Touch on Wood. 木に触れる生活 「森の女王、ブナ」

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今回は「ブナ」。英名「ビーチ(Beech) 」です。ちなみに浜辺のビーチは「Beach」。
ビーチと似た名前で「バーチ(Birch)」がありますが、こちらは「樺(かば)」になります。
私はビーチとバーチが混同してしまいがちなため、樺とバーチを「カバーチ」と覚えています。

ブナは漢字で書くと「木」へんに「無」で「橅」と書きます。
無味無臭から「無」としたともいわれています。古くから杓子や漆器のお椀やお皿の材料として使われてきたことからも納得ですね。

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肌目が緻密でやや重硬ながら弾力性に富み、加工性は比較的良い反面、その導管の太さから水分を含みやすく、腐ったり変色や乾燥による狂いが出やすいので昔から扱いに注意が必要でした。

ブナは日本全土に分布する広葉樹で、特に世界遺産にもなっている白神山地のブナ原生林は有名です。

ヨーロッパでは古くから家具の材料として使われてきました。
導管の太さを逆手にとって、水分を含んだ状態で高温で圧力を掛けて曲げる、曲げ木加工はブナ材ならではと言えるでしょう。

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オーストリアのカフェから世界中に普及したトーネット社のチェアもブナ材ですし、
誰もが知っているハンス・J・ウェグナーのYチェアもこのブナ材が用いられています。

ヒュルスタの家具でもブナ材がとても大切なパーツに使われています。
それはベッドのウッドスプリングを構成するスラットです。

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天然のブナ材を薄くスライスし、7層に重ね、緩やかなカーブを持たせたスラットは、しなやかな弾力性と優れた耐久性により、マットレスの下で絶えず身体をしっかりとサポートする役割を果たしています。

「ブナの実1升、金1升」と言われるぐらいブナの木が付ける実はとても貴重なものでした。

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ブナは成長が遅く、50年から60年が経ってようやく実が成ります。
しかも5年に一度しか実を付けません。
形状がそばの実に似ているその実は、秋になると森の恵みとなり、動物たちの大切な栄養源にもなっています。
ブナが「森の女王」と呼ばれる所以です。

Touch on Wood.
森の生き物たちにとって、ブナの森は母の愛に包まれて暮らしているようなものなのでしょう。


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