roricaの殴り書き板。

メモ用紙みたいな

手持ちPCのThunderbolt 4ポートがUSB 3.2 Gen 2×2に対応しているか調べる話

同じ20Gbpsですがアイツは他人です

 

 

筆者の手持ちPC

筆者は14インチ M2 Pro MacBook Pro とSpectre x360 14-euという2台のPCを所有しています。どちらのPCもThunderbolt 4ポートを備えていますが、今日はその話です。

 

Thunderbolt 4の優秀さ

Thunderbolt 4が優れている点として、性能差が少ないことが挙げられます。

前世代のThunderbolt 3や、現在普及しつつあるUSB4はオプション機能が多く、一口に「Thunderbolt 3」とか「USB4」とか言っても、機種によってある機能をサポートしていたり、していなかったりします。

一方のThunderbolt 4は最低要件が比較的厳しく、機種によって機能の差が少ないという、ユーザーにとっては地味に結構ありがたいメリットが存在します。

どっかのIなんとかtelが余計な事をしたためそのメリットはやや揺らぎつつありますが、とりあえず今回その話は置いておきます。

Thunderbolt 4はThunderbolt 3と下位互換性があったり、USB4をサポートしていたり、DisplayPortを内包していたり、USB PDで給電できたりするので、まあPCのUSB Type-C端子でできること大体全部入りといっても過言ではないです。デザイン的な観点からポートが減りつつあるノートPCの、心強い味方です。

 

しかし性能差も存在はする

そんなThunderbolt 4の数少ない性能差の1つに、USB 3.2 Gen 2×2のサポートがあります。

Thunderbolt 4はUSB4 (40Gbps) やUSB 10Gbpsについては必須である一方、USB 3.2 Gen 2×2のサポートだけはオプションになっています。

で、実際のところUSB 3.2 Gen 2×2をサポートしているThunderbolt 4ポートは現状少ない印象です。これは、メーカーがケチというよりはハード的な制約が原因かと思われます。

 

しかし状況が変わったようだ

Raptor Lake以降、Hayden Bridgeというリタイマーが登場し状況が変わります。

従来のBurnside BridgeではUSB 3.2 Gen 2×2のサポートはしていませんでしたが、Hayden BridgeではUSB 3.2 Gen 2×2に対応。ついでに内包するDisplayPortのバージョンが1.4から2.1になりました。

ただしRaptor LakeではHayden BridgeとBurnside Bridge両方に対応しているため、Raptor LakeであればHayden Bridgeという訳ではありません。

実際、Raptor Lake世代でUSB 3.2 Gen 2×2のサポートを謳っているPCが見当たらないあたり、殆どのPCはBurnside Bridgeを採用しているのではないかと思います。

 

Spectre x360 14-euの気になる仕様

Spectre x360 14-euではUSB 3.2 Gen 2×2をサポートしていると明記してはいません。

一方、公式のスペック表には、内包しているDisplayPortのバージョンが2.1であると書かれています。つまり。。。

 

今回の話のややこしいところ

ゴチャゴチャいろいろ書いてますが、今回の記事は「Thunderbolt 4ポートでUSB 3.2 Gen 2×2は使えるのか」という話です。

Thunderbolt 4 (USB4) の転送速度は最大40Gbpsですが、USB 3.2 Gen 2×2は20Gbpsです。転送速度的には内包していそうなのに、サポートしていない機種がある (というか多い) のがより混乱を招きます。

ちなみに、USB4もUSB 3.2 Gen 2×2の後方互換はオプションです。まあ、Thunderbolt 4がUSB4を使用している規格なので当然ではあります。

 

検証してみた

筆者はこの辺の仕様に詳しくないため、調べることにしました。

調べ方は簡単、USB 3.2 Gen 2×2な外付けSSDを調達すれば良いのです。

 

調達したSSD

WD Black P50 Game Drive 4TB

なんか中古でサクッと調達できたので。

一応コイツについて軽く触れておくと、USB 3.2 Gen 2×2な外付けSSDです。

今回分解はしていませんが、中はM.2 SSDが丸ごと入っているようです。中身はSN730EというSSDで、DRAM付きかつSSD自体は3000MB/sくらいでるらしい。

 

検証方法

検証方法は簡単です。

ベンチ回してUSB 3.2 Gen 2×2の上限値である2000MB/sくらいまで出ればUSB 3.2 Gen 2×2に対応していることになり、1000MB/sくらいまでだったら非対応という話です。

SSD側のUSB 3.2 Gen 2×2は後方互換性があるため、PC側がUSB 3.2 Gen 2×2に対応していなかった場合でもUSB 3.2 Gen2として動作するはずです。

 

Spectre x360 14-eu

Spectre x360 14-euは、機能が同じThunderbolt 4ポートを右側面に2ポート備えています。

書くことも無いので早速ベンチ結果貼ります。

あとはタスクマネージャのスクショとか。

USB 10Gbpsを大きく上回る速度が出ています。USB 3.2 Gen 2×2で接続できているとみて問題ないでしょう。

他方、Spectre x360とP50の相性が良くないらしく、SSDの認識が安定しません。速度はともかく、日常的にはあまり使いたくない組み合わせです。

 

M2 Pro MacBook Pro

MBPのThunderbolt 3ポートで検証してUSB 3.2 Gen 2×2で20Gbps出ないことを検証している人はいたものの、Thunderbolt 4搭載Macで試している人は見つけられなかったので試します。

コミュニティで「USB4は下位互換あるからUSB 3.2 Gen 2×2は20Gbps出る」と、何やらいい加減なことを書いている人はいました。

蛇足ですが、Thunderbolt 3は確かUSB 3.2 Gen 2×2をサポートしないはずです。

どう見てもUSB 10Gbpsの上限値です。

M2 Pro MacBook ProのThunderbolt 4ポートはUSB 3.2 Gen 2×2をサポートしていないようです。

というかMacならシステム情報から容易に答え合わせができるんですけどね。

 

まとめると

USB 3.2 Gen 2×2はSpectre x360 14-euのThunderbolt 4ポートではサポートされているが、M2 Pro MacBook ProのThunderbolt 4ポートではサポートされていない、という結果に。

 

余談

Meteor Lake世代のノートPCでThunderbolt 4ポートが付いてるPCだと、USB 3.2 Gen 2×2のサポートが明記されているPCがチラホラあります。

DELLとかが出してるTiger Lake、Alder Lake世代のノートPCでUSB 3.2 Gen 2×2のサポートを謳っているものがありますが、ハード的に対応していないはずなので恐らく誤記、多分20Gbpsでないと思う。

そうそう、同じ20GbpsですがUSB4の20GbpsとUSB 3.2 Gen 2×2は別物です。

 

総評

現状Thunderbolt 4ポートにはUSB 3.2 Gen 2×2をサポートしているPCとしていないPC都がいる訳ですが、していないと大損かと言われると、別にそんなことはないと思う。確かにサポートしていて損はないのですが、USB 3.2 Gen 2×2自体がかなりマイナーな規格であり、対応PCが少ないのと同時に対応周辺機器自体も少ない状態です。

USB 3.2 Gen 2×2なSSDエンクロージャは性能や使い勝手が微妙な割に価格が高く、純粋なUSB4 SSDエンクロージャが出てきた今となっては正直選ぶ理由がありません。

Thunderbolt 3 SSDであればThunderbolt対応機器でないと使用できないという制約があったため、USBで使えて下位互換のある最速のSSDエンクロージャとなるとUSB 3.2 Gen 2×2でした。

しかし今はUSB4が下位互換性を持ちつつ、対応機器であれば3000MB/sでR/Wできる製品があるため、今からあえてUSB 3.2 Gen 2×2を選ぶ必要は無いように感じます。

そんな過去でも現在でも未来でも存在感の薄い、USB 3.2 Gen 2×2に対応しているか調査したお話でした。

macOSでSSDをAPFSにフォーマットできない時の話

ニトリでデスク買って手で持って電車で持ち帰ったら疲れた

 

 

急に何の話か

この記事の一つ前の記事…

rorica.hatenablog.com

この記事でHP P800というThunderbolt SSDを購入しました。

ふと、まだこれ売ってるのかなーと思って販売ページ見に行ったら在庫はあったけど価格が倍に上がってました。という訳でブラウザバックしようとしたところ、レビューが増えていました。読んでみると

 "このSSDはAPFSをサポートしていないのでApple Silicon Macで使う場合は注意"

というよくわからないレビューが付いていました。筆者はWin Mac両環境で使うためexFATでフォーマットしているのでAPFSは正直どうでも良いのです。が、そんなことある?と思ったので手持ちのP800で検証してみましたという話です。多分P800は悪くない、筆者が身の潔白を証明して見せましょう。

多分、P800以外でも、APFSでフォーマットできない外付けSSDとかHDDがあったらこの記事の方法で通用すると思います。

 

環境

一応使用機器とか

SSD : HP P800

Mac : 14インチMacBook Pro (2023) M2 Pro (macOS Sonoma 14.4.1)

Win : Spectre x360 14-eu0007TU (Windows 11 Pro 23H2)

 

前回の記事でHP P800の中身を載せ替えてしまっていますが、それだと再現性が無いため一応元に戻しています。

 

APFSでフォーマットできる

やる前からそうだろうなと思っていたので意外性も何もありませんが、普通に筆者の環境だとSSD P800をAPFSにフォーマットできます。

Time Machineに使う?とも聞かれました。

一応データを書き込んでみたり、APFS (暗号化) とかでも試したりしましたが、特に問題なく使えるようでした。

ので、少なくともSSD P800自体に問題はありません。

 

では何が問題なのか

では何が問題なのかというと、ずばりパーティション形式です。

筆者はストレージを買うたびにある儀式をしています。特別複雑な作業でないことや全ての環境でメリットになる訳ではないため記事中では特に触れていませんが、毎回パーティション形式をGPTに変換しています。

変換している理由としては、特にMBRにしておく理由がないためです。MBRは旧世代のOSでも動かせるという利点がある一方で、パーティション数や最大容量に制約があるため、現代ではGPTの方が使い勝手が良くなっています。他方別に転送速度が上がるとかそういう訳でもないのと、GPTは古めの10年くらい前とかのOSだと扱えないという問題もあるので、記事中で紹介はしません。筆者個人の環境であれば古い機器は無いのでGPTにしています。

話がそれましたが、確か今回のHP P800も到着時はMBRだった気がします。パーティション形式の変換は自分の中では流れ作業なので覚えてない。

 

MBRにしてみる

敢えてここでP800のパーティション形式をMBRにしてみます。

するとご覧の通り、APFSが選択肢から消えます。

ここまで来れば察しがつくかと思いますが、APFSはMBRに対応していません。APFSはmacOS High Sierra以降のバージョンでサポートされたフォーマットで、SSDに最適化して設計されているらしい。デメリットとして、Sierra以前のOSだと認識できないという点が挙げられます。

 

対処法

ではどうするのか。

ターミナルを開き、以下のコマンドを入力して実行します。SSD上のデータ消えるので注意。

とは言ってもターゲットのディスクを調べる必要があるので一度

diskutil list

と叩いて、接続されているディスクのリストを出します。

筆者の環境の場合は/dev/disk4がターゲットディスクです。自身の環境に合わせて打ち替えてください。

ターゲットディスクがわかったら、

diskutil eraseDisk APFS P800 GPT ターゲットディスク

と打ちます。一応書いておくと

diskutil erase Disk "フォーマット" "ドライブ名" "パーティション形式" "ターゲットディスク"

です。/dev/disk4まで書こうかと思ったけど、万が一コピペして貼り付けて関係ないdisk4がぶっ飛んで文句言われても困るから書かなかった。

長くても数十秒待てば終わると思います。

途中でコレが出てきたら許可しましょう。

できあがり。

中途半端なところで日が落ちてダークモードになってしまった。

APFSが選べるようになっていることを確認。diskutilで直接APFSにしているので、特にフォーマットし直す必要はありません。まあ、筆者はexFATで使うのでフォーマットし直しました。

GPTになっていることも確認

 

結論 P800は悪くない

APFSで使いたければGPTにしましょう、以上。

 

そうそう、最初に書いた家具を電車で持ち帰り云々は輸送規定を読んで、問題のない梱包サイズであることを確認して乗車しています、一応。

Thunderbolt 3外付けSSDを買ってリメイクしてみた

LightningとThunderboltて稲妻と落雷で似てるけどPC用語になると雲泥の差

 

 

経緯

Thunderbolt対応PCを拘って買ってる割にはThunderbolt周辺機器が無いなーとか余計なこと考えた。

前々からThunderboltなSSDには興味はあったのですが、USB 10Gbpsのエンクロージャが2000円あれば買えるのにThunderbolt 3なエンクロージャは1万円とか平気で超えてくるのでコスパ悪いと感じて渋ってたんですよね。

今回たまたま15000円くらいで容量は1TBでThunderbolt 3なSSDを見つけ、ちょいと下調べしてなんかビビッと来たので買いましたはい。

 

買ったThunderbolt 3 SSD

結構ゴツいです。あとデカい。だいたい6.1インチiPhoneの厚さを1.5倍増したくらいの大きさ。

 

HP SSD P800 1TB

HPが販売しているThunderbolt 3なSSDです。

 

これ買った理由その①

ズバリ、価格です。

この記事のタイトルで察しがついている方もいるかもしれませんが、筆者はThunderbolt 3 SSDのケースが欲しいのであって、中身はぶっちゃけどうでも良いのです。とはいえ値段が安ければ中身が付いてきても別に文句は言いません。今Gen3 SSD単品1TBは8000円くらいで買えるので、ケース代は約7000円と考えればまあ悪く無いでしょう。

マケプレだったけど出荷はAmazon倉庫だったので買いました。

 

これ買った理由その②

HPだから。

筆者が個人的にHPを信用しているという点が大きいです。Thunderbolt 3自体は認定を受ける必要があるため、Thunderbolt 3認定を謳っている製品はある程度の品質は担保されます。しかしどこの馬の骨とも知れないメーカーやブランドにお金を払う気が起きるか、というのは別問題です。HPはそこそこデカい企業ということもありますし、自社製品のThunderbolt採用に割と積極的なのと、この辺の規格に対して割と堅実なイメージが個人的にあります。

そもそも認定取ってない自称Thunderboltは論外です。

 

