「経営者がバカだと社員が不幸」というネット記事のタイトルが目に入る
私も経営者なので、(ああ、経営者である私がバカだと社員に申し訳がないなぁ)なんて脊髄反射で考えたりする
そしてふと
(よく考えればこのフレーズは何の意味もないな)などとも思う
「経営者がバカだと社員が不幸」って言うけれど
なんだってそうじゃん?
「経営者がバカだと社員が不幸」
「社員がバカだと経営者が不幸」
「親がバカだと子が不幸」
「子がバカだと親が不幸」
「夫がバカだと妻が不幸」
「妻がバカだと夫が不幸」
「先生がバカだと生徒が不幸」
「生徒がバカだと先生が不幸」
まあ、なんでもそうですよ。そりゃそうだ。
多少なり依存度の有る関係性を持ちだせば、そりゃ、どっちかを「バカ」とし、対象を「不幸」とすれば、普通に成り立つ。
それも、これも
「バカ」も「不幸」も、言葉としての解像度が荒いからですかね。
「バカ」にだって色々な種類がある。
「不幸」にだって色々な種類がある。
そういう事をぼやかして、「〇〇がバカだと△△が不幸」と書いておけば、読み手がそれぞれ好みの「バカの種類」と「不幸の種類」を当てはめれば良いから、そりゃ、成り立つ。
例えば少し具体化してみる。
仮に、「バカ」の種類を「計算が苦手」として、「不幸の種類」を「給料が下がる」としてみると
「経営者がバカだと社員が不幸」
が
「経営者が計算が苦手だと社員が給料が下がる」
となる。
「経営者が計算が苦手だと社員が給料が下がる」???
まあ、そういう事もあるかもしれないけれど、そうじゃない場合だっていっぱいあるんじゃないかな…
…って感じになりますよね?
つまり、具体化すると、成り立たないケースの存在に気が付いてくる。もちろん成り立つケースもあるわけですが。
ということは、「言葉」というのは、
出来るだけ曖昧に表現し、言い切っておくと、「ああ、そうだね」と、聞き手が勝手にポジティブに解釈してしまう…
…そういうモノなのかも知れない
もうちょっと検証してみましょうか?
例えば、先ほどのケース
「経営者が計算が苦手だと社員が給料が下がる」について
出来るだけ「正解」のケースを導き出すために、あえて「不幸」の方を「給料が下がる」に固定しておいて、「バカ」の方を、「給料が下がる」と因果関係がありそうなものに、変えてみる。
「バカ」を「金儲けが下手」にしてみましょう。
そうすると?
「経営者が金儲けが下手だと社員が給料が下がる」
となる。
???
いや、確かに、それっぽい。
それっぽいが、これ、ホントか?
世の中に、金儲けが下手な経営者が経営している会社なんて、沢山あるでしょ?
そういう会社たちは、それぞれに、それぞれの理由で、成功しているんでしょ?
それに例えば「損(そん)して得(とく)取れ」なんていう言葉があるでしょう?
例えば何でも気前よく、割引しちゃったり、無料でサービスしちゃうような、気前が良すぎるオーナーが経営している小売店があったとして、
でもそういうサービス精神で、客の人気や好感を獲得して、店が繁盛しちゃうような。
そういう事ってありますよ。たぶん、沢山ある。
だからですねーやっぱり具体的に言おうとすると、成り立ち辛くなる。
そんな気がします。
そういうですね
掘り下げちゃうんですよね私は。
というか、掘り下げるのが好きと言うかですね。
「経営者がバカだと社員が不幸」という記事のタイトルが目に入ったら、
ん?本当にそうかな?掘り下げて、より具体的にしてみたら、違うんじゃないかな…
なんてね
そういう風に、考えたくなります。
オルタネーティブな発想をしたがる… というか
そんな私、どうでしょうか?
私、バカでしょうか?
私も経営者なんですけどね?バカでしょうかね?
まあ、「天才」とか「頭が良い」とは言わないまでも、バカでは無いような気がしているんですよ自分では。
でもですねー
いちいち、掘り下げるんで、
社員の皆さんは大変です
社員「社長、この経費認めてください」
私「なんで?これなんなの?他の検討したの?これが妥当だってどうして言えるの?」
社長「社長、このアイデア商品化したいです」
私「なんで?なんでこれが売れるって言えるの?ターゲットは誰なの?参入障壁はどうやって作るの?この商品に哲学はあるの?」
こんな感じで
社員の皆さんは大変です
そう考えるとですね
「経営者がバカじゃ無いほうが社員が不幸」
とも、言えそうですねwww
おしまい