双極性障害II型と闘う

うつ病がいつまでも治らないと思っていたら、双極性障害II型でした。病気との闘いの日々を綴ります。

双極性障害を持ちながらの出産で、普通とは違う事は?

私は双極性障害ですが、出産、育児をしています。病気を持っている為に出産の際、「普通の人」とは異なる点がありました。それは大学病院で出産したという事です。

出産する病院が決まるまで

現在産院では様々な特色を打ち出しており、どの産院を選ぶか、というのは出産において皆さん迷うところだと思います。

私の家からでは、産科クリニックが徒歩でも行ける距離にあり、近所の人はそこに行く人が多い様子。マタニティヨガなどの教室や出産後の交流会など楽しく妊娠・出産生活が送れる場が用意されており、ママ友との出会いの場でもあるようです。

しかし、クリニックは医療設備は少なくスタッフも少人数。持病を持つ私には向かないだろうと思い、こちらはやめました。

そこで、わたしが行ったのは総合病院です。電車なら10分程度で行ける距離でした。総合病院なら医療設備は充実しています。精神科はありませんでしたが、二次救急病院でもあり何かと安心だと思ったのです。

しかし、受診したら「精神科のお薬を飲んでいる人はここでは出産できません、大学病院に行って下さい」と言われたのです。

「薬を飲んでいると、子どもが寝た状態で産まれることがある、そうすると大学病院にしかないNICU(新生児集中治療室)に行かなきゃいけない。救急搬送する事になってしまう。だからうちでは診ることができません、紹介状書きますので」

いやいや、私は睡眠薬は飲んでませんが?と言いたかったのですが、きっとそういう問題じゃないんだろう、食い下がってもしょうがないと言葉を飲み込みました。

大学病院は県内にたったの4件しかありません。幸い私の家の比較的近く、車で20分くらいの距離にもあったのですが、交通の便が悪く公共交通機関だと1時間以上かかってしまう。うちは車を所有していません。

仕方がないので、隣町に住む親に送り迎えを頼む事になりました。妊娠中、親には多々協力をしてもらい本当にありがたかったです。それまではあまり親に頼らず自立した生活をしようとしていたのですが、妊娠中は本当に頼りまくりでした。近くに住んでいて良かった(というか親が近くにいなかったら一体どうしてたんだろう)と思います。

妊娠経過

という訳で大学病院に初診の予約を入れたのですが、それより前に悪阻があまりに酷く水分も摂れなくなってしまったのです。ネットで調べたところ、そのような場合は点滴をするとの事。その時の私はベッドから起き上がるのも本当に辛く、とても大学病院まで行けるとは思えませんでした。

そこで近くのクリニックに電話するも断られる。総合病院も断られる。点滴さえしてくれれば良いのに、別に言わなければ病気だなんて分からないのに、どうして精神病だというだけで断られるのか…。その時は絶望感に襲われました。

結局、親に連れられて大学病院に行きました。車の中で揺られるのも広い病院内を移動するのも、本当に気持ち悪くて辿り着けないんじゃないかと思いました。診察の結果、脱水と栄養失調で即入院、点滴治療となりました。

行くまでは本当に辛かったけど、結果的には大学病院への入院となり良かったと思っています。産婦人科の他に精神科の先生も担当につき回診にきてくれ、リーマス血中濃度の検査などきっちりとやって頂いたお陰で安心して入院生活を送れました。入院が長引き薬が足りなくなりましたが、院内処方されたので全く問題ありませんでした。

けれど退院後、大学病院に通うのはやはり大変でした。敷地が広く駐車場から診察室まで遠い、そして大変混み合っていて待ち時間がとても長い。採血センターに行くのにもまた広い院内を歩かなくてはいけない…。毎回半日以上かかっていました。

しかし大学病院で最高レベルの医療が受けられるという事で安心感がありました。担当の先生は教授でした。看護師さん助産師さんなどもプロフェッショナルを感じる方ばかりでした。

出産

いざ出産となった時は、なかなか赤ちゃんが降りて来ずに自然分娩の予定が緊急帝王切開になりかけました。先生たちが代わる代わる内診をして話し合いをしたり、レントゲンを撮ったり、激痛の中いったいどうなってしまうのかと思いました。

けれど何があってもきっと何とかしてくれる、無事に出産を終えられるはず、だってここは最先端の設備が揃い最高の医療を受けられる場所だから…そう思い安心して苦しんでいました。そして自然分娩で母子ともに健康に出産を終える事ができました。

大学病院での出産は望んだ事ではなかったけれど、良かったと思っています。

 

妊婦さんには思いやりを持とう!

ところで、私は妊娠生活がこんなにも大変だとは思わなかったし、悪阻がこんなにキツイなんて思ってもみませんでした。個人差がかなりあるようで、悪阻は全く無かったという人もいれば私のように病気レベル(病名:重症妊娠悪阻)で治療が必要になったり、入院する事もあるのです。悪阻がない人本当に羨ましい…。

妊娠中は流産や切迫早産などの重大なトラブルから、貧血や静脈瘤などのマイナートラブルと言われるものまで、様々なトラブルが起きます。私は自分が妊娠するまでそんな事知らず、お腹が重くて大変そうだな、ぐらいにしか思ってませんでした。

個人差が大きいので元気でアクティブな妊婦さんも居ますが、色んなトラブルを抱えた方もいますし、それはお腹がペタンコな妊娠初期から始まります。

妊婦さんには思いやりをもって接しましょう!