これ買った理由その③

スペック。

実はThunderbolt 3な外付けSSDには少し速いタイプと速いタイプの2種類あります。これはPCIe 3.0 x2までに対応しているJHL6240と、PCIe 3.0 x4に対応しているJHL6340という2つのThunderbolt 3コントローラが流通しているためです。前者を採用しているエンクロージャだと16Gb/sに制限されるので、だいたい2000MB/sくらいしか出ません。これだと勿体無いのでJHL6340搭載を狙い撃ちしたかった。

HP P800について調べたところ根本的な流通数が少ないこともあってか、コントローラの情報は公式非公式共に出てこなかった。ただ公式のマニュアルとかスペックを調べてみると最大読み込み速度が2400MB/sとなっているので、PCIe 3.0 x2の16Gb/sより微妙に速いんですよね。これはPCIe 3.0 x4つまりJHL6340だろうと踏んで買ったわけです。

 

使用するPC

R/W速度の検証とか互換性チェックとかで、もちろんPCを使います。

 

Windows

Spectre x360 14-eu

Intel Core Ultra 7 155H
Intel Arc Graphics
LPDDR5x-7467 32GB
KIOXIA KXG80ZNV1T02

XG8はDRAM付きなGen4 SSDで、比較的優秀なSSDです。

 

Mac

MacBook Pro 2023 14-inch

M2 Pro
10コアCPU
16コアGPU
LPDDR5 16GB
APPLE SSD AP0512Z

Spectre x360のXG8にも言えることですが、ブートドライブを測定しているため、SSD自体の実力はもう少し高いと思います。どちらもThunderbolt 3 SSDボトルネックになることはないでしょう。

 

特筆なければ、どちらも本体右側面のThunderbolt 4 / USB4ポートを使用しています。

 

早速分解

保証切れても知りません、自己責任です。

ところでこの製品、3年保証がついているようです。かなり自信がある様子、耐久性に期待して筆者は即分解します。

 

手間はかなり少ない

ゴッツい見た目に反して実はネジ2本外すだけでSSDとご対面できる親切設計です。

ネジはケーブルの収納部分に隠れています。クセがあるとすれば星型T6ドライバーが必要なことくらい。

 

内部構造

外装天板が丸々ヒートシンクの役割をしているようです。

なんか封印シール変な位置に貼ってあるんだけどこれ意味あるのかな。

M.2 2280なNVMe SSDが挿さっていて物理的に換装可能です。実は基板にNANDが直で付いてたらどうしようとか少し考えてた、世の中には直接Micro-B 3.0が生えてる2.5インチHDDとかがあるので。

何だったらThunderbolt 3ケーブルすら交換できそうです。購入前に少しレビューを読んだところこのケーブルが短すぎて不評、実際短すぎて扱いにくいので交換してみても面白そうですね。

封印シール壊さないで全部バラせた件。ついでなので基板も外して裏面を見たところJHL6340が載っていることを確認できました。

格安高速TBT3 SSDへの道が見えてきました、激アツです。

 

元から載っていたSSD

SSD P800の売り文句に「DRAM搭載 TLC」というものがあったのでこの辺の答え合わせも含めて。

多分これHP EX920ですね。HP刻印のコントローラはSilicon Motion製のSM2262、Nanya NT5CC256M16EP-EK (DDR3L-1866 512MB) 2枚、Micron製64層3D NAND 4枚という両面実装構成のようです。

ベンチ直後に温度をCDIで読んだ限りだと、割と発熱します。

コントローラを直に触ってやけどしてふと気付いたんですが、なんかADATAのSSDに似てるような気がしますね、ADATA SX8200 Proのコントローラでやけどしたことがあるので思い出しました。

SSD自体の名称が "HP Portable SSD P800 1TB" になってしまっているようです。

性能的にはまあ普通ですね。EX920やP800自体がそれほど新しい製品ではなく、当時のGen3 SSDならまあ優秀という部類でしょう。ReadはThunderbolt 3の上限で頭打ちになっているようですが、Writeは1800MB/sと微妙なので、Thunderbolt 3の真価を発揮するにはやはりこのSSDでは力不足です。

ただ捨てるのもどうかと思うので、適当なUSB 10Gbpsなエンクロージャに突っ込んで使うことにしました。SSD自体の性能から考えても適任と言えるでしょう。

 

FireCuda 530 2TBを載せてみた

FireCuda 530はPCIe 4.0 x4 SSDの中でもかなり高速な部類で、Thunderbolt 3の転送速度の理論値を余裕で満たすことができます。

これはRTL9210B (USB 10Gbps) 搭載エンクロージャベンチマークを取った結果。異様にReadが遅いのが気になるものの、WriteはほぼUSB 10Gbpsの規格上限まで到達していることがわかります。Read遅いのは、相性ということで。

元々家で使い道がなく余っていたSSDなので、これを採用しない手はありません。というかこれ載せる前提でP800調達しました。

 

しかし認識しない

元々載っていたSSDが両面実装であることからも分かる通り、P800は物理的に両面実装SSDに対応しています。

載せてみたものの...

厳密には5回に1回程度認識することがありましたが、ストレージとして安定的に動作しないというのは致命的なのでFireCuda 530搭載計画は早々に断念しました。

 

一応ベンチ取ってみた

反応したタイミングでベンチ取ってみました。

書き込みポリシーオフ。ランダムライト遅すぎ。

 

書き込みポリシーを有効に。なかなか速いです。

安定的に認識すれば即採用な実力なのに、もったいないですね。

 

認識しない原因を探る

まず、WindowsMac両方で試したところ、どちらも同じくほとんど認識しませんでした。ただし、SSDを認識しない場合でもOS側はエンクロージャ自体を認識していました。

中のSSDを変えて試してみたところ、安定的に認識するSSDと、動作しないSSDがあることがわかりました。手持ちで

 

認識したSSD

Samsung SSD 960 PRO

Western Digital SN850

TOSHIBA XG5-P

 

逆に認識しなかったSSD

・KIOXIA EXCERIA G2

・KIOXIA EXCERIA PLUS

・KIOXIA EXCERIA PLUS G2

・FireCuda 530

 

以上の結果より筆者は "P800(のガワ)はPhison製コントローラ搭載SSDと相性が悪い" と考えました。

 

SSDを調達しなおす

もはや格安でThunderbolt 3 SSDを作るとか、余ってるFireCuda 530を活用するとかガン無視で企画が破綻しているのですが、こうなるとヤケなので突き進みます。

追加で以下の物を調達しました。

 

Western Digital SN850X 2TB

SN850がいけるならこれもいけるだろうという判断の元調達。

シリアルっぽいのは隠せって田舎のおばあちゃんから叩き込まれてるんです。嘘です。

コントローラーはWD BLACK G2、NANDは112層BiCS5 3D TLC、DDR4-3200 2048MB DRAM付き、片面実装です。実はこのコントローラーについて筆者自身よくわかってないものの、少なくともPhison製ではないと思われる。コントローラは多分SN850と同じです。

 

SK hynix Platinum P41 2TB

Samsungの990 PROと悩み、こちらの方が安かったので調達。

最初これ中身抜かれてるのかと思った。

超関係ないですが、裏面写真のラベル下部の文字が物凄いことになってますね。某フルーツ社製の16万円くらいするスマホのカメラです。

コントローラはAries、NANDは176層3D TLCDRAMはLPDDR4 2048MBです。コントローラ、NAND、DRAMすべてSK hynix製です。

 

HP SSD P800

気に入ったのでリピ。安いですしおすし。

3年保証とはいえ初期不良だと悲しいのでまず動作確認から

初っ端から幸先悪いんですが

ベンチ完走したのでヨシとしましょう。そうそう、今まで載せ忘れてましたが、SSD載せかえてない素のP800の速度は書き込みキャッシュオンで実測↑の感じです。

テスト回数減らしてるあたりから面倒だと思ってるのが滲み出てます。

 

封印シールSSDとサーマルパッドに挟まるように貼ってあって、これを破らずに分解するのは難しそうでした。1台目のはシールの位置がおかしかったようです。

 

Thunderbolt 3  0.7mケーブル

TREBLEETという筆者の知らないメーカーのものですが、Thunderbolt認定品ならまあ大丈夫だろうと、安いし最悪捨てれば良いだろうと、交換用ケーブルとして買ってみた。

CT-3で簡単に調べたところ、USB PD 100W対応でThunderbolt 3にも対応していることになっています。ケーブルは比較的柔らかく取り回しは悪くないですが、曲げるとミシミシと音がします。

0.7mパッシブケーブルなので、これ1本で大抵の通信はできるでしょう。

 

気を取り直してリメイクしてみる

今度こそ動くといいなあ

 

SN850Xを載せてみる

最初接続しても無反応だったので焦りましたが、冷静に考えたらこれ忘れてた。

これやらないでAmazonレビューに「動作しない」とクレーム書く人が居るとか居ないとか。

ベンチ結果は以下。書き込みポリシーはオンです。

ベンチ直後でもそれなり冷えています。

動作は安定しています。

余談、エンクロージャの名前が表示されるかと思ったら、SSD本体の名称が表示される模様。

 

Platinum P41を載せてみる

今回は忘れずに。

書き込みキャッシュ有効で以下。

SN850Xも、Platinum P41もPCIe 4.0 x4なSSDとしてはかなり高速な部類なので、Thunderbolt 3のPCIe 3.0 x4程度では即頭打ちです。

こちらもベンチ直後でもぬるい程度です。

筆者の手持ちでは珍しいSK hynix製、事前に互換性チェックができなかったのでやや心配でしたが、安定的に動作しています。

 

ケーブルを交換してみる (未遂)

P800のケーブルは短すぎるので交換しよう...と思ったら持ち手部分が長すぎて、本体に入らなかったので交換できませんでした。

Thunderbolt 3ケーブル余っちゃいましたどうしよう。

右が元々P800で使われていたケーブル、左が今回調達したケーブル。微妙にロゴがおかしい気が…

交換しても通信はできていたので、交換してみたい方は持ち手部分がコンパクトなケーブルを探すと良いでしょう。

 

Macに接続してみる

Thunderbolt 3で接続されています。

SN850Xに載せかえたP800でテスト。

テスト回数減らした結果、Writeの調子が出なかった回。SN850で試したときは2600MB/sまで出てたので、たまたま調子悪かっただけだと思われます。試行回数、大事。

ベンチマークはとっていませんが、MacとP41の組み合わせでも問題なく動作していました。

 

iPad Proに接続してみる

iPad Pro 11インチ (第4世代) のUSB-CポートはThunderbolt 3 / USB4に対応しています。本体のUSB-Cポートに接続します。

わかりやすい写真が撮れないので特にスクショ等はありませんが、認識してR/Wどちらも問題なくできることが確認できました。

iPad Pro側のPCIeトンネリングが16Gb/sなのか32Gb/sなのかは不明です。が、おそらくiPad自体の制約が大きくて根本的にそこまで速度は出ないのではないかと思っています。今回iPadでの速度の測定はしていません。

 

iPhoneに接続してみる

iPhone 15 ProのUSB-CポートはUSB3 (USB 10Gbps) に対応しています。

iPhoneはThunderbolt非対応のため認識しませんでした。ただしThunderboltアクセサリだということはiPhone側からわかるようで、非対応である理由までしっかり教えてくれました。Thunderbolt SSDはUSB3との下位互換製がないため、Thunderbolt 3に対応したデバイスでないと使用できません。

 

ハブ経由で接続してみる

Thunderbolt 4の良いところは、ドック等を用いてハブ機能を使うことができることができるところです。

Spectre x360 14-euのThunderbolt 4端子にTB4D110-MSJというThunderbolt 4ドックを接続し、ドック側のThunderboltポートにP800 (中身はP41) を接続しベンチマークをとってみます。

ケース側はThunderbolt 3ですが、特に問題はないはずです。

 

PC本体のThunderboltポートに直接接続したときよりもやや速度が落ちているものの、ほぼ測定誤差に収まる程度の性能低下です。動作も安定しており、問題なく使用できそうです。

 

それなり速いThunderbolt SSDが完成

いろいろな条件でも安定動作が確認できたところで、リメイク終了です。

HP SSD P800のガワと、1台はSN850X、もう1台はPlatinum P41の組み合わせで今後使っていくことにします。

統計が少なすぎるため断定はできませんが、もしHP SSD P800を犠牲にしてThunderbolt SSDをリメイクしたい方がいる場合、Phison製コントローラを採用したSSDはあまりお勧めできません。代表的な製品だとKIOXIAのEXCERIAシリーズ (PROシリーズやPLUSシリーズも含む) やSeagateのFireCudaシリーズはPhison製コントローラーを採用している事例が多いため注意が必要です。特にKIOXIAの場合はコントローラ上の刻印が "KIOXIA" になっているものの、実際はPhison製というパターンがあるため見た目だけで判断するとやられる可能性があります。

 

総評

リメイクしていて途中から感じていました、"本当にコスパ良いのか?"

