまうという……(笑)
幼少期からしっかりエピソードを積んできていますので、ダブルヒロインというのも抵抗なく受け入れられました。書籍版では3人の婚姻後のエピソードがもっと語られるのではないかと期待しています。
私のおススメのエピソードは、幼馴染の女の子が主人公を射止めるため、武芸大会で優勝するお話です。
字面だけ見ると、中々のパワーワードが並びますね(笑)
なぜそんな事態になるかというと、幼馴染の両親が絡みます。彼女の両親は、田舎村の村長の息子と辺境伯の長女でした。愛し合いながらも結婚を反対されたため、身分差を乗り越え結婚を認めてもらう手段として父親が剣一本で王都に乗り込み、武芸大会に参加します。そして、見事優勝し、褒美として結婚を勝ち取ったという経緯がありました。
幼馴染も自分の両親にあやかって、同じことをしようとしたわけですね。その展開や結果は読んでからのお楽しみとして欲しいのですが、幼馴染の父親、そして幼馴染自身も「首狩り」という異名の戦闘スタイルで戦います。これが中々痺れます。ぜひ読んでいただきたいところです。
全体的に内政も戦闘もバランスよく上手く描かれていて、途中で飽きることもない作品です。ぜひ一読ください。
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【小説家になろう】堕落の王【感想】 (ネタばれあり)(完結済)
今回の紹介は、小説家になろうで投稿され、ファミ通文庫にて出版された「堕落の王(作者:槻影 様)」です。
この作品はこんな人におススメです
・俺TUEEEが好きな人
・昼行燈に見えるけど実は凄い主人公が好きな人
・七つの大罪というキーワードが好きな人
・ラスボス的主人公が好きな人
・ツンデレ男キャラが好きな人
本作品は2015年11月2日に完結され、その後書籍化されました。作者の槻影様は他の作品も書籍化されており、話の作りこみや文章がとても素晴らしく、非常に読ませてくれる方だと思います。
ひとまずは、あらすじをどうぞ。
あらすじ
気がついたら異世界に転生していた。
寝ていたらいつの間にか望んでもないのに魔王になった。
働かなくていいなんてこの世界、最高じゃないか。きっと日頃の行いがよかったからに違いない。
怠惰の味は蜜の味。栄光、勤勉、貞淑、名誉など興味もない。
堕落の王とは何を隠そう――この俺の事だ。
主人公
現代日本らしき世界から悪魔へと転生した男。
悪魔の持つ系統樹(スキルツリー)のうち、「怠惰」のスキルツリーを成長させ、『魔王』のクラスを得ている。
動かなければ動かないほど力を得る(逆に動けば力を失う)『怠惰』の特性もあるが、本人の性格上、ほぼ寝てばかリ過ごす。だが、動かなくて済むように『怠惰』の特性として尋常ではない各種耐性と防御力、回復力、触らずとも遠くのものを動かす能力、転移能力、そして意志ある人形を生み出す能力など、動かなくても済む、戦える能力を獲得している。並の悪魔や天使ではかすり傷一つつけられない。
さらに奥の手とも言える魔界でも唯一無二の能力も持っているが……本人が面倒くさがるので誰もそのことは知らない。
読んでみて
比較的あっさりとしたあらすじですが、読了後にもう一度読むとなんとも味のあるあらすじに見えます。
基本的に主人公の一人称で進む物語であり、主人公の面倒くさがりでマイペースな性格から語らせると確かに上記のようなあらすじになるのだと思います。
最近はよく見かける転生ものではありますが、本作品の転生先は文字通り弱肉強食がまかり通る魔界の悪魔。悪魔に限らず、この世界の存在はスキル系統樹(スキルツリー)というものを持っていますが、悪魔の場合は大罪として有名な怠惰、強欲、色欲、憤怒、暴食、嫉妬、傲慢の七つの系統樹の内どれかを主として持ちます。主人公の場合は、「怠惰」のスキルツリーを成長させ、「悪魔」のクラスから「魔王」のクラスへと至った存在です。
スキルツリーを成長させるためには、その大罪にふさわしい行動を取らなくてはいけません。「怠惰」の場合はすなわち動かない事。動かなければ動かない程スキルツリーは成長し、動かなくて済むようなスキルを発現させていきます。
主人公は、はるか太古から「怠惰」に沿う行動を取り続けていた(つまりひたすら寝てた(笑))ため、凄まじい成長と力を得ることになりました。しかしながら本人の性格と「怠惰」故の動かないという特性から、目立つことはないため他の悪魔や魔王にはその実力が知られておらず、見下されてすらいます。そんな敵が、主人公に安易にちょっかいをかけてやられるという所謂ざまあ展開が結構ありますので、そういた展開が好きな方はカタルシスを得られるでしょう。
私のおすすめのエピソードは、主人公の息子?であるハード・ローダーのお話です。
「傲慢」の悪魔であるが故に他者を見下した言動が多く、ついには父である主人公すら見下して倒そうとしますが、主人公の為にせっせと軍団を作ったり、主人公の地位が低すぎると文句を言ったり、主人公は至高の存在だと言ったりと端々にツンデレ要素が見え隠れしていて実に良いキャラをしています。
そんな彼と主人公、息子と父の戦いは非常に盛り上がるシーンだと思います。特に最後の主人公のどんでん返しにはかなり痺れました。主人公にラスボス感が実に堪らないです。
