こんばんは自称バームクーヘンです。
先日、恵比寿リキッドルームにてVaVaさんのワンマンに行きました。
アルバム『VVARP』で感じたこと、ライブに行って思ったこと、てかそもそもヒップホップを聴いてこなかった僕が聴くようになったことを思い出し、記録として残したかったので諸々書きたいと思います。
※個人の感想なのであしからず。
『VVARP』
アルバム、VVARPが2022年6月初旬に配信され、僕はすぐに全曲聴いた。めちゃめちゃテンションが上がったし、配信された翌朝の通勤中にも夢中で聴いた。で、全曲僕は好きなのですがアルバム後半の『Bad Day』の歌詞に特に心を掴まれた。
「みんないなくなればいいのに と思ったことすら余裕であった」
そして、
「苦しくて足をかけたベランダすら今見えるただの1ページに」
この部分の歌詞で特に特にガツンとやられた。
なぜそう思ったのか、それは僕がなんとなくヒップホップは明るい歌詞で根明(ねあか)の人が歌うものだと潜在的に思っていたからだ。(超偏見なの、勘弁して)
vavaちゃんの曲は1stアルバムから聴いているし、他のラッパーの音楽も聴いているけれども自分の心の中の根底の根底にそういう想いがあった。
だけれども、vavaちゃんの『Bad Day』を聴いて気付いた。根明とか、根暗とか、イケてるとか、イケてないとかそんなの関係なくてみんな一緒なんだと。誰しもが楽しいこともありゃ辛いこともある。
これは当たり前のことやけれども、捻くれた26歳社会人の俺からしたら大きな気付きになった。泣いた。
隣の芝生は青く見えるもの。
VVARPに収録されている曲は一人称が「俺」で歌われることが多く、ダイレクトにvavaちゃんの歴史や想いが伝わってくる。意思表示、存在証明のように思う。
このアルバムは好きなもの、楽しかったこと、辛いこと、憶測やけれども、vavaというひとりの人の膨大な量の歴史のデータのカケラを集めて物凄い大作になっている。
そして自分の人生を歌にするとともに、曲の方向が内(自分だけ)に向かっているのではなく、外(他人の人生)に向けられているように感じた。『In My Sign』、『type』は特にそう感じた。自分もひとりだがあの人もひとり、そういえばアイツは今、何してるんだろうって思うことは誰しもあって日常の一コマを美しく曲にしている。他人なんてどうでもいい!て思うこともあるけれど気になっちゃう自分もいたりして、そのあたりを表現していると勝手に思った。
『夜/HACK』『Gatsby』では自分の歴史とともに、他人の人生に興味というか、曲の力が外へ外へ向いていて他人も巻き込んでもっと上へ上へという意志を感じた。それも無理強いな感じでなく、その人の生きるスピードに合わせてね。これはHIPHOP文化の根底にあるマインドかもしれない。表現して同じ想いの人たちを巻き込んで大きい波にする。そして皆で高みを目指す、みたいな。
さらに音楽を始めるきっかけ?の1人になったtofubeatsとの曲の名前は『夢のまた夢』
自分の人生でのダークな部分という意味でいうと直接的な言葉を使った曲名の『complex』もある。
ひとりの歴史を語るという意味では『tatu』なんて凄く伝わってくる。タトゥーは一生ものやし、その人の歴史を身体に刻んでいるアートやと思う。かくいう僕も映画が好きで大好きな映画にまつわるタトゥーを入れている。そんな個人的な想いもあり、この曲はアルバムの中でも特に印象的やし好きだ。
そして、同作のMVは光と闇の狭間で揺れ動く、まさに闇に行き光に奉仕するようなvavaちゃんを象徴的に描いていることがわかった。
時には人は闇に、でもまた立ち上がって歌う。
MV、抜群にかっこいい。
『YANKEES』では僕は映画『ファイトクラブ』
を思い出した。
この映画はなんてことないサラリーマンがワイルドな男に憧れていくうちに日常の自分とワイルド男に憧れる自分のどっちが本当の自分かわからなくなる映画だ。僕はvavaちゃんに憧れちゃうよ〜。
『Reloadin'』『イノセントエクスプレス』なんか、ほんとに現在までの歴史を歌っている。いろんな人の人生がのっている電車、毎日当然のように走っているけれども思えば全部が特別な列車に思えてくる。
『Mugen』はめちゃめちゃのれるし、ワン!て犬の声が印象的。そして普遍的な存在の初音ミクも出てくる。過去から未来へのことを歌っている気がする。過去があってだから未来はこうなるではなくて、未来はこうしたいっていう着地点。
VVARP 恵比寿にて
6月28日、僕は恵比寿リキッドルームで行われたライブに行った。
ヒップホップのライブは大阪でやっていたcircus circusというフェス以来だった。
ヒップホップのライブってどんなんやろって思っていたし、正直なところ僕はかなり内気なのでのれるか心配だった。しかも行く人たちは根っからのイケてる人たちばかりやろなとビビってた。
極端にいうとこんなダサ坊が行っていいのか!?て。言っちゃうと、畑違いなんじゃないかとすら思っていた。
でも、ライブが楽しくて面白くてなんかみんなで作り上げてる感じがめちゃめちゃ良かった。気付いたら俺はむっちゃ楽しんでのっていた。