先述の通りSSD P800はThunderbolt 3であるため、Thunderbolt 3に対応したPCやiPadでないと使用できないという制約があります。そのため、使用できる環境が自動的に限定されます。

また "15000円のSSDはそもそも安いのか?" という疑問が湧いてきました。冷静に考えれば元々は拠り所のないFireCudaを使用する前提であったため、そこまで投資する気ではいませんでした。最終的に今回のSSD増強は約7万円出資している訳ですが、せいぜいUSB 10Gbpsの3倍の速度のSSDを求めて出す金額か?と問われると少し割に合わない気もします。

しかし、そんなことはどうでも良いのです。筆者のPC環境はWin/MacともにThunderbolt対応ですし、Thunderbolt SSDはかねてより興味があったので、それを弄れた満足感が大きいですね。実用性も悪くないです。Win/MacプラスアルファiPadでも高速で転送できる外付けSSDというのはなかなか夢があります。SSDだけで物理的にiPhoneよりデカいのは気になります。

P800 2台から剥がした1TB SSDが2枚の2TB、SN850XとP41のそれぞれ2TBで合計6TB分外部ストレージが増強された訳ですが、どうしましょうかね。

 

【余談】なぜGen4 SSDを調達したのか

Thunderbolt 3 (PCIe 3.0 x4) であるP800に載せる用のSSDに、なぜオーバースペックなPCIe 4.0 x4なSSDを調達したのかというお話。

筆者は今回SSDを調達するにあたって、Gen4は条件にしていません。今回のSSD探しの具体的な条件を開示しますと

  • 大手メーカー製であること (Samsung, WD, SK hynix, Micron, KIOXIA)
  • Phison製コントローラを採用した製品でないこと
  • Read/Write共に最高3000MB/s以上出ること
  • 容量が2TB以上であること
  • DRAMを搭載していること
  • TLC NANDを採用していること
  • M.2 2280 NVMe SSDであること

以上の7つを条件に探していました。実はこの条件にマッチするGen3 SSDはかなり少なく、Samsung 970 EVO PlusかSK hynix Gold P31くらいです。調べてもらうとわかりやすいのですが、これらの製品は生産終了なのか流通数が極めて少なくなっています。

上記の条件を満たすSSDを探すと、Gen4 SSDしか選択肢が無くなってくる訳です。つまり、Gen4を狙い撃ちしたのではなく、選択肢が無いので仕方なくGen4 SSDを選んだというのが答えです。

あと、国内だと価格が割安なKIOXIAが総じてPhison製コントローラを採用しているため、今回チョイスできなかったのがなかなか痛かったですね。

FireCuda 530も元から家にあった余りものというだけで、Gen4に拘ったわけではありません。もし家に970 EVO Plusとか、Gold P31とかあったのであれば、それでも良かった。

ゴチャゴチャ書きましたが「Gen3 SSDでも良かったが、条件に合うSSDがGen4しかなかったから選んだ」が答えです。とはいえ、Gen4の価格が落ちてきて、Gen3とGen4の価格差が小さくなってきているので、まあ良いかな。

Core UltraなSpectre x360を買ってみた。

久しぶりにHPに帰ってきました。

 

経緯

「40年間で最大の転換」と豪語するほどIntel渾身の自信作らしいので使ってみようかと、Core Ultra。

筆者は性能が上がれば価格も共に上がるグラフィックボードというパーツに嫌気が差しており、以前よりiGPUの性能の向上に期待していました。

Meteor LakeではiGPUの性能向上が噂されていて、実際Intelもそこをウリにしているようなので購入に踏み切りました。

あとはMeteor Lake採用で2-in-1 PCが出て、それがHPから出ていたことも理由としては大きいです。

 

Spectre x360 14-eu0007TU

Intel Core Ultra 7 155H
LPDDR5x-6400 32GB
Intel Arc Graphics
PCIe 4.0x4 1TB M.2 SSD

主要パーツはなかなか悪くないです。

 

早速値引きされていた

このモデルは現時点で発売から1~2か月程度しか経っていないまあ新しいモデルです。HP希望販売価格は328,900円ですが、筆者が購入時点で23万円くらいまで値引きされていたのと、希望価格1万円くらいのマウスがついてきました。ただ、この手のPCはキャンペーン値引き後が適正価格みたいなところはあるので「20%オフとか超安いじゃーん」とは正直ならないんですよね。とはいえMeteor Lakeを採用した、現時点で数少ない2-in-1ノートですし、前々からSpectre x360には戻りたかったこと、HPのPCの快適性をもう一度体感したかったので結局ぽちっちゃいました。

また、手持ち機器のほとんどが120Hz駆動パネルに移行し、WindowsノートであるInspiron 14 7420 2-in-1だけが取り残されていました。Spectre x360 14-euは120Hzパネル採用なので、まあこの要素がなかったら99.9%買ってないです。

しかしこの価格、それなりの構成の自作PCが組めそうではありますね...→暇なのでざっと計算したらRTX 4070 SUPER搭載PC程度は組めそうでした。

 

開封

↑のような理由もあってか注文が殺到しているようで、注文から届くのに2週間ちょいかかりました。マウスとPCは別々の箱で届きます。

内容物はPC本体とACアダプタ、アクティブペン、取扱説明書とか。

 

外観

正直に言うとシルバー系の色が欲しかったけど、アッシュブラックしかなかった。

HシリーズのCPUを搭載しているとはいえ2-in-1なので割と薄型です。基本的にデザインはシンプルかつ上品な感じに落ち着いている印象ですが、Spectreシリーズ特有の、二隅切り欠きのデザインは実はあまり好きじゃない。

その他、左下パームレスト部分に張り付けてあったサポートどうたらシールは視覚的に鬱陶しいので動作確認するよりも前に剥がした。intel evoシールは許す。

 

構成

2-in-1ノートですが、パフォーマンスを意識しているPCな気がしました。

 

Meteor Lake-Hを搭載

今回筆者はiGPU目当てでMeteor Lakeをチョイスしている訳ですが、Core Ultra 7 155H以上でないとXe-Core数が削られてしまうんですよね。単純に考えればiGPUの性能が落ちるわけです。iGPU目当てで買うのにiGPUの性能を妥協してしまっては本末転倒です、のでCore Ultra 7 155H搭載のモデルを購入。Core Ultra 7 155Hの特徴は何といっても上位のCore Ultra 9とコア数が変わらない点にあります。

  Pコア Eコア LP-Eコア Xeコア数
Core Ultra 9 185H 6C12T 8C8T 2C2T 8
Core Ultra 7 165H
Core Ultra 7 155H
Core Ultra 5 135H 4C8T
Core Ultra 5 125H 7
Core Ultra 7 165U 2C4T 4
Core Ultra 7 155U
Core Ultra 5 135U
Core Ultra 5 125U
Core Ultra 5 115U 4C4T 3

Xeコア数はiGPUの話です。単純な物量であれば最上位に引けを取らない訳です。じゃあ何が違うかというと、動作周波数とか消費電力が違います。ので、155Hと185Hとかを比べると流石に性能差はそれなりあると思う。

ちなみにCore 7 150U, Core 5 120U, Core 3 100Uの所謂Ultra無しはCoreシリーズのSeries 1ではありますが、Raptor Lake-U Refreshとして発売されているためMeteor Lakeファミリーではありません。構成とか見る感じ、Raptor Lake-Uの正統な後継ぽい。ので、そちらもそれなり性能は高そう。

CPUグラフをスレッド数でみると、今まで筆者が使っていたCore i5-1235UとPコアだけで並んでしまうという。並びはよくわからぬ。上2段がPコアで最下段右2つがLP-Eコア、その他がEコアですかね?マウスをホバーしてみると大半が保留になっているので、正直過剰気味な気はします。ところで最近はマルチコアが進行しすぎて、タスクマネージャのグラフを見て楽しむ人が減った気がしますね。

ちなみに発熱は割とあります。スクショだと無いけどCoreTemp上で110℃を記録していることもありました。ただ、本体自体はそこまで熱を感じないのと、低負荷時ならファンが動かなくても冷えていたので、Hシリーズだから爆熱だとかそういうことは無いです。HP公式のメンテナンスガイドを見るに、デュアルファンで冷やしているので冷却については薄型ながら割と頑張っている設計だと思う。

HPのMaintenance and Service Guideが優秀なので、今後この記事はそっからちょくちょく情報を失敬します。

 

増設交換不可なメモリ

LPDDR5x-7467のオンボードメモリを2枚搭載しています。MicronのMT62F2G32D4DS-26が搭載されているようです。

CPU-Zだとあまり読める情報が無かった。

公式の仕様PDFだとLPDDR5x-6400と書いてありますが、タスクマネージャとMaintenance and Service GuideだとLPDDR5x-7467と書いてあります。

オンボードですが、14-euのCore Ultra 7搭載モデルは標準で32GBになっているので長く使うことを想定してもそこまで問題にはならないと思います。ただ、Core Ultra 5モデルは16GBになっているのでやや不安です。

16GBまで使い切ったことは今のところないものの、12GB近辺をウロウロしていることはあったので16GBだとやや余裕が無いかなという印象です。

DELLがInspiron 14 7440 2-in-1を発表しましたが、あちらはモジュールタイプに戻ったようです。

 

dGPUの名前を授かったiGPU

Meteor Lakeで割と力を入れているであろう部分の一つ。

正直、名前の印象ほどの性能は無いと思います。ただ、Raptor Lake以前のIris Xeからは確実に伸びてます。どのくらいかというと、Iris Xeだと最小設定でようやく40fpsで動いていたゲームが 、同条件ならIntel Arcで80fpsで動く程度には進化しています。

 

これはGTA5をテクスチャ品質以外ほとんど最低にして、解像度1920×1200でプレイした様子です。60fps以上安定的に出ており、平均80~90fpsで描画されていたので、ゲーム用途も十分視野に入ってくる性能だと思います。

他方Spectre x360 14-euのような、ある程度軽量薄型を意識しているノートPCでこのような使い方をするのがPCにとって良いかといわれるとかなり怪しい。寿命が縮むことは覚悟ですかね。

 

SSDも性能に振っている

主要パーツは割とパフォーマンスに振っている印象を受ける本機ですが、SSDもパフォーマンスに振ったチョイスをしています。

KIOXIAのKXG80ZNV1T02が搭載されています。XG8シリーズに属するSSDです。あまり話を拡げるとめんどいのでKIOXIAの枠内で話すと、XGシリーズはどちらかというとハイエンドPCやゲーミング用途、データセンターのブートドライブといった用途を想定して設計されています。Spectre x360のような薄型PCや2-in-1ノートはBGシリーズの方が適しています。BGシリーズの方がより小型、例えばM.2 2230で提供されているもでるもあったり、省電力であったりと、モバイルPCではこちらの方が利が大きいです。XGシリーズはDRAM搭載であったり、転送速度が速かったりと消費電力よりもパフォーマンスを意識した設計になっています。

HPがSpectre x360にBG6ではなくXG8を搭載してきたということ、今回のSpectre x360 14-euをHPはモバイル用途よりも、パフォーマンス型として売りに出しているように感じました。

KXG80ZNV1T02の話に戻りますと、112層BiCS採用のクライアント向けSSDです。SEQ Readで7,000MB/s、SEQ Writeで5,600MB/sを謳っていて割とガッツリPCIe 4.0x4なSSDとなっています。筆者大好きDRAMも1GB用意されていてKIOXIA製なら信頼性も申し分ないので今回はSSD換装はしない方針で行きます。M.2 2280なので裏蓋開ければ換装は行けます。ただSpectre x360は裏の滑り止めを剝がさないと分解できず、これ剥がすと伸びるのであまりやりたくない。

暇なのでベンチとってみました。ランダムがなんか弱いのが気になります。AES-NIが効くので誤差程度に収まると思うけどBitLocker切ったらもしかしたら少し上がるかもしれない。

正直、BG6でも良いんじゃないかとは思った。BG6は割と新しい162層BiCSを採用したSSDで、PCIe 4.0x4、SEQ Readが6,000MB/s、SEQ Writeが5,000MB/sで、ワンチップSSDにしては意外といけるSSDです。M.2 2230の選択肢もあり、XG8の5~6割程度の消費電力で動くので、ある程度のパフォーマンスを持たせつつも低消費電力になります。DRAMがついてこないのと恐らく大量の書き込みは弱いですが、HMBが使える以上ノートPC程度の用途で問題になるかといわれると、そんなに問題はない気がする。

 

購入を悩ませたディスプレイ

今回のSpectre x360 14-eu、即購入に踏み切ったわけではありません。筆者の足を引き留めていた要素、それはディスプレイです。

公式のページを見ると14インチで解像度は2880×1800の16:10、DCI-P3を100%カバーして120Hz駆動のタッチパネル画面となっています。ここまでは良いんですここまでは。問題は次です。

OLEDディスプレイ

これで台無しです。筆者はノートPCに有機ELを採用するのは百害あって一利なしとまでは言わないものの一利二利程度にしかならないと考えています。

一応書いておくと、筆者はスマートフォンのOLED採用には一定の理解を示しています。スマートフォンは長時間同じコンテンツを表示するような用途はあまりないこと、そして薄型軽量化が期待できることが理由となっています。早い話が適材適所ということです。

OLEDで最も気になるのは焼き付きです。ノートPCのような、固定された画面が長時間表示されるような用途では致命的です。同じ理由で、筆者はタブレットへのOLED採用も否定的です。そもそも、すでに最適解が出ています。

iPad Pro 12.9、MacBook Pro 14, 16のミニLED、これじゃダメなんですか?

14インチMacBook Proを持っているので比較させてもらいます。

  MacBook Pro Spectre x360
パネル IPS?(ミニLED) OLED
サイズ 14.2インチ 14.0インチ
解像度 3024×1964 2880×1800
画素密度 254ppi 243ppi
最高輝度 SDR:500nit
HDR:
1000nit
1600nit(Peak)
400nit
リフレッシュレート 120Hz 120Hz
色深度 10bit 10bit
色域 P3 DCI-P3 100%

液晶パネルは輝度面での優位性が高く、HDRでは間違いなく差がつきます。そして寿命も基本的には液晶の方が長いです。ミニLEDを採用したMacBook Proと比較して、OLEDを採用したSpectre x360は薄さやベゼルの狭さで有利な訳でもありません。

もう一度、ミニLEDではダメなのですか?

 

とまあ、有機EL下げまくりましたが結局は購入に踏み切っている訳です。常時ダークモード、タスクバーの自動収納、黒基調の背景等かなり気を遣いながら使ってはいますが、焼き付きのリスクが気になるという精神衛生上の問題を除いた、その他の要素についてはまあ優秀です。

マストとしていた120Hz駆動はクリアしていますし、(最高輝度はショボいものの)一応HDR対応、高解像度でスケーリング前提ながらも作業領域はFull HDよりも確保できる点、高色域で自然な表示など、評価できる点はかなりあります。

正直、今まで使っていたInspiron 14 7420 2-in-1がかなり微妙な発色だったので、それと比べると良いです。

ピクセル配列は14-eaのレポート記事と、筆者が14-euのディスプレイに水飛ばして目視で確認した限りではS-Stripeです。RGBストライプのようなきれいな配列ではないものの、RGBで1ピクセルカウントしているはずなので解像度詐欺ではありません。まあ画素密度的に目視だとピクセルを見ること自体厳しいので、解像度詐欺でも正直わかりません。

解像度は2880×1800なのでQHDまでは入ります。強いて言えばHD, FHD, QHD辺りの主要な解像度を整数倍表示できない点が気になりますが、まず視覚上気になることはないと思うので問題ないでしょう。

 

謎現象として、最大輝度がWindows側から616nitと検出されたり、332nitと検出されたりします。公称値は400nitなので恐らく後者が正しい値かな?

