林道ファン〜林道探索が好きなバイク乗りの備忘録

林道にロマンを感じるバイク乗りが、日々変わりゆく関東甲信越の林道を実走調査して記録に残しています。

長野県・林道 王城枝垂栗線 ①

諏訪湖から近く、辰野町から岡谷市へと通じている山岳完抜け林道

探索年:2018年10月

所在地:長野県上伊那郡辰野町

舗装状況:完抜け一部舗装

難易度:車重200kg以上走行可

一口メモ:JR辰野駅側から入ると数キロにわたり舗装路が続くため、諦めて舗装林道かと覚悟した頃突然未舗装に変わり、そこからは延々と気持ちの良いフラットダートが続く。ツーリングマップルにも記載されていて、高速のインターからも近いので大変アプローチのしやすい林道。本線は特に展望ポイントがないものの、途中で分岐している支線の先に好展望ポイントが存在しているが、急勾配のダートに普通乗用車では敬遠しそうな道となっている。

 

 

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林道起点側となるJR辰野駅は、中央本線と飯田線が接続している分岐駅で、2両または3両編成の電車が軽快に走っています。今回は、この電車に乗って飯田線の旅を、なんてセリフを言いたくなるような旅情がそそられる一コマですが、鉄道の旅は老後の楽しみに取っておくとして、さっそく林道に向かいましょう。

 

 

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辰野市街から山に向かって民家の中の勾配を上っていきます。

 

 

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程なくして林道起点の標識が見えてきました。

 

 

 

 

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林道王城枝垂栗(おうじょうしだれくり)線の起点側標識です。今回初めて訪れる林道なので、どんな景色が待っているのか期待でワクワクしてきます。

 

 

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 起点標識から少し上っていくと眼下に辰野駅を見下ろすことができる、ちょっとしたビューポイントがあります。

 

 

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ヘアピンカーブで高度をどんどん稼いでいきます。

 

 

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左手に「下辰野公園」という標識があります。未舗装路のすぐ先にベンチのあるちょっとした公園となっていますが、休憩するにはさすがに早すぎます。帰りに通ることがあれば立ち寄るのも良いでしょう。

 

 

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前方に看板が見えてきました。なになに、「この先、未舗装道路になります。」

ついに、ダートが始まるのか。起点から結構早い段階で舗装路が終わるんだな、とこの先の展開に期待で胸が高まってきます。

 

 

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あれ、ダートに変わらないな。あのカーブの先からかな?

 

 

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・・・・・・。

 

 

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あはは、行けども行けども走りやすい舗装林道が続きます。さっきの標識は何だったんだろう?標高だけがどんどんと高くなっていきます。

 

 

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ダートに変わらないまま、しばし進んで行くと「日本中心のゼロポイント」という標識のある分岐に差し掛かりました。

 

 

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分岐先にはおいしそうなダートがカーブの先へと消えています。とても気になるダートですが、とりあえずまずは本線を先へと進みましょう。

 

 

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周囲の木がシラカバへと変わってきましたが、本線の舗装路はまだまだ続いています。

 

 

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しばらく進むと、右カーブの途中で左に分かれる分岐点が現れました。

 

 

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カーブの分岐点からはまたまた気になる轍ダートが続いています。この場所を記憶しておき、ここも目をつぶって本線を先に進みます。

 

 

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よくある舗装林道の光景ですが、路面に積もった落ち葉を見ると、オンロードバイクは走行にかなり気を使いそうです。

 

 

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お、本線もやっとダートに変わったか⁉ここからダート区間が続くのかな。気が引き締まります。

 

 

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と思ったら、ヘアピンカーブの先は急勾配の舗装路が続いていましたよ。しかし、ここにも分岐があり、その分岐の先を見てみると・・・

 

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あまり通行のなさそうな支線系ダートが奥へと続いていました。うーん、ここまで支線にダートが多いと分岐点を記憶できなくなりそうです。とりあえずここで一息つくことにしましょう。

 

 

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このカーブ地点には支線?林道の開設記念碑が建てられていました。立派な石碑です。「七蔵寺林道」というのでしょうか?

