じゃまな涙、じゃまな汗、じゃまな涙


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正直、小劇団の舞台に良い思い出があまりなくて、と言っても過去に一度だけ、知人が音楽を担当するので誘われて観に行っただけなんだけれど。そもそも知ってる人が舞台上にいるわけでもなく、前知識もない、なんの思い入れもない、そんな状態で楽しめる訳ないんだけども、そんな気持ちでいたもんだから、期待はしていませんでした。

ただ、見たことのない大和さんが見られるなら、それだけで舞台『窒息』観劇して来ました。

以下はチラシに書かれていたあらすじ。

とある田舎の喫茶店。
のどかさ溢れる街にある小さな喫茶店。
同時にそれはとても閉鎖的。
喫茶店を経営する女。旦那がいる。
その部下が女の元彼。
よく店にもくる。
なんならたまに会っている。
なんならたまにセックスもする。

他の客もそう。
まぁ~色々、ある。いえないことある。
田舎ってすげえそう。
人間関係、閉塞、窒息。

そこに都会から演出家がやってくる。
リアルを追求する演出家。
町おこしの一環で芝居やる。

街の人は参加する。
その稽古の中で、暴かれていく関係性。
稽古は狂気を帯びてくる
あ〜なんだか、やっぱり、苦しいや。

 大和さんの役は配送業のドライバー(多分。青い作業着姿)で町興しの演劇の舞台となる喫茶店を経営する女性の妹の彼氏「久人(ひさと)」でした。

久人は大和さんのお仕事の都合で浅井の後輩・シナモンズの坂東くんとのダブルキャスト
私は大和さん出演回しか観られていないんだけど、久人は元々脚本の金沢さんが大和さんをイメージして作った人物らしいと聞いて、そちらがどんな様子だったかとても気になりました。(大和さん曰く、坂東くん回では自分ではなかった箇所で笑いが起きていたそうですが)

私が観に行ったのは大和さん初回と千秋楽の2回。
初回の時はいつものように最前のどセンターを陣取ってしまったんだけど、途中で少し後悔とまでは行かないまでもひどく複雑な気持ちに。『見たことのない大和さん』が本当に見たことなさ過ぎて、よもやまさか推しのラブシーンしかもかなり激しめのやつが目の前で繰り広げられて、かなり動揺してしまいました。
(この動揺はいわゆるそういうんじゃないことだけはわかっていただきたい。単純な戸惑いと恥ずかしさ)
大和さんが舞台にいなかったのは全体を通しても3割ほど、残りの7割はずっと目の前にいて、しかもそのほとんどがラブシーン。
いやもうほんとどきどきしてしまった。
品のない言い方をしてしまうけど、とにかく大和さんったら終始エロったい。色気がもんのすごい。
普段から色気のある人だなあとは思ってるんだけど、それが惜しげも無く目の前で繰り広げられて、正気でなんていられようか。
彼女に求められて俯く首筋から顎のライン、赤く染まる耳、捲られた袖から覗く細い腕とその先の大きな手が女性の身体を掻き抱く様、普段の漫才やコント、MCをやってる姿からは想像もできなくて、本当に本当に息を飲むしかなかった。
コントもある意味演技をしている訳なんだけど、そこに色気は不要なわけで、でも今まではそこに見え隠れする大和さんの魅力を目ざとく見つけてワーワーしてたのに、全力の、100%のそういう姿を見せられている。ひどいもんです、大和さんの色気。

ここまでエロい大和さんのことしか書いてないな、すみません。とにかく衝撃的だったもので。
先に書いたように、本当に劇の中身自体には期待していなかったんだけど、蓋を開けてみたらお話もとても面白かった。
宮地さん演じる演出家に皆んなが心酔していく様は、まるで新興宗教の教祖の手腕を見せつけられているようで、カリスマっていうのはこういう人のことなんだなと思ったりもしました。
2回観たおかげで序盤に散りばめられていた伏線にも気付けたし、初回では響かなかった久人の誘惑に負けやすく女性に弱い情けなくも純粋なキャラクターも堪能できた。
終始漂う官能的な雰囲気と緊迫感、それと少しの笑い、魅力的な演者さんたち、場面転換に使われた爆音のゆらゆら帝国からの暗転、とても満足しました。
大オチまでは。
というのも、今回の『窒息』、実は劇全体がゲネプロだったっていう設定で、最後の最後に事故で不在だった演出家の女性・野方鞭子が現れて全てを否定(うんこ呼ばわり)してセンスのない最悪の演出に仕切り直すっていうのが大オチで。
ここ、まじで個人的にはいらないと思ってしまいました。あのまま終わっても全っ然良いお話だったのに。
何より傍若無人すぎる振舞いの鞭子を何故皆んながそんなに恐れているのかがわからず、もしかしたらそれこそカリスマ、天才演出家だっていう設定だったんだとしても突然現れすぎて全く彼女のそれが見えてこない。
それだけが残念でした。
あと千秋楽では思いがけない箇所で笑いが起きていて、それは大和さんの演技の部分だったんだけど、お客さんにちらほらと芸人さんや某有名作家さん等もいらしてて、もしかしたら「あの大和さんがあんなことをしている!」っていう笑いだったのかしら。だとしたらちょっとそれも残念にも思う。

スパローズとしては相方である森田さんがいない今だからこその今回のお仕事、ちょっと複雑ではありますが、良い機会を与えてくれてありがたいことです。
大和さんのこれからに何らかの影響を及ぼしたのは間違いないようなので、2015後半のスパローズには期待しかないです。

しかしこの舞台、一番感想を聞きたいのは森田さん以外いないのにな!