エピソード毎に様々なキャラの視点で描かれていて、中弛みも無くすっきりとしていながらも濃度の濃いお話が楽しめると思います。
ぜひご一読ください。
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【小説家になろう】逆行転生したおじさん、性別も逆転したけどバーチャルYouTuberの親分をめざす!【感想】(ネタばれあり)(完結済)
今回の紹介は、小説家になろうに投稿していらっしゃるブーブママ様の作品、「逆行転生したおじさん、性別も逆転したけどバーチャルYouTuberの親分をめざす!」です。
この作品はこんな人におススメです
・Vtuberに興味がある人、Vtuberを知らない人
・恋愛なしのTSものが好きな人
・勘違いものが好きな人
この作品は、つい先日2/9に本編が完結しています。連載当初のコメントで書き切っているとのお話があったので、後の展開に安心しつつ最後まで一気読みができなくて毎日毎日予定更新時間を気にする日々でした(笑)本当にお疲れ様です。まだ少しオマケが更新されるとのことで、今でも楽しみにしています。この分量と完成度なら近いうちに書籍化もされそうかなと思っています。
さて、この作品に私が行きついたのは、元々私がブーブママ様の他作品を追っていまして、その中の宣伝に乗っかって読んでみたのが始まりです。そうすると、ものの見事にハマってしまいました。
とりあえずは、作品のあらすじをどうぞ。
あらすじ
Vファンおじさんは死んだ! ところが悪魔がやってきて人生やり直しの機会を? でも特にやり直したいことはない。いや、ひとつだけ――もっとVtuberのてぇてぇが見たかった。それならいっそ、自分がVtuberの親分になればいいのでは?
ちょっとのチートを使って目指すは世界初のVtuber。ところでなんで女の子になったんですかね? おじさん、男の子だよ?
※本編完結済み。
※前提※
すべてのVtuberが大好きで、それを支えるすべての技術者に敬意を表します。現実には勝てないことは重々承知です。この物語に実在のVtuberは出てきません。
読んでみて
Vtuberが大好きなおじさんがライブの最中で死亡し、悪魔と契約して逆行転生するというお話です。
悪魔が望むのは面白い物語を作ること。その代価として、おじさんは三つの願いを叶えてもらうことになりますが、そのうちの一つを本意に反した形で忖度され、あえなく女性として転生することになります。
それでもおじさんは、「自分がVtuberの親分になる」という目標に向けて周りを容赦なく巻き込みながら活動していきます。
あらすじの中の※前提※で語られている通り、実在のVtuberは出てきませんが、オマージュともいうべき存在は登場しています。作者さんのVtuberへの愛と敬意が読めばよくわかる作品かと思います。
私自身、Vtuberという単語こそ知ってはいましたが、それほど詳しいわけではありませんでした。そんなVtuberを題材にし、なおかつ主人公がおじさんで性別逆転逆行転生という中々盛り込んだ色物だなぁと最初は感じたものです。
男性から女性への性別逆転もの、いわゆるTSものというジャンルは、性別逆転した意味合いを上手くいかせていないように感じる作品が多いため、あまり読まないのですがこの作品は非常に上手く生かせているように感じます。空気の読めなさや芯のぶれなさが実におじさんぽくて、周囲の心情を読むと勘違い系にあるカタルシスのようなものを感じさせてくれます。
さらに、主人公の成長に合わせて各年代でのゲームや機器類の遷移と考察の話が出てきますが、私と同年代の方には懐かしく感じるでしょうし、そうでなくともためになるお話です。
この作品のおかげで、最近Vtuberを見るようになってしまっています(笑)皆さんもぜひ一読してみてください。
↓小説家になろうの作品ページです。
https://ncode.syosetu.com/n3530fy/
掲載日 | 2020年 01月05日 14時00分 |
---|---|
最新部分掲載日 | 2020年 02月09日 14時00分 |
感想 | 672件 ※ログイン必須 |
レビュー | 4件 |
ブックマーク登録 | 4,326件 |
総合評価 | 15,695pt |
ポイント評価 | 3,511pt : 3,532pt (文章評価:ストーリー評価) |
誤字報告受付 | 受け付けています ※ログイン必須 |
開示設定 | 開示されています |
文字数 |
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【小説家になろう】ティタン アッズワースの戦士隊【感想】(ネタばれあり)(WEB完結済)
今回の紹介は、白色粉末様(小説家になろうでは黒色粉末様)の「ティタン アッズワースの戦士隊」について紹介したいと思います。
この作品はこんな人におススメです
・誇りや名誉というキーワードが好きな人
・英雄や戦士が好きな人
・時間逆行が好きな人
・泥臭く血生臭い戦闘シーンが好きな人
まずは作者様が掲載しているあらすじをどうぞ。
あらすじ
「戦いを!
戦いに次ぐ戦いを!
俺達は猛き風! 俺達は真紅の太陽!