 

 

林道 王城枝垂栗線② に続きます。

 

 

(2020年1月31日公開)

 

福島県・林道 滝ノ作・寺作線

古殿の集落からごく近く、かつ国道から直結している山岳系ピストン林道

探索年:2018年10月

所在地:福島県石川郡古殿町

舗装状況:ピストン一部舗装

難易度:車重200kg以上走行可

一口メモ:国道349号から直結し、登り勾配基調のピストンダート林道。総延長約4kmで、前半の約1.5kmは舗装路が続く。全体的に道幅は狭いが、路面はほぼフラットでピストン林道の中では大型車も走りやすい。

 

 

国道349号が通る古殿町周辺には多くの未舗装林道が存在していますが、ここ古殿町の集落内から人知れず存在している林道が、林道 滝ノ作・寺作線です。

 

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国道349号線から直接林道が分岐しています。 入口には林道標もあり、国道から見落とすこともないでしょう。一見、民家へと続く路地の入口といった雰囲気です。

 

 

国道から右に分岐して山に延びている道が、滝ノ作・寺作線です。

 

 

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滝ノ作・寺作線の林道標です。木製のきれいな林道標が道路脇に立っています。

 

 

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林道入口から1.5kmほどは舗装路が続いていましたが、その後未舗装に切り替わりました。森林伐採の幅広のトラックが入っていたようで、しっかり踏み固められたフラット路面が緩やかな上り勾配で続いています。

 

 

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水を流すためのU字溝がありますが、土でほぼ埋められてしまっています。雨で土が流されて自然に埋まってしまったのでしょうか。

 

 

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2つに進路が分かれる分岐点に差し掛かりました。どちらに進めばよいのでしょうか?とりあえずバイクを降りて正面の道を確認しに行ってみましょう。

 

 

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キャタピラーや重機の転回場なのでしょうか、路面が掘り返されてぐちゃぐちゃになっています。バイクではとても乗って進めるような路面状態ではありません。

 

 

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うーん、先の状況がとても気になるが、CRFではとても突っ込んでいく勇気はないな!

 

その先の路面は、相当な急勾配でカーブで消えています。意外と新しく見える白いコンクリート舗装が見えていますが、とてもバイクで進んでいく気にはなれません。先の状況が気にはなりますが、こちらはどうやら支線のようなので、ここで引き返すことにしましょう。

 

 

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それでは先ほどの分岐から進路を右にとって進んでいくことにしましょう。やはりこちらが本線のようですね。

 

 

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ここからは勾配がきつくなっていきますが、途中にはこのように路面が掘れている個所もあり注意が必要です。

 

 

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その先では一部アスファルト路面が現れたりしますが、すぐに未舗装に戻ります。

 

 

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ここでは右に大きくカーブしてさらに高度を上げていきます。右手は大きく切れ落ちた谷になっており、明るく開けた場所になっています。

 

 

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先ほどの地点からは、カーブの先に谷筋に沿って一層と高度を上げていく道筋を確認することができます。この林道で一番特徴のある区間になっています。

 

 

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周辺の木々に混ざって、竹が溶け込んで生えて自身の存在をさりげなく主張しているのが印象的な場面です。路面状態も良く、気持ちよく走っていくことができます。

 

 

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勾配を上り切ると、この先林道は下りに転じていきます。ここが峠地点のようです。

 

 

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U字溝前後が舗装されています。ダート部分も路面はフラットで、引き続き緩やかな下り勾配が続きます。

 

 

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ここは少しだけ上り返していますが、カーブの先からは再び下り始めます。

 

 

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左カーブが続き、ダート区間唯一?のカーブミラーが見えてきました。地形図上でも終点は近いようです。

 

 

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カーブミラーを越えると道の先に開けた広場が見えてきました。おそらくあそこが終点でしょう。

 

 

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少し開けた広場があり、展開できるスペースになっています。道はここで突然終わっており、この先開拓されるような雰囲気もありません。

 

 

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終点は山の中腹で、周囲は木々に囲まれているため展望もありません。特に見どころもないのですぐに引き返すことにしました。

 

 

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帰りの唯一見晴らしの良い谷筋のカーブで一枚。当日走行した時点では、起点側を除いて近年伐採でこの林道が利用された形跡はありませんでしたが、路面状態も良く走りやすいピストン林道でした。

 

 

(2019年10月15日公開)

福島県・一本山毛欅への名無しダート

緩やかな牧草地に位置する一本山毛欅(いっぽんぶな)を目指す完抜けダート林道

探索年:2018年10月

所在地:福島県いわき市三和町差塩・下三坂

舗装状況:完抜けダート

難易度:車重200kg以上走行可

関連林道:林道 差塩線

一口メモ:県道66号小名浜小野線の三和町差塩からアプローチでき、一本山毛欅(いっぽんぶな)の脇を抜けていく完抜けダート林道。一本山毛欅へは舗装路だけで周遊することはできるが、オフロードバイクにとっては牧草地内を抜けていくダートを走ることに意義がある。一本山毛欅よりも宇宙石の方が見どころがありそう。林道差塩線と合わせるとさらに楽しめます。

 

 

一本山毛欅(いっぽんぶな)とは、いわき市三和町の拓けた牧草地内に位置する標高667mの山のことです。非常に読みづらいこの山の由来は全く分かりませんが、景色の良い場所なのでツーリングスポットとして訪れるのもおすすめです。

 

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林道差塩線終点

 

