さかき原枝都は 

さかき原枝都は へのご連絡やその他……です。

奇襲、そして……さようなら Ⅲ

トライアングルサーバー・エイジェンシー

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その頃霧崎とその姿を現した ラ・イルヴェィズはある計画を実行すべくその準備に追われていた。

 アンジェが飛び立った後、 ラ・イルヴェィズは霧崎に進言する。

 「彼女一人ではこの軍勢には太刀打ちできまい。いかにあの機体が高性能であり、戦闘能力にたけていたにせよその結果は火を見るより明らかだ」

 「ではどうすると言うのだ。何か策でもあると言うのか」

  ラ・イルヴェィズはその表情を少し崩し
 「ここを廃棄する」

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Emaergency Doctor 救命医 Ⅶ(7)

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 Emaergency Doctor 救命医 Ⅶ

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人は出会いの数だけ別れの数がある。
その出会いがどんなに自分の人生に関わろうとも必ず別れは訪れる。
そして、いずれやってくる別れも突如に来るのか、それとも静かに忍び寄るのか……それはその時にならなけらばわからない。

気持ちと心の決別は死を受け入れる事よりも辛いことだった。
愛する人との別れ。
永遠の別れ。
愛したまま自分の前からその存在を失くすことは出来なかった。

だが人はその悲しみから逃れるすべを一つだけ持ち備えていた。俺はその時その一つにすべてを捧げようとした。
その心に残る思い出と言う心の想いを封じ込めるために。

自らその別れを封じ込め、想いと言う心の共存を拒んだのだ。
彼女の事をこの心から忘れ去る事が今の自分に課せられた使命であるかのように。

 

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Emaergency Doctor 救命医Ⅵ

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Emaergency Doctor 救命医Ⅵ

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あの時緊急搬送された。赤い血にまみれた……まゆみの姿を……

医者はなんのために医者であるのだろうか。
俺が医者になろうと思い、医学部を目指したあの頃の想いと、今外科医としてメスを振るう俺の想いは同じものとは言えない。
医師になろうとしてこの世界に入る切っ掛けは様々だ。

一種のステータスとして医師を目指す者。
親が医者、医療関係の環境からそれを目指す者。
自らが命を救われ、医療と言う道を目指した者。
そして、自分の愛する者の命が目の前で消え去ったのを目(ま)の当たりにした者……

俺は……

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Emaergency Doctor 救命医Ⅴ

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Emaergency Doctor 救命医Ⅴ

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石見下理都子、彼女とは北部医科大学で6年間共に大学生活を送っていた仲だった。当時俺は彼女の姉「石見下まゆみ」と付き合っていた。


理都子とは同期だったがまゆみは俺らより5歳上。少し年の離れた恋人だった。だが彼女からはそんな年の差を感じさせる雰囲気は何も感じさせなかった。

優しくそして明るく誰とでも気さくな性格。おまけに学内上位クラスの美人才女だった。

もちろん学内での人気は高く、教授からも一目置かれていた存在だった。そしてその姉を追うかのように理都子もまた学内においては成績上位の才女だった。

 だが彼女は姉とは違いあまり人とは関わらないタイプの女性だった。

そう理都子は常に姉の後を追い、いつか姉のまゆみを超す事が目標だった。

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Emaergency Doctor 救命医 Ⅳ

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Emaergency Doctor 救命医 Ⅳ
 

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直ちにオペをしなければこの患者は死ぬ。

刻々とその状態を変化させる症状。今がよくともその後は……
医療において絶対と言う言葉は不釣り合いだ。


絶対に大丈夫と言うのはその場しのぎの言葉でしかない。いや、その言葉は確実なる確証がなければ使ってはいけない言葉だ。


だが、時にその言葉は病む心を前向きにさせ新たなる一歩を踏み出す勇気を与える言葉となる場合もある。


死の淵をさまようその命の炎を呼び戻す。
例えその炎が風前の灯とかしても、絶対に最後まであきらめない。


いや、俺は、我々はその気持ちを絶対に絶やしてはいけないのだから。

 

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