思い出さんぽ

10月である。

ついこの前まで夏が胡坐をかいて座っていたのに、いつの間にか涼しい風が吹き始め、気づけば上着を着て外出しなければならなくなった。

つくづく、どんな人間にも時間というものは平等に流れているのだなあと思う。

 

高校生の頃だっただろうか。

受験勉強で記憶しなければならないことが多すぎたせいか、私の頭はキャパシティを超えていて、思い出というものを思い出として保管しておくことが一時期できなくなっていた。

そのせいか、心から楽しかったことや嬉しかったことを、どうにかもう一度体験することはできないものかとよく考えていたし、ハリーポッターで登場する魔法道具「憂いのふるい*」には全力で心が惹かれた。

 

*「憂いのふるい」・・・残しておきたい記憶をふるいの中に残し、いつでも追体験できる魔法道具)

 

しかし、目標に全速力な人は、ただひたすら前だけを見据えて毎日を生きているものだ。

 

平等な時間というものを効率よく使うには、私のように時折人生に立ち止まり、自分が歩んだ過去(と呼んでも良いのか分からないくらい数日前のこと)をしみじみ考えては反芻し、味わい深く思い出に浸るのんびり屋ではいけないのである。

 

そんなことを自ら言い聞かせても、人間すぐに変わるものではない。

このブログはそんな私が過去を振り返りたくなった時に、容易く思い出さんぽができるよう、記憶と感情の記録として作ったものである。

 

思えば今年の夏は、退職、転職、引っ越しとライフイベントが盛りだくさんで、様々な局面におちいり、その度に多くの人に励まされ、助けられた。

思い出の詰まった2017年の夏よ、さようなら。

笑いあり、涙あり、汗かきまくりの日々をありがとう。

過ぎ去った日々を追体験することはできない。
しかし、この一瞬の感情や景色や記憶を忘れたくない。ずっと覚えておきたい、と思ったときの手段はいくつかあるのだ。

それは人によって「写真」だったり「絵」だったりと様々だが、私にとっては「書く」ことである。

人生なんて刹那的に過ぎ去っていく。

秋が深まり、記憶が薄れないうちに、身の回りで変化したことや、思い出を少しずつ記録していきたい。   

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