前回の林道差塩線終点から右折してダート林道を走ってくると、一本山毛欅へと行くことができますが、周辺には舗装路があるため、一本山毛欅へはオンロードバイクでも難なく訪れることができます。

 

 

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林道差塩線終点の分岐を右折してしばらく樹林帯の中のダートを走ってくると、明るく拓けた高原地帯のような場所に出ます。標高600mほどの高原の中を走るだけでも気持ちが良いのに、路面状態の良いフラットダートが続き、オフロードバイク乗りにとっては最高の環境で気分がさらに高まります。

 

実は撮影当日は土曜日で、大規模なオフロードラリーイベントが開催されており、一本山毛欅周辺も通過ルートに組まれており、普段は誰一人見かけることのない静かなこの場所も、この日は何百台というオフロードバイクがなぜか次々と絶え間なくやってくるため、驚いたのを覚えています。

 

 

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高原地帯を進んでいくと、前方に建物が見えてきました。乾草供給センターという建物らしいです。そういえばこの高原は緩やかに一帯が拓けており、牧場として理想的な場所のような雰囲気がありますが、牛や馬の姿は一切なく、放棄地のような放置された雰囲気に違和感を感じていました。もしかしてかつては牧場として活用されており、たくさんの放牧された牛が優雅に草を食べていた時期もあったのかもしれません。

 

 

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ダートは建物脇で終了となり、ここからは舗装路となります。

 

 

 

 

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ダート終了と同時に合流する舗装路は、差塩からの県道66号線から上ってくる道で、オンロードバイクはこの道からアプローチしてくることが可能です。

 

 

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高原地帯の中のあのカーブを駆け抜けていくのは、オフロードバイクはもちろんのこと、オンロードバイクで走っても最高に楽しそうです。

 

 

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こうやって見ると草も刈られていたりするし、やはり管理はされているようです。でもこの斜面に牛が放牧されている姿を見る方が、ここの景色に合っているような気がします。

 

この裏手にはパワースポットとして有名?な宇宙石という巨石があり、最近はインスタ映えスポットにもなっているようですが、私は誰もいない静かな状況でコーヒーでも沸かして景色を眺めていたいものです。

 

ここ周辺の道路は1車線幅しかなく狭いため、ドライブコースとしては好まれない印象ですが、バイクツーリングとしては最高のツーリングスポットになりますよ。(私は千葉県の人間なので頻繁に来ることはできないのが残念ですが…)

 

 

林道 差塩線 を探索してくる。

 

 

(2019年9月公開)

 

福島県・林道 差塩線

県道入口から未舗装路が続いているが、極めて走行が乏しく荒れ気味な完抜けダート林道

探索年:2018年10月

所在地:福島県いわき市三和町差塩(さいそ)

舗装状況:完抜けダート

難易度:車重200kg未満推奨

一口メモ:県道66号小名浜小野線から直接アプローチできる短い完抜けダート林道。路面自体はほぼフラットですが、全体的に走行跡が極めて乏しく、草で路面が見えづらい(見えない)箇所があるために走行には注意が必要。終点では一本山毛欅(いっぽんぶな)に通じるダート林道に接続しています。

 

 

磐越自動車道とほぼ並行して走る、いわき市の県道66号小名浜小野線を北上していくと、磐越道の差塩PAを1.5kmほど越えた先に林道差塩(さいそ)線の入口があります。県道が快適な2車線山間路なので、気持ちよく駆け抜けていると入口を見落としてしまいそうになります。

 

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県道側の林道入口です。起点からダート路面が続いていて、一見走りやすそうなフラットダートといった雰囲気ですが、カーブの先はどうなっているのでしょうか?

県道との接続地点からダートというのは、林道ライダーにとって大変嬉しい状況ですが、この県道66号線も2車線の楽しい道で、本日は休日という事もありツーリングバイクも時々見かけますが、誰一人としてこんな林道分岐には目もくれずに軽やかなペースで通過していきます。

 

 

 

 

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林道差塩線は県道側が起点となっており、入口には起点の林道標が建っているので見落とすことはありません。延長1493mと記載があり、ツーリングマップルでも完抜けであることが確認できます。

 

 

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さっそく林道に足を踏み入れて進んでいくと、ここまではフラット路面が続いており、この先も走りやすそうな路面が続くものとの期待が持ててきました。正面は磐越道で、道路をくぐって越えていきます。

 

 

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磐越道をくぐる直前、トンネル前後はアスファルト路面ですが、ダートから切り替わる部分が崩れてかなり荒れており、洗堀されたのか大きく掘れているのでルートを選んで進む必要があります。道路幅全体にわたって深く掘れているため、普通乗用車はここを越えて進んで行くことはほぼ不可能な状況になっています。

 

 