『夢のまた夢』、この曲の「でもこのままでいい!いい!いい!」「Ah!Ah!Ah!」「愛!愛!愛!」てところが特に特にブチ上がった。
mcも面白いし、客演も豪華でこんな経験していいの!?てなった。仕事帰りの人が感覚で7割くらいいて僕もそうだったので心の中で「一緒や!」て思った。絶対にまたライブに行く。vavaちゃんありがとう、ヒップホップありがとう〜って心から思った。電車の中で当日配られた冊子を持って帰宅した。
あれ?、いつから?いつから?いつから、
僕はヒップホップをいつから聴いているのだろう。
ヒップホップを聴くきっかけ
僕はいつからヒップホップを聴くようになったのか。そもそも高校になるくらいまではヒップホップはちょー明るくてヤンキーがデカイバンかセダンに乗りながらドゥン!ドゥン!て鳴らす音楽やと思っていた。(偏見やけれど高校生の頃の俺が思っていたことなのであしからず)
なので高校に入るくらいまでは嫌いではないけれど好んで聴いているわけではなかった。
ところで、僕は昔から映画が好きで映画音楽も好きだ。映画のサントラを高校生の頃によく聴いていたし、TSUTAYAで探しで聴いたりしてた。
学生時代は映画を見まくって劇中に出てきた好きなセリフをメモってしんどいときにそれ見て奮い立たせたり、劇中歌を聴いて映画の中に入った気分になっていた。
そして、映画を見ていくうちに誰かの感想や解説が知りたくなり掘っていくとある人物に出会った。
RHYMESTERの宇多丸さんだ。ラジオで映画の感想、解説をしていてよく聴いた。それでRHYMESTERを知り、ヒップホップの扉を開けてくれた。RHYMESTERの『前略』という曲の宇多丸さんのバースはぼんくら男を目覚めさせる言霊だ。そして、そこからどんどん自分の中でヒップホップ文化が広がっていった。RHYMESTERのアルバム『Bitter, Sweet & Beautiful』でPUNPEEを知った。
PUNPEEを知り、summitという事務所を知った。
ここからは凄い勢いでsummitに所属しているミュージシャンのことを聴いていくことになる。もちろんvavaちゃんも。
こうして僕は映画を起点にして、HIPHOPを知り、音楽の幅がものすごく広がった。特にヒップホップ以外のカルチャーも取り入れている人たちの音楽は聴いていて面白い。vavaちゃんがゲーム音楽の要素を交えているのもそう。真相はわからんが、vavaちゃんとbimの「Hana-bi」は北野武監督の映画『HANA-BI』の影響下にあると思っている。
ちなみに、vavaちゃんの『ロトのように』のMVでは同監督の『菊次郎の夏』のポスターが出てくる。vavaちゃんは北野武監督作品が好きなのかなって勝手に思ってます!
曲から感じ取れる色や世界観はキタノブルーを感じるし。
このように、好きなものと自分の世界をミックスさせてオリジナルの作品たちを作っている。こんな面白いことない。
僕が初めてvavaちゃんの音楽を聴いたのは『現実 Feelin'on mind』だった。初めて聴いたとき、まだvavaちゃんがどういうものが好きとか知らずに聴いたとき、なぜか僕は小学生のころに夜に親に隠れてやってたゲームボーイアドバンスのポケモンを思い出した。あの、ぽちぽちボタンを押すかんじと単純だけど特徴あるあのBGM、無限に広がるポケモンの世界。
それを思い出した、そして歌詞に登場する田中ひろかずミュージックとはなんぞや?と思い調べた。
ん!?
田中宏和はゲーム音楽の作曲家だ。点と点が繋がる。僕は26歳なのでvavaちゃんとは少し歳が離れているけど同じ世代といえば同じ世代。
あのとき、それぞれひとりで部屋で冒険していた少年少女がいて、過去にそんな経験がある僕やその他の大勢の人が今、大人になってゲーム音楽が好きなvavaちゃんのライブに行って「田中ひろかずミュージック揺られて思い出す!」と歌っている。面白い。というかヤバい。語弊力!て感じやが、これはマジでヤバい。
めちゃめちゃ面白い。
VVARP🚀
アルバム『VVARP』、そしてvavaちゃんのワンマンは色々僕の中の気持ちを動かしてくれた。
アルバムからはひとりの人間の辛いこと楽しいこと、好きなものが詰まった音楽を聴いた。
過去にいろいろあったけれども、だから、俺はやるんだよ!て強いメッセージを感じた。
ネガティブになることはあってもそれを無理なくエネルギーにして、あまりよくない自分の記憶も踏まえて生きる。好きなものはなくならないし、みなでかましてやろ〜て気持ち。
内に内に、ではなく外へ外へ
なにかあればワープすればいいし、やなことがあれば好きなものが同じひとたちとサイゼで話しあいたい〜。
VVARPを聴いて、ワンマンに行って改めて思った。僕にはまだまだ知らないカルチャーがある。
もっと自分の脳内の宇宙を探索したい🚀
言い換えれば選択肢は無限大!?
ps.高校生の頃の俺、26歳のお前はちょーかっこいいvavaていうアーティストのライブでのっているぞ!大丈夫!
以上
最後まで読んでくれてありがとうございました。
まだvavaさんの音楽聴いたことがない人はぜひ聴いてほしいなあ