400nit出るのでDisplayHDR 400 True Blackとか取ってるかとかふと思ったものの特に認定は受けていないようです。まあ、DisplayHDR 400 True Black取って無駄に価格が高くなるくらいなら、とりあえずHDR対応してます程度にしておいてくれた方が消費者的にはありがたいかも。OLEDのHDR品質なんて高が知れてますからね。

余談、HDRコンテンツ再生時に本体側の輝度を上げるとめっちゃ白飛びします。

 

インターフェースとか

見出し通りです、インターフェースの紹介をします。

 

右側面

USB Type-C ×2 (Thunderbolt 4対応)

 

左側面
USB Standard-A (USB 10Gbps)
イヤホンジャック

 

御覧の通り、ポート類はかなり少なめです。

USB Type-CはThunderbolt 4対応で、USB4 (40Gbps)、DisplayPort 2.1、USB PDを内包するため拡張性は高めです。同機能のポートが2ポートあります。

PCを選ぶ際に、Thunderbolt 4は割と拘って選んでいます。別にThunderbolt対応機器を持っている訳では無いんですが、とりあえずある程度の仕様と拡張性が保証されるというのが大きいですかね。少ないポートで高い拡張性を備えているというのは、デザイン面でも有利です。

ところでこのSpectre x360 14-euのThunderbolt 4ポートはUSB 20Gbps (USB 3.2 Gen 2×2) に対応しているんですかね?Thunderbolt 4は基本的にUSBを内包していますが、USB 3.2 Gen 2×2についてはオプションになっています。というか、ハード側の制約で今まで対応していなかったPCが多い印象です。

Raptor Lakeでは、リタイマーに以前からのBurnside Bridgeと新しく登場したHayden Bridgeの2つが用意されており、このどちらかから選ぶことができるようになっています。両者の違いはずばりUSB 3.2 Gen 2×2のサポートと、DisplayPort 2.1のサポートです。

Spectre x360 14-euのサポートマニュアルを読む限り、DisplayPort 2.1を内包しているようなので、Hayden Bridgeを使用している可能性が高いと考えられます。つまり、USB 3.2 Gen 2×2をサポートしている可能性はあります。実際にリタイマーの型番を見たり、USB 3.2 Gen 2×2な機器でテストしたりした訳ではないので絶対ではない。

ちなみに、同じ転送速度であるUSB 20Gbps (USB4) はThunderbolt 4の要件上USB 40Gbpsが必須なのでサポートしています。

 

USB Standard-AはUSB 10Gbpsをサポートしており、十分です。薄型化というかデザイン優先設計で、非使用時は収納されています。若干挿すのがめんどいのと、いつか端子周り傷だらけになるよねこれ。

 

イヤホンジャックは特筆すべき点は特にないものの、左端の切り欠きの部分にあるので、角度がやや気に入らない。そしてディスプレイが邪魔で抜きにくい。本体スピーカーとイヤホンジャックの音量は個別で管理できるタイプです。

 

左右のポートはそれぞれ逆に配置してもらいたかったです。USB Type-Cは電力供給や映像出力で使うので、少なくとも筆者の環境では左側面の方が都合が良いです。逆に、Standard-Aやイヤホンジャックは右側に欲しかったです。

さらに欲を言うと、本機種の16インチ版であろうSpectre x360 16-aaではHDMI 2.1ポートがあるので、本機にもつけてほしかったというのが本音です。USB Type-C経由での出力は可能ですが、1本電力供給で食ってしまっているので、できるだけUSB Type-Cは開けておきたいんですよね。

 

その他機能

その他って言葉便利ですよね、ということでここにまとめます。

 

Intel Evo Edition認定モデル

Tiger Lake~Raptor LakeのEvoとはやや変わったみたいです。

そもそもEvoって何?って話を軽くしておくと、超ざっくりいうとIntelお墨付きPCに与えられる称号です。要件を満たしてIntelの認定を受けたモデルに付与されるもので、Spectre x360 14-euIntel Evo Editionの認定モデルなようです。

ここ によるとTiger Lakeの時点から要件にあった

・第11世代以降のCoreプロセッサとIris Xeを搭載すること
・1秒以内にスリープから復帰すること
・9時間以上バッテリーが持続すること(FHD)
・30分以下の充電で4時間以上駆動すること(FHD)
・バッテリーでもレスポンスが落ちないこと
Wi-Fi 6, Thunderbolt 4を搭載すること

・Core UltraプロセッサとIntel ArcまたはサードパーティdGPUを搭載すること
・1.5秒以内にスリープ復帰からロック解除まで行えること
・10時間以上バッテリーが持続すること(FHD)
・30分以下の充電で4時間以上駆動すること(FHD)(変更なし)
・バッテリー駆動時に15のタスクで一貫した応答を行えること
Wi-Fi 6E 160MHz幅を利用できること

に変更され、これに加えて

・生体認証に対応すること
・より涼しく静かで、応答性が良いこと
・8GB以上かつデュアルチャネルのメモリを搭載すること
・256GB以上でPCIe 4.0のSSDを搭載すること
・FHD以上で12~16インチディスプレイを搭載すること
・本体の厚さを15mm未満にすること
・インカメラはFHD/30fps以上の撮影に対応すること
Intel Connectivity Performance Suite 3.0に対応すること
Intel Unisonに対応すること
・EPEATシルバー以上またはTCO certifiedを取得すること

などが明記されたようです。

引用元 : 「AI PC」がベールを脱ぐ! 次世代のモバイル向け「Core Ultraプロセッサ」正式発表 搭載ノートPCは順次発売(2/2 ページ) - ITmedia PC USER

つまることろ、ある程度の機能と性能が保証されるのがIntel Evoの強みです。個人的にかなりユーザーにとって有益なテスト項目なので、お金が許すのであればIntel Evo EditionのPCを買っておけば安心とまで言えてしまう、そんな内容です。

 

無線モジュールはAX211

Wi-Fi 6E対応でBluetooth 5.3対応です、くらいしか書くことがない。

AX211なのでCNVio2で通信するタイプです。

Spectre x360 14-euの無線モジュールは物理的には換装可能な構造になっています。公式でBE200の搭載も想定されているみたいなので、換装自体はできると思う。ただ、本機の場合は裏蓋開けた時点で技適周りがかなり怪しくなるので無線モジュールの交換どころか裏蓋開けるのすら控えた方が良い気はします。日本国内ならWi-Fi 6Eで十分です。安定性とか速度が欲しいなら有線LANを使った方が幸せです。

 

指紋・顔認証両対応

生体認証は電源ボタン内蔵の指紋認証と顔認証の両対応です。筆者は両方設定していますが、基本的に顔認証で開けています。

指紋認証ですが、やや精度が悪いです。マスクしてるとか、プライバシーシャッターを使っているときは顔認証が使えないので指紋認証を使うのですが、今まで使ってきた指紋認証搭載PCと比べてもコケることが多いです。

また、顔認証もカメラの起動にラグがあるのか数秒待たされます。酷いと「カメラに問題が発生しました」みたいなメッセージが出てPINを打たされるので最初からPIN打った方が速いかもしれない。

生体認証はかなり不満点です。指紋・顔認証は精度速度共にかつて使っていたEliteBook x360 1030 G3に負けてる気がします。

 

クアッドスピーカーを搭載

HPの上位機種は毎度のことながら音に拘りを持っているようで、クアッドスピーカー搭載ということもあって音質は筆者的にはなかなか良いと思っています。

ブランドがBang & OlufsenではなくPoly studioになってしまったのがやや残念ですかね。B&Oの方がやはりブランド感があって、高級機に相応しい感じがしたので。

ちなみに、イコライザー的なのが勝手にオンになっているようで、内蔵スピーカーは特に気にならないもののイヤホン経由で音楽を聴くときになんか変な音がしました。ごちゃごちゃ弄ってたら普通になりましたが、音周りの設定が分かりにくいです。

 

プライバシーシャッターは電動

プライバシーシャッター機能はホットキー操作の電動となっています。これプライバシーシャッターの意味あるのかな...とは思いつつ、デザインはすっきりするので一応評価はしています。

 

タッチパッドはやや大きすぎる

タッチパッドはハプティックタッチパッドで、物理的なボタンではなくモーターによる触覚フィードバックタイプのものです。早い話がMacBookと同じです。ただ、あちらは電源が切れていても何故か反応して電源がつくのに対して、こちらは電源が切れていれば反応しません。

ジェスチャーパッドで使いやすい...と言って締めたいところですが致命的な問題が一つ。タッチパッドがデカすぎて誤反応が多いんですよね。誤反応防止である程度反応エリアが大きいと無視するようになっているものの、スクロール中に親指の付け根が当たって3点操作判定になるみたいな事故がそれなりの頻度で起きます。

最近はタッチパッドを大きくするのがトレンドのようですが、もう少し小さくても良いと思います。それかあまりにも離れている判定エリアは無視するとか。

 

キーボードは打ちやすい

打鍵感とかキーピッチ、キーストロークとかはちゃんとHPです (HPユーザーじゃないと伝わらない)。硬すぎず柔らかすぎずで、キー配列も一般的なので非常に打ちやすいです。RAltキーがある点も評価できます。

ホットキーも使い勝手が良いです。

標準でFn Lockはオフです。オフだとデフォルトがホットキーで、Fn+でF数字キーを押すことができます。筆者は老人なのでFn LockをオンにしてデフォルトをF数字キー、Fn+でホットキーにしています。

BIOSでLaunch Hotkeys without Fn Keypressという設定項目がありますが、これをDisabledにするとFnキーのランプは点灯したままでFnロックの切り替えができなくなるのでEnableで良いかと思います。

 

もちろんタッチパネル搭載

2-in-1ノートなのでタッチパネル搭載です。先述のタッチパッド絶妙に使いにくい問題も、タッチパネル搭載なのであまり気にならない。

ペン入力にも対応しています。

 

付属品

ペンはMPP 2.0

ペンプロトコルはMPP 2.0です。Surfaceペンとかが使えると思う。

ペンは筆者が購入したモデルでは標準で付属でした。SPEN-HP-05という型番で、MPP 2.0です。筆圧検知は4096段階、レポートレートは266Hzらしい。充電式なのがネック。単品で買うと10780円します。

替え芯2本付きです。

 

充電器はUSB-IF認定品

本機種はUSB Type-C端子から給電するタイプで、付属の充電器はUSB PD充電器です。

ACアダプタ裏面の真ん中らへんにでかでかと書いてある通りUSB-IF認定品です。PD充電器としてはなかなか珍しい気がする。

 

5V 3A
9V 3A
12V 5A
15V 4.33A
20V 3.25A

に対応しています。

USB PDだけに対応した充電器で、特筆すべき点があるとすればOptional Voltageである12Vをサポートしています。かつてHP製品で12V 3Aでないと受電しない製品があった名残ですかね?地味に5Aまで引けるようになってるのも特徴ですかね。

PPSには非対応なようです、少し勿体ない。

そうそう、HPの伝統である「純正アダプタ使え」は健在です。

 

キャンペーンでマウスがついてきた

売価1000円程度だろうみたいなマウスかと思ったら12000円するマウスがついてきました。

USB Type-C端子からの充電式で、USBレシーバーとBluetooth 2台でのマルチペアリング対応、高速ホイールやチルトホイール、側面ボタン付きの7ボタン、静音等普通に実用的なヤツです。LogicoolのM590難民に良いかもしれない。

ここまで上げておいて、実は使ってません。普段はMX Master 3で、持ち出しはM590を未だに使ってるので予備枠扱いですね。M590が壊れたら使おうと思います。

 

買ってからやったこと

フィルム貼った

ディスプレイとタッチパッドにアンチグレアフィルムを貼りました。この機種用のじゃなくて、デカめのフィルム買って切って貼った感じ。

画素密度が高いためか、ペーパーライクフィルム貼ったら発散が激しいので気になる人はグレアフィルムの方が良いと思う。筆者はペンを使う可能性があるのでとりあえずそのままですが、ちょっと視認性が悪いのでフィルム買い替えは検討しています。

 

リカバリディスク作った

これは作らない手はないというか。小型SSDに立場奪われて使わなくなったUSBの数少ない使い道です。

意外とリカバリ領域は小さいらしく16GBあればOKなようです。

 

スクリーンセーバーを設定した

どうOLEDを延命するかを考えたときに、手っ取り早いのが画面をオフにすることです。

そんな訳でPCをスリープかディスプレイオフにすれば良いのですが、実はモダンスタンバイ機だとこの辺が曖昧なようで、ディスプレイオフにしただけのつもりがロックかかってたり、風呂入ってる間にやらせておこうと思った作業をやらずに勝手に寝てたりというWindowsの間抜けな仕様があり非常に不便なんですよね。

こういう使い方が多い筆者としては、ディスプレイの電源を切るという機能はマジックカット以上に信頼に値しない訳です。ではどうするか、見出しでバレてますがスクリーンセーバーを使います。

OLEDの利点として、黒画面であれば無点灯という利点があります。これを利用し、ディスプレイサイズに合わせた黒一色のPNG画像を作成し、この画像だけのスクリーンセーバーを数分で発火するようにすれば、スリープにもディスプレイオフにもならないけど画面だけは実質オフみたいな状態にできます。

デメリットとしてはスクリーンセーバー機能自体の完成度があまり高くないようで、スクリーンセーバーからの復帰に数秒かかる時があります。OLEDが劣化するよりは良いのでこれで行きます。

 

BIOSの設定を弄った

今、平成何年でしたっけ?

基本的にはデフォルトのままで良い項目が多いです。USB ChargingとかDisabledにしたらどうなるのか気になる。

Fan Always Onだけオフにしました。これは低温時でもファンが低速で回り続ける設定、だと思う。これ切っても本体が熱くなれば勝手にファンは回りますし、低温でも回る必要はなく、むしろファンの寿命とか騒音に影響があるのでオフで。

Launch Hotkeys without Fn Keypressは写真だとDisabledになっていますがEnabled推奨、キーボードでFnロックの切り替えができなくなります。

一つ気になるのはAdaptive Battery Optimizerの効果がよくわからないこと。一応 ここ にこの機能について説明があるものの正直あまり親切なことは書いてありません。

筆者がこの手の機能に求めることは充電量の制御です。30%~80%に収まるように制御したいのですが、ユーザーが細かく設定することはできないらしい。公式の説明を信じるのであれば、Windows側からは充電量が100%に見えても実際は80%とかまでで制御してくれてるんですかね?