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磐越道をくぐった先は、少し荒れ気味ですがオフロードバイクにとっては楽しく走れる路面が続いています。

 

 

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カーブの先はだんだんと轍が細くなりはじめ、路面全体に草が目立ってきました。でもまだまだ「生きている」道といった印象です。

 

 

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ついに軽トラ幅の4輪の轍も消えてしまいました。先を見るとこの先は一見廃道のような状況ですが、距離も短い林道のため、相棒CRFの機動力を信じて進んでみましょう。

 

 

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写真からは伝わりづらいですが、ここはかなりの急勾配のため、簡易的に舗装がされていますが、状況的にはダート路面とほとんど変わりません。むしろ隠れたコケで滑りやすく、いったん止まると再発進が困難なほどです。

 

 

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轍も乏しい急勾配区間を進んでいきます。10月の涼しい時期の訪問ですが、7,8月の真夏の草が全盛の時期だったら走行自体不可能だったかもしれません。

 

 

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いやな予感的中⁉️ …… やはりこの先は廃だったか‼️

 

前方の藪化した路面に一瞬ここで立ち止まりました。すでに轍は完全に消え去り、明らかに通行する車両がないことが分かります。この先のさらに廃道感漂う状況にためらいましたが、林道距離が短いことが分かっているので、降りて先の状況を確認しに行かずに、このまま一か八かで突進していくことにしました。これが長野や新潟の深い山で林道距離が長い場合、ほぼ間違いなく先は廃道化しているので、無理をせずこの時点で引き返しているでしょう。

 

 

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やった、出口だ!!

 

路面も全く見えない状況で藪の中を進んでいくと、やがて林道終点が見えてきました。最後は下り勾配で別の林道へ接続しています。

 

 

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終点側から見た差塩線の入口です。パッと見た限りこちらからも荒れのない林道かなと感じてしまいますが、重量車は初見で入り込むのは絶対に禁物です。もしGSで踏み込んでいた場合、先ほどの轍が消えた時点で引き返していたかもしれません。

 

林道差塩線は起点からほぼ一貫して上り続け、上がり切った先で終点という林道で、この終点からも別のダート林道が左右に続いています。

ちなみにこの林道を使わなくても左右に舗装された林道がそれぞれ存在しているので、林道差塩線の存在意義はほとんどない状態のようで、通行する車両もないものと思われます。バイクにとっては楽しめる林道でしたが、すでに半廃道状態なので、数年後に再訪したら完全に廃道になっていた、なんていうことが現実にはなってほしくないものと強く思いました。

 

 

(2019年8月公開)

 

福島県・林道 寺下線 ②【完】

県道66号を起点として、周回する形で戻ってくることができる完抜けダート林道

探索年:2018年10月

所在地:福島県いわき市三和町上永井

舗装状況:完抜けダート

難易度:車重200kg以上走行可

 

 

前回からの続きです。

林道 寺下線 ① を探索してくる。

 

 

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先ほどの峠地点を過ぎるとしばらくは走りやすいフラットな路面が続きます。

 

 

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軽トラ幅の4輪の踏み跡は少なめですが、雰囲気の良い木陰の林間路といった状況の中、下り勾配で少しづつ高度を下げていきます。

 

 

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やがて左手に渓流が現れてからは、川の流れと並行してフラットな路面が続きます。この辺りはケヤキの木でしょうか?林道でよく見かけるスギの木などは幹がまっすぐ上にかなり高くそびえ立っているため、場所によっては薄暗い雰囲気を感じる事も多いですが、ここは渓流と緑の葉に覆われた低めの木が並んでいるため、木々の中ながら重い雰囲気は感じられず、私は好感が持てますね。

 

 

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標高差はそんなにありませんが、今までの景色と違ってここは杉の木が左右に並びます。

 

 

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いつの間にか谷は右側に移り、ここからは下り勾配の傾斜も強くなっていきます。

 

 

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先ほど川の流れが左にあったときは水面との差が大してなかったはずですが、ここは水面との高さの差がかなり大きくなっています。

 

 

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引き続ききつめの勾配でどんどん高度を下げていきます。しかし路面が掘れている個所もあるので調子に乗って飛ばしていくことは厳禁です。

 

 

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ここにきてダート路面から舗装路に変わりますが、もう民家も木々の間から見え始めているので、ダートはここで終了のようです。

 

 

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市道と合流し前方には県道66号線も近づいてきました。たわわに実り黄金色に輝く稲穂も刈入れ間近なのでしょう。

 

 

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振り返り寺下線の林道標を映した写真です。こちらは終点ですね。

 

 

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以前は結構さびれた林道標が多く文字が読み取れないものも多かった気がしますが、最近は白くきれいな林道標を多く見かけるようになり、探索する側は非常に助かります。

 