ならば、ただ与えられるのを待つ事は無い!
名誉と栄光を――勝ち取らん!!」
嘗て北部の風の中、攻め寄せる闇の軍勢の前に立ち塞がった男がいた。
血と泥。肉と骨。鋼の掟と、そして雄叫び。
並居るクラウグスの勇者達の中でも数少ない、戦士の中の戦士と評されたアッズワースの大英雄。
彼と彼の戦友達の戦いが神話と成り果て、黴臭い伝説として誰の心からも忘れ去られた時、闇は再び北の大地に蠢き始める。
ならば
ならば彼は眠らない。
――伝説は蘇る。
主人公
国をも亡ぼす凶悪な竜に挑んだ英雄たちの中の一人。
ほとんどの英雄たちが戦死する中生き残り、戦後も邪悪な神の率いる魔物との戦の最前線で戦い続けた。
戦いの中で命を落とす直前、信奉する神の手によって救われ、300年の眠りにつく。
しかし、人々は神の手によって彼が救われたことを知らず、身を挺して国を守った英雄として祭り上げる。以後、長らく吟遊詩人の詩の定番ともなる。
並み居る英雄たちの中でも最強とも謳われた剣士。古い戦士団での叩き上げで育ったが故に、名誉や誇りを何より大事にする。
読んでみて
いかがでしょうか。
上記のあらすじを読むだけで熱い、非常に熱いお話なのだとわかるかと思います。
あらすじにもある通り、伝説に語られた英雄の一人が300年の時を超えて蘇り、対応するかのように胎動し始めた闇の軍勢と戦う英雄譚です。
主人公ティタンは、魔物と戦う最前線アッズワースでの戦いの最中で命を落としたかと思われましたが、信奉する神の手によって保護され遥か未来で目を覚ますことになります。
そこで彼が目にしたのは、すっかり腑抜けたアッズワースの姿。
変わり果てた戦士達の姿に落胆する彼ですが、様々な出会いを通じてアッズワースにかつての姿を取り戻させることになります。
魔物の軍勢、闇の勇者たち、闇の神々。
数々の強敵に対し、ティタンとその仲間たち、戦士団は勇敢に戦っていきます。
序盤から痺れさせる戦闘シーンの数々で、読んでいると本当に時間が経つのを忘れさせてくれると思います。
戦闘シーンだけでなく、登場するキャラクターたちも凄く生きています。ティタンが結成した戦士団、アッズワースの戦士隊の面々には特に注目です。
スリの少女や、新人の傭兵たち。彼らがティタンに扱かれ、一端の戦士となり、自らに誇りを持てるようになるまで成長する。
読めばとても心動かされるかと思います。
神が息づく世界が見事に表現されていて、熱い戦闘シーンに切ないエピソードと最初から最後まで飽きさせることなく一気に読ませてくれる作品です。
ぜひとも一読してみることをおすすめします。
作者である白色粉末さんは他にも作品を書いていまして、本作品の主人公であるティタンも元は他作品で登場しています。
いずれそちらの作品も紹介したいと思いますので、ぜひ読んでみてください。
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python3
関数の定義方法
「def 関数名():」
引数…関数を呼び出す時、関数に渡す値
関数の定義部分で、引数を受け取るための変数を指定
スコープ…変数が使える範囲
引数には初期値を設定することも可能。関数呼び出し時の引数が省略されたとき、初期値が与えられていれば初期値で処理
空文字は 「== ''」でOK
関数の処理結果を使いたい場合には、関数が戻り値を返すようにする
関数returnを使用すれば戻り値を設定できる
戻り値がある場合、関数の呼び出し部分がそのまま値に置きかわる
関数returnは関数内の処理を終了させる働きもある
モジュール
コードが書かれたファイル
importでモジュールを読み込む 「import モジュール名」 ※.pyは必要なし
あらかじめ用意されているモジュール…標準ライブラリ
クラス
「class クラス名:」で定義
クラスからインスタンスを生成し、インスタンスに情報、属性を付与
「変数名 = クラス名()」とすることで、生成したインスタンスを変数に代入
「インスタンス.インスタンス変数名」= ○○ でインスタンスに情報を追加できる
「インスタンス.」とつけることで、そのインスタンスに付属する情報になる
クラスの中で定義した関数…メソッド
第1引数にselfを追加する必要がある
メソッドは、インスタンスに対して使うように呼び出す…「インスタンス.メソッド名()」=インスタンスメソッド
引数に指定した「self」に、呼び出したインスタンス自身が代入されている
つまり、self.変数 = 呼び出したインスタンス.変数 となる
インスタンスは情報として「インスタンス変数」を、処理として「インスタンスメソッド」を持つ
__init__メソッド
インスタンスを生成した直後に自動で呼び出される
つまり、インスタンスを生成すると勝手に__init__メソッドの処理が実行される
__init__メソッドも引数を受け取ることが可能
インスタンス生成時のクラス名()の()内に記入する形で引数を設定してやれば、__init__メソッドへと引き渡される
引き渡される引数は第1引数から順番に引き渡される(受け取り側のselfは第0引数でインスタンス自身なので関係ない)
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