バッテリーレポートでは、新品時点で全体の98%でFULL CHARGE CAPACITY扱いです。関係ないけどシリアルナンバーがSerialNumberてセキュリティ意識の低い人のパスワードみたいですね。

 

総評

個々のパーツは高級機に相応しい、出来の良いものが多いです。一方で使い勝手がなんかイマイチなんですよね。22万円の高級機ですが、使い勝手がInspiron 14 7420 2-in-1の時と大差ない感じ。かつてSpectre x360を使っていた時の感動は何処へ?というのが筆者の評価です。

またOLEDディスプレイはやはり精神衛生上良くありません。画面つけてるだけでPCに気を遣うというストレスは意外と大きく、Inspironの時と比べて使用頻度すら落としています。

「22万円出すとこの完成度か!」ではなく「22万円ならこのくらい動くよね」と言える完成度ではないでしょうか。

Xperia 5 IIIを買ってみた

Xperia Z3がそろそろ10年前って本当ですか。

 

今見たら入荷終了になってたのでこの記事見て買おうと思った人はごめんなさい。

 

 

経緯

3か月くらい前にサブスマホ兼自転車用スマホとしてiPhone SE 第3世代を購入したのですが、想像を絶する使用頻度の低さだった。理由は、Lightningコネクタを採用していたからです。たしかに折角iPhone 15 Proを購入してLightningを根絶したのにiPhone SEをまた採用してしまっては意味がありません。

どうにかしようか悩みつつも、面倒なのと普通にお金がもったいないので放置していました。別に使わないだけで使えない訳ではないので。

そんなでぼーっと生きてたら、Xperia 5 IIIが5万円切りで販売という噂を聞いた。販売ページ行ったらマジだったので、買ってみた。

 

XQ-BQ42

SONY直販のSIMフリーモデルです。

キャリア版との違いはちょくちょくあるのですが

  SO-53B SOG05 A103SO XQ-BQ42
キャリア docomo au SoftBank SIMフリー
カラー フロストブラック、フロストシルバー、グリーン、ピンク フロストブラック、フロストシルバー、グリーン、ピンク フロストブラック、フロストシルバー、グリーン ブラック、グリーン、ピンク

対応バンド

(5G)

n78, n79 n28, n77, n78 n3, n28, n77, n79 n3, n28, n77, n78, n79

対応バンド

(LTE)

Band 1, 3, 4, 5, 7, 12, 13, 19, 21, 28, 38, 39, 40, 41, 42 Band 1, 3, 11, 18, 26, 28, 42 Band 1, 2, 3, 4, 8, 11, 12, 17, 28, 38, 39, 40, 41, 42 Band 1, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 13, 17, 18, 19, 21, 26, 28, 38, 39, 40, 41, 42
ストレージ 128GB 128GB 128GB 256GB

文章で書くとわかりにくくなる箇所については表にまとめました。特筆すべきはSIMフリー版だからこそともいえる対応バンドの広さ。iPhoneには敵わないものの国内で使うならほとんど問題がないといえる対応状況です。また、デュアルSIM対応なのでストレージが256GBに増強されています。

逆にキャリア版から退化した点として、FMラジオ機能が削られています。これは筆者は使う予定なしなので良いかな。

余程の例外を除いて、筆者は基本SIMフリー端末推しです。余計なキャリアロゴがプリントされてたり他キャリアで使い物にならなかったりメジャーアップデートを一度で投げ出したり、ということが無いので。

 

届いた

翌日出荷を謳っているだけはあり、2日くらいで届きました。

箱がペラかったのでどうせ大した付属品は無いだろうと思い、本体取り出して箱は何処かへ行ったため、どんな気の利いた付属品があろうと無かったことにされてます。

購入早々傷ついた時には立ち直れないのでケースと画面保護フィルム、そしてカメラ保護フィルムは事前に購入しておきました。

SONYロゴ、XPERIAロゴ、NFCロゴがプリントされている背面は美しいです。

 

アプデRTAで上位に食い込もう

さて今年だけ始まりましたXQ-BQ42アプデRTA in 2024。今年の参加者は過去最多かつ過去最少、1名です。

 

この競技の目的

不良在庫 (かどうかは知らないが) として倉庫で眠っている間に、溜まりに溜まったアップデートをできるだけ早く終わらせよう、アプデ如きに貴重な休日を奪われてたまるか、そういうコンセプトの競技です。

 

正攻法だと結構かかる

XQ-BQ42は発売時点で型落ちに近いため、Android 12がプリインストールされていることになっています。実際筆者のXQ-BQ42もAndroid 12が入っていました。

61.1.A.11.88は公式のお知らせによると2022年11月17日配信のバージョンのようです。つまり、めちゃくちゃ古いです。Android 13アップデート手前のバージョンなので、OTAを一つずつ踏むと最大7回アップデートをすることになります。さらに言うと、Google Playストアがアプリのアップデートを始めたり、Androidがサボり始めたりするので、OTAは非常に効率が悪いです。

実際Twitterを見ていたら全アプデ適用に4時間以上かかっている人がいたので、今回この方法は避けます。

余談ですが今のXperiaはA/Bパーティションを採用しているのでアップデート時のユーザーが触れない時間が減っていたり、アップデート失敗時のリスクがかなり低減されています。iPhoneにも欲しい機能の一つ。ただし筆者は妙なところで几帳面な性格というか、OTAというものがあまり好きじゃないんですよね。大型アプデとかがあるとスマホでもPCでもクリーンインストールにすることがあります。特に今回は新品で完全更地なのでクリーンインストールしても実害がないのでこれ一択です。

 

アプデから休日を守ろう

筆者が知る中で最速のXQ-BQ42のアプデ方法、この記事を踏んだアンラッキーなあなたに伝授しましょう。

まず、XQ-BQ42は放り出してPCを使います。XQ-BQ42はこの時点で弄ると後々時間の無駄になるので、何だったら初期設定すらしなくて良いです。筆者は簡単な動作確認程度はしましたが、インターネットには繋いでいません。繋ぐと勝手にアプデ始めて回線を使ってしまいます。

1.PCでXperia Companionをダウンロードしてインストールします。

2.ソフトウェアの修復を選んで、XQ-BQ42をPCとUSBケーブルで接続し、画面に沿って進めていきます。

3.修復ファームウェアのダウンロードで時間を食うのでここは耐えます。

4.修復準備が整いました。と出たら 次へ を押してしばらく待ちます。

5.ソフトウェアの修復は完了しました。と表示されたらXQ-BQ42をPCから抜いて電源を入れます。

6.ようこそ の画面になった



タイマーストップ完了です。

 

筆者の環境では 2 から 6 まで約10分で終わりました。しかしXperia Companionは元からPCに入っていたので、大会主催者から失格を告げられました。あ、大会主催者は自分です。

つまらん冗談は置いておいて、この方法はXQ-BQ42以外のXperiaにも通用します。が、一部キャリア版はこの技が使えないどころかダウングレードされる機種が存在するので注意しましょう。あと古すぎる機種にも使えません。一応基準というか、その辺の見分け方とかはあるのですが長くなるので割愛。今回はXQ-BQ42の記事で寿司。

 

Xperia 5 IIIの特徴

とは言っても、安くなってたからっていう理由と、かつてXperiaユーザーだったという理由から買っているので実は最近のAndroid端末、ましてやXperiaなんて深く知るわけがないんですよね。そんな自分ですら気付いた点とか。

 

販売時点で型落ちSoCが採用されている

Snapdragon 888は2021年前半~の機種を中心に採用されているSoCです。世代的にはA14 Bionic~A15 Bionic辺りが相手となります。

しかしXperia 5シリーズはキャリアからは秋冬モデルとして販売される傾向にあるためその時点でSoCは半年型落ち、そしてSIMフリーモデルはさらに数か月遅れて販売されるのでXQ-BQ42は発売時点でほぼ1年型落ちのSoCを採用していることになります。具体的な発売日は2022年4月22日なので、iPhone SE 第3世代 (2022年3月18日発売) よりも後のモデルとなります。既にSnapdragon 8 Gen 1やA15 Bionicに移っていた時代です。

 

Snapdragon 888の特徴としては、今までは外付けであった5Gモデムを内蔵した点ですかね。相当アピールしたいのか、QualcommとかはSnapdragon 888の後ろに5Gとか付けて呼んでいる様子。

CPUは1+3+4コアの8コア構成となっています。高性能コア1+3コア + 高効率コア4コア構成で、Snapdragon 865以降は性能が若干飛び出るコアが1つあるものの、最近は大雑把に高性能4コア+高効率4コア構成で落ち着いているようです。

メモリは8GBです。iPhoneですら8GB採用し始めたのにAndroid機でこれと並ぶとなると少し心許ないです。こちらの分解動画を見ると、Samsung K3LK7K70BM-BGCPが1つ載っています。64Gb=8GBで、LPDDR5-6400。

ストレージはSamsung製のKLUEG8UHDB-C2E1が載っています。UFS 3.1で256GBです。Smasung公式の説明だと1,200MB/sで書き込みができるらしい。読み出しは書いてありませんでしたが、こちらによると512GBだと2,100MB/sで読み出せるらしい。一昔前のPCIe 3.0 x4なSSDくらいの速度はスマホでも出るんですね。Xperia 5 IIIのUSB Type-C端子は5Gbpsなので、外付けSSDとの転送とかで内蔵ストレージがボトルネックになることは無さそうです。

Snapdragon 888もSamsungが製造してるのでメインとなるパーツはほぼSamsungですね。

 

シリーズ唯一のペリスコープカメラ

Xperia 1 III以降採用されているペリスコープカメラ、Xperia 5シリーズで採用しているのはこのXperia 5 IIIだけとなっています。以降のXperia 5シリーズは徐々にハイエンド路線から離れて行っているような印象を受けます。今のXperia 5 Vが5シリーズならXperia 5 IIIはXperia 3 IIIとかでも良いんじゃないですかね。

ペリスコープカメラを採用しているので見た目はゴツいです。一番下のレンズだけ明らかに異質なので、iPhoneのProシリーズのカメラとはまた違った存在感があります。

 

気に入った点

iPhone 15 Proユーザーが、iPhone SE 第3世代の後継として迎え入れたXperia 5 IIIの気に入った点を挙げます。

 

120Hz駆動ディスプレイ

今回iPhone SEを切ってXperia 5 IIIを迎え入れた理由の5割がこれといっても過言ではないレベル。Appleは高フレームレートに消極的過ぎです。最安枠であるSEが60Hzなのは百譲って許せるとして、10万円越えの15すらProMotion非対応なのはケチとかそういう次元超えてます。

筆者は手持ち機器の120Hz化を推し進めており、置き換えが決定しているInspironを除いて未だに60HzなのはiPhone SEだけでした。UXは大事です、これがダメだと使う気失せるので。

ゲーム時は黒フレーム挿入で、残像低減の疑似240Hz駆動が可能です。また、ゲーム中はタッチサンプリングレートも240Hzになるようで、Xperiaの入力遅延の少なさもありゲームはiPhoneユーザーから見ても快適です。

 

バッテリーに優しい

筆者は消耗品というものを気にしすぎてしまう傾向があるので、どうもバッテリーに気を遣うような使い方をしてしまうんですよね。

いたわり充電で最大充電量を制限できる他、ゲーム中はHSパワーコントロールで外部電源を直接使用できるため、筆者のようなスマホのバッテリーにさえ気を遣ってしまう優しい人間でも安心。

 

USB Type-Cを採用している

iPhone SEを切り捨てた理由の残りの5割がこれといっても過言ではないレベル。ヤツのためだけにLightning残しておくのがどれだけ邪魔なことか。

転送速度はUSB 5Gbpsなので別に特別速くはないです。ただ、それでも良いんです、USB Type-Cならば。

その他、USB PDに対応しており、地味にPPSにも対応しているようです。

またDisplayPort 1.4にも対応しているので映像出力もいけます。

筆者が試したところ、USB PDで給電しながらUSBな有線LANアダプタを使いつつ、DisplayPortで映像出力ができました。

その辺のUSB-Cハブを使います。USB PD入力、HDMI出力、RJ-45がすべてセットになっているハブを使いました。

ところでこのハブをつないで気付いたんですが、今のAndroid (というかXperia?) はRTL8153でもいけるんですね。少し前、XZ2くらいの世代だったかな、だとAX88179しか認識しなかった記憶があります。今だと両方いけるみたいなので、Nintendo Switch以外はRTL8153持っておけば良さそうですね。

 

ゲーム機能は充実

ゲーム系の機能はGame enhancerで一括管理できるようになっています。アプリごとに設定できるので便利です。HSパワーコントロールや疑似240Hz、イヤホンジャックが付いていることもあってゲーム機能に関してはほぼ文句無しと言えるレベルです。

 

過去機の良いところを汲んでいる

「あの頃のXperiaはああだったのになあ」があまり無いレベルで、良いところを汲んできていると感じました。イヤホンジャックや電源ボタン統合型の側面指紋認証、フロントステレオスピーカー、フラットディスプレイ。デザインについてもXperia Zシリーズ好きだった筆者から見ても良いと思います。

 

マルチウィンドウ時は便利

iPhoneにはなく今後も採用されないであろう機能。

マルチウィンドウ中は21:9が功を奏して、1ウィンドウあたりの領域が割と広く稼げるので使いやすいです。

とかいいつつ、Androidでマルチウィンドウ使うくらいならiPhoneで別アプリ立ち上げるとか、iPad使うのでほとんど使わないんですよね。

 

逆に気になるところ

もちろんあります。

 

AndroidのUIの出来が悪い

これはXperia 5 III、というかXperia特有の問題という訳ではないのですが、Android 13のUI酷すぎです。

Xperia Xシリーズが終わり、ピル型UIを採用しだした頃...具体的にはXperia Aceの時点から気になっていた点で、操作性に問題がありすぎます。恐らくFace ID機のiPhoneリスペクトのUIだと思うのですが、パクってるのは見た目だけで使い勝手は全く真似できていません。戻るボタンがOS側で用意されていること前提だったにも拘らず、ホームバーを採用したいためか戻るボタンを廃止。結果として代替措置として戻るは画面端スワイプとなっている訳ですが、アプリ側はこれを前提としていない時代から設計されているものも多いので当然のように暴発します。

タスクビューのUIも最悪です。実質的に1アプリずつしか表示されず視認性が悪いです。そもそもタスクビューに入るという操作の段階でコケることがあり、これ開発者本当に操作してテストしているのか?とAndroid OS開発陣の技量を疑います。

幸いにもXperiaは3ボタンUIも用意されているのでに戻すことも考えましたが、今後3ボタンUIが廃止される可能性が否定できないこと、欠陥レベルとはいえiPhoneと操作感を統一できること、有機ELの焼き付き対策としてホームバーは役立つこと、画面領域の確保等の観点から現状はホームバーUIで使い続けます。

ただしAndroid 13のUIがポンコツすぎるせいでXperia 5 IIIの使用を避けてしまっているので、3ボタンUIにすることも検討中です。

 

Google製アプリのUIも出来が悪い

Xperia独自のアプリがXシリーズ時代からかなり減っており、代わりにGoogle製アプリがプリインされています。ここで改めて、自分はAndroidに慣れていたのではなくXperiaに、それもZシリーズとかXシリーズに慣れていたのだと改めて実感しました。アルバム、メール、キーボードはかつてのプリインの完成度の高さを思い知らされます。シンプルでありながら、必要な機能は揃っており、非常に使い勝手の良いものでした。

慣れの問題といえば片付くものの、Xperia独自アプリはその慣れのハードルすら低かったのです。直感的に使えるというか。それこそ、iOSの純正アプリに引けを取らない使いやすさでした。

 

というか、OSそのものとプリインアプリの完成度が低いとかGoogle製のソフトウェアは総じて最悪です。AndroidiOSにはなれません。見た目だけパクるとか妙なことしないで使いやすいソフトウェア作ってくれませんかね?