寺下線は起点と終点の位置は異なるものの、周回する形で県道に戻ってこれるので、時間に余裕があれば立ち寄りたいおすすめの林道です。

 

 

(2019年6月公開)

福島県・林道 寺下線 ①

県道66号を起点として、周回する形で戻ってくることができる完抜けダート林道

探索年:2018年10月

所在地:福島県いわき市三和町上永井

舗装状況:完抜けダート

難易度:車重200kg以上走行可

一口メモ:磐越道いわき三和ICから直結している県道66号線から一本でアプローチできる完抜けダート林道。周回する形で県道に戻ってくることができる完抜け林道ですが、走行跡が乏しい箇所があり、かつ流水で深めのクレバスが発生しているため通行には注意が必要です。全体的には山間の静かな雰囲気を感じることができるほぼフラットな林道。

 

 

磐越道いわき三和インター付近には数多くのダート林道が存在していますが、ここも周回できる完抜け林道として外すことができないお気に入りの林道となっています。もちろんゲートなどの通行規制は一切ないのがありがたいです。

 

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県道66号線をいわき三和インター側から走り、三和町上永井の集落から分岐する1車線幅の狭い舗装路を少し進むと見えてくるのがこの林道起点標がある分岐点です。この場所、ストリートビューでは林道入口の存在を確認する事ができるため、以前から気になっていました。

 

 

 

 

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轍を見ると走行はあまりなさそうな印象ですが、軽トラ幅の轍が続いています。路面は固めの土質ダートといった雰囲気で、若干の荒れが見受けられます。それではどんどん進んでいきましょう。

 

 

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最初から通行跡が少なめの雰囲気がしていましたが、そんな路面にありがちなクレバスがやはりありました。深いところで20センチ以上の段差が発生しています。ここは緩い登り勾配で、雨が降ると流水で路面が掘れてしまうようです。このまま放置されるとさらにひどい状態となり、通行そのものが困難な状況になってしまうため、ここは修復してもらいたいものですが、通常利用されている雰囲気が乏しいため少々不安に感じてしまいます。

 

 

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そんな荒れた場所があったとは思えないほど、その先には舗装された区間がありましたが、ここは勾配がきつめなため、部分的に舗装されているものと思われます。すぐ先にはダート路面が復活しています。

 

 

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少し走ると左側が開けて、小さな谷を左に見ながら道は高度を稼いでいきます。

 

 

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その先では再び舗装路面が一時的に復活しました。とはいうものの倒木は横たわっているわ、落ち葉でアスファルトは隠れ気味になっているわで、通行の全くない舗装林道の雰囲気を醸し出しています。

 

 

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ここは樹林帯の中を行くような雰囲気ですが、路面は固く安心して通過できます。

 

 

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木々の間を抜けると芝生の中を行くような路面が現れますが、明るく青い空も見えて暗い雰囲気は感じられません。こんな状況の中をトコトコと駆け抜けていくのも気持ちよいものです。

 

 

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しばらく進むと、写真では分かりづらいですが、かなりきつめの登り勾配の区間に差し掛かりました。こういうところに限って轍が深いところがあったりするもので、油断することができません。

 

 

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登り勾配区間を抜けるとそこは峠部分で、その先は下り勾配へと転じています。峠部分は道幅が広く、明るく開けた切り通し地点といった雰囲気で、斜面にはコンクリートの法面も見えています。

 

 

林道 寺下線 ② へと続きます。

林道 寺下線 ② を探索しに行く。

 

 

(2019年6月公開)

福島県・いわき市三和町のピストンダート

地形図で確認できる気になる軌跡と長さの林道だが、その実態は?

探索年:2018年10月

所在地:福島県いわき市三和町下永井

舗装状況:ピストン全ダート(ゲートまで)

難易度:車重200kg以上走行可

一口メモ:磐越道いわき三和ICから近くに位置し、県道を複数回分岐してさらに一歩入った、軽井沢集落から分岐しているピストンダート林道。探索時に林道標を発見できなかったため、名無し林道と位置付けていますが、地図で見た限りそれなりの距離があるようなので、おそらく林道名は実在しているものと思われます。国有林林道につき、途中にゲートがあるため一般車両が走れるのはわずか1km弱ですが、山間の静かな雰囲気を感じることができるフラットな林道です。

 

 

磐越道いわき三和インター付近には数多くの林道が存在していますが、地図を確認していると新たにとても気になる道の軌跡を描いた、林道らしき道筋を確認することができます。しかもよく見てみると、結構な長さの林道のようです。グーグルマップからストリートビューで確認してみても、当然集落までの画像しか確認できません。ならば実際に訪れてその存在を確認してみることにしましょう。

 

 

拡大して道の軌跡を追っていくと、かなり山の奥地まで林道らしき道が右に伸びていることが分かります。

 

