おにぎりころころ

あいどるがすきです

カラフト伯父さん 初日

カラフト伯父さん、初日。
行ってまいりました。

いまの気持ちを忘れたくなくて、急きょつくったブログに、このままのきもちを書きます。感情をめもしておきたくて!ネタバレ含んでおります。






彼は、軽トラにのって現れました。

扉を荒く閉め、ストーブにしゃがみこむ姿、ソファにしずみこむ彼。息すらおさえて、彼の言葉を、待っていました。


はじめての言葉を、わたしは忘れません。いま見ている、目の前にいるひとは、伊野尾慧くんじゃなくて、それはまぎれもなく、とおるくんでした。言葉がなくても伝わる彼のこころを、はじめての姿を、ひとつも見逃したくなかった。


わたしは舞台真横の下手側にいて、インタビューで語っていた台本には「…」と書かれているというところの受け身の演技をするいのおくんがよく見えました。何度でも言いますが、そこにいたのはとおるくんでした。伊野尾慧を、感じることがないほどに。眉根をよせ、じっとしている。憤慨にぎゅっと握り締める白い手。あきれたかお。彼が向き合ってきたとおるくんが、そこにいました。噛み砕いて出した答えが、無言の中にありました。


仁美とのシーンで時おりみせる無邪気な姿。決してすなおじゃないけれど、彼のやさしさ、無邪気さが、仁美のおおらかさにつられて出ていて。ほんとうのたのしいとおるくんが、仁美とのシーンで見て取れて、いとおしくてたまらなかった。殿!とかふえっとか、ところどころたのしくっておちゃめなできゅーとなとおるくんが見れてうれしかった!


現れたそのときから舞台がおわるそのときまで、彼はとおるくんでした。たしかにとおるくんがそこにいた。生きていた。これが初日なんだろうか。これが初主演舞台なんだろうか。伊野尾慧くんの奥底のちからを見ました。


ここで急ですがわたしのすきなとおるくんの話をします!溶接をするシーン!

はあっ!って声がもれました。防護板をつけて、実際に火花が散って、ええもうこれは、かっこいいの一言につきます。まさかほんとうに火花散るとは思わなかったからびっくりして、かすかに香る焦げた匂いがして、舞台ってこんなリアルな演出もできるんだって感動しました。

ここが異常に頭から離れません。すきです。横顔完璧だ。男前だ。これに尽きます。ほかにもたくさんはわはわ舞い上がってしまったところはたくさんありますが、とりあえず興奮タイムおわり。


ひとつひとつの仕草を目に焼付けたくて、ただひたすらに見つめていました。

感情をまき散らして、缶にあたりちらす場面。痛々しいほどの缶を蹴る刺すような音。彼のきもちを表しているような、つめたくてとがった大きな音。ここ、胸が潰れそうになりました。くるしくてたまらなかった。カラフト伯父さんが必死に抑えようとして、仁美が泣き叫んで、それでも止まらないとおるくんの激情。


彼がこころのうちを告白して泣き叫ぶ姿。
真横から見ていると、どこか遠くで、彼を空の上から見ている気分でした。タオルがはずれ、彼のやわらかい髪が揺れたとき。ずっと帽子に隠れていたわたしの大好きな髪が見えたとき。とても儚いものを感じた。垂れる髪のように、彼のきもちが吐露されていく。

歩んできた過去。ひとりぼっちのくるしみ。たすけて、何度もひとりぼっちでさけんだんだろう。とおるくんは何度も何度もさけびました。カラフト伯父さんと。それは、全身全霊の声でした。彼の特徴的な高い声が、身の奥底から絞り出すような魂のさけびが、見る者みんなを圧倒していました。


それをわたしは真横から、どこか遠くの空からみている気分になりました。正面から彼の気を受けて、たくさんの方が涙をこぼし、鼻をすする声がきこえました。

くるしい。ああわたし、とんでもない人をすきになってしまった。その時そう思いました。こんな姿を見てしまったら、もうこの人から目を逸らせない。こんなにくるおしいほどの気持ちを秘めた人を、とんでもなくすきになってしまった。そう思いました。



わたしは、公演中涙を流すことはなくて。大泣きしてしまうかと思ったけれど、わたしの場合は涙はこぼれなくて。心を揺さぶられたすべての結果が涙ではなくて。

でもカーテンコールで、彼のすっきりしたえがおをみたとき、ああだめだ涙がでる、だめだすきだ、慧くんがいる、いま目の前で澄み切ったえがおを見せて深くおじぎをしているのは、伊野尾慧くんだ。

今まで無意識にこらえていたのかせきをきったように胸の奥がつまるようなものが押し寄せてきて、それが涙となってこぼれました。それほど切り替えを感じるほど、彼はとおるくんのなかにいました。慧くんのままの慧くんをみたとき、しぬほどいとおしくて、割れんばかりの拍手をして、涙をこぼしました。


すごく澄み切ったかおで、慧くんは笑っていて。きっとこの日を終えて、慧くんのなかで変わったこと、増えたきもち、たくさんあるんじゃないかなあ。



実はこれが、わたしのはじめての伊野尾慧くんの現場でした。当日券があることをのんきに昼ごはんを食べている時に知り、どうしようどうしよう、3時間迷った結果、電車に飛び乗りました。不安だけど、はじめての環境だけど、見れるかわからないけど、行かなきゃ後悔する。そう思ってどきどき心臓ばっくばく壊れそうなほどの状態で列に並び、初日の公演を経験することができました。決心したあのときのわたし、ないす。今日のことは一生わすれません。


伊野尾慧くん。

今日はじめてあなたに会いました。席は真横だったけれど、めちゃくちゃちかくて、しぬかとおもったけれど、生きて帰ってきてまたあなたのこれからを見れることがうれしいです。手をのばせば触れてしまうような距離で全身全霊でとおるくんでいる慧くんの手に、背中に、いとおしくてたまらなかった。叫び尽くしてちいさく震えながらうずくまる姿に、駆け出しそうになるほどに。抱きしめたくなるほどに、いとおしく思ったよ。


はじめてあなたの姿を昨日この目でみたとき、なんか、違うな。この人は、ほんとうにずっとみていた人なのかなと思ったのは、終演後思えば当然でした。舞台に現れたその瞬間から、慧くんは慧くんじゃなくてとおるくんとして舞台で生きていたからなんだね。そこにいたのは確かに伊野尾慧くんだったのだけど、伊野尾慧くんではなくて、でもそれはまぎれもなく伊野尾慧くんで。もうなんて言ったらわからない。なにいってんだろう。すき。


たくさんのはじめてを1日で経験したけれど、慧くんのはじめての場所に、いることができてほんとうによかった。ほんとうにしあわせでした。ありがとう。


まだまだかれはたくさんのものを持っているとおもいます。まだまだある公演のなかで、きっといくつもの成長をするのでしょう。来週もう一度観劇するとき、発見するあたらしいことがたのしみです。

いのおくんのことがほんとうにすきです。今日でまたすきになったよ。ありがとう。これからの公演もがんばってね。こんなことしか言えないファンだけど、慧くんのことが大好きです。