 

Google Mapのオフラインマップがゴ〇

このブログではあまり過激なワードは使わないよう心掛けているのですが、すみません筆者の語彙力だと的確に言い表せる言葉が〇ミくらいしかなかった。

iPhoneのマップで当然のように使えていたので疑いもしなかった要素。Googleマップにもオフラインマップ機能自体はあります。ただ、ルート検索に対応する気が全く無いようで、徒歩と自転車での経路案内機能が使えません。自転車用に買ったのに使えないじゃん。唯一対応している自動車での経路案内も、道順の表示すらしません。

言わずもがな、上記の問題はiPhoneのマップには無かった問題です。逆に言うと、パチンコガンダム駅とか表示してたかつてのギャグアプリに大敗してるって、Googleは10年間何してたんですかね?オフラインマップ要らないよね、だって使い物にならないのだから。ストレージ食うだけ無駄です。

 

GPSの掴みがやや弱い

これはネット上でチラホラ言われている部分で、見出し通りGPSの掴みはやや弱いです。Galaxy S21ユーザーの友人と出かけたとき、あちらはGPSを問題なく掴んでいるがこちらはダメみたいな状況が多々ありました。

あとデジタルコンパスも微妙。さっきも地面に対してほぼ水平の状態でGoogle Mapで思いっきり真逆指してました。

 

Googleアシスタントボタンが邪魔

使わない、ダサい、邪魔。

こいつのせいでデザイン損なわれてる。筆者は音声検索、そしてGoogle自体そんなに信用していないため、Googleアシスタントは使いません。

製造時点からこんな要らないボタンはつけないでいただきたいところですが、付いてきてしまったものは仕方がありません。右側面の電源ボタン下、一等地とも呼べる場所に鎮座している訳で、どうにか有効活用できないかと調べました。しかしこいつGoogleアシスタント専用で変更できないんですね。邪魔すぎというかもはや嫌がらせでしょこのボタン。腹癒せにGoogleアプリは無効化してやり今は全く意味のないボタンとなっています。

さらに調べると、APK突っ込んで、ADB叩いて...とゴニョゴニョすると別機能を割り当てられるらしいので、気が向いたらやろうかなレベル。

このボタン、Web検索かけると "変更" とか "割り当て" とか "無効"とかがサジェスト上位に出てきます。これ使ってる人いるんですかね?

後継のXperia 5 IV以降では取り除かれていることからこのボタンの不評さが伺えます。というか何でこんなボタン付けたんだろう。SONYGoogleから脅迫でも受けてたのか?と思うレベル。

 

安定性でiPhoneに勝てない

これはもうAndroidの宿命というか仕方のない部分ではあるのですが。

動作の安定性はやはりiPhoneが上です。Snapdragon 888自体やや発熱しやすいので、長時間ゲームをやるとサーマルスロットリングが働いてフレームレートが落ちます。発熱時は120Hz駆動が制限されるようで、設定ごとグレーアウトします。

またゲーム時のフレームスキップの頻度も高く、お世辞にも音ゲーとかに向いているとは言い難いです。

 

内蔵スピーカーの音質があまり良くない

これはもはやXperiaの伝統なのか?

フロントステレオとか音周りに拘りを持っている割には内蔵スピーカーの音質は悪いです。スカスカしたペラい音が出てきます。

そしてこれも恐らくXperiaがステレオスピーカーを採用した、Z2の時代からだと思うのですが、何故か上下スピーカーで音質とか音圧が割と違うんですよね。これが意外と違和感があるくらい違う。Xperiaでスピーカーを片方ずつ塞いでみて、次にiPhoneで同じことをやるとXperiaの方が違和感が大きいです。Xperiaは片方のスピーカーから極端にスカスカとした音が出ます。

筆者は音の専門家でもマニアでも何でもないので一素人として言わせてもらうと、iPhoneのスピーカーの方が "好" 音質であるのは間違いないかと思います。

あとそう、画面の向きでスピーカーの向きが自動で調整されないのには驚きました。

少なくともiPhoneでは、画面の向きとスピーカーの向きが一致するように自動で調整されます。Xperiaは設定でオンオフ切り替えるのか?とか思ってたらそもそもそんな概念がないんですね。

 

eSIM非対応が痛い

iPhone SEをeSIMで運用していたのでeSIMで行こうかと思っていたら対応していませんでした。iPhone使ってたら、ここ数世代はeSIM対応していて当然とか勝手に勘違いしていましたが、対応していないスマホもあるんですね。

筆者は物理SIMのahamoをiPhone 15 Proに入れ、eSIMのpovo 2.0はiPhone SEで運用していました。しかし今回iPhone SEを解雇、eSIMのやり場に困りました。しかし自転車用スマホとして使う予定のあるXperiaは、何だって良いのでとりあえず通信手段は確保しておきたいです。そこで、まず現状SEに入っているpovo 2.0はiPhone 15 Proに移してデュアルSIMにしました。iPhone同士で移行が楽です。で、新たにXperia用に物理SIMでpovo 2.0をもう1回線増やしました。povo 2.0は確か5回線くらいまでは持てたはずなので問題ありません。

SEに入っていたpovo 2.0を物理SIMにするという方法もありましたが、SIM再発行手数料が高いのでもう1回線生やした方が圧倒的に安上がりです。

Xperia側は物理デュアルSIMにするとSDカードを挿せなくなるので、これ以上回線を増やす予定は現状ありません。

 

通知が遅い

ここはXperiaがというよりAndroidの仕様上仕方がない部分ではあるのですが、通知が来るのが遅いことが多いです。

これはバッテリー駆動時間を延ばすためにアプリを居眠りさせているのが原因なので設定次第でどうにかはできたと思います。ただ、あくまでもメインで使っているのはiPhoneなので通知はそちらに任せてXperiaは放置しています。

 

1か月近く使ってみて

下書き放り込んでたら書くの忘れてて1か月経ってたっていうのが副見出しです。

型落ちとはいえ当時のハイエンドSoC採用で内蔵ストレージは256GB、使い勝手も当時のフラグシップではあるので所々で粗はありつつも品質は高めです。何より、メッセージアプリ程度しか使い物にならない、スマートですらないスマホよりもキビキビと動く点は魅力です。

Xperia 5 IIIの、業界というか大衆向けの評価は置いといて、自分の用途での評価について。筆者はこのスマホを自転車のマップ用に買ったと何度か記事中で書いていますが、明らかに自転車用途に向いてませんよねこれ。案内する気のないGoogle Mapに始まり、なかなか掴まない掴んだら掴んだでワープするGPS、北に向かえば南を指すコンパス等、もはや何を評価すれば良いんですかね?5万円で使い捨て感覚で使えることくらいしか自転車用での利点がない。

ここ数年Androidを避けてた最大の理由、久しぶりにXperiaを買って「ああやっぱりな」となった部分、Google製ソフトウェアの品質の低さ。先述のGoogle Mapのように根本的に使い物にならない物もありますが、ほとんどは使えるけどUIが汚い、UXが考慮されていないアプリが多い印象です。Android OSもGoogle主体なので同じ評価です。同機能を持つアプリをiOSと比較したときに使い勝手が圧倒的にiOSの方が上なんですよね。同じスマホですが、電源付けた後の手間がiPhoneのが少ないので自然とiPhoneに手が伸びます。

多分もう筆者はiPhoneしか使えない人間なのでしょう。

M2 ProなMacBook Proを買ってみた。

M2 ProでやることはWeb閲覧。

 

 

 

経緯

MacBook Proを久しぶりに触りたくなった。

久しぶりってどのくらい?と問われるとまあ1年半程度、筆者が持っていた最新のMacMacBook Air 11 Early 2015でした。2C4TのCore i5-5250UとRAMは4GB、ストレージは128GBと、2022年の状況から考えるとかなり御老体なPCでした。

言わずもがな快適な訳がなく買い替えたいなあとは当時から思っていました。Apple SiliconなMacBookの購入案自体はM1発売時から自分の中にあったのですが、「折角買い換えるなら良いMacを!」という見栄を張った思考とお財布事情により3年以上延期されてようやく購入となった訳です。その間にE2015なMacBook Airを処分するとかありましたが、Appleには申し訳ないが別にMacが無くても生活に支障が無いのでMac無し生活をしばらく送っていました。(じゃあMacBook Pro買わなくて良かったんじゃ?)

 

買ったのはM2 ProだがキッカケはM3

何故このタイミングなのか?という話をしますと、ひとつは気分ともうひとつはM3 Macを見て購入に踏み切った感じ。ただし実際買ったのはM3ファミリーではなくM2 Proです。理由は後述しますが、どうしてもM3シリーズを下げるような文にはなるので、M3 Macユーザーの方とかはあまり読まない方が良いかもしれない。気分が悪くなっても筆者はどうすることもできません。

 

購入にあたって

当初はコスパ重視でM1 MacBook Airを狙っていました。M1が出た当初からしばらくはM1 MacBook Airのメモリだけをカスタムオーダーして購入しようかと。しかしM1 Pro MacBook Proが出たあたりから筆者はMagSafeに釘付けに。実際筆者は電源ケーブルに足を引っ掛けて何度かMagSafeに救われている過去があるのでMagSafeには借りがあるのです。独立HDMIポートやUSB-Cが3ポートなのも魅力的です。

さらにiPad Proを購入した辺りから、購入するMacはProMotion対応機にしよう≒MacBook Proシリーズを買おうという方針は固まっていました。これは身の回りにProMotion機や120Hz対応ディスプレイ搭載機器が増えてきており、当時iPhoneもProシリーズにする予定であったためです。その後予定通りiPhoneもProシリーズになりました。

そして筆者が湯水のように扱い買い換えているWindowsマシンとは方針を変え、良いものを長くというコンセプトで、CPU, GPUが最低5年は腐らないであろうものを選び、メモリも最低16GBを必須条件に。

元々はコスパに興味を持ったApple M系MacBookでしたが、Windows機もIris XeとAlder Lakeが出てきてコスパは良い感じになってきたこともあり、実用性重視でProシリーズにしました。

 

買ったのは整備品

M3ファミリーのMacBook Pro出ちゃったからM2 Pro新品で買えないし仕方ないよね!

っていうのは80%嘘で、普通に型落ち+整備品になると安くなるので理由は価格が8割です。ただし細かいオーダーができない (USキーボードとかにカスタムできない) 、在庫状況が実際の在庫状況やAppleの気分に委ねられていて安定しないというデメリットがあります。

整備済製品はあのAppleが検品して整備しているだけあって品質は新品並みです。保証も新品と同じ1年で、Apple Care+を付けることもできることから自信が伺えます。怪しい店で新品謳ってるヤツとか、下手な中古買うくらいならこっちのが圧倒的に信頼できるくらい。稀に不良品も混入してるようですが、初期不良や整備不良が原因の故障は多分無償修理です。多分。

さて実際買ったのは14インチMacBook Proで10コアCPUと16コアGPUのM2 Pro搭載モデルです。

早い話が何もカスタムしない場合に届く、一番安いラインナップです。一番安いとはいえ、腐ってもProシリーズではあり、メモリは16GBですしSSDも512GBと、少なくとも筆者には十分な性能です。

 

何故M3ファミリーにしなかったのか

筆者がM3系MacBook Proを購入しなかった理由。一言で言うなら、M2 Proのがコスパが良いからです。

まず、2023年後期モデルのM3世代MacBook Proについて軽ーく触れておくと、基本的な機能や仕様はM2 Proの時代と変わりません。ただし1つ大きく変わった点として13インチMacBook Proが廃止され、14インチMacBook Proに普通の、ProではないM3チップ搭載モデルが展開された点です。このモデルは13インチMacBook Proと比較すると価格は上がっているものの、14インチM2 Pro MacBook Proの発売時の価格と比較するとかなり安価に設定されています。

10コアCPUと16コアGPUのM2 Pro MacBook Proの発売時の価格は288,800円でした。そして8コアCPUと10コアCPUのM3 MacBook Proの価格は248,800円です。

ただしこの比較は為替レートの影響を受けるため現地価格で比較すると、前者が$1,999で後者が$1,599となっています。つまり、14インチMacBook Proというシリーズだけに着目した場合は、普通に安くなっています。

しかし安くなったからにはもちろん代償があります。Appleのイベントを観ながらこのモデルに期待を寄せていましたが、製品ページを見てかなりの罠があったので、1つずつ挙げていきます。

 

その① 価格とメモリの罠

筆者的に最もダメだなと思ったのが、メモリが8GBに削減されている点です。8GBでPro謳っちゃだめでしょ、まじで。だってiPad Proですらメモリ8GBが標準で16GBあるやつも出てますからね。世代が違うとはいえCPUとGPUコア数すらM2 iPad Proと同じ (どちらも8コアCPU、10コアGPU) とか、M2 iPad Proユーザーとしては買いたくなさすぎる。

そしてApple SiliconというかMacBookの弱点というかとして、カスタムすると価格が跳ね上がるという問題があります。今作も例外ではないので、メモリを16GBにカスタムする場合+28,000円かかり、全体として276,800円となります。アメリカだと+$200で$1,799です。ここで先ほどのM2 Proの価格を思い出してみてください。上にスクロールしてカンニングしてもヨシです。価格差がかなり小さくなったことに気付くかと思います。