 

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三和町下永井の軽井沢集落です。この先の分岐を右に曲がり、目的の林道へと向かいます。

 

 

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右折した道は軽トラ幅の狭い舗装路が奥へと続いています。

 

 

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最後の民家を境に舗装が途切れて、ダートに変わりました。目的の林道は右手に伸びています。左への舗装路はすぐに一軒の民家の庭先で終了となり、あらかじめ地図で確認しておかなければ、誤って左へ曲がりそうになる場所です。

 

 

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路面状況はフラットで、固く締まっており走りやすそうです。

 

 

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少し進むと倒木がありましたが、応急的に切り倒されて避けて通行できるようになっていました。

 

 

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この先で開けた場所があり、一見進路を失いそうになりましたが、右手に車道が続いています。

 

 

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再び樹林帯に入ると、路面状況も大変良く気持ちよく走行していくことができます。

 

 

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道は樹林帯の中を適度にカーブを描きながら、ゆるやかな勾配で徐々に高度を稼いでいきます。

 

 

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ここはちょっとした天然の法面のような地形が目に付きますが、それよりもまるでコンクリート舗装のような硬い路面の方が特徴的です。

 

 

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展望は望めませんが、適度に日の光が差し込み暗い雰囲気は感じられません。路面は土質ですが固く締まっており、オンロードタイヤでも不安なく走れそうです。

 

 

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あっ‼あれはもしや⁉

 

気分良く走っていると、カーブの先に突然黄色い障害物が見えてきました。

 

 

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やはりゲートでした。遮断式のしっかりしたゲートで、全く左右にスキがありません。ここは潔く引き返すしかないでしょう。林道入り口からゲートまで約1km弱と短い距離でしたが、雰囲気の良いダート区間を楽しむことができました。

 

本当はこの先もまだまだ距離が続いていることが分かっていたので、終点までバイクで走りたかったという気持ちを強く残しながら、Uターンすることとなりました。

 

 

(2019年5月公開)

千葉県・林道 蓮見沢線

徐々に風化し崩れつつある、短い素掘り隧道が存在するピストン林道

探索年:2018年2月

所在地:千葉県君津市大戸見

舗装状況:ピストン全ダート

難易度:車重200kg以上走行可

一口メモ:付近には亀山湖・三島湖などの房総の主要な湖があり、当林道も含めて周囲に点在するピストン林道はいずれも南の大塚山に向かって道が延びていますが、そのどれもが先で結ばれることがなく途中で行き止まりとなっています。全区間にわたり道幅はかなり狭いですが、とてもフラットできれいに整備されている全線ダートのピストン林道。途中に出現する素掘り隧道は短いながらも見事な存在感で、一見の価値があります。入口からの延長は約1.4km。

 

 

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房総丘陵特有の複雑な線形を描く小櫃川に沿って続く国道410号線を南下して、大戸見の集落へと分かれる市道に入ってしばらく行くと、右に分岐してカーブに消えていく蓮見沢林道の起点標識があります。グーグルマップのストリートビューで確認してみると、入口の林道標は確認できませんが(2019年1月時点)、2018年の探索日にはきれいな林道標が設置されていました。もし以前のように林道標が見当たらなければ、ただの田んぼへの農道にしか見えなくて見過ごしていたかもしれません。

 

 

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 道いっぱいに広がる冬枯れの草で装飾されている道が続きます。しっかりとした軽トラ幅の轍が続いていますが、夏場は草で生い茂り走りづらい状況になっているかもしれません。

 

 

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左手に溜め池が見えてきました。水面は車道とほぼ変わらない高さでしたが、増水してあふれるようなことはあるのでしょうか?

 

 

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溜め池を過ぎてからは林間に入り、右にカーブしている小さな橋を渡ってからは終点まで小川に沿って山肌を縫うように進んでいきます。

 

 

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ところどころ明るく開けており、房総で目立つピストン林道特有の薄暗くじめじめとした雰囲気がないため気持ちよく走れます。

  

そして、カーブの先に目をやると・・・

 

あ、あれは・・・⁉

 

 

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なんと、素掘り隧道が現れました。明るい雰囲気でトンネルなど予想もしていなかっただけに、うれしい光景でした。ちょっとした小山があるだけの場所なのに、わざわざトンネルで貫くこだわり?が感じられるところが千葉の房総の道らしいところです。現代の道であれば、まず間違いなくこれくらいの小山は切り崩して道を作りそうなので、こういう味のある隧道はいつまでも残っていてほしいところなのですが・・・

 

 

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土質でとても地層がもろく、こうやって写真を撮っている最中でも常に天井から砂時計のように砂がさらさらと降り注いできます。右横の地面にも崩れ続けてたまった砂がこぼれて路面まであふれてきています。まあいきなり隧道全体が崩れることはないと思いますが。

 

 

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素掘り隧道を抜けてからも、幅が狭いながらもしっかりとした固い路面が先に続いています。

 

 

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直線区間が終わると、ちょっとした渓谷の雰囲気を感じながら右にカーブして道は続きますが、蓮見沢林道の終点が近づいてきました。

 

 

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カーブを繰り返し曲がった先には広場があり、ここで終点となります。前方には焚火の跡がありますが、バーベキューでもしていたのでしょうか?