もう1点メモリについて小さいところに触れると、メモリ帯域幅がM2 Proの200GB/sからM3は100GB/sまで半減しています。さらにM3 Proですら150GB/sでM2 Proよりも低い値です。ただし、メモリ容量の差ほどの影響が出るとは思えないので、数値上は退化してるのが気になるくらいでパフォーマンスについては気にしなくても良いかもしれない。ただ、iGPUは割と影響受けそうな気がする。

 

その② USB-Cの罠

M2 Pro機はThunderbolt 4ポートが左側面に2ポートと右側面に1ポートありますが、M3は左側面にThunderbolt 3 / USB4ポートが2ポートで右側面のポートは省略されています。M3機では前作でUSB-Cポートの部分をSDカードスロットが詰めて配置されているので筐体を再設計しているのは流石Appleだなと思いましたが、やはりThunderboltが1ポート削られているのは見逃せません。というか、Thunderbolt 4ですら無いんですよね。多分チップ側の制約だと思う。

現状Thunderbolt 4が要求される用途は筆者の環境では無いので対応規格については最悪どっちでも良い要素ではあるものの、やはり3ポートあったものが1ポート削られるのはかなり痛いです。MagSafeで電力供給はできるとしても2ポートなんてすぐ埋まりますからね。ハブなんて持ち歩きたく無いし。

 

その③ 映像出力の罠

Thunderbolt 4ではなくThunderbolt 3 / USB4を採用した代償、M3を採用した代償として、ディスプレイの出力についても退化しています。

M2 Proについては、以下のような説明になっています。

ディスプレイのサポート

M2 Pro

本体ディスプレイで標準解像度(10億色対応)と以下を同時サポート:

  • Thunderbolt経由で最大6K解像度、60Hzの外部ディスプレイ最大2台、またはThunderbolt経由で最大6K解像度、60Hzの外部ディスプレイ1台とHDMI経由で最大4K解像度、144Hzの外部ディスプレイ1台
  • HDMI経由で8K解像度、60Hzの外部ディスプレイ1台または4K解像度、240Hzの外部ディスプレイ1台に対応

引用元:MacBook Pro (14インチ, 2023) - 技術仕様 (日本) (apple.com)

 

M3はこのようになっています。

ディスプレイのサポート

本体ディスプレイで標準解像度(10億色対応)と以下を同時サポート:

  • 1台の外部ディスプレイで最大6K解像度、60Hz

HDMIデジタルビデオ出力

  • 最大4K解像度、120Hzのディスプレイ1台に対応(M3)

引用元:MacBook Pro (14インチ, M3, Nov 2023) - 技術仕様 (日本) (apple.com)

 

M2 Proは2画面出力をサポートしますが、M3は1画面のみ、またHDMIの最大解像度も8K/60Hz or 4K/240Hzから4K/120Hzに引き下げられています。

 

その④ 根本的な性能の罠

M3は単コア性能が向上しているというメリットがありますが、総合的にみると単コアの性能向上よりもM2 Proの10コアから8コアへのコア数削減の方が響いているようで、マルチコアでの性能はM2 Proが勝ります。また、GPUについてはM2 Proの16コアからM3では10コアと大幅に削減されています。後でも少し触れますが、M2世代→M3世代のGPU性能の向上はそこまで大きくなく、結果としてはM2 Pro VS M3のGPUベンチマークは数字上ではそれなりに大きな差が空いています。最新機種ではあるものの前世代の方が高性能であるというのが今回の14インチMacBook Proに潜む罠です。

 

 

さて、以上がM2 Pro機とM3機を比較して前者の方が優れている点です。M3をメモリ16GBに合わせてその他は最低構成で比較した場合、価格差は12,000円であり、米ドルだと$200です。筆者としては、M2 Proのほうが、12,000円多く出してでも買うべき理由があると思っています。

そしてこの価格の話はそれぞれの発売時の価格の話...M2 Proが売られなくなった今となっては叶わない話です。整備済製品に目を向けてみます。M2 Proが244,800円です。メモリは16GBです。ほぼ新品並の品質です。M3買う理由ほぼありません。

 

M3機の方が優れている点

M2 Proをとにかく持ち上げましたが、M3の方が優れている点もあります。

 

その① 単純に最小構成は安い

14インチMacBook Proというシリーズだけに着目し、メモリ等の仕様を無視すればシリーズではかなり安い部類ではあります。先の見出しでとにかくM3機を下げましたが、ディスプレイやスピーカー等の仕様は当然今までの14インチMacBook Proの血筋を汲んでいます。

つまり、ミニLED、Appleが言うところのXDRディスプレイやProMotionを使用したい場合など、マシンパワー以外の点に価値を見出しているのであれば検討の余地があります。

 

その② AV1ハードウェアデコードが明言されている

M3の大元であるA17 ProでAV1デコードのハードウェア支援が実装されたことが明言されており、M3ももちろん対応しています。おそらくA16 Bionic以前のApple Aシリーズは非対応、M2系以前のApple Mシリーズも「対応してるんじゃね?」という噂が流れる程度で明確な情報が無いのでおそらく非対応でした。AV1はジワジワと存在を感じるようになってきているため、対応していて損はない機能の1つです。

 

その③ レイトレーシングか使える

これもA17 Proが対応した機能で、M3でもハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングに対応しています。

 

その④ 電力効率が良い

Apple M2系のN5PからM3系では3nmプロセスを採用していることもあってか、電力効率面ではM3機がかなり有利なようです。外で使うことが多いのであればM3機の方がストレスがないかもしれない。公称3~4時間ほどM3機の方がバッテリーは持続することになっています。

 

その⑤ カスタムオーダーできる

M2 Pro機はAppleでの新品販売がなくなってしまったのでカスタムオーダーどころか新品の注文ができず、整備品を待つくらいしか選択肢がありません。当然M3機は現役世代なので新品で注文できますし、メモリやストレージ、キーボードのカスタムが可能です。特にUS配列キーボードが欲しい場合、M3機を選ぶべきです。

 

その⑥ ついてくるACアダプタが3Wだけ高出力

10コアCPU M2 Pro機を購入した場合は67W ACアダプタが付属しますが、M3機は何故か70Wに引き上げられています。

 

その⑦ SDR輝度が100nit高い

見出し通りSDR輝度が100nitだけ高いです。ただしHDRコンテンツ視聴時のピーク輝度は変わりません。

 

その⑧ Neural Engineの性能は高い

伸びが鈍いCPU, GPUと打って変わってNPUに関してはどの世代も順当に向上している傾向にあるため、ここは大きく差が空いていると思われます。ただ、どうやって体感するかはわからない。

 

以上がM3機の方が優れている点です。電力効率やAV1ハードウェアアクセラレーションなど筆者にとっても見逃せない項目は多々ありますが、コスパと性能、実用性はM2 Proの方が上だと感じました。

 

M2 ProはM3 Pro相手にも多少喧嘩を売れる

M2 ProとM3では世代の差こそあれど中堅とエントリーの比較であるためM2 Proが有利になる箇所があると言うのは想像に容易いです。しかし実はM2 Proは正統な後継であるM3 Proとも多少張り合えます。

まずメモリの帯域幅については先ほども触れた通り、M2 Proが200GB/sでM3 Proが150GB/sなので完全にM2 Proの方が上です。この点以外にも、M2 ProとM3 Proを比較すると「え?」みたいなのがあります。しかもこれがCPUとGPUという超重要パーツという点が驚きです。筆者は基本的に最小構成以外興味がないので、そこを比較します。

 

CPUの合計コア数は増えたが...

M2 Proは10コアCPUだったのに対し、M3 Proは11コアCPUになっているのでコア数は増えています。が、内訳を見てみると話がやや変わってきます。

Apple MやA10 Fusion以降のApple Siliconは高性能コアと高効率コアで構成されたヘテロジニアスマルチコア構成となっています。

M2 Proは6P4E (6×High-Performance Cores, 4×Energy-Efficient Cores) で構成されていたのに対し、M3 Proでは5P6Eとなっており、高性能コアが減り高効率コアが増えています。ただしM3 Proでは単コアの性能が向上しているため、基本的にはM3 Proの方がパフォーマンスは出るようです。"基本的には" というのはソフトウェアによってやや挙動が異なるようで、高性能コアの多いM2 Pro、もっと言えば8P2EのM1 Proの方が良い結果が出るソフトも少なからずあるらしい。

ちなみに全コア使用時の10コアCPU M2 Proと11コアCPU M3 ProのCPU性能はあまり変わらないんだとか。

 

GPUは明確に縮小

「どっちもどっち、まあM3 Proかな」的な立ち位置だったCPUと打って変わって、GPUはダメです。16コアから14コアに減少している上にベンチマークでは物量が多いM2 Proの方が上という結果になっています。同コア数で比較できるM2 MaxとM3 Maxの30コアGPU同士の比較を見るに、GPUの性能はあまり上がっていないようです。

これやっぱりメモリ帯域幅ケチったのが響いてるんじゃ...

ただしM3系はレイトレーシングが使えるのでゲーム用途ならアリです。ゲーマーはWindowsマシンでゲームするイメージがあ何でもないです。

 

 

M3 Proの最低価格は328,800円とM2 Proの時よりも上がっています。ただしこれは日本円の価値が下がったという話であり、現地価格は$1,990と据え置きになっています。

まあMacの値段が上がったか諭吉の価値が下がったかは消費者にとっては知ったことでは無い話です。乱暴な言い方ですが値段が上がったことには変わりありませんからね。

 

M3ファミリーと比較して

M3シリーズやM2 MacBook Pro等の検討も経て、筆者がたどり着いた答えがM2 Pro MacBook Proの整備品でした。M3に関してはほぼ敵ではなく、M3 Proに近い性能を持ち、尚且つ価格はM3 MacBook Proの8GBよりも安い。新品ではないが保証つきで品質も高い。

強いて言えば日本語JIS配列キーボードは配置も印字も汚ったないのでホントはUS配列が欲しかったです。もっと言えば筆者がMacでやることなんて高が知れているので単純な性能だけならM3で十分です。ただメモリとThunderbolt周りについてはどうしても妥協できなかったのでM2 Proの整備品にしました。お金を出すことに抵抗が無ければM3 Max買えば解決なんでしょうけどね。

 

今まで使ってたMacとは別物

Core i5-5250U / 4GB / 128GBと比較して。

何を当たり前な...と思われるかもしれないけど1年半前使っていたMacは2015年のモデルなので、色々と変わっていました。

Thunderbolt 2ポートはThunderbolt 4ポートになってるし、Touch IDは付いてるし、スピーカーは目立つようになっているし、Appleロゴは光らないし、USB Standard-Aは消えてるし、あとノッチも付いてるし...。トラックパッドもTapticになってますね。2015年モデルと2023年モデル、8年開くとMacもここまで変わるものなんですね。いやネットで情報仕入れたりとか展示機触ったりとかはしてたけどやはり自分の物として使うのはまた話が変わってきます。

あ、MagSafeは解雇されて戻ってきたみたいですね。HDMIポートも実装され、MacBook Proが実用性重視にまた回帰してきたのは良いことです。そしてバタフライキーボードとTouch Barを知らないMacユーザーとなりました。

 

iPadを外部ディスプレイに使える

macOS Catalinaリリース時、iPad mini側はSidecarに対応していたもののMacが古すぎて自分の環境では使えないという過去がありました。そんな悲しい過去からついに脱却、iPad側もiPad Proへと買い替えられついにMacもSidecar対応機に。

Sidecarといい、上の別物云々の話といい、それなりの世代のMac買ってれば絶対こうはならない話だと我ながら思うんだけどどんだけケチなんですかねこの筆者。

ちなみに、Touch Barを知らないと書きましたが若干嘘です。Sidecarを使った時、iPad側にTouch Barが表示されるのです。

不評だったけど無かったことにしてしまうには惜しい、そんな思いが感じ取れる。てかFnキーと共存させれば良いでしょ。何故Fnを消すかTouch Barを消すかっていう極端な話になる。

SideCar中もiPadとしての機能は生きているのでスクショは撮れます。逆にいうと、SideCar中は著作権保護コンテンツが表示できない等の制約が発生することがあります。SideCar中にMacBookの内蔵ディスプレイを使用してコンテンツを表示しようとしても起きるので、その場合はSideCarは諦める必要があります。

 

ディスプレイは少し拘りたかった

ProMotion対応はほぼ必須という話は先ほどの通り。これは手持ちの機器で120Hz対応機器が増えてきているためで、未だ対応していないのはWindowsマシンであるInspironくらいです。ここは今年か来年にどうにかする予定。(→記事編集中に買い換え目処立ちました。)

そしてAppleMacBook Pro有機ELではなくミニLED液晶ディスプレイを採用したこと。これはGJとしか言いようがありません。ノートPCやタブレット有機ELだなんて愚策もいいところです。しかし次期iPad ProやMacBook有機ELディスプレイの搭載が噂されています。このタイミングで購入したのはこの辺の事情もやや絡んでいます。極力、不必要な有機ELには関わらない人生を歩みたいですからね。

発色やHDRコンテンツの表示品質等ディスプレイの品質は、並のPCを寄せ付けない完成度でしょう。

 

充電保留機能はありがたい

筆者はバッテリーやSSDなど消耗品の扱いにはやや敏感で、PCやスマホに充電制御機能が付いていると大喜びします。

かつて使っていたMacBook Airには付いてなかったので諦めていたところ、どうやらこのMacBook Proにはついてるんですね。最近のMacBookだとついてくるんですかね。

ただこれ、mac側の制御に委ねられているのでユーザー側から細かい指定はできません。筆者としては85%までで充電を止めて欲しいのですが、この機能は "80%までで保留することもある" 機能です。ほっとけば100%まで充電されてしまう時もあります。ただ、無いよりは圧倒的に良い機能です。

 

正直メモリ16GBは微妙

筆者は新しく買ったものをあまり補正をかけて評価しない人間なので、届いて使って即気になった点。

ブラウジングとかしながらアクティビティモニターをチラチラ見ていた感想としては、メモリ16GBは心許ないです。筆者は中クリックを多用する人間なので一度ブラウザを開くと15個タブを開くまで閉じないと言われている (本人調べ) のですが、普通に全体でのメモリ使用量が10GBとか超えてきます。今まで見たピークが12GBだったかな?2~3種類ブラウザを同時に起動する筆者の使い方に問題が無いとは言いませんが「16GBで安心」な時代は終焉を迎えていると言えるでしょう。

16GBなら百譲ってまだいいです。ギリ使い切っていないので。問題は8GB搭載モデルです。先ほど「MacBook Proで8GBはダメだ」と書きましたが撤回します、「ProだろうがAirだろうが8GBのPCは売るな」です。WindowsMac問わずです。Chromebookは知らん。8GBで売っていいのは小学生に配るような、端からぶっ壊してくださいみたいな使い捨てPCだけです。今時iPhoneですら、2015年前半当時ハイエンドのiPhone 6に1GBのメモリを積んでいたiPhoneですら8GBの時代です。

5年使えるPCを目指したつもりでしたが、その前にメモリが足を引っ張りそうな予感。

4GBのMacBook Airとか1年半前よく動いてたな...

 

気になること

使っていて気になることいろいろ

 

外部ディスプレイでHiDPIが使い物にならない

これはM2 Pro MacBook Proに限った話でも無いのですが。

ここ数年のMacのディスプレイはスケーリングが前提となっており、スケーリング機能自体はWindowsなんて目じゃ無いレベルで非常に完成度が高いです。ただ、外部ディスプレイになると話は別です。

まずこちらは内蔵ディスプレイに対するスケーリングの設定画面。非常にわかりやすい設定画面でありながら、実は詳細な解像度も設定可能となっています。

そしてご覧いただきたいのがこちら。TCLの55C745に繋いだところ、なんとデフォルトだと1920×1080で出力します。ちなみにこの設定はHiDPIでも何でもなく、本当に1080pでまんま出力します。手動で設定を変えたところ、3840×2160 120Hz HDRでいけました。最初からこれ選べよ...というのはさておき、なんと等倍で出力するので流石に文字が小さかった。まさか...と思いながら設定を変えたり、調べたりしたところ、一部外部ディスプレイではHiDPIが 使えないことが判明した。

下の方にHiDPIとして出力する項目はありましたが、解像度が2048×1080で16:9でなかったり、画質が悪すぎたりとお話になりません。もっと言うと、HiDPIのものを選択するとリフレッシュレートが24Hzで固定になります。

この訳がわからないがとにかく迷惑なこの仕様、G3223Qだと発生しなかった。

これが筆者が想定していた挙動です。表記が違いますが、低解像度と書かれているものがそのままの解像度で出力、何も書いていないものはスケーリングまたはディスプレイに対して等倍です。

3840×2160 144Hz HDRでいけてます。

この問題の発生条件はよくわかりませんが、G3223Qと55C745の時で違う条件としては出力方法が挙げられます。G3223QはThunderbolt 4ポートからDP Alt Modeを利用してDisplayPortに出力しており、55C745はHDMIポートからHDMIポートに出力しています。

色々と調べてやってみたものの55C745だとどうしても4KでHiDPIはできなかったので、1080pで出力して使ってます。

 

アクセサリーが制限される

これもこの機種特有の問題というよりは最近のMacシリーズの設計上の問題の話です。

筆者は自分の腕のコントロールとか、力加減とか、注意力とかにあまり自信がないので、大抵の電子機器は保護フィルムなりケースなりを貼っています。PCの場合だとディスプレイとタッチパッドに保護フィルムを貼ることが多いのですが、MacBookは設計上閉じた時にディスプレイとキーボードにほぼ隙間が無いため保護フィルムが貼れないんですよね。あとディスプレイのコーティングが剥がれるとかで公式で非推奨となっています。24万円もするのでぜひディスプレイは守りたいんですけどこれどうにかなりませんかね。怖くて持ち出しとかできない。

 

起動時はTouch IDが使えない

これもmacOS側の仕様で、完全に電源が切られた状態からの復帰時はTouch IDが使えません。スリープからの復帰だと使えます。早い話がiPhoneとかと同じ仕様なんですが、前から思うんだけどこの仕様意味あります?どう考えたって、外で使う場合はFace IDやTouch IDよりもPINを手打ちする方が危険です。手元を動画で撮れば簡単にPINを破れますし、何だったら目視でもいけます。PINの忘却防止とかで意味があることは承知ですが、第三者がいる環境でパスワードを手で打つ危険さも考えていただきたいですね。

何よりいちいち起動時にパスワード打つの面倒です。

 

で、M2 Proで何するの?

6機の高性能コアと4機の高効率コアCPUと16コアGPUを備えたMacでやること。

Amazonで買い物とか?

Google検索とか?

音楽聴くとか?

 

言われずともわかってます、iPadで良いって。

Windows PCを買ったら確認した方が良いけどオフにはしない方が良い機能の話

ブログの存在忘れてる間になんかUI変わってる。

 

 

経緯

最近度々Twitter

「PCを起動したらBitLocker回復キーを求められて詰んだ」

というツイートを見かけるので、それについて触れようかと。

 

先に書いておくと

この記事に辿り着いた方の数割は「PCでBitLocker解除キーを求められたがわからないので調べてる」という状況の方だと思います。先に書いておくと筆者が案内できるのは「Microsoftアカウントにログインしてみてください」程度のものです。この記事は「BitLockerは何なのか」とか「この被害に遭わない為にするにはどうするか」といった予防策なので、解決方法を記しているわけではありません。後述しますが、BitLockerは暗号化技術であり、回復キーがわからない場合はどうしようもありません。鍵を紛失した金庫は開けられません、そういう話です。

 

BitLockerとは何か

ではまずBitLockerとは何なのかというと、WindowsのProエディションで提供されているストレージの暗号化技術です。簡単にいうと、PCに保存したデータをシステムとかも含めて暗号化するということです。近いものだとmacOSのFileVaultとか。

 

BitLocker回復キーとは何か

BitLocker回復キーは、BitLockerによる暗号化を解除することができる "唯一の" キーです。これを失くすとPCにはログインできなくなります。普段はPC側のTPMチップがこれを記憶しているため特に意識しなくてもPCを使用することができます。ただし、SSDを別のPCに移植して動かしたり、Windows不正アクセスされたと認識したり、TPMがキーを忘れたりするとBitLocker回復キーが求められます。

このキーは手動でBitLockerをオンにした場合はユーザー側に回復キーを控えるようアナウンスされます。また、Microsoftアカウントに回復キーが自動でバックアップされます。

 

Homeでも使えるBitLockerの正体

ここまで読んでいて「自分のPCはHomeだけどBitLockerに締め出されたわ!」って方も居ると思います。先程 "BitLockerはProエディション向けの機能である" と書きましたが、実は例外があります。

 

バイスの暗号化とは

Homeエディションでも使えるBitLockerの正体、それはずばり "デバイスの暗号化" です。特にかっこいい名前がついているとかでもなく、本当にそのままの名前です。BitLockerと非常に似た機能であり、詳しい公式での説明もなく、回復キー等の扱いも含めてBitLockerと一部同じであるためかなりややこしいのですが、BitLockerとは区別されている機能です。例えば、暗号化方式が選べなかったり、BitLocker to Goという外部ストレージの保護機能は使えません。元々はWindows RT向けに実装された機能であり、Windows 8.1で統合されました。また、Homeなら全デバイスで使えるという訳でもなく、システム要件が存在します。

 

バイスの暗号化のシステム要件

  • TPM 2.0をサポートしている
  • SecureBootに対応している
  • モダンスタンバイに対応している

これらが要件になります。

度々メーカーによる等の記載がありますが、厳密には違います。ただし、メーカーごとにある程度設計が似るため、メーカーごとに対応有無の傾向が出ている気はします。凄く大雑把に分けると、元々は国内ブランドであるPCは対応していないことが多く、海外ブランドのPCは対応していることが多いです。ただしこれは筆者の経験則なので、実際のところとか最近の事情は違うかもしれない。また、システム要件的に2017年以降のPCが対応していることが多いです。

Intel evo認定機種ならほとんど対応している気がする。

 

対応機種かの確認方法

まずPCを買ったらデバイスの暗号化に対応しているかPCかどうかを調べましょう。買う前から調べるのはなかなか難しいと思います。家電量販店とかで実機を触れるなら事前に確認することができます。

設定を開き、プライバシーとセキュリティを開いて、そこに "デバイスの暗号化" という項目があればそのPCは暗号化に対応しているPCです。

 

暗号化されているかの確認方法

使っているPCがすでに暗号化されているかどうかの確認方法。

手っ取り早いのは、エクスプローラーでCドライブのアイコンを確認してみてください。南京錠が解除されているアイコンがあれば、そのPCは暗号化されています。

こんな感じ。少しややこしいのは南京錠が解除されていれば暗号化されている点です。金庫は一時的に鍵を開けてアクセスする、それと同じイメージだと勝手に考えている。

もう少し丁寧に見るには、ディスクの管理から確認します。"BitLockerで暗号化済み" と書いてあるボリュームは暗号化されています。

 

当然ですが、回復領域等の、システム以外のボリュームは暗号化されません。んなとこ暗号化したら単体で初期化できなくなりますからね。

 

バイスの暗号化に潜む罠

「何もしていないのにBitLocker回復キー求められて詰んだ」

これが起きる原因について。デバイスの暗号化、この機能自体は全PCで対応すべきレベルの素晴らしい機能です。問題は、上述のシステム要件を満たしたデバイスMicrosoftアカウントを使用してログインした場合はユーザーに無断で暗号化をする、というとんでも無い仕様をしている点。これにより、ユーザーがこの機能を知らないままPCが暗号化され、ふとした拍子に回復キーを求められて何のこっちゃ、というのがこの話の全貌です。

何もしてないのに回復キーを求められてたまるかという感じですが、Windows Updateとかで回復キーを求められるパターンもあるのでユーザーが何もしてなくても引っ掛かることがあるのがこの機能の更なる罠です。

簡潔にいうと、勝手に暗号化しておきながら勝手にPCには入れなくなることがあるという非常に間抜けな仕様なのです。

 

回復キーを求められた時の唯一の希望

回復キーを控えていなかった場合。

自動暗号化の発火条件はMicrosoftアカウントにログインすることです。回復キーは暗号化される時に自動でMicrosoftアカウントに保存されるため、スマホや別のPCでMicrosoftアカウントにログインできれば回復キーを得ることができます。Microsoftアカウントのパスワードすら忘れたとか、どのMicrosoftアカウントでログインしてたかわからない等の場合は詰みです。

逆に言うと、Microsoftアカウントではなくローカルアカウントを使用している場合は自動暗号化は働きません。ただし "Microsoftアカウントを使用→自動暗号化→ローカルアカウントに切り替え" という操作をしたときにどういう挙動をするのかはわからない。

 

しかしオフにはしてほしくない

これは筆者個人の主張で、基本的にデバイスの暗号化は使えるなら使った方が良いと思います。家の中だけで使うとかであればまあオフでも良いのですが、そうでなければ基本オンにするべきです。データを盗まれて気分の良い人なんてそういません...よね?

今のご時世、モバイル端末の内部ストレージの暗号化なんて常識レベルです。システム要件を満たしたPCか、Proエディションでないとサポートしないとかケチなこと言っているWindowsの方が異常です。このページを読んでいる方にはスマートフォンでこの記事を読んでいる方も多いと思いますが、あなたが握っているそのスマートフォンだって暗号化されています。

窓を叩き割って書類を盗むよりも、デジタルデバイスからデータを盗む、そういう時代です。

 

バイスの暗号化と共存しよう

とはいえ、PCが突然BitLocker回復キーとか欲しがって使い物にならなくなったらそれも問題です。ではどうするか。BitLocker回復キーをメモする、以上です。

MSアカウントでログインしていたら勝手に暗号化されるので、さっさと回復キーを控えましょう。ただし、そのPC内に保存するのは言うまでもなく無意味なので、せめてiPhoneのメモとか、手帳に書いておくとか、そのPCとは別のところに保存してください。

また、Microsoftアカウントに自動でバックアップされるので、そこから確認することもできます。ただし、Microsoftアカウントのパスワードを忘れるとか、実は別のアカウントだったとかいう可能性もあるため、できるだけこれだけに頼らずメモをしておくことをお勧めします。

 

普通のパスワードではダメなのか

BitLockerの目的はもちろんユーザーへの嫌がらせでは無く、個人情報の漏洩の防止です。PCに少し詳しい、特にHDDとかSSDの換装をできる人であればわかると思いますが、PCのデータというのはかなりあっさりとぶっこ抜くことができます。PCはログインパスワードを設定していれば安心、ではありません。PCのログインパスワード自体はデータ保護という観点からはかなり無力で、パスワードがわからなくてもデータは盗めますし、ローカルアカウントの場合は第三者が任意のパスワードに改変してログインすることができてしまう程にガバガバです。

一方、BitLockerを設定していればデータが暗号化されているためかなりの高確率でデータを保護することができます。MicrosoftアカウントでPCにログインしている場合はパスワードの改変も効かないため、突破にもかなりの時間を要する、と思う。

 

バイスの暗号化の暗号化方式

Windows 10 1511以降はXTS-AES 128bitが採用されています。これ解読される心配するくらいならその前に回復キーの管理を考えましょうと言える程度には強固だと思う。そんな訳で、回復キー失くした場合は諦めてください。

まさか居ないとは思いますが、Windows 10 1507、Windows 8.1以前のOSを利用している場合はXTS-AESは使用できず、AES-CBCになります。

 

暗号化で遅くならない?

暗号化なんてしてたら動作が重くなるのでは?となりますがその点は心配無用です。ここ最近のCPU、少なくともここ10年程度のほとんどのCPUはAES-NI (AES New Instruction) というハードウェアアクセラレータが実装されているため、実用上の速度低下は無視できるレベルになっています。多分体感できません。暗号化されていようがされていまいがパフォーマンスにほぼ差が出ません。大きな差が出た場合、ほぼ間違いなくそれは暗号化以外の要素に左右されています。暗号化解除するよりも、Chromeのタブを一つ閉じたほうが軽くなるんじゃないですかね。

と、ここまで書いて一応ベンチマークを取ってみたのが以下。

Core i5-1235UはAES-NIに対応しています。

SSDはWD Black SN850、PCIe 4.0x4でCPUレーンに接続しています。

 

バイスの暗号化オフ

 

バイスの暗号化オン

正直に感想言います、意外と遅くなりますね←

ランダムアクセスについては数値上は無視できない速度低下です。無視できないのは数値上の話で、体感できるかは別問題です。SEQなら多分わからないけど細々したところで、横に並べて比較とかすれば流石に差はわかりそうですね。

 

とまあ、なんだか締まらない感じですがとりあえず暗号化はできればしておいたほうが良いと筆者は思います。

実際、↑程度の速度低下なら筆者は暗号化をとります。