 

 

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千葉県のピストン林道の終点としては、右に小川があり比較的明るい印象ですが、やはり周囲の谷に囲まれ全体的に閉鎖的な雰囲気は隠せず、長居はすることなく引き返すことにしました。

 

 

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広場から林道方向を見た光景です。正面の垂直に高くそびえる杉の木に反して、右の斜面から倒れるように伸びている木もすごい生命力です。

 

 

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帰り道も当然このトンネルをくぐりますよ。左に溜まった砂もかなりの量ですが、実は長い年月をかけてこうやって徐々に隧道全体の長さが短くなってきているのかもしれません。自然の風化には抗えませんが、あと何年、いや何十年か後には隧道そのものが無くなり見ることができなくなってしまう時が来るのかもと考えると、残念な気持ちになります。

 

 

(2019年1月公開)

 

千葉県・君津市ホタルの里の名無しダート

川廻しトンネルと並ぶ素掘り隧道が見どころのピストンダート

探索年:2018年2月

所在地:千葉県君津市大坂

舗装状況:ピストン全ダート

難易度:車重200kg以上走行可

一口メモ:付近には亀山湖・三島湖などの房総の主要な湖があり、当林道も含めて周囲に点在するピストン林道はいずれも南の大塚山に向かって道が延びていますが、そのどれもが先で結ばれることがなく途中で行き止まりとなっています。当林道は君津市と鴨川市を結ぶ房総スカイラインと、国道410号線が交差する付近に位置するピストンダート。国道入口からダートが続いている希少な林道で、ホタルの里の入口となっています。途中にある林道トンネルと房総特有の川廻しトンネルが並んでいるトンネル地点が最大の見どころ。終点とされる広場から先は山道化しており車両は走行不可能。

 

 

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 国道410号線を三島湖側から走ってくると、右側に「ホタルの里」入口の看板があります。国道を挟んで林道の向かいは(おそらく廃)ゴルフ場への入口となっています。

林道標が見当たらないので名無し林道としていますが、国道入口からダートが続いている林道はかなり貴重で数少ない存在です。

 

 

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国道から一歩入ると手書きの温かい看板が目に入ります。君津市周辺にはホタルの里として整備されている個所がいくつかあり、貴重なホタルの生育場所となっていて、付近の住民によって管理されている場所でもあるので、排気音のうるさいバイクで入り込むのは申し訳ない気持ちになりますが、このような静かな場所は単独もしくは数台で訪れるようにしたいものです。 

 

 

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 看板脇からはこのような川筋の開けた景観と、踏みしめられた土路面のフラットダートが川沿いに続いています。

 

 

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振り返るとそこにはダートと川と地層が特徴的な切れ立った崖が見事に調和して、見た者を開放的な気分にさせてくれます。

 

 

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しばらくは谷筋の開けた場所を縫うようにして道は続いています。

 

 

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その先では房総特有の素掘り隧道が見えてきました。長さは非常に短くこの手のトンネルの中ではかなり明るい雰囲気ですが、断面は小さく軽乗用車ほどの横幅しかありません。周囲はしっかりと吹き付けも行われているので安心して通過できます。

 

 

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 この林道最大の特徴である、道路トンネル横には川廻しトンネルが並んで掘られていて、川用のトンネルは明らかに人為的に作られており、房総丘陵特有の川廻しが効率的に行われていることが見て取れます。ただ川廻し後の旧流路に作られる水田は、この林道内では休耕田のようで草が生い茂っていたりして、殺伐とした雰囲気の印象を受けました。

ところで道路トンネルよりも川廻しトンネルの方がはるかにトンネル断面が大きく、両者のトンネル断面の大きさの違いに、見ていてとても面白いです。

 

 

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 トンネルから先も道は続き、少しふっくらとした柔らかめの土路面となっており、タイヤによってはハンドルが取られないように注意しなければなりません。

 

 

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この最後の直線を抜けると車道としての終点が近づいてきます。

 

 

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終点は、川廻しで出来た元川による水田跡のような、一帯がぬかるんだ広場のようになっており、車道としての終点はここになると思われます。

 

 

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なお、この広場の左側にも川廻しトンネルがあり、この場所でなら休憩もできそうです。

 

 

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水の流れは多くはありませんが、地形的に農業用水の確保が難しい房総丘陵では、貴重な水資源であることは現在でも変わりありません。

なお川の水はお世辞にも澄んでいるとはいえず、ここで水を汲んで飲み水にするという気にはまずならないでしょうね。

 

 

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終点広場から先の風景はこちら 

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この広場を終点としましたが、一応この先も道筋はまだ続いています。ただ路面はもう廃道化しており、徒歩道としてなら歩いて先に進むことは可能ですが、地形的にもどこかに繋がっている可能性は低そうです。車道として見ることはできないので車両はここで引き返すのが良いでしょう。

 

 

(2018年12月公開)

福島県・官沢林道

緩やかなアップダウンとカーブが続く走りやすい完抜け林道

探索年:2017年12月

所在地:福島県いわき市遠野町

舗装状況:完抜け全ダート

難易度:車重200kg以上走行可

関連林道:硯石林道・盤木沢林道

一口メモ:標高767mの鶴石山を中心に、周囲に極上の未舗装林道群が密集している、いわき市を代表する林道のひとつ。三和町の国道49号線と遠野町の県道20号線とを結ぶ舗装路の途中に官沢林道の入り口があり、終点はダートの硯石林道に接続しています。終始樹林帯の中を進み景色的に特に見どころはないものの、緩やかなアップダウンとカーブが続き走りやすい林道です。国道49号線側をアプローチルートとして鶴石山林道をはじめ、日渡高野林道などと組み合わせて走行していくのがおすすめ。

 

 

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いわき市三和町の国道49号線と遠野町の県道20号線とを結ぶ舗装路(町道だと思いますがどう見ても舗装林道にしか見えない寂れた狭い峠道)を辿っていくと、途中に官沢林道の入り口があります。

 

  

  

 

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林道入り口には 錆びれた遮断式のゲートがあり、探索当日はゲートは開いていましたが、見たところ崩落通行止めでもない限り今後も遮断されることはないような雰囲気です。

こういった林道がそこそこでも通行のある主要県道の脇にあったりすると、不法投棄防止のためにゲートが閉じられていたりすることが多そうですが、ここはそもそも車の通行そのものがなく、この林道の入り口自体が一般的に分かりづらいため、閉じる必要もないのでしょうか。まあ閉まっていたとしても、ゲート脇からお邪魔できる状態なのでバイクならゲートの意味がないかもしれませんが・・・

  

 

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とっくに紅葉も終わり気温5℃以下の厳寒の冬枯れの景色の中、固く締まった砂利ダートが続いています。

 

  

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うっすらと白い雪が所々に。なぜこんな寒いなか冬の林道を走っているんでしょうか?それは夏には森林の涼を求めて走る楽しさがある一方、冬には寒さに打ち勝ち(もとい、ひたすら耐え続け)静寂の中を楽しむという林道の良さがあるからなのです。実際にはこれを誇らしげに人に言うと、あんたは変態!という言葉しか返ってきませんが、もはや私には褒め言葉にしか聞こえません。

 

  

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特に景色に特徴がありませんが、まったり走る私には最高の環境です。

 

  

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右の斜面に崩落の跡がありましたが、路面はきれいな状態です。過去には路面全体を覆う土砂が積もったこともあったのでしょうか?

  

 

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急なアップダウンもなく、緩やかな下りで道は続いています。ここが舗装林道となってしまったら、落ち葉で滑りやすいだけの魅力のない道になってしまうんでしょうねえ。

 

  

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フラットダートが約5km続いたところで、官沢林道は終点となります。左に進むと硯石林道、右に進むと盤木沢林道で県道20号線へと出ることができます。一切のガレもぬかるみもなく、オンロードバイクでも問題なく走れそうなほど安定した路面状況でした。

 

  

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分岐から官沢林道を見た写真です。右手にはコンクリート製の林道標が設置されています。

 

ここまで数回にわたり鶴石山周辺の林道を探索して回っていますが、本当に路面状況の良いフラットダートが続き、重量級のビッグオフどころか、ネイキッドバイクでも安心して走り回れそうなくらい極上のダートが存在しています。

しかしそれも軽量オフ車で初見の林道を確認していたからこそで、いきなりリッターバイクで入り込んで荒れ、ガレで引き返せない箇所に遭遇したら大変なことになります。私は自分のペースで好きな場所を走り回るのが大好きですが、路面状況が分かっている林道以外は軽量オフバイクで訪れる事を忘れないようにしたいと思います。

なお、これらの本線から分岐する支線系の林道は行き止まりのピストン林道がほとんどで、路面状況も本線とは全く異なり、とてもアフリカツインや1200GSなどの重量級バイクでは通過困難な場所もあり、本線とは違う危険なオーラに断念せざるを得ない場合も多いと思います。

 

 

(2